専門学校の学費は平均いくら?
入学金や授業料などの費用、奨学金制度について解説

高校を卒業したあとの進学先には、大学や短期大学のほか、専門学校があります。しかし、専門学校の平均的な学費は大学に比べて把握しづらく、どれくらいのお金を準備すればいいのか不安に思われる人も多いでしょう。

学校間だけではなく、専攻分野によっても差が出やすい点が、専門学校の学費が把握しにくい理由です。

そこで、入学金や授業料など費用の内訳とともに、専門学校の学費を詳しく解説します。さらに、専門学校の学費に対する支援制度やおすすめの学費の準備方法もあわせて紹介します。

※本記事は、2024年3月現在の内容です。

専門学校の学費の平均はいくら?

そもそも専門学校とは「専修学校」と呼ばれる学校の専門課程のことです。仕事に必要な知識やスキル、資格などを修得するための職業教育機関で、大学と同じ高等教育機関に属しています。2020年時点で全国に約2,800校あります(※1)。

(※1)参考:文部科学省「専修学校 #知る専」

専門学校の通学期間は1年制から4年制までさまざまです。実際には、大学に比べると学習内容や目的が明確な分、短期間で効率よく履修できる2年制を採用している学校が多いです。

東京都専修学校各種学校協会のデータによると、2022年度、入学金や授業料などを含めた専門学校の初年度納入金は平均約128万円です(※2)。

(※2)参考:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和4年度 専修学校各種学校調査統計資料」

専門学校の専攻分野は、以下の8つに分かれます。

1. 工業
2. 農業
3. 医療
4. 衛生
5. 教育・社会福祉
6. 商業実務
7. 服飾・家政
8. 文化・教養

先述した初年度納入金の約128万円は「専門学校の平均学費」を知る目安にはなりますが、分野ごとに金額には大きな開きがある点に注意しましょう。

ここでは、専門学校のなかでも特に人気の高い、医療系、文化・教養系、工業系の3つの専攻分野の平均学費をそれぞれ紹介します。

専攻分野ごとの平均学費①医療系

医療系分野は専門学校でもっとも学生の多い専攻分野で、看護師や理学療法士などの国家資格取得に向けた実習が多く、平均学費は全体的に高い傾向にあります。

また、医療系のほとんどが3年制を採用しているため、在学中にかかる学費の総額が2年制の学校より上がります。

学科区分 初年度納入金 平均金額
看護 約1,156,000円
臨床検査、診療放射線、臨床工学 約1,466,000円
理学療法、作業療法 約1,776,000円
はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧 約1,735,000円
柔道整復 約1,615,000円
歯科技工、歯科衛生 約1,159,000円
その他 約1,521,000円

出典:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和4年度 専修学校各種学校調査統計資料」

医療系は学科区分ごとの学費差があり、初年度納入金(入学金・授業料・実習費・設備費など)の平均では、約116万円から約177万円まで約60万円の開きがあります。

学校数が多いため学校ごとの違いも大きく、例えば「理学療法、作業療法」の初年度納入金は130万円から206万円です。金額だけではなく、修得できる内容や実習の充実度などから、適切な学費かどうか判断しましょう。

専攻分野ごとの平均学費②文化・教養系

文化・教養系には、アートや映像、声優、語学、スポーツなど、クリエイティブからエンタメまでさまざまなジャンルが含まれます。

学科区分 初年度納入金 平均金額
語学 約1,214,000円
美術、デザイン、写真 約1,388,000円
音楽、演劇、映画、放送 約1,047,000円
法律行政 約1,210,000円
スポーツ 約1,300,000円
動物 約1,289,000円
アニメ、声優、ゲーム 約1,132,000円
その他 約883,000円

出典:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和4年度 専修学校各種学校調査統計資料」

アニメやゲーム、音楽、映画など、先端技術を必要とする学科が多く、実習費に加えて設備費にお金がかかる傾向です。

専攻分野ごとの平均学費③工業系

工業系は、自動車整備士や建築士などのほか、最近はIT関連やゲーム・CGなどのジャンルも人気が高くなっています。

学科区分 初年度納入金 平均金額
土木・建築、測量 約1,242,000円
自動車整備 約1,262,000円
情報処理・IT 約1,210,000円
電気・電子、機械、その他 約1,237,000円
ゲーム・CG 約1,412,000円
その他 約1,348,000円

出典:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和4年度 専修学校各種学校調査統計資料」

学科別の平均学費ではゲーム・CGがやや突出して高いものの、ほかの学科はほぼ横並びです。ただし、学科によっては個人でパソコン購入が必要になる可能性が高いため、学費以外のコストも考慮しておきましょう。

国公立大学や私立大学の平均学費との違い

専門学校は大学と同じ高等教育機関に当たるため、大学の平均学費との違いが気になる人も多いでしょう。

大学の学費は国立・公立・私立の種別によって変わります。国立大学は国に決められた標準額(大学の判断で20%まで値上げが可能)、自治体が出資する公立大学はおおむね国立大学に準じた金額、私立大学は大学ごと・学部ごとに学費に違いが出る傾向です。

大学の種別 初年度納入金 平均金額 補足
国立大学 約81万円 入学金282,000円・授業料535,800円とも、標準額で計算
公立大学 約93万円 公立大学は地域内進学・地域外進学で学費が変わる場合も多いため、ここではより高額な地域外進学の平均学費を紹介
私立大学 約118万円 私立大学は国公立大学のような補助金がほとんどなく、大学ごとや学部ごとによって学費差がある点に注意

参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに作成

上記のデータから、専門学校の平均学費は私立大学に近いといえます。ただし、多くの専門学校が2年制であるのに対し、大学は一部の学部を除いて4年制です。そのため、在籍中にかかるトータルの学費は私立大学のほうが高いと推測されます。

専門学校で学費以外に必要な費用

日本学生支援機構の調査では、食費や交通費などにかかる大学生の生活費は年間約66万円(月あたり約5.5万円)とあり、専門学校であっても在籍中は一定の生活費を確保する必要があるでしょう(※)。

(※)参考:独立行政法人 日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査実施要領」

さらに、自宅通学ではなく下宿の場合、家賃や光熱費の支払いにより生活費の負担が増えます。

専門学校の多くは交通の便がいい都心や街中に開校されているため、エリアによっては家賃が高額になり、生活費がかさむでしょう。また、専攻分野や学科によっては、パソコンなどの学習用品の購入も必要です。

専門学校の学費を支援する制度

専門学校の1年あたりの学費は私立大学とさほど変わらず、分野や学科によって平均よりもはるかに高額になる場合もあります。学費の支払いが難しいと感じたら、負担を軽減できる支援制度を活用しましょう。

※ 制度に関する記載は2024年3月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。

高等教育の修学支援新制度

通称「大学無償化」とも呼ばれる高等教育の就学支援新制度は、授業料の免除あるいは減額と給付型奨学金、二つの支援を同時に受けられる仕組みです。

「大学無償化」とありますが、98%の大学と短期大学、全高等専門学校、さらに79%の専門学校が対象です(※)。

(※)2023年10月2日時点

お子さまの進学する専門学校が対象校であれば、以下の要件を満たす場合、制度を利用できます。

  • 世帯収入や資産の要件を満たしている
  • 学ぶ意欲がある

支給額は、世帯収入や家族構成によって変わります。自宅から通う私立専門学校生の場合、授業料の減免は入学金約16万円・授業料約59万円、給付型奨学金は約46万円が上限です。

申込みは高校3年生の4月下旬から、在籍する高校を通じて申込みます。また、専門学校へ入学後であっても、要件を満たせば支援対象となります。

奨学金制度

多くの学生に選択されている学費の支援方法が、奨学金制度です。

代表的な制度は日本学生支援機構による奨学金ですが、ほかにも地方自治体による奨学金制度、専門学校独自の特待制度など、さまざまな奨学金制度があります。

以下で、日本学生支援機構による奨学金制度とその他の奨学金制度に分けて詳しく紹介します。

日本学生支援機構による奨学金制度

返済不要の給付型奨学金、返済が必要な貸与型奨学金(無利子・有利子)の3種類です。利用するには、世帯収入の要件、学校の成績やレポートによる学修意欲などの基準を満たすことが求められます。

その他の奨学金制度

地方自治体を含む奨学金制度の実施団体は、2024年2月時点で656団体です(※)。お申込みのタイミングや条件などはそれぞれ異なるので、詳しくは各団体に問い合わせましょう。

また、独自の奨学金制度を設ける専門学校は多く、学校の成績や所有する資格などによって、数万円から数十万円の奨学金を受けられる場合があります。

(※)参考:独立行政法人 日本学生支援機構「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」

専門学校の学費を準備する方法

専門学校の平均学費は、トータルで見ると私立大学よりやや低く、国公立大学よりやや高めです。専攻分野や通学期間にも左右されますが、進学するにはまとまったお金の準備が必要です。

そこで、タイプ別に専門学校の学費を準備する方法を紹介します。

コツコツ準備するなら学資保険

学資保険は、子どもの教育費を計画的に準備できる貯蓄型保険です。

保険料を払い込み、子どもの入学や進学にあわせたタイミングで教育資金・満期保険金を受け取れます。保険料の払込みは毎月一定額ずつでも可能なため、家計への負担を抑えながら専門学校の学費を準備できるでしょう。

また、保険ならではの保障も備えられます。学資保険の多くは、契約者に万一のことがあれば、以降は保険料の払込みが免除され、教育資金・満期保険金はその後も保険料の払込みがあったものとして受け取れます。

ただし、途中で解約すると、解約返戻金額が払い込んだ保険料の総額を下回ってしまう恐れもあるため注意しましょう。

急いで準備するなら教育ローン

教育費を準備していても、希望する専門学校の学費が想定より高ければ、初年度納入金に足りない可能性もあります。「今すぐ不足金額を補いたい」、「急いでお金を準備したい」場合には、教育ローンの利用を検討しましょう。

教育ローンは大きく二つに分かれます。

種類 実施機関 特徴
国の教育ローン
(教育一般貸付)
日本政策金融公庫 一定の世帯年収以内の家庭を対象に、ひとりあたり原則として350万円までを融資。学費以外にも交通費やパソコン購入など幅広く使える。低所得世帯には金利の優遇もある。
民間の教育ローン 民間の金融機関 金融機関により適用条件は異なるが、世帯年収の上限がないなど、国の教育ローンより申込みのハードルが低く、融資限度額も大きい。金融機関によって「変動金利」と「固定金利」を選択できる。

教育ローンは必要な金額を一度にまとめて借り入れられるため、さまざまな用途に柔軟に使えます。

専門学校の学費を学資保険で準備するなら「明治安田生命つみたて学資」がおすすめ

明治安田生命つみたて学資」は、専門学校等への入学にあわせて、教育資金・満期保険金を計4回に分けて受け取れる学資保険です。

初年度納入金、在学中の授業料や生活費などに幅広く活用できるうえに、卒業したあとの独立準備までサポートできます。

ご契約者に万一のことがあれば、教育資金・満期保険金の受け取りはそのまま、以降の保険料の払込みが免除されるため安心です。

また、「明治安田生命つみたて学資」は、最大127.4%(※1)の受取率(※2)を実現した学資保険です。リスクを抑えて着実に必要な学資に備えたい人におすすめします。

(※1)保険契約の型:Ⅰ型/ご契約者:25歳 男性/被保険者(お子さま):0歳/21歳満期/基準保険金額: 70万円/一括払込は10歳払込満了(新年掛)/保険料率:2025年4月2日現在
(※2)受取率とは、払込保険料の累計額に対する満期までの受取総額の割合をいいます。また、受取率はご契約内容によって異なります。

まとめ

専門学校の平均学費は、入学金と授業料をあわせて年間約128万円です。ただし、専門学校や専攻分野、通学期間などで、学費に差がみられます。

しかし、年間の平均学費は私立大学と大差がありません。そのため、専門学校へ進学するには、まとまった教育費を準備する必要があります。できるだけ早いタイミングで子どもの将来を見据えたお金の準備をはじめましょう。

「明治安田生命つみたて学資」は、費用がかさむ専門学校等への進学の時期に、4回にわたって教育資金・満期保険金を受け取れます。入学時や在学中の学費から卒業後の独立準備まで、計画的にお金を用意したい人はぜひご検討ください。

※明治安田生命つみたて学資をご検討・ご契約いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。

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