
教育ローンとは?
メリット・デメリットと奨学金との違いを解説
教育ローンは、子どもの学費や在学費用を借入れできるローンです。大きく「国の教育ローン(教育一般貸付)」と「民間金融機関の教育ローン」に分けられます。
この記事では、国・民間金融機関が提供する教育ローンの特徴と奨学金との違い、教育ローンのメリット・デメリットを解説します。子どもの教育費をどのように用意すべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

教育ローンとは
教育ローンとは、教育にかかわる費用を借入れするためのローンです。以下の二つに大別されます。
- 国の教育ローン(教育一般貸付)
- 民間金融機関が提供する教育ローン
国の教育ローン
国の教育ローンは、政策金融機関である「日本政策金融公庫」が取り扱う教育ローンのことで、正式には「教育一般貸付」といいます。政策金融機関とは、民間金融機関の補完を目的に運営される国の金融機関です。
項目 | 概要 |
---|---|
対象者 | 対象の学校に入学・在学する人の保護者で世帯年収が一定金額以下の人 |
融資上限 | 在学する子ども1人につき350万円(一定の要件を満たす場合は450万円) |
金利 | 利率固定型1.95%(2023年6月時点) |
融資金は、学校に納める入学金や授業料、施設設備費だけでなく、受験にかかる費用や定期券代、賃貸物件の費用、パソコン購入費など幅広く利用できます。また、日本学生支援機構の奨学金との併用も可能です。
※教育一般貸付に関する記載は2023年6月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。
民間金融機関の教育ローン
民間の金融機関が提供している教育ローンは、金融機関所定の条件を満たしていれば申込みが可能です。
金利や借入上限額、返済期間などの融資条件も金融機関によって異なります。金利相場は年2.0~5.0%程度であり、国の教育ローンと比べると高めです。
教育ローンと奨学金の違い
教育ローンと奨学金は、主に「融資金の受取方法」と「借入れ・返済をする人」が異なります。
奨学金制度は、経済的な理由で進学できない人が学費の給付や貸与を受けられる制度です。地方公共団体や大学が行なうものなどがありますが、日本学生支援機構の奨学金が最も一般的です。
日本学生支援機構の奨学金は、大きく分けると「給付型(返済不要)」と「貸与型(要返済)」の二つがあります。
また、貸与型はさらに「第一種奨学金(無利子)」と「第二種奨学金(有利子)」に分けられます。
教育ローンでは、原則として保護者に融資金が一括で貸付され、返済も保護者が行ないますが、奨学金は学生本人に一定額が分割で貸与され、学生本人が返済する仕組みです。
そのほか、教育ローンと奨学金には主に以下の違いがあります。
項目 | 教育ローン | 奨学金制度 |
---|---|---|
対象者 | 保護者または子ども(学生) | 子ども(学生) |
金利 | 奨学金と比べて高め | 無利子または低金利 |
融資上限 | 子ども1人につき350万円、一定の要件に該当すれば450万円(国の教育ローンの場合) | 第一種奨学金:月額20,000~64,000円 第二種奨学金:月額20,000~120,000円 |
融資金の受取方法 | 一括 | 毎月定額 |
申込みのタイミング | いつでも | 決められた時期の期限内 |
教育ローンのメリット
教育ローンは、必要なときに利用しやすい自由度の高さが特徴です。ここでは、奨学金制度との違いに触れながら教育ローンを利用するメリットを解説します。
- 子どもに返済の負担がかからない
- 幅広い使途に充てられる
- 必要なタイミングで申込みできる
- 子どもの学力を問われない

子どもに返済の負担がかからない
教育ローンは、基本的に保護者が借入れ・返済をするため、子どもに返済の負担をかけずに利用できます。奨学金の場合は、子どもが返済していかなくてはなりません。
また、教育ローンによっては家庭の状況にあわせて、学生本人が申し込む方法や卒業後に返済を子どもに引き継ぐ親子での返済も選択できます。
幅広い使途に充てられる
国の教育ローンは、学校に納める入学金や授業料だけでなく、幅広い使い道に利用できます。
- 学校納付金(入学金、授業料、施設設備費など)
- 受験費用(受験料、交通費・宿泊費など)
- 在学にかかる住居費用(敷金・家賃など)
- 教科書・教材費
- パソコン購入費
- 学費用
- 修学旅行費用
- 学生の国民年金保険料
- ローンにかかる保証料 など
出典:日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)ご利用条件」
また、民間金融機関の教育ローンでも、教育にかかわる費用に幅広く利用できます。ただし、一部の金融機関では使途が学校納付金に限られていることもあるため、事前に確認しましょう。
また、使途が分かる書類の提出が必要な点には注意してください。
必要なタイミングで申込みできる
国の教育ローン・民間金融機関の教育ローンは、1年を通していつでも申込みできます。奨学金は申込みの時期が決まっており、必要なときにいつでも申し込めるわけではありません。
ただし、国の教育ローンは審査結果の通知までに10日前後、融資金の受け取りまでに10日前後かかります。
特に、申込みが混み合う10月~3月は通常より日数がかかる場合があるため、必要な時期の2~3ヵ月前には申込みしましょう。
民間金融機関の教育ローンは金融機関によって異なりますが、一般的に借入れまで10日~2週間程度かかります。したがって、教育ローンの場合も余裕をもっての申込みが必要です。
子どもの学力を問われない
教育ローンに申込みする際、基本的に子どもの学力は問われません。日本学生支援機構の奨学金では、学力基準が要件に含まれています。
教育ローンは金融機関所定の申込条件を満たせば申込みできるため、奨学金を利用できない人でも借入れできる可能性があります。
教育ローンのデメリット
教育ローンは教育資金が必要なときに便利なサービスですが、利用前に知っておきたい注意点もあります。
- 奨学金と比べて金利が高め
- 収入基準を満たす必要がある
- 審査によっては借りられない
奨学金と比べて金利が高め
教育ローンの金利は、使い道が決まっていないカードローンやフリーローンと比べると低金利ですが、奨学金と比べると高めです。
日本学生支援機構の奨学金は、第一種奨学金なら無利子、第二種奨学金でも年1.0%未満の低金利で借入れできます(2023年6月時点)。
一方、国の教育ローンの金利は1.95%(2023年6月時点)、民間の教育ローンは年2.0~5.0%程度が相場です。
なお、国の教育ローンの場合、以下の要件を満たす人は金利が1.55%に優遇されます。
- 交通遺児家庭
- 母子家庭・父子家庭
- 世帯年収200万円(所得132万円)以内
- 扶養する子どもが3人以上で、かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内
出典:日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)金利・ご返済方法」
収入基準を満たす必要がある
国の教育ローンでは、扶養する子どもの人数に応じた収入制限が設けられています。
扶養する子どもの人数 | 世帯年収(所得)の上限 |
---|---|
1人 | 790万円(600万円)(※) |
2人 | 890万円(690万円)(※) |
3人 | 990万円(790万円) |
4人 | 1,090万円(890万円) |
5人 | 1,190万円(990万円) |
出典:日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)ご利用条件」
※要件を満たすと上限が990万円(790万円)に緩和されます。
例えば、扶養する子どもの人数が1人のとき、世帯年収が790万円(所得600万円)を超える場合は利用できません。
ただし、子どもが2人以下の場合は、一定要件を満たせば世帯年収990万円(所得790万円)まで緩和されます。
民間金融機関の教育ローンの場合、収入の上限はありません。ただし、「年収200万円以上」というように年収が一定額以上でなければ申込みできない場合があります。
勤続年数の基準が設けられている場合もあるので、事前に条件を満たしているかを確認しましょう。
審査によっては借りられない
国の教育ローン・民間金融機関の教育ローンを利用するには、申込後の審査に通過する必要があります。
審査では、申込内容や提出書類をもとに、収入の状況やローンの利用状況、借入状況などから貸付できるかどうかが総合的に判断されます。
審査の内容や具体的な基準は明らかにされていませんが、返済能力が不足していると判断されて審査に通過できない場合、借入れはできません。
教育費の準備は計画的に
人生のなかでまとまったお金がかかるタイミングはいくつかありますが、教育費は住宅・老後と並ぶ大きな支出です。
なかでも大学にかかる教育費は、大きな金額になります。以下は、国公立大学・私立大学(文系)・私立大学(理系)に4年間通った場合の教育費の目安です。
国公立 | 私立(文系) | 私立(理系) | |
---|---|---|---|
入学費用 | 672,000円 | 818,000円 | 888,000円 |
在学費用 | 4,140,000円 | 6,080,000円 | 7,328,000円 |
合計 | 4,812,000円 | 6,898,000円 | 8,216,000円 |
出典:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果(2021年度)」をもとに作成
実際の教育費は、国公立・私立や自宅通学・下宿などで大きく変わってくるため一概には言えませんが、目標を決めて計画的に備えることが重要です。
教育費を計画的に準備できる
「明治安田生命つみたて学資」
教育費を用意する方法の一つに、学資保険があります。学資保険は、毎月決まった保険料を払い込み、契約時に決めたタイミングで教育資金や満期保険金を受け取れる保険です。
「明治安田生命つみたて学資」は、お子さまの成長にあわせて教育費に備えられる学資保険です。
教育費のなかでも費用がかさみやすい大学などの時期にあわせて、教育資金・満期保険金を合計4回受け取れます。
保険料の払込みは、最も長いプランでもお子さまが15歳になるまでです。高校生までに払込みを終えられるのも魅力の一つです。
また、ご契約者さまに万一のことがあった場合は、以降の保険料の払込みが免除され、その後も保障が継続します。
教育費を計画的・確実に準備したい人は、ぜひ「明治安田生命つみたて学資」をご検討ください。
※保険商品をご検討・ご契約いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。
まとめ
教育ローンとは、入学金や授業料、受験費用、教材費など教育に関するさまざまな費用に利用できるローンです。
国の教育ローン(教育一般貸付)と民間金融機関の教育ローンの二つがあり、特徴が異なります。
また、学生本人が返済する奨学金に対して、教育ローンは原則として保護者が借入れ・返済を行ないます。教育ローンと奨学金は併用もできるため、家庭の状況に応じてよく検討しましょう。
子どもの教育費は大きな金額となるため、早めの準備が必要です。計画的に準備したい人は、学資保険での備えもご検討ください。
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