
終身保険とは?
メリット・デメリットと定期保険・養老保険との違い
終身保険は、保障が一生涯続く死亡保険です。万一のことがいつあっても、遺族が確実に死亡保険金を受け取れます。解約すると解約返戻金が受け取れるため、老後の備えにも活用が可能です。
この記事では、終身保険のメリット・デメリットと種類を解説します。定期保険や養老保険との違いも説明するので、ぜひ参考にしてください。

終身保険とは?
終身保険は、人々の生死に関わる「生命保険」の一つで、満期がなく保障が一生涯続く死亡保険です。保険料は、契約時のまま変わりません。
万一への備えが主な目的ですが、契約期間中に解約すると「解約返戻金」が受け取れるため貯蓄としても活用できます。ただし、満期がないため「満期保険金」は受け取れません。
終身保険のメリット
終身保険は、ずっと変わらない保険料で一生涯の保障が得られる保険です。主に以下のメリットがあります。
- 確実にお金を遺せる
- 老後に備えられる
- 死亡保険金には相続税の非課税枠がある
- 生命保険料控除の対象となる
確実にお金を遺せる
保障が一生涯続くため、被保険者がいつ亡くなったとしても、遺族などが死亡保険金を受け取れるのが終身保険の特徴です。解約しない限り、わたしたい相手に確実にお金を遺せます。
また、保険会社によっても異なりますが、多くの保険会社では請求から1週間程度であらかじめ指定した保険金受取人が死亡保険金を受け取れます。そのため、葬式費用や相続税の納税費用にも充てられます。
老後に備えられる
終身保険は、保険料が掛け捨てにならない貯蓄型の保険です。お金が必要になったタイミングで解約し、解約返戻金としてまとまったお金を受け取れるため、老後資金への備えとしても活用できます。
契約から一定期間を経過すると、解約返戻金が払い込んだ保険料を上回る場合もあります。
死亡保険金には相続税の非課税枠がある
終身保険の死亡保険金は「500万円×法定相続人の人数」まで相続税が非課税になるため、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
例えば、法定相続人が配偶者と子ども3人の場合、500万円×4人=2,000万円までは相続税が課税されません。
ただし、非課税枠が適用されるのは相続人が死亡保険金を受け取った場合に限ります。相続を放棄した人や相続権を失った人、相続人以外が死亡保険金を受け取った場合、非課税枠は適用されません。
生命保険料控除の対象となる
終身保険の保険料を払い込んでいる場合、年末調整または確定申告で手続きすれば「生命保険料控除」の適用が受けられます。生命保険料控除とは、払い込んだ生命保険料に応じて所得から一定額を差し引ける制度です。
生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つがあり、終身保険には一般生命保険料控除が適用されます。控除限度額は、各保険料控除で40,000円(住民税28,000円)、3つ合計で120,000円(住民税70,000円)です。
生命保険料控除が適用されると控除された分だけ所得が少なくなるため、所得税・住民税の負担を抑えられます。
※税法上の取扱いについては2023年6月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。
終身保険のデメリット
終身保険は、万一だけでなく老後にも備えられる保険ですが、デメリットもあります。以下の点も踏まえて検討しましょう。
- 掛け捨て型保険と比べて保険料が高め
- 解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る場合がある
- 払込保険料が死亡保険金より多くなる可能性がある
掛け捨て型保険と比べて保険料が高め
終身保険には貯蓄機能があるため、一般的に同じ保障内容の場合、掛け捨て型の保険と比べると保険料が高めです。
手厚い保障が必要な時期のみ定期保険で備えるなど、保険料とのバランスをみながら目的に応じて保障を用意しましょう。なお、生命保険の保険料は、契約する年齢が若いほど低くなるのが一般的です。
解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る場合がある
終身保険を途中で解約すると、解約返戻金が払い込んだ保険料よりも少なくなる場合があります。なぜなら、保険料の一部は死亡保険金の支払いや経費に充てられており、全額が積み立てられるわけではないからです。
特に、契約後短期間で解約すると、解約返戻金がまったくないまたはごくわずかです。解約すると以降は保障もなくなるため、慎重に検討する必要があります。また、解約する前にその時点の解約返戻金額を確認することが大切です。
払込保険料が死亡保険金より多くなる可能性がある
保険料を終身払込みにした場合、毎月の保険料は抑えられますが、払込保険料が死亡保険金を上回る可能性があります。長生きすればするほど払い込む保険料が大きくなる点に注意しましょう。
また、生存している限り払込みが続くため、高齢になると毎月の払込みが負担になる可能性もあります。なお、終身保険の保険料払込期間は、主に以下の3種類です。
- 一時払い:契約時に全期間の保険料をまとめて払い込む
- 有期払い:一定期間や一定の年齢まで保険料を払い込む
- 終身払い:生存している限り保険料を払い込み続ける
終身保険はほかの保険とどう違う?
定期保険や養老保険も生死に関わる生命保険ですが、保険期間や保険料、解約返戻金・満期保険金の有無などが異なります。
- 定期保険:一定期間のみ保障される死亡保険
- 養老保険:死亡保障と貯蓄機能の両方を備えた生死混合保険

定期保険との違い
保障が一生涯続く終身保険に対し、定期保険は保険期間が決まっている死亡保険です。契約時に定められた保険期間中に死亡・高度障害状態になった場合に、死亡保険金・高度障害保険金が受け取れます。
項目 | 定期保険 | 終身保険 |
---|---|---|
保険期間 | 一定期間 | 一生涯 |
保険料 | 一般的に保障内容が同じ場合、終身保険と比べて低め | 一般的に保障内容が同じ場合、定期保険と比べて高め |
解約返戻金 | ないかあってもごくわずか | あり |
満期保険金 | なし | なし |
定期保険は基本的に掛け捨て型であるため、一部の商品を除いては、解約返戻金や満期保険金がありませんが、保険料を抑えられる点が特徴です。終身保険に比べて少ない保険料で多くの保険金を準備できる可能性もあります。
割安な保険料で一定期間の保障が得られるので、「子どもが独立するまで」「退職するまで」など一定期間の保障を手厚くしたい場合に適しています。
なお、終身保険の保険料は契約時のまま変わりませんが、定期保険を更新する場合は更新時の年齢で保険料が決まるため、保険料は上がるのが一般的です。
養老保険との違い
養老保険は、死亡保障と貯蓄機能の両方を備えた生死混合保険です。保険期間が決まっており、死亡・高度障害状態になった場合は死亡保険金・高度障害保険金、満期まで生存していた場合は死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。
項目 | 養老保険 | 終身保険 |
---|---|---|
保険期間 | 一定期間 | 一生涯 |
保険料 | 一般的に保障内容が同じ場合、終身保険と比べてやや高め | 一般的に保障内容が同じ場合、養老保険と比べてやや低め |
解約返戻金 | あり | あり |
満期保険金 | あり | なし |
保険期間が決まっていない終身保険に対し、養老保険は保険期間が決まっており、満期時に満期保険金を受け取れます。満期を迎えると保障がなくなるため、遺すよりも貯蓄が目的の人に適した保険です。
なお、養老保険は一般的に同じ保障内容の場合、終身保険と比べると保険料がやや高い傾向があります。
終身保険の種類
終身保険には、いくつか種類があります。保障が一生涯続き、死亡・高度障害状態になった場合に死亡保険金が受け取れる点は共通していますが、保険料や受け取る保険金・解約返戻金が変わってくるため、特徴を知っておきましょう。
定額終身保険 | 契約時に定められた予定利率に基づき運用される保険 |
---|---|
変額終身保険 | 運用実績に応じて保険金や解約返戻金が変動する保険 |
低解約返戻金型終身保険 | 保険料払込期間中の解約返戻金を抑えることで保険料が割安に設定されている保険 |
積立利率変動型終身保険 | 市場金利の動きにあわせて積立利率が一定期間ごとに見直される保険 |
外貨建終身保険 | 保険料の払込みや受取りを外貨建で行なう保険 |
定額終身保険
定額終身保険は、終身保険の基本となるタイプで、契約時に定められた予定利率(※)に基づき、運用される保険です。
予定利率が固定されており、あらかじめ将来受け取れる解約返戻金額が確定しているため計画が立てやすい一方で、物価が継続的に上昇するインフレに対応しにくいという特徴があります。
(※)予定利率で保険料が運用されるわけではありません。
変額終身保険
変額終身保険は、払い込んだ保険料を株式や債券で運用し、その実績に応じて受け取れる保険金や解約返戻金が変動する終身保険です。
運用実績が良ければ受け取れる保険金や解約返戻金が増え、運用実績が悪くなれば保険金や解約返戻金も減ります。運用実績にかかわらず、死亡保険金は基本保険金額が最低保証されています。ただし、解約返戻金には最低保証がありません。
低解約払戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を抑える分、保険料が割安に設定された保険です。
一般的に、保険料払込期間を終えると、払い込んだ保険料よりも多くの解約返戻金が受け取れます。
途中解約する可能性が低く、割安な保険料で万一に備えたい人に適した終身保険です。
積立利率変動型終身保険
積立利率変動型終身保険は、市場金利の動きにあわせて積立利率が一定期間ごとに見直される終身保険です。
市場金利の変動によって利率が上がれば、受け取れる保険金や解約返戻金が増えます。また、積立利率には最低保証が設けられており、それを下回ることはありません。少しでもインフレに対応できる終身保険を選びたい人に適した保険です。
外貨建終身保険
外貨建終身保険は、保険料の払込みや受取りを米ドルやユーロなどの外貨で行なう終身保険です。
日本よりも金利の高い外貨で運用することで、より多くの保険金や解約返戻金を受け取れる可能性があります。ただし、金利の変動状況によっては期待どおりの利益が見込めないリスクもあります。
また、為替変動の影響を受ける点に注意が必要です。例えば、1ドル=100円のときに100万円(10,000米ドル)で契約して11,000米ドルになった場合、日本円での受取り時に1ドル=80円になっていれば、円換算では88万円に減ってしまいます。
為替変動によっては、円換算での保険金額が払込保険料を下回る場合がある点を理解しておきましょう。また、外貨と円を交換する際に為替手数料がかかります。
幅広い目的に備えられる
「明治安田生命じぶんの積立」
生命保険にはさまざまな種類がありそれぞれ特徴が異なるため、目的に応じて選ぶことが重要です。
万一に備えながら将来や目的に向けて貯蓄したいと考えているなら、「明治安田生命じぶんの積立」をご検討ください。
「明治安田生命じぶんの積立」は、旅行や趣味、教育資金、結婚資金など幅広い目的に備えられる積立保険です。月々5,000円から無理なく積み立てでき、払込みは5年間(保険期間は10年間)で終了するため気軽に始められます。
万一の際には死亡給付金、満期時に生存していれば満期保険金をお受け取りいただけます。また、いつ解約しても100%以上の受取率(※)なので安心です。
「明治安田生命じぶんの積立」に興味をお持ちの人は、保険料や解約時の返済金、満期時の満期保険金をシミュレーションできる「かんたんシミュレーション」をご利用ください。
※受取率とは、払込保険料の累計額に対する満期までの受取総額の割合をいいます。
※保険商品をご検討・ご契約いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。
まとめ
終身保険は、保険期間の定めがない死亡保険です。保障が一生涯続くため、わたしたい相手に確実に遺すことができます。また、契約から期間が経過するほど解約返戻金が増えるため、将来への備えとしての利用も可能です。
定期保険や養老保険との違いや終身保険の種類を理解し、目的にあった保障を用意しましょう。
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