個人年金保険とiDeCoの違い
や併用について解説!年金の
準備にどちらを選ぶべき?

大きな資金がかかる老後に備えて、どのような方法で年金を準備すればよいか迷っている人も多いのではないでしょうか。

「個人年金保険」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、いずれも公的年金の上乗せとして自ら備えられる手段の一つです。

本記事では、個人年金保険とiDeCoの違い、適している人を解説します。老後への備えに迷っている人は、参考にしてください。

個人年金保険とは

個人年金保険とは、公的年金の上乗せとして自分で申込みして加入する年金保険です。保険料を払い込み、契約時に決めた一定の年齢になると一定期間または一生涯にわたり年金が受け取れる貯蓄型の保険です。多くの場合、公的年金では足りない部分をまかなう目的や、年金の支給が開始されるまでの空白期間をカバーする目的で利用されます。

個人年金保険は、年金の受取期間により、確定年金や保証期間付終身年金などに分けられます。「確定年金」は、契約時に決めた一定期間年金が受け取れるタイプです。

一方、「保証期間付終身年金」は、一定の保証期間中は生死にかかわらず年金が受け取れ、その後は生存している限り受け取れます。

また、将来受け取れる金額が決まっている定額個人年金保険や、運用実績により年金額が変動する変額個人年金保険などがあります。

公的年金との違い

日本の年金制度は、3階建ての仕組みになっています。

  • 1階部分:国民年金(公的年金)
  • 2階部分:厚生年金(公的年金)
  • 3階部分:企業年金や個人型確定拠出年金などの私的年金

1階部分の国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人に加入が義務付けられています。保険料の納付月数や加入期間などに応じて年金額が決まり、原則として65歳から老齢基礎年金が受け取れます。

2階部分の厚生年金は、会社などに勤めている人が加入します。会社員や公務員は、厚生年金に加入するため、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取れます。

一方、個人年金保険は、1階・2階部分の公的年金や3階部分の企業年金などを補完する目的で、任意で準備するものです。公的年金とは違い、自ら保険会社に申込みする必要があります。保険料は商品によってさまざまで、公的年金とは違い受け取る金額も自分で決めることが可能です。

※制度に関する記載は2023年3月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、個人が自分で掛金を拠出して自ら選んだ運用方法で運用し、60歳以降に掛金と運用益の合計を受け取れる年金制度です。

日本の年金制度の3階部分にあたる私的年金の一つで、公的年金の上乗せとして老後資金に備えられます。

iDeCoに加入できるのは、一定の条件を満たす20歳以上65歳未満のすべての人です。掛金は毎月5,000円から拠出でき、自営業・会社員・会社員の被扶養者など公的年金の加入区分に応じて上限が決められています。

会社員の場合は、勤務先の企業年金制度により上限が異なるので注意しましょう。運用できる商品には、元本確保型の定期預金や保険と、投資信託があり、自分で選択して組み合わせます。

iDeCoの大きな特徴は、「掛金が全額所得控除の対象になる」、「運用益が非課税になる」、「受け取る際に公的年金等控除や退職所得控除の対象になる」といった税制上の優遇を受けられる点です。

※iDeCoに関する記載は2023年3月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。

※税法上の取扱いについては2023年3月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。

個人年金保険とiDeCoを比較

老後資金の備えを検討している人のなかには、個人年金保険とiDeCoで迷っている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、自分にあった年金の積立方法を知りたい人向けに、個人年金保険とiDeCoの特徴と注意点を比較します。

個人年金保険とiDeCoの特徴を比較


個人年金保険とiDeCoの主な特徴は、それぞれ以下のとおりです。

個人年金保険 iDeCo
・老後の年金を計画的に準備できる
・個人年金保険料控除を受けられる場合がある
・運用を保険会社に任せられる
・保険料払込期間や受取期間などを選択できる
・掛金の全額が所得控除の対象となる
・運用益が非課税になる
・年金を受け取る際に退職所得控除または公的年金等控除の対象となる

定額個人年金保険の場合、あらかじめ将来の年金額が決まっているため、計画的・着実に老後の年金を準備できます。積立期間や受取期間を柔軟に決めることができ、運用は保険会社に任せられます。

また、個人年金保険は、「生命保険料控除」の対象です。生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つがあり、一定の条件を満たす個人年金保険は、一般の生命保険料控除とは別に個人年金保険料控除が適用されるため、所得税・住民税をより軽減できる可能性があります。

一方、iDeCoは、税法上の優遇が多い制度といえます。掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になるため、所得税・住民税の負担を抑えられます。運用益が非課税になる、受け取る際に公的年金等控除や退職所得控除の対象になる点が特徴です。

※税法上の取扱いについては2023年3月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。

個人年金保険とiDeCoの注意点を比較

次に、個人年金保険とiDeCoの注意点を解説します。

個人年金保険 iDeCo
・主に定額個人年金の場合、将来インフレとなった場合、資産価値が目減りする
・中途解約すると解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る可能性がある
・原則として60歳になるまで引き出せない
・投資信託などで運用する場合は元本を下回るリスクがある
・自分で運用商品や組み合わせを決める必要がある

定額個人年金保険の場合、あらかじめ年金額が決まっているため安心ですが、将来インフレとなった場合、資産の価値が目減りしてしまいます。

また、途中で解約すると解約返戻金の額が払い込んだ保険料を下回る可能性があるため、保険料払込期間終了まで継続することが大切です。

一方、iDeCoは、掛金拠出の停止は可能ですが、原則として60歳になるまで引き出しできない点に注意が必要です。

また、自分で運用商品や組み合わせを決める必要があるため、時間や手間がかかる傾向があります。投資信託で運用する場合は、元本を下回るリスクもあります。運用実績によって、将来の年金額が変動する点も理解しておきましょう。

年金を準備するには個人年金保険と
iDeCoどちらを選ぶ?

個人年金保険とiDeCoは、いずれも公的年金を補完する目的で私的に加入するものであり、自分にあった方法を選ぶことが大切です。

個人年金保険とiDeCoは、それぞれ以下のような人に適しています。

<個人年金保険が適している人>

  • 計画的・安定的に老後に備えたい人
  • 運用先を保険会社に任せたい人
  • 将来受け取れる年金額を確定させたい人

<iDeCoが適している人>

  • 運用商品や組み合わせを自分で決めたい・決める時間が取れる人
  • 景気などに応じて運用先を変えたい人

個人年金保険は、将来受け取れる年金額を確定させ、計画的・安定的に備えたい人に適した保険です。

一方、iDeCoは、運用商品や組み合わせを決める時間が取れる人に適した制度です。途中で運用商品を変えることもできるため、景気などに応じて運用先を変更したい人にも適しています。

個人年金保険とiDeCoに関する
知っておきたいポイント

個人年金保険とiDeCoのどちらを選ぶべきか迷っている人のために、個人年金保険とiDeCoの併用・乗り換えに関するポイントを解説します。

個人年金保険とiDeCoの併用もできる

個人年金保険とiDeCoは、併用も可能です。個人年金保険で生命保険料控除、iDeCoで小規模企業共済等掛金控除が受けられれば、所得税・住民税の負担を抑えられます。

iDeCoは、公的年金の加入区分によって決まる上限までしか掛金を拠出できません。会社員の場合は、公的年金の加入区分に応じて月額12,000円~23,000円、公務員は月額12,000円が上限となっているため、家計に余裕がある場合は個人年金保険との併用も検討すると良いでしょう。

また、契約の時点で将来の年金額が確定している個人年金保険と、元本を下回る可能性も伴うiDeCoを併用すれば、リスク分散にもなります。

iDeCoは原則として60歳まで引き出せませんが、個人年金保険ならいざというときは解約も可能です。ただし、途中で解約すると解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る可能性がある点には注意しましょう。

個人年金保険とiDeCoを併用する際は、無理なく払い込める保険料・掛金にすることが大切です。

個人年金保険とiDeCoの乗り換えは慎重に検討する

iDeCoから個人年金保険に変更したい場合は、掛金の拠出を停止すれば、負担を増やさず乗り換えられます。ただし、すでに積み立てた掛金と運用益は、原則として60歳まで引き出せません。

一方、個人年金保険からiDeCoに変更したい場合は、個人年金保険を解約すれば解約返戻金が受け取れます。ただし、解約のタイミングなどによっては払い込んだ保険料を下回るため、解約前の確認が必要です。

上記のとおり、個人年金保険とiDeCoは双方に乗り換えが可能ですが、注意点もあるため、慎重に検討する必要があります。

老後資金など幅広い目的に備えられる
「明治安田生命じぶんの積立」

「明治安田生命じぶんの積立」は、年金の上乗せや趣味・教育・旅行資金など、幅広い目的に備えられる積立保険です。

積み立ては月々5,000円から、保険料の払込みは5年間と、少額・短期で始められます。月々の保険料をご指定の口座から引き落としで払込みできるので、計画的に備えられます。

また、「明治安田生命じぶんの積立」の解約返戻金の返戻率は100%以上で、満期保険金の受取率(保険期間は10年間)は103%です。ご契約の時点で将来受け取れる保険金額が確定しているので、安定的に備えたい人に適しています。

さらに、保険としての安心も備わっており、災害死亡給付金は既払込保険料の1.1倍です。

無理なく積み立てを始めたい人、公的年金以外にも備えたい人は、ぜひご検討ください。

※保険商品をご検討・ご契約いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。

まとめ

年金を準備する方法には、個人年金保険やiDeCoなどを利用する方法があります。いずれも公的年金の上乗せとして備えられる点では共通していますが、解約時や税金の取扱いなど違いもあります。

個人年金保険とiDeCoの併用を検討するのも手段の一つです。

両者の特徴や違いを理解し、自分にあった方法で老後への備えを始めましょう。

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