少額短期保険(ミニ保険)の
メリット・デメリットは?
一般の保険との違いも解説

少額短期保険(ミニ保険)とは、保険金額が少額、かつ保険期間が短期の保険です。保障・補償内容がシンプルで分かりやすく、一般の保険にないような独自性の高い商品も多く提供されています。

この記事では、少額短期保険(ミニ保険)の仕組みとメリット・デメリットを一般の保険との違いに触れながら解説します。

少額短期保険の仕組みを詳しく知りたい人、一般の保険との違いが気になる人はぜひご覧ください。

※本記事は、2023年10月現在の内容です。

少額短期保険(ミニ保険)とは?

少額短期保険とは、保険金額が少額かつ保険期間が短期の保険のことで、ミニ保険ともいいます。

「少額短期保険業制度」は、2006年4月1日に改正保険業法が施行され、新たに導入された制度です(※1)。導入前は、共済事業を行なう団体が増加するなか、契約者保護が課題となっていました。

そこで、根拠法のない共済に関して契約者保護を目的に保険業法が改正され、スタートしたのが少額短期保険制度です。

これまで根拠法がないままに共済(※2)事業を運営していた事業者(無認可共済事業者)は、改正によって「保険会社」または「少額短期保険業者」として規制を受けることになりました。現在、少額短期保険を扱う業者は118社です(2023年7月時点)。

少額短期保険の保険期間は、損害保険が2年以内、生命保険・医療保険が1年以内と決まっています。また、保険金額は、保険の区分ごとに上限が設けられています。

以下で詳しくみていきましょう。

※1 制度に関する記載は2023年8月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。
※2 共済:人の死亡や疾病・傷害などが発生した際の給付金の支払い、または偶然の事故で生じた損害の補償を約束し、保険料を収受する保険です。

少額短期保険(ミニ保険)の保険金額

少額短期保険の保険金額は、保険の区分に応じて以下のとおり上限が決まっています。

区分 保険金額の上限
死亡保険 300万円
医療保険 80万円
疾病等を原因とする重度障害保険 300万円
傷害を原因とする特定重度障害保険 600万円
傷害死亡保険 300万円
(調整規定付き傷害死亡保険の場合は、600万円)
損害保険 1,000万円
低発生率保険 1,000万円

出典:日本少額短期保険協会「少額短期保険業とは」を参考に作成

なお、低発生率保険を除く6区分の保険の合計で1,000万円が上限です。

少額短期保険業者と保険会社の違い

少額短期保険業者と保険会社の主な違いは、以下のとおりです。

項目 少額短期保険業者 保険会社
参入要件 登録制(財務局) 免許制(金融庁)
生損保兼営 不可
最低資本金 1,000万円 10億円
事業規模の規制 年間収受保険料が50億円以下 制限なし
保険金額 総額1,000万円以下 制限なし
保険期間 損保:2年
生保・医療:1年
制限なし
契約者保護 なし(供託金制度あり) あり

出典:日本少額短期保険協会「少額短期保険業とは」近畿財務局「少額短期保険業について」を参考に作成

少額短期保険業者は保険会社と異なり、事業規模に規制が設けられています。また、保険金額や保険期間に制限があるのも特徴です。

一方で、保険会社の場合、生命保険と損害保険の両方を取り扱うことは禁止されていますが、少額短期保険業者は兼営が認められています。

少額短期保険(ミニ保険)のメリット

少額短期保険(ミニ保険)は、一般の保険とは特徴が異なります。主なメリットは以下のとおりです。

  • 保険料を抑えて備えられる
  • 一般の生命保険や損害保険の補完として活用できる
  • 独自性の高い商品が多い
  • 健康に不安がある人でも加入できる場合がある

保険料を抑えて備えられる

少額短期保険(ミニ保険)は、少額かつ短期の保険であり、一般の保険と比べて保険料が手頃な傾向があります。月々数百円の保険料で加入できる保険もあるため、保険料を抑えて備えたい人にも適しています。

ただし、実際の保険料は、保険商品・年齢・性別・保険金額などによって異なるため、よく確認しましょう。

一般の生命保険や損害保険の補完として活用できる

すでに加入している一般の生命保険や損害保険を補完する目的で活用できるのもメリットの一つです。

一般の生命保険や損害保険で補完しようとすると、保障・補償内容が重複し、保険料が高くなる場合もあります。

少額短期保険(ミニ保険)では、以下のように契約中の保険で不足する部分に備えたい場合や、一部の補償を手厚くしたい場合に、必要な保障・補償のみを上乗せできます。

  • 契約中の医療保険ではカバーできない妊娠・出産特有のリスクに備えられる少額短期保険に加入する
  • 子どもが大きくなるまで少額短期保険で医療保障を手厚くする

独自性の高い商品が多い

少額短期保険業者は、万人向けの商品づくりを行なう保険会社とは違い、ニッチなニーズに応える保険商品を多く提供しています。

独自性の高い商品が多いため、一般の保険ではカバーできなかったピンポイントのリスクに備えられる可能性があります。たとえば、以下のような保険です。

  • 弁護士費用保険
  • スマートフォン保険
  • チケットガード保険
  • タイヤのトラブルに備える保険
  • 熱中症のリスクに備えられる保険
  • 遭難の捜索や救助費用に備える保険

健康に不安がある人でも加入できる場合がある

少額短期保険(ミニ保険)には、持病や既往歴がある人を対象とした商品もあります。

  • 薬を飲んでいる人や通院中の人向けの保険
  • がんを経験した人が申込みできる保険
  • 糖尿病の治療中でも申込みできる保険

持病や既往歴で一般の保険の契約を諦めている人でも、申込みできる可能性があります。

少額短期保険(ミニ保険)のデメリット

一方、少額短期保険(ミニ保険)には以下のようなデメリットがあります。

  • 生命保険料控除の対象にならない
  • 保険金額や保険期間に制限がある
  • 契約者保護機構の仕組みがない
  • 掛け捨て型の保険に限られる

生命保険料控除の対象にならない

少額短期保険(ミニ保険)は、生命保険料控除の対象外です。したがって、保険料を払い込んでも年末調整・確定申告での控除は受けられません。

なお、生命保険料控除は所得控除の一つで、払い込んだ生命保険料に応じて所得から一定額を差し引ける制度です(※)。控除された分だけ課税所得が低くなるため、所得税・住民税の負担が軽減されます。

※税務上の取扱いについては2023年8月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。個別の取扱いにつきましては、所轄の税務署等にご確認ください。

保険金額や保険期間に制限がある

少額短期保険(ミニ保険)は、保険金額が少額(総額の上限が1,000万円)、かつ保険期間が1年以内(損害保険は2年以内)と決まっているため、保険金額が不十分だと感じる可能性があります。

長期の保障・補償を得たい場合ではなく、短期間のみ保障・補償を付けたいときや、ピンポイントのリスクに備えたいときなどに適しています。

備えたいリスクや必要な保険金額にあわせて、一般の保険や少額短期保険を活用しましょう。

契約者保護機構の仕組みがない

少額短期保険を扱う保険会社が破綻した場合、保険契約者保護機構の補償は受けられません。

保険契約者保護機構制度とは、保険会社が破綻した際に、生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構が資金援助や保険契約の承継などを行ない、保険契約を継続させる制度です。

少額短期保険には、保険契約者保護機構の仕組みはありませんが、代わりに供託金制度が設けられています。

少額短期保険業者は、事業を開始する際、国に最低1,000万円の供託金を預け、その後段階的に積み増ししなければなりません。預けた供託金は、破綻時の必要資金への補てんなどに使われます。

※責任準備金等とは、保険会社が将来の保険金や年金などの支払いに備えて保険料や運用収益などから積み立てているお金です。

掛け捨て型の保険に限られる

少額短期保険は、掛け捨て型の保険に限定されています。貯蓄型保険の商品はないため、解約時・満期時に解約返戻金や満期保険金を受け取ることはできません。

たとえば、少額短期保険業者が扱う医療保険に加入し、病気やケガなどをしなかった場合、受け取れるお金はありません。保障を得ながら、将来に向けて積み立てたいと考えている人は、一般の貯蓄型保険を検討しましょう。

少額短期保険(ミニ保険)の主な種類

少額短期保険(ミニ保険)は、取扱い分野に制限がなく、さまざまな商品が提供されています。少額短期保険(ミニ保険)で取り扱われている主な保険の種類は、以下のとおりです。

  • 死亡保険
  • 医療保険・がん保険
  • ペット保険
  • 火災保険(家財保険)
  • スマートフォン保険

死亡保険

死亡保険は、被保険者が死亡したときに保険金が受け取れる保険です。

保険商品によって異なりますが、死亡保険金50万円~300万円のコースを選ぶものが一般的です。一般の保険とは違い、複雑な特約がないので分かりやすいでしょう。万一の際にまとまった葬儀費用が受け取れる葬儀保険もあります。

医療保険・がん保険

医療保険は、病気やケガで入院・手術などをした際に給付金が受け取れる保険です。また、がん保険はがんで入院や手術などをしたときに給付金が受け取れます。

入院給付金や手術給付金は、一般の医療保険と同様に「日額タイプ」と「一時金タイプ」の2種類です。

放射線治療や先進医療を受けたときに給付金を受け取れる保険や、がんと診断されたときに一時金(がん診断給付金)を受け取れる保険などもあります。

ペット保険

ペット保険は、ペットが病気やケガで入院・手術などの診療を受けた際にかかった医療費を一定範囲内で補償する保険です。多くのペット保険は、犬・猫が対象となっていますが、うさぎやハリネズミ、ハムスターなどが対象となる保険もあります。

ペットには公的医療の仕組みがなく、全額が自己負担となるため、治療費が高額になる場合も少なくありません。ペット保険に加入すれば、治療にかかる負担を軽減できます。

火災保険(家財保険)

火災保険(家財保険)とは、家財が火災や水漏れ、浸水、盗難、台風などで損害を受けたときに保険金が受け取れる保険です。

家財とは、電化製品や家具、日用品などの生活用動産のことで、以下のようなものが該当します。

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • テレビ
  • パソコン
  • 衣類
  • 食器
  • ゲーム

火災保険(家財保険)は、賃貸物件を借りる際に加入を求められることが一般的です。

スマートフォン保険

スマートフォン保険は、スマートフォンやタブレットの水没や破損、盗難などが起きた際に修理費用保険金を受け取れる保険です。

近年のスマートフォンは本体価格が高く、修理費用も高額になるケースがあります。スマートフォン保険に加入していれば、モバイル通信端末のトラブルに備えることができ安心です。保険によっては、一つの契約で複数の端末を補償してくれます。

将来に向けて積み立てをはじめるなら
「明治安田生命じぶんの積立」

保険料を抑えながらリスクに備えつつ、将来に向けた積み立てをしたい人は、「明治安田生命じぶんの積立」からはじめてみてはいかがでしょうか。

「明治安田生命じぶんの積立」は、月々5,000円から積み立てできる積立保険です。毎月保険料を積み立て、万一に備えつつ満期時にまとまった満期保険金が受け取れます。保険料の払込みが5年間で終了するので、無理なくはじめられます。

また、ご加入に際して診査・健康状態の告知は不要です。したがって、持病や既往歴のある人でもお申込みいただけます。さらに、満期時の受取率(※1)は105%(保険期間は10年間)、解約時の返戻率はいつでも100%以上なので安心です。

貯蓄をはじめるなら、旅行資金・趣味・教育資金などさまざまな目的に備えられる「明治安田生命じぶんの積立」をぜひご検討ください(※2)。

※1受取率とは、払込保険料の累計額に対する満期までの受取総額の割合をいいます。
※2明治安田生命じぶんの積立をご検討・ご契約いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。

まとめ

少額短期保険(ミニ保険)とは、保険金額が少額、保険期間が短期間の保険です。保障・補償内容がシンプルで、保険料を抑えながらさまざまなリスクに備えられます。

一般の保険では備えられない特定の保障・補償を得たいとき、一定期間のみ保障・補償を手厚くしたいときなどに適しています。

少額短期保険のメリット・デメリットを踏まえ、目的に応じて一般の保険との組み合わせや使い分けを検討しましょう。

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