変額保険とは?
メリット・デメリットと
向いている人を解説

変額保険は、運用実績によって受け取れる保険金や解約返戻金が変動する保険です。

運用実績がよければ、払込保険料より多くの保険金を受け取れる可能性があります。一方で、満期保険金や解約返戻金の金額が払込保険料を下回る場合もあります。

この記事では、変額保険の仕組みとメリット・デメリットをまとめました。向いている人・向いていない人の特徴もあわせて解説するので、変額保険について詳しく知りたい人はぜひご覧ください。

※本記事は、2023年8月現在の内容です。

変額保険とは?

変額保険とは、保険料が株式や債券で運用され、その実績によって保険金や解約返戻金が変動する保険です。払い込んだ保険料の一部が保険契約の維持や保障などにかかる費用に充てられ、残りの金額が「特別勘定」で運用されます。

特別勘定とは、定額保険の資産とは区別して管理・運用される勘定です。特別勘定に対して、定額保険の資産が運用される勘定を「一般勘定」といいます。

変額保険では、万一のことがあった場合、「基本保険金」と「変動保険金」が受け取れます。

死亡保険金には最低保証があるため、運用実績の結果、変動保険金がマイナスになっても基本保険金額を受け取ることが可能です。一方、運用実績がよければ、基本保険金額を上回る保険金を受け取れる場合もあります。

定額保険と変額保険の違い

生命保険は、定額保険と変額保険に大別されます。

定額保険は、契約の時点で保険金や解約返戻金、満期保険金の金額が確定している保険です。運用実績に応じて保険金額が変動する変額保険とは違い、運用実績にかかわらず予定利率が保証されます。

契約時に決められた保険金額が保険期間を通して変わらないため、計画を立てやすい一方で、物価が継続的に上昇する「インフレ」に対応しにくいのが特徴です。

変額保険の種類

変額保険には、主に以下の種類があります。

  • 有期型(養老保険)
  • 終身型(終身保険)
  • 変額個人年金保険

有期型(養老保険)の変額保険

有期型(養老保険)は、一定期間を保障するタイプの変額保険です。死亡時に死亡保険金、満期時に満期保険金が受け取れます。

満期保険金には最低保証がないため、運用実績によっては基本保険金額を下回る場合もあります。ただし、死亡保険金には最低保証があるため、運用実績にかかわらず基本保険金額を下回ることはありません。

終身型(終身保険)の変額保険

有期型(養老保険)と終身型(終身保険)の違いは、保険期間です。終身型(終身保険)は有期型と違い、満期がなく保障が一生涯続きます。保険期間の定めがないため、満期保険金はありません。

死亡保険金は運用実績にかかわらず、基本保険金額が最低保証されています。ただし、解約返戻金には最低保証がありません。

変額個人年金保険

変額個人年金保険とは、株式や債券で運用し、運用実績によって将来受け取れる年金、死亡給付金、解約返戻金が変動する個人年金保険です。保険料を払い込み、契約時に定めた年齢から年金を受け取れます。

年金原資や受け取れる年金受取総額に最低保証があるかどうかは、保険によって異なります。多くの場合、解約返戻金には最低保証がありません。

年金受取期間には、生死にかかわらず一定期間受け取れる「確定年金」や、保証期間中は生死に関係なく受け取れ、その後は生存している限り受け取れる「保証期間付終身年金」などがあります。

変額保険のメリット

変額保険には、主に以下のメリットがあります。

  • 運用次第では受け取れる金額が増える
  • インフレ対策になる
  • 生命保険料控除が適用される

運用次第では受け取れる金額が増える

変額保険は、運用実績に応じて保険金や解約返戻金が変動する仕組みです。運用次第で、受け取れる保険金や解約返戻金の金額も増える可能性があります。

また、死亡保険金には最低保証が設けられているため、運用実績が良くなくても基本保険金額を下回ることはありません。

インフレ対策になる

インフレ(インフレーション)とは、物価が上昇し続けることです。仮に、財布に200円を持っているとしましょう。財布にあるお金で、1パック200円の卵を購入できます。しかし、卵が1パック300円に値上がりすると、財布に持っている200円でその卵を購入することはできません。インフレとは、このように物価の上昇によって資産の価値が目減りしてしまうことです。

定額保険の場合、契約時に保険金や解約返戻金の額が確定するため、物価が上昇しても受け取れる金額は増えません。そのため、インフレが起きると資産の価値が目減りしてしまい、十分な金額を受け取れない可能性があります。

一方、変額保険では、景気がよくなり株価が上昇すると、保険金や解約返戻金が増える可能性があります。なお、景気と株価は密接につながっており、一般的に景気がよくなると企業の収益が増え、株価が上昇する仕組みです。

生命保険料控除が適用される

変額保険で払い込んだ保険料は、生命保険料控除の対象になります。生命保険料控除は所得控除の一つで、払い込んだ保険料の金額に応じて所得から一定額を差し引ける制度です(※1)。

「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つがあり、このうち変額保険は一般生命保険料控除の対象となります(※2)。

払い込んだ保険料の金額に応じて、所得税は40,000円まで、住民税は28,000円まで控除されるため、所得税・住民税の負担が軽減されます。控除額(2012年1月1日以後に契約した保険に保険料を払い込んでいる場合)は、以下のとおりです(※3)。

所得税 住民税
払込保険料額
(年間)
控除額 払込保険料額
(年間)
控除額
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円超
40,000円以下
(払込保険料×1/2)
+10,000円
12,000円超
32,000円以下
(払込保険料×1/2)
+6,000円
40,000円超
80,000円以下
(払込保険料×1/4)
+20,000円
32,000円超
56,000円以下
(払込保険料×1/4)
+14,000円
80,000円超 40,000円 56,000円超 28,000円

(※1)税法上の取扱いについては2023年7月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。
(※2)変額個人年金保険は、個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除の対象です。
(※3)2011年12月31日以前に結んだ契約を対象とする制度(旧制度)の場合は、控除額が異なります。

変額保険のデメリット

変額保険は、定額保険と比べて保険の仕組みが複雑です。以下のデメリットも踏まえて申込みを検討しましょう。

  • 満期保険金や解約返戻金が払込保険料を下回る可能性がある
  • 保障と運用のそれぞれに手数料がかかる

満期保険金や解約返戻金が払込保険料を下回る可能性がある

変額保険の満期保険金や解約返戻金には、最低保証がありません。そのため、運用実績によっては受け取れる満期保険金や解約返戻金の金額が払い込んだ保険料より少なくなる場合があります。

また、外貨建ての変額保険の場合は、為替変動リスクが伴います。為替変動リスクとは、円と外貨を交換する際に為替レートの変動によって為替差益(為替変動による利益)や為替差損(為替変動による損失)が生じる可能性のことです。

例えば、1ドル=100円のときに10,000円を米ドルに交換すると、100ドルになります。円高が進み、1ドル=80円のタイミングで100ドルを円に戻した場合、受け取れる金額は8,000円です。

このように、為替変動の影響によって、円で受け取った際に円換算での保険金額が払い込んだ保険料を下回る場合があります。反対に、為替差益が生じる可能性もあります。

保障と運用のそれぞれに手数料がかかる

変額保険には、大きく以下2種類の費用がかかります。

  • 保険関係費用
  • 運用関係費用

保険契約の締結・維持や保障に必要な費用がかかるため、一般的に株式や投資信託などの純粋な投資商品と比べるとコストが高めです。また、特別勘定運営費用や信託報酬などの運用関係費用もかかります。

変額保険を検討する際は、商品パンフレットなどで事前に諸費用を確認しましょう。

変額保険が向いている人

変額保険が適しているのは、主に以下に当てはまる人です。

  • 万一に備えながら資産形成をしたい人
  • 運用を保険会社に任せたい人
  • 運用のリスクを理解できている人

変額保険には、保障と運用の両方の機能が備わっており、運用実績によっては払込保険料よりも多くの保険金を受け取れる可能性があります。したがって、万一に備えながら資産形成をしたい人に適しています。

また、変額保険では株式や投資信託を自分で選んで運用する必要がありません。プロに運用を任せられるため、知識を身に付ける、商品を選定するなどの時間が取れない人に適しています。

ただし、変額保険は価格変動リスク・金利変動リスク・信用リスク・カントリーリスク・為替リスクなどが伴う保険です。リスクは契約者に帰属するため、十分に理解したうえで検討する必要があります。

変額保険が向いていない人

一方、変額保険が適していないのは以下のような人です。

  • 変額保険の仕組みを理解できない人
  • 元本を下回るリスクを許容できない人
  • 資産運用を目的としており保障は必要ない人

変額保険は、定額保険と比べて仕組みが複雑です。不明な点は確認し、変額保険の商品の仕組みや運用方法が理解できないまま加入するのは避けましょう。

また、運用実績によっては、解約返戻金や満期保険金が払込保険料を下回る可能性もあります。そのため、払込保険料を下回るリスクを許容できない人は定額保険を選んだほうが良いでしょう。

さらに、保障と運用にそれぞれ手数料がかかるため、保障が必要ない人は投資信託などで運用した方が良い場合もあります。

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まとめ

変額保険は、保険料が株式や債券などで運用され、その実績に応じて保険金や解約返戻金が変動する保険です。

運用次第で保険金が増える可能性がある一方で、満期保険金や解約返戻金が払込保険料より少なくなる可能性もあります。

変額保険は、契約時に将来の保険金額が確定する定額保険と比べて仕組みが複雑です。運用方法や手数料、リスクなどをきちんと理解したうえで申込みを検討しましょう。

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