
私立大学にかかる学費はいくら?
入学・在学費用の目安と準備方法を解説
私立大学は、一般的に国公立大学よりも学費が高いと言われますが、実際のところいくらかかるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、私立大学の学費の目安を入学費用と在学費用に分けて解説します。私立大学にかかる学費以外の費用や、学費を準備する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※本記事は、2023年10月現在の内容です。

私立大学にかかる入学費用の平均
文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、私立大学にかかる入学料の平均は245,951円でした。学部別の平均入学料は、以下のとおりです。
区分 | 入学料の平均 | |
---|---|---|
文科系 | 文・教育 | 225,770円 |
神・仏教 | 221,067円 | |
社会福祉 | 216,339円 | |
法・商・経 | 226,215円 | |
平均 | 225,651円 | |
理科系 | 理科系 | 238,432円 |
薬 | 334,717円 | |
農・獣医 | 251,393円 | |
平均 | 251,029円 | |
医歯系 | 医 | 1,340,379円 |
歯 | 599,454円 | |
平均 | 1,076,278円 | |
その他 | 家政 | 240,706円 |
芸術 | 242,414円 | |
体育 | 250,277円 | |
保健 | 266,006円 | |
平均 | 254,836円 | |
全平均 | 245,951円 |
出典:文部科学省「令和3年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」
学部による大きな違いはありませんが、医歯系は高いことがわかります。
私立大学にかかる在学費用の平均
同調査によると、私立大学の平均在学費用(初年度)は、1,111,129円(授業料930,943円+施設設備費180,186円)でした。学部別の在学費用の平均は、それぞれ以下のとおりです。
区分 | 授業料 | 施設設備費 | |
---|---|---|---|
文科系 | 文・教育 | 821,813円 | 155,794円 |
神・仏教 | 770,742円 | 154,743円 | |
社会福祉 | 782,154円 | 170,198円 | |
法・商・経 | 812,758円 | 141,447円 | |
平均 | 815,069円 | 148,272円 | |
理科系 | 理・工 | 1,111,240円 | 154,990円 |
薬 | 1,427,708円 | 311,125円 | |
農・獣医 | 1,008,511円 | 208,826円 | |
平均 | 1,136,074円 | 179,159円 | |
医歯系 | 医 | 2,670,071円 | 1,097,202円 |
歯 | 3,267,136円 | 631,960円 | |
平均 | 2,882,894円 | 931,367円 | |
その他 | 家政 | 828,378円 | 186,041円 |
芸術 | 1,130,319円 | 273,410円 | |
体育 | 839,357円 | 210,443円 | |
保健 | 993,583円 | 246,452円 | |
平均 | 969,074円 | 235,702円 | |
全平均 | 930,943円 | 180,186円 |
出典:文部科学省「令和3年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」
理科系や医歯系は、文科系と比べて授業料が高い傾向があります。特に、医歯系は授業料・施設設備費ともにほかの学部と比べて高いです。
私立大学4年間にかかる学費総額の平均
同調査をもとに計算すると、4年間(一部の学部は6年間)にかかる学費総額の目安はそれぞれ以下のとおりです。
区分 | 入学費用 | 在学費用(授業料・施設設備費) | 合計 | |
---|---|---|---|---|
文科系 | 文・教育 | 225,770円 | 3,910,428 円 | 4,136,198円 |
神・仏教 | 221,067円 | 3,701,940円 | 3,923,007円 | |
社会福祉 | 216,339円 | 3,809,408円 | 4,025,747円 | |
法・商・経 | 226,215円 | 3,816,820円 | 4,043,035円 | |
理科系 | 理・工 | 238,432円 | 5,064,920円 | 5,303,352円 |
薬(※) | 334,717円 | 10,432,998円 | 10,767,715円 | |
農・獣医(※) | 251,393円 | 4年間:4,869,348円 6年間:7,304,022円 |
4年間:5,120,741円 6年間:7,555,415円 |
|
医歯系 | 医(※) | 1,340,379円 | 22,604,058円 | 23,944,437円 |
歯(※) | 599,454円 | 23,394,576円 | 23,994,030円 | |
その他 | 家政 | 240,706円 | 4,057,676円 | 4,298,382円 |
芸術 | 242,414円 | 5,614,916円 | 5,857,330円 | |
体育 | 250,277円 | 4,199,200円 | 4,449,477円 | |
保健 | 266,006円 | 4,960,140円 | 5,226,146円 |
※薬、獣医、医、歯は6年間で算出しています。
出典:文部科学省「令和3年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」
最も学費の平均が低い文科系で約400万円、理科系では500万円以上の学費がかかります。医歯系の場合、さらに高額な資金を用意しなくてはなりません。
私立大学の通学にかかる学費以外の費用
大学に通うためには、学費以外にもさまざまな費用がかかります。学費以外に必要となる主な費用をみていきましょう。
- 大学受験料
- 生活費
- 交通費
- 教材費やパソコン代
大学受験料
私立大学の受験には、30,000~35,000円程度の受験料がかかります(医歯学部等除く)。
区分 | 受験料 |
---|---|
大学入学共通テスト(3教科以上受験) | 18,000円 |
大学入学共通テスト(2教科以下受験) | 12,000円 |
私立大(医歯学部等除く) | 30,000~35,000円程度 |
出典:生命保険文化センター「ライフイベントから見る生活設計」
首都圏の私立大学新入生の家庭を対象にした「私立大学新入生の家計負担調査2022年度」によると、25万円前後の受験費用がかかっていることがわかりました。
また、遠方の大学を受験する場合は、受験費用のほかに交通費や宿泊費などもかかります。
生活費
自宅からの通学が難しい場合は、一般的に家賃や光熱費などの生活費が高くなります。
日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」によると、私立大学(昼間部)の学生には年間平均617,900円の生活費がかかっていることがわかりました。
内訳 | 年間平均 |
---|---|
食費、住居・光熱費 | 303,100円 |
保健衛生費、娯楽・し好費、その他の日常日 | 314,800円 |
合計 | 617,900円 |
なお、私立大学生のうち、自宅外通学生は34.8%(学寮7.2%、下宿・アパート・その他27.6%)です。
区分 | 割合 |
---|---|
自宅 | 65.2% |
学寮 | 7.2% |
下宿・アパート・その他 | 27.6% |
自宅通学の割合は国立大学(64.3%)、公立大学(56.3%)と比べて高くなっています。
交通費
私立大学の学生は、国立大学、公立大学と比べると自宅生が多めです。ただし、自宅から通学している学生は、住居費がかからない代わりに交通費が高い傾向があります。
全国大学生活協同組合連合会の「第58回学生生活実態調査」(2022年)によれば、自宅生の1ヵ月の交通費は9,340円でした。なお、下宿生の1ヵ月の交通費は4,210円です。
出典:全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査」(2022年)
教材費やパソコン代
学部や専攻分野などによって金額は異なりますが、大学生活には教材費やパソコン代などもかかります。
全国大学生活協同組合連合会の「2022年度保護者に聞く新入生調査」によると、受験から入学までにかかった私立大学生の教科書・教材購入費用は190,900円でした。
区分 | 教科書・教材購入費用(※) |
---|---|
私立文科系 | 182,600円 |
私立理工系 | 207,700円 |
私立医歯薬系 | 223,700円 |
私立全体 | 190,900円 |
※「教科書・教材購入費用」には、パソコン、教科書、電子辞書本体、教材などが含まれます。
出典:全国大学生活協同組合連合会「2022年度保護者に聞く新入生調査」
また、「受験から入学までの費用面で予定と違って困ったこと」では、「教科書や教材、パソコンの費用が高かった」という回答が最も多く、36.0%にのぼります。
大学入学時には、受験費用や入学料などのまとまった費用がかかりますが、教材費やパソコン代に20万円近くの費用がかかることも想定しておく必要があるでしょう。
大学の学費を準備する方法
私立大学に通うには、文科系でも約400万円の学費がかかります。私立大学への進学も想定し、計画的に備えておきたいところです。ここでは、大学の学費を準備する主な方法を紹介します。
- 奨学金制度を利用する
- 児童手当を貯めておく
- つみたてNISAで積み立てる
- 教育ローンを利用する
- 学資保険に加入する

奨学金制度を利用する
奨学金制度は、経済的な理由で進学が難しい人に学費の給付や貸与を行なう制度です。自治体や大学による奨学金制度などさまざまな種類がありますが、代表的なのは独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度です。
独立行政法人日本学生支援機構の奨学金には、「給付型」と「貸与型」があり、貸与型はさらに「無利子」と「有利子」の奨学金に区分されます。奨学金の対象となるのは、学力と収入の基準を満たす人です。
独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査結果」によると、大学(昼間部)でなんらかの奨学金を受給している学生の割合は49.6%であり、半数近くにのぼります。
※奨学金制度に関する記載は2023年10月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。
児童手当を貯めておく
児童手当は、中学校卒業までの児童を養育している人が受け取れる手当です。子どもが15歳の誕生日を迎えたあとの最初の3月31日まで受け取れます。支給額は、以下のとおりです。
児童の年齢 | 児童手当の額(1人あたり) |
---|---|
3歳未満 | 一律15,000円/月 |
3歳以上小学校修了前 | 10,000円/月 第3子以降は15,000円/月 |
中学生 | 一律10,000円/月 |
ただし、所得が所得制限限度額以上、所得上限限度額未満の場合の支給額は、月額一律5,000円です。また、現行の制度では、所得が所得上限限度額以上の人は児童手当を受取れません。
児童手当の総支給額は、児童の誕生日月によって異なりますが、すべて貯めると約200万円を用意できます。
※児童手当制度に関する記載は2023年10月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。
つみたてNISAで積み立てる
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
通常、金融商品から得た利益には20.315%の税金がかかります。しかし、つみたてNISA口座なら毎年40万円まで一定の投資信託を購入でき、その投資から得られる利益・分配金に税金がかかりません。非課税保有期間は20年間、非課税投資枠は最大800万円です。
販売手数料が0円、信託報酬が一定水準以下などの要件を満たした投資信託のみが対象となるなど、投資初心者もはじめやすい仕組みとなっています。
2024年1月には新しいNISAがはじまり、一般NISAとつみたてNISAが一本化する予定です。
つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)を併用でき、年間360万円までNISA口座内で一定の投資信託等を購入できます。また、非課税保有期間は無期限化されます。
ただし、投資信託は預貯金とは違い、元本保証がありません。値動きのある株式や債券などで運用するため、損失が生じる可能性もあります。仕組みやリスクをきちんと理解したうえで利用しましょう。
※税法上の取扱いについては2023年10月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。
教育ローンを利用する
教育ローンを利用して教育費を借入れする方法もあります。教育ローンは、大きく分けて以下の二つです。
- 国の教育ローン(教育一般貸付)
- 民間の金融機関が提供する教育ローン
国の教育ローン(教育一般貸付)は、民間金融機関の補完を目的とする政策金融機関の一つ、「日本政策金融公庫」が運営する教育ローンです。
子ども1人あたり350万円(一定の要件を満たす場合は450万円)を上限に、教育に関する資金を借りられます。入学料や授業料、施設設備費だけでなく、受験費用や住居費用、教科書代などさまざまな費用に充てられます。
また、利率固定型年2.25%(2023年10月31日時点)と、低金利で借入れできるのも特徴です。ただし、世帯年収に上限が設けられている点に注意しましょう。
民間の教育ローンは、各金融機関が定める条件を満たしていれば申込みが可能です。国の教育ローンと比べて、借入れまでの日数が短い傾向があります。
世帯年収の上限はありませんが、最低年収や最低勤続年数が設けられている場合があるため、申込みの前に各金融機関の公式ホームページなどで確認しましょう。
※教育一般貸付に関する記載は2023年10月現在の制度に基づくものであり、将来変更される可能性があります。
学資保険に加入する
学資保険は、子どもの教育費に備えるための貯蓄型保険です。毎月保険料を払い込み、あらかじめ決めたタイミングで教育資金を受け取れます。
大学の時期にまとまった教育資金を受け取れるものや、中学校・高校・大学などの入学時にそれぞれ教育資金を受け取れるものなど、さまざまな保険・プランから選択が可能です。
月々の保険料を自動引き落としで払い込める学資保険なら、教育資金を確実に貯められます。
また、保険期間中に万一のことがあると、以降は保険料の払込みが免除されます。保険料の払込みが免除されたあとも、予定どおりの教育資金を受取れるので安心です。
一方、途中で解約すると、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を下回る可能性がある点には注意しましょう。
大学の学費を計画的に準備するなら「明治安田生命つみたて学資」
「明治安田生命つみたて学資」は、お子さまの成長にあわせて教育費を計画的に準備できる学資保険です。教育費のなかでも特に費用がかさむ大学などの時期にあわせて、確実に教育資金をお受け取りいただけます。
保険料の払込みは、最も長いプランでも15歳で終了するので安心です。また、ご契約者さまが万一のときには保険料の払込みが免除され、その後も予定どおりの教育資金を受け取れます。
お子さまの出生予定日の140日前からお申込みできるので、大学の学費を計画的に準備したいとお考えの際はぜひご検討ください。
まとめ
私立大学に通うには、文科系で約400万円、理科系なら500万円以上の学費がかかります。医歯系の場合は、さらに高額な資金を用意しなくてはなりません。また、受験料や生活費、交通費、教材費など学費以外にもさまざまな費用がかかります。
早いうちから必要な資金をシミュレーションし、ご家庭の状況にあった方法で教育費の準備をはじめましょう。
大学の学費を計画的に準備したい人は、必要なタイミングで教育資金を受取れる学資保険もご検討ください。「明治安田生命つみたて学資」は、費用がかさむ大学などの時期にあわせて確実に教育資金を準備できます。
※明治安田生命つみたて学資をご検討・ご契約いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。
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