国立大学の学費に
どう備える?総額の目安と
私立大学との違いも解説

国立大学の学費は、私立大学と比べると安い傾向がありますが、「実際どれくらいかかる?」「どう備えれば良いか不安」という人も多いのではないでしょうか。

本記事では、国立大学にかかる学費の目安と私立大学との違いを解説します。あわせて、大学の学費に備える方法も紹介します。

国立大学の学費はいくら?

国立大学の入学金・授業料は、文部科学省により標準額が定められています。

標準額 上限額(標準額の120%)
入学金 282,000円 338,400円
授業料(年間) 535,800円 642,960円

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」

標準額は、社会経済情勢などを踏まえて定期的に見直しが行なわれていますが、入学金は平成14年以降、授業料は平成17年以降改定されていません。

また、各国立大学は、標準額の120%を限度に入学金・授業料を決定できることになっています。つまり、入学金・授業料の上限は、それぞれ338,400円(入学金)、642,960円(授業料)です。いずれの国立大学もこの範囲内で授業料を決めるため、大学ごとに学費は異なる場合があります。

なお、公立大学の場合は、入学者・保護者の住所によって入学金が異なる大学が多いです。一般的に、大学が所在する県などに住んでいる場合は、それ以外の地域に住んでいる人と比べて入学金が低くなります。一方、公立大学の授業料は、国立大学の標準額と同水準です。

国立大学に通った場合の学費の目安をいくつかのケースに分けて、詳しくみていきましょう。

国立大学(4年制)の学費

4年制の国立大学(文学部・法学部・社会学部・農学部・理学部など)に通った場合の学費は、以下のとおりです。

入学金 282,000円
授業料(4年間) 2,143,200円
合計 2,425,200円

標準額に基づいているため、大学による大きな差はありませんが、20%増までは認められています。入学金、授業料がそれぞれ標準額の120%に設定されている国立大学の場合、4年間の学費は2,571,840円(入学金338,400円+授業料642,960円×4年間)となります。

国立大学の医学部(6年制)の学費

次に、国立大学の医学部(6年制)に通った場合の学費をみてみましょう。

入学金 282,000円
授業料(6年間) 3,214,800円
合計 3,496,800円

医学部の場合も、標準額自体はほかの学部と同じですが、6年間通う分学費が高くなります。

国立大学院(2年制)の学費

国立の大学院(2年間の博士前期課程)に通う場合の学費は、以下のとおりです。

入学金 282,000円
授業料(2年間) 1,071,600円
合計 1,353,600円

国立大学院の学費の標準額は、国立大学と同様に入学金が282,000円、授業料が535,800円です。したがって、国立大学院に通う場合、2年間で約135万円の学費がかかります。

国立の法科大学院(3年制)の学費

法科大学院(3年制)に通う場合の学費は、以下のとおりです。

入学金 282,000円
授業料(3年間) 2,412,000円
合計 2,694,000円

法科大学院の標準額は、入学金282,000円、授業料804,000円です。入学金は大学と同額ですが、授業料は高くなっています。ただし、同じ大学や大学院を卒業して法科大学院に進む場合、一部免除が受けられる大学院もあります。

学費以外でかかる費用

大学に通う場合、入学金や授業料以外にもさまざまな費用がかかります。

  • 受験料
  • 書籍代
  • パソコン購入代
  • 生活費(交通費・住居費・光熱費・交際費など)など

たとえば、「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」によると、国公立大学の受験には、受験のための交通費や宿泊費を含め、平均277,000円の受験費用がかかっています(※1)。受験費用は入学する大学だけにかかる費用ではないため、受験料の負担も小さいとはいえません。

また、自宅外通学の場合は、自宅から通学するのと比べて費用がかさみます。「令和2年度学生生活調査結果」によると、自宅外通学の場合の大学生(昼間部)には年間平均1,108,000円の生活費がかかっているという結果でした(※2)。

上記のような費用がかかることも踏まえて、学費以外の費用も準備を考える必要があります。

※1 出典:「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」(日本政策金融公庫)

※2 出典:「令和2年度学生生活調査結果」(独立行政法人 日本学生支援機構)

国立大学と私立大学の学費を比較

国立大学・私立大学に4年間通った場合の学費は、それぞれ以下のとおりです。

国立大学(標準額) 私立大学(平均額)
入学金 282,000円 245,951円
授業料 2,143,200円 3,723,772円
施設設備費 720,744円
合計 2,425,200円 4,690,467円

国立大学(標準額)と私立大学(平均額)では、4年間で200万円以上の差が生じています。私立大学に通うことになれば、国立大学よりもさらに大きなお金を用意しなければなりません。

大学の費用を準備する方法

子どもが希望する進路だけでなく、自宅通学か自宅外通学かによっても学費や生活費は大きく変わってきます。いずれも大きな金額が必要となるため、早くから計画的に準備しておかなければなりません。そこで、大学の学費を準備する方法を解説します。

  • 奨学金で学費を準備する
  • 教育ローンで学費を準備する
  • 学資保険で学費を準備する

奨学金で準備する

奨学金は、経済的な理由で進学が難しい人向けに学費の貸与・給付を行なう制度です。奨学金には、大学などが行なう学内奨学金や自治体による奨学金など、さまざまな種類があります。なかでも最も一般的なのは、日本学生支援機構の奨学金です。

日本学生支援機構の奨学金には、貸与型と給付型があり、貸与型はさらに第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)に分けられます。第二奨学金は利息がかかりますが、金利年1.0%未満と低く設定されているのが特徴です。

ただし、日本学生支援機構の奨学金を利用するには、生計維持者の収入基準と学力基準を満たす必要があります。給付型や貸与型の第一種奨学金(無利子)は、第二種奨学金と比べて収入基準・学力基準が厳しくなっています。

※出典:日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」

教育ローンで準備する

教育ローンとは、子どもの教育費を借りられるローンのことで、以下の2種類があります。

  • 教育一般貸付(国の教育ローン)
  • 民間の教育ローン

教育一般貸付は、日本政策金融公庫が運営する国の教育ローンです。中学校卒業以上の教育資金が対象で、日本学生支援機構の奨学金との併用もできます。

入学金・授業料はもちろん、定期券代や下宿代、パソコン購入費用などに充てることが可能です。利率固定型金利年1.95%(2023年2月時点)と低金利で借りられますが、所得制限がある点には注意しましょう(※)。

一方、民間の教育ローンは、主に銀行が提供している教育資金を借りるためのローンです。国の教育ローンに比べて金利が高い傾向にありますが、中学校を卒業する前の教育資金にも利用できることが一般的です。

教育ローンには審査があり、通過した場合のみ利用できます。民間の教育ローンでは、金融機関により申込条件が異なるので、満たしているかの確認が必要です。年収基準が設けられている場合もあるため、注意しましょう。

※出典:日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」

学資保険で準備する

学資保険は、子どもの教育資金に備えるための貯蓄型の保険です。原則として親が契約者・子どもが被保険者として加入し、子どもの入学や進学のタイミングで教育資金や満期保険金が受け取れます。

教育資金が受け取れるタイミングは保険商品やプランによってさまざまで、保険料払込期間も柔軟に決めることが可能です。必要なタイミングにあわせて、着実に教育資金を用意したい人におすすめです。

また、学資保険では、一般的に契約者である親が死亡・高度障害状態になった場合、それ以降の保険料の払込みが免除されます。免除された場合も、払込みがあったものとして予定どおりの教育資金や満期保険金が受け取ることができるので安心です。

さらに、学資保険は生命保険料控除の対象になります。条件を満たせば、1年間に払い込んだ保険料の金額に応じて年間の所得から一定の金額を差し引けるので、課税所得が少なくなり税金の負担を軽減できます。

※税法上の取扱いについては2023年2月現在の税制に基づくものであり、今後、税制の変更の伴い取扱いが変わる場合があります。

「明治安田生命つみたて学資」は大学の
費用を計画的に準備できる学資保険

「明治安田生命つみたて学資」は、大きな金額が必要となる大学などの時期にあわせて教育資金を受け取れる学資保険です。

保険料の払込みは10歳または15歳までで終了するので、高校の部活動や塾の費用、大学の授業料など、より教育費がかかりやすくなる時期までに払込みを終えられます。

また、ご契約者が万一のときには保険料の払込みが免除される保障もあるので安心です。免除されたあとも、保険料の払込みがあったものとして、教育資金や満期保険金などは変わらず受け取れます。

さらに、「明治安田生命つみたて学資」は、お子さまの出生予定日140日前からお申込みが可能です。お子さまが1歳や2歳になってから申し込むよりも、月々の保険料を抑えることができます。

※保険商品をご検討いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください。

まとめ

国立大学の4年制に通う場合、入学金と授業料で約240万円の費用が必要です。一方、私立大学になると、学部によっては460万円以上かかる場合もあります。さらに、教材費やパソコン購入代、生活費などがかかることも考えなくてはいけません。

学費を用意する方法には、奨学金や教育ローン、学資保険があげられます。お子さまの希望する進路を選択できるように、早くから教育費の備えを始めましょう。

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