明治安田生命×Jリーグサッカーキング 明治安田生命の全力応援宣言!カラダとの対話術 明治安田生命×Jリーグサッカーキング 明治安田生命の全力応援宣言!カラダとの対話術

2019年11月

横浜FC

情報を得て、判断して、自分をレベルアップさせる 中村俊輔

タイトルパートナーとしてJリーグを応援している明治安田生命では、健康増進の取組みを継続的に支援する『みんなの健活プロジェクト』を展開している。このプロジェクトと親和性の高い企画として、当連載では「カラダとの対話術」と題し、Jリーグで活躍する選手たちへのインタビューを実施。第5回は日本サッカー界が誇る天才レフティーであり、今シーズン途中にジュビロ磐田から横浜FCに移籍した中村俊輔選手。41歳にしてなおピッチに立ち続ける稀代のファンタジスタに、コンディショニングの秘訣を聞いた。

インタビュー=細江克弥
写真=鷹羽康博
取材日:2019年9月3日

健康を“知る”

すべては中学時代の失敗があったからこそ

―――中村選手が健康やコンディショニングについて意識しはじめたのは、いつごろですか?

はじめて気がついたのは中学3年のときでした。僕は横浜マリノス(現:横浜F・マリノス)のジュニアユースに所属していたのですが、クラブ内に栄養士さんがいたわけではないので、食事に関してはちゃんとした知識を何ひとつ持っていませんでした。お腹が減ったら何でもいいから食べるし、糖分が多い炭酸飲料も気にせずに飲んでいました。そういう感じだったので、食事の摂り方はまったくダメだったと思います。中学3年と言えば、一般的には成長期ですよね。でも、僕は、身体がほとんど成長しませんでしたから。

―――「おかしいな」という感覚はあったのですか?

ありました。例えば、中学3年のときに受けた走力テストの結果は、1学年下の中学2年より明らかに低いものでした。2年生のころから3年生の試合に出ていた自分が、3年生になってから試合に出られなくなってしまって、ショックでした。悔しいという感情をコントロールできなくて、ふてくされてしまったこともあるし、フィジカルだけではなく、メンタルもかなり不安定だった気がします。最終的にはユースに昇格できないと自分で判断して、マリノスのジュニアユースを出ることにしたのですが、今になって振り返ると、中学3年の1年間には、本当にいろいろなことがあったんですよね。

―――その反省があって、高校では身体作りやコンディショニングを考えるようになった?

少しずつ。桐光学園高校の練習、つまり“部活”の厳しさは、中学時代に過ごしたクラブチームのそれとは全く違うものでした。そういう環境の変化に対応しながら、真摯にサッカーと向き合うことができた気がしますね。中学時代の失敗を自分で理解していたので、それを繰り返さないことを意識しながら、サッカーに関しても、食事に関しても自分なりにバランスを考えていました。

ちなみにウチの母親は“和食派”だったので、もしかしたらそれも良かったのかもしれません。高校生になってからは急に背が伸びて、見える世界が変わりました。それもこれも、中学時代の失敗があったからこそだと思います。僕にとっては大きなターニングポイントでした。

パフォーマンスコーチ
阿久津洋介さんコメント

甘みのある炭酸飲料は、多くの糖分を含み、炭酸による満腹感が生じてしまうことから、食事前に摂ることは望ましくありません。また、運動後の摂取もその他の栄養素が取りづらくなってしまうため、良い影響を及ぼさないと言えるでしょう。

運動前の食事として、近年スポーツ選手の間で試合の数日前から糖質量を増やし、エネルギーとなるグリコーゲンを通常時よりも身体に蓄える「グリコーゲン・ローディング」という方法が広まっています。また、運動後の食事も、身体を動かしてから30分以内に高糖質のものを摂取することは、糖質のなかにタンパク質が含まれているため、疲労回復に効果があると考えられています。やはり大切なのは、健康に関する正しい知識を持つことです。

ポイント

  • ・特に食事前、甘みのある炭酸飲料を摂ることは控えよう!
  • ・運動後30分以内に高糖質のものを摂取すると、疲労回復に効果あり!
  • ・大切なのは、健康に関する正しい知識を持つこと!
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情報を得て、
必要なものを判断する

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健康を”つくる”

情報を得て、
必要なものを判断する

―――プロになってからは、どういう意識を持って取り組んできたのですか?

大人になると、自分でできることがいろいろと増えますよね。誘惑だってたくさんある。ただ、僕の場合はお酒やタバコ、それから夜に甘いものを口にする時点で「プロ失格」と強く思っていたんです。だから、そういうものに手を出すことはなかったし、身体作りについては必然的に真剣に考えるようになった気がします。

それから、先輩にも恵まれました。横浜マリノス時代にお世話になっていた川口能活さんとはよく一緒に食事をしましたが、お寿司を食べに行っても、能活さんは白身魚しか食べない。そういう姿を見て学んだことは、今に活きている気がします。

―――2002年からはイタリアで3年、スコットランドで4年、さらにスペインでもプレーされましたが、どこでプレーするかによってコンディショニングの方法も変わってくるのでは?

国が変われば、プレーする環境も生活する環境も大きく変わります。例えば、イタリアではフィジカル重視のトレーニングを課せられることが多かったのですが、そういう変化に対してはいつも「自分の良さを発揮するために必要なもの」を判断しようとしていました。

だから、大切なのは“自分を知る”こと。そのうえで、常にアンテナを張って、いろいろな情報を得て、そのなかから必要なものを判断して、自分をどんどんレベルアップさせることですよね。そういう観点で観察すると、海外の選手たちは取捨選択の意識が高いことがわかります。パワー系の選手はすごい量を食べて、ものすごい筋トレをしているけれど、スピード系、テクニック系の選手はそういうやり方はしない。僕自身もそういう環境のなかで「あれは違う」「これはやってみよう」と自分自身で判断することができるようになったので、たくさん勉強させてもらいました。

―――もちろん、ときには“環境にあわせる”ことも必要ですよね?

そのとおりです。「イタリアに来たんだから、イタリアにあわせる」という態度を見せることはとても大切。そういう部分から生まれる信頼関係もありますから。でも、変えるところは変える。ヨーロッパの朝食はシリアルだけということが多いけれど、日本人である僕の場合はそれではもの足りないからフルーツを多めに摂ったりしました。マッサージもそう。向こうでは“優しいオイルマッサージ”が一般的なのですが、土が柔らかい向こうのグラウンドではすぐに足がパンパンに張ってしまうので、僕は日本人のトレーナーと個別に契約をしていました。だからやっぱり、選手にとってのコンディショニングというのは、“自分を知る”ことと同じだと思います。

パフォーマンスコーチ
阿久津洋介さんコメント

コミュニティを作ることは、健活のために大事な環境づくりと言えます。ひとりで同じことを続けるよりも、コミュニティのなかで情報交換をしながら取り組む方が継続しやすい環境にあると言えますし、アドバイスされたことや多くの情報から得たものを実践したうえで、自分の身体に実際にどういった反応があるのかを知ることも、健康づくりにつながります。良い反応があれば継続し、少しずつ自分の日常生活に落とし込んでいけるといいですね。

ポイント

  • ・心の余裕は体の余裕につながり、モチベーションもアップ!
  • ・アンテナを張り、多様な情報から取捨選択して自身を高めよう
  • ・アドバイスを実践→自分に落とし込む!

健康を“続ける”

継続は難しいが、
“楽しさ”があれば何かが変わる

―――中村選手は現在41歳。コンディションを維持し続けることに関しても、プロフェッショナルであると言えます。

長いプロ生活のなかでいろいろなことを経験してきて、それを自分の引き出しとしている感覚はあります。それができれば、その都度直面する状況に対して、引き出しをチョイスすればいい。今シーズン途中から、はじめてJ2リーグでの戦いを経験していますが、これもまた新しい引き出しになりますよね。もしJ1に昇格することができれば、それも引き出しになる。その状況にあった引き出しを素早く見つけるために必要なのは、“良い準備”だと思います。そういう意味では、準備に関しては上手い方かもしれません。

―――準備する力を高めるためのコツは?

自分をルーティーンにはめてしまうこと。練習が何時にはじまって、どんな練習をどのくらいするのか。それにあわせて、前日は何時に寝て何時に起きるのがベストなのか。練習後の時間をどう過ごすのか。そうやって“小さなベスト”を繰り返し積み重ねることで、自分の最大値がどんどん大きく膨れ上がっていくイメージを持っています。そのイメージは、この年齢になっても変わりません。

―――コンディションを維持して“健康を続ける”ことについて、一般の方にアドバイスをいただけますか?

僕自身がプロサッカー選手としての生活しか送ったことがないから、一般の皆さんにアドバイスを贈るのはちょっと難しいかな(笑)。

僕たちは健康を維持することが仕事みたいなものだけれど、一般の皆さんはなかなか難しいですよね。美味しくビールを飲みたいだろうし、多少太っても大きな問題はないかもしれない。そういう前提でアドバイスをするなら、やっぱり「日々の楽しい生活は健康な身体があってこそ」というイメージを持つことかもしれません。健康を維持することは、すごく楽しい。そういうモチベーションを持つことができれば、自然と健康に気を遣うようになるんじゃないかなと。「コンディションを維持する」とか、「健康を続ける」という目標をクリアし続けることは難しいと思いますよ。でも、そこに“楽しさ”を見いだせれば何かが変わるかもしれない。

―――すごく説得力があります。

でも、僕は強要しませんよ(笑)。幸せの形は人それぞれだし、基本的には、食べたいと思うときに食べて、飲みたいと思うときに飲めばいいと思う。ただ、そこに「身体を動かしたい」も加わるといいですよね。奥さんや旦那さん、あるいは愛犬と一緒に散歩するでも、フットサルをやるでも、週末に野球をやるでもいいと思う。僕は、運動をして、汗をかくことが「気持ちいい」「楽しい」と感じるタイプだから、皆さんにもオススメしたいですね。

パフォーマンスコーチ
阿久津洋介さんコメント

中村選手の言うとおり、健康を続けるうえで、経験はとても大きな武器となります。いろいろな人と出会い、必要な知識を身につけ、トライアル&エラーを繰り返しながら自分と向き合うことです。

続けることに関しては、やはり“楽しむ”ことがとても大切です。“楽しむ”感情を持つことによって、脳内にドーパミンというホルモンが分泌され、目標を達成する能力があるという自己認識を得ることができ、大きなモチベーションにつながります。科学的にも“楽しむ”感情を持ち続けることで、脳内の健康や身体の健康につながると言われています。ひとりで身体を動かすよりも、仲間と動かしたほうが楽しい。そうしたコミュニティを持つことは、健康を続けるうえでとても大切なことと言えるでしょう。

ポイント

  • ・トライアル&エラーを繰り返し、自分と向き合いましょう!
  • ・継続とは楽しむこと!モチベーションを大切に
  • ・ひとりでするより、仲間と。健活コミュニティを作りましょう!
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ストレッチのアドバイス
中村俊輔選手が
普段行なっているストレッチを実演紹介!

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ストレッチのアドバイス

中村俊輔選手が普段行なっているストレッチを実演紹介!

使用道具:バランスボール
効果①:股関節の可動域を広げる
効果②:股関節周辺の筋肉をほぐす
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ファンのみなさまからの質問

スランプとの向き合い方は?早寝早起きのコツは?中村選手が質問に回答!

<Q1>
スランプとの向き合い方を教えてください。

<A1>
スランプはありません。それも含めて実力だから、どんな状況もそのときの全力で打開しようとするだけです。

ジュビロ磐田にいた今シーズンの前半はほとんど試合に出られなかったのですが、僕の場合、そういう日でも試合が終わればそのまま練習場に向かいます。最低でも、90分間ピッチに立った選手たちと同じ負荷をかけないと、どうしても「足りない」と感じてしまう。だから、この年齢になってもかなりハードに練習するんです(笑)。

それから、フリーキックが入らなくなるときもありますよね。ただ、まったく入らなかった年(2014年)はボールのせいにしていたから、スランプだとは思わなかった。あのときに考えたのは“目印”を見つけること。ボウリングのレーンにも三角印がありますよね。あれを狙うのと同じ感覚で、壁に入っている3人目の選手の頭を狙うようにしたんです。ゴールの隅よりも、選手の頭のほうが狙いやすい。まあ、そう考えると、「スランプはない」と答えたけれど、フリーキックに関しては2014年がそうだったのかな(笑)。

<Q2>
中村選手には早起きが得意なイメージがありますが、良い睡眠、良い目覚めのためにされていることはありますか?

<A2>
早起きのためにしていることは、残念ながらありません。最近は目覚めがよくて、6時に目覚まし時計が鳴ったらすぐに起きますよ。睡眠に関しても自分がどれだけ眠らなきゃいけないのか自分でよくわかっているから、次の日の予定から逆算して、前日にちゃんと寝る時間を確保しています。最近は早いですね。夜10時台には寝ちゃうかな。

<Q3>
小学生、特に低学年のように体ができていない時期、どんなトレーニングをしていましたか?

<A3>
子供のころ、筋トレはまったくしませんでした。トレーニングはボールを触るものばかりでした。そうそう、今の小学生は、フォーメーションに関しても教えられたりしますよね。でも、僕はとにかく個人技ばかり。ドリブルで相手を抜く技術、ボールを奪われない技術を磨く自主練習ばかりしていました。身体が小さかったから、技術で上回るしかなかったんですよ。

でも、そのおかげで、小さいころからステップワークで相手をかわすとか、“相手をいなす技術”を身につけた気がします。特に、ダブルタッチとキックフェイント。幼稚園に通っていたころから、ダブルタッチでタイヤをかわす練習をよくやっていたし、小学生時代はキックフェイントでほとんど抜けた。今思えば、あれが僕の原点なのかな。その二つの技術は、今でもちゃんと使っていますから。

パフォーマンスコーチ
阿久津洋介さんコメント

スランプと感じたときは、なぜ上手くいかないのかを分析することが大切です。外的な要因、内的な要因を振り返り、問題解決に向けて考えを巡らせることで、今後さまざまな状況に対応する力がついてきます。

良い睡眠を得るためには、一定の時間で起床することを習慣づけることが重要です。休日だからと通常より1時間以上ずらすと、身体のなかで時差が生まれ、体内リズムが崩れます。睡眠時間を8時間確保することで、より良い睡眠、目覚めにつながります。

ウエイトトレーニングのような高強度の負荷は、成長期のサインとなる骨端線へ負担をかけるため、避けることが望ましいです。昔と違い外遊びが減り、子どもたちは専門的な練習をするのみになっているため、運動技能が高くない傾向にあります。個人技術の積み重ねは大事ですが、専門競技以外の運動も行なうことで、最終的には効率的な動作を習得することになります。

ポイント

  • ・スランプと感じたら、客観視した分析を
  • ・休日でも、睡眠リズムを崩さない
  • ・子どもには専門競技以外の運動も実践させましょう!

インタビュー内容を動画で見る

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中村 俊輔(なかむら しゅんすけ)

●生年月日/1978年6月24日
●出身地/神奈川県
●身長・体重/178cm・71kg
桐光学園から1997年に横浜マリノス(現:横浜F・マリノス)加入。一年目から活躍し、2002年にレッジーナ(イタリア)へ移籍。2005年から在籍したセルティック(スコットランド)では、リーグ年間MVPを獲得するなど活躍した。日本代表としては二度のW杯出場を果たす。2010年にスペインから日本復帰。2019年7月から横浜FCでプレーしている。左足から放たれるシュートは観る者を魅了し、40歳を超えてなお、観衆を惹きつけるプレーを続けている。

阿久津 洋介(あくつ ようすけ)

国際武道大学大学院を修了後、大学施設でのアスレティックリハビリテーションや大学・専門学校にて学生の指導・教育に従事。現在は、サッカー日本代表選手やJリーガーなどのプロアスリートやアーティスト、ビジネスパーソンのパフォーマンスアップの指導を行なっている。

●資格
スポーツ医科学修士
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)

●経歴
2015 国際武道大学 非常勤講師
2016〜2017 JAPANサッカーカレッジ 教員
2016〜2017 開志学園JSC高等部 アスレティックトレーナー
2018〜現在 株式会社ライフパフォーマンス パフォーマンスコーチ

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