東京都のアスリート・ゴルフ

心はいつもポジティブに
アメリカツアー参戦に向けダイナミックにスイング

- 馬場 咲希

馬場 咲希

朝日新聞社撮影

父親にすすめられて5歳で始め、楽しさに魅了される

東京都日野市出身の馬場咲希選手(代々木高校3年生)は、2022年8月にあったゴルフの全米女子アマチュア選手権を制し、日本人として37年ぶり2人目となる偉業を果たしました。
長い手足を生かしたダイナミックなスイングが持ち味で、ピタリとピンそばに寄せるアイアンショットが得意。大好きな地元とゴルフで関われることに大きな喜びを感じています。

全米女子アマチュア選手権の優勝は馬場選手にさまざまな変化をもたらしました。「その後、プロの試合に出させてもらう機会が多くなり、たくさんの方と知り合えて、応援してくれる人も増えました。中学時代の友達からも連絡が来て、みんなびっくりしていました」

幼い頃から周りの子より背が高く、「目立ってしまうことが少し嫌だった」と明かします。でも、長身を生かせるスポーツとして父親にすすめられ、5歳で始めたゴルフにすぐに魅了されていきます。小学生になると、レッスンに通うようになりました。

「とにかく練習するのが楽しかった。お父さんとゴルフの話をするのも楽しいし、レッスンではゴルフだけでなく、ゴルフ場でキャッチボールをしたり、雪が降った時にそりで遊んだりしたことも楽しかったです」

小学5年生の時にアメリカ・ハワイの大会で優勝し、「試合で勝ちたい気持ちが前より強くなった」という馬場選手。高校1年生で初めてプロの試合に出場して、「ギャラリーの人が多く、楽しくて気分が上がりました」と振り返ります。小学4年生ぐらいから漠然と抱いていた「プロになりたい」という思いは、2年ほど前から「本気で頑張りたい」と決意に変わっていったそうです。

高校生になってから本気でプロをめざすようになりました(朝日新聞社撮影)

▲高校生になってから本気でプロをめざすようになりました(朝日新聞社撮影)

日野市民スポーツ栄誉賞を受け、地元でゴルフイベントも

ゴルフの実績を重ねるにつれて遠征が増え、最近では生まれ育った日野市の自宅になかなか帰れません。そんな時に、マネジメント会社から教えてもらったのが明治安田の「地元アスリート応援プログラム」でした。

「昨年は日野市民スポーツ栄誉賞をいただき、市民のみなさんとゴルフをするイベントでは地元のお話をしながらラウンドするのが楽しかったです。そこでもっとみなさんと関わりたいと思ったし、『地元アスリート応援プログラム』を通して地元とゴルフでつながれるのがうれしくて応募することに決めました」

馬場選手には日野市で過ごした思い出がたくさんあります。「小学校の横にある仲田の森蚕糸(さんし)公園では、放課後によくターザンごっこをして遊びました。市民の森スポーツ公園では妹とキャッチボールをしましたし、最近でもトレーニングでランニングをすることがあります」。名産の梨の果樹園が広がり、公園が多く、「のどかで居心地が良い」ところが日野市のお気に入りポイントです。

日野市になかなか帰れない生活ですが地元への恩を忘れたことはありません(朝日新聞社撮影)

▲日野市になかなか帰れない生活ですが地元への恩を忘れたことはありません(朝日新聞社撮影)

「自分は下手だな」と笑い飛ばすメンタリティー

繊細さが求められるゴルフでは、体の動かし方のわずかな違いやメンタルの揺らぎがショットに大きく影響します。つねに好調を維持し、結果を出し続けることは、トップ選手でもなかなかできません。馬場選手も同じですが、「プロの試合に出られていること自体が今までにないこと。結果が出なければ悔しいです。でも勉強になることがたくさんあるので、そういう経験ができているのは幸せ」と前向きに語ります。

うまく打てなくても「自分は下手だな」と笑い飛ばし、「練習しなきゃ」とすぐに切り替えられるメンタリティーが馬場選手の持ち味です。

実は数年前に苦しみ、「もう無理だ」とあらゆることにネガティブだった時期があります。結果も出ませんでした。しかしやがて、「とにかく心だけはポジティブでいれば、自分も明るくいられてゴルフの結果もついてくる」と気づき、それからは常にポジティブでいることを意識しています。

ネリー・コルダ選手へのあこがれ、夢は海外メジャー大会での優勝

馬場選手にとって2023年の後半は、7月の全米女子オープン、秋のプロテストと大一番が続きます。2022年は49位だった全米女子オープンについて、「ギリギリの予選通過で、2日間で終わってしまうのと、予選と決勝で4日間できることの違いをすごく感じました。今年も決勝に進んで、ペブルビーチ・ゴルフリンクス(開催地)の最終日の景色を見てみたいです」と、2年連続での予選通過をめざしています。

「最近は気持ちよくショットができず、結果も出ていない。まずは良かった時の自分に戻すこと」が目下の課題です。

2022年はアメリカでの試合にも出場しました(朝日新聞社撮影)

▲2022年はアメリカでの試合にも出場しました(朝日新聞社撮影)

「できるだけ早くアメリカのツアーで戦いたい」と考え、「全米女子オープンなどの海外メジャー大会で優勝する」という青写真を描きます。憧れは、世界のトップレベルで戦うネリー・コルダ選手(アメリカ)。馬場選手がコルダ選手と同じ組でラウンドできる日が来るのも、そう遠い未来ではないかもしれません。

「咲希」という名前には、「希望の花が咲きますように」という願いが込められています。いつも笑顔で周りをパッと明るくする馬場選手。夢をかなえるためのチャレンジは始まったばかりです。

(取材・制作:4years.)

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