大阪府のアスリート・卓球

世界の舞台に立つために、覚悟をもって進化を遂げる

- 大藤 沙月

大藤 沙月

提供:日本ペイントマレッツ

2024年の大きな舞台に立つためにも重要なシーズン

高校最後の年となった2022年、大藤(おおどう)沙月選手は、インターハイはダブルスと女子学校対抗で優勝。しかしシングルスでは2年続けて2位となり、悔しい思いが残りました。また、強い対戦相手を求めて参加していた国内最高峰のTリーグでは、「相手のエースと対戦することも多く、トップの選手とも何度も試合をさせてもらいましたが、自分の弱いところが毎回課題として出てきていて、その課題を練習するのに費やした1年間だったのかなと思います」と、昨シーズンを振り返ります。

ただ、その戦績は決して悲観するものではなく、日本卓球界の誇るトップ選手たちと互角に渡り合い、あと一歩のところまで追い詰めた試合もありました。次の勝利のための経験値は着実に蓄積されており、2022年の課題だった「劣勢時に押し返す力」も身につけ、自分のプレーができるようになってきました。そして、最強レベルのトッププレーヤー相手に、勝ち抜くための課題も見えています。

「自分はそれほどパワーのある選手ではなく背も低いので、フェイントで相手の動きを止めたり、相手の出方を待ってカウンターを狙ったりと、戦術的な部分をもっと磨いていかないといけないと思います」。本人いわく、「アタマのいいプレー、考えてする卓球」がもっと必要という認識です。

目標である2024年の大舞台出場に向けて、2023年は「すごく重要な年」になると考えています。「2023年は(日本代表になるための)選考会でのポイントが(2022年と比べて)2倍になるので、1回1回の選考会でしっかり優勝をめざして戦っていくつもりです。いまは少しずつ自分のプレースタイルができてきていると感じるので、これをしっかりと自分のものにしていけたら、結果につながるのかなと思って頑張っています」

“第二の故郷”大阪の皆さんに活躍しているところを見せたい

卓球クラブチームのコーチをしている父親のもと、福井県で生まれ育ちました。保育園のときから卓球を始め、小学校に入ると朝早くから家のリビングにある卓球台の前に立っては、父から受ける指導に鍛えられました。世界で戦える選手になるために覚悟を決めて、小学校卒業のタイミングで親元を離れました。四天王寺中学校に入学した当初は慣れない寮生活でホームシックになりましたが、「やめたいと思ったことはないです」。大阪は卓球のトップ選手としての土台をつくってくれた場所。いまでは恩返しをしたいと思っている「地元」でもあります。

卓球を始めて2年後、保育園年長の時の大藤選手

▲卓球を始めて2年後、保育園年長の時の大藤選手

2021年春、四天王寺高校在籍時に大嶋雅盛総監督、村田充史監督に勧められて、明治安田の「地元アスリート応援プログラム」の趣旨を見たとき、使命感にかられました。「卓球で結果を出すことで、中学生からお世話になっている大阪に貢献したいと思いました」。その思いは高校を卒業した現在も変わりません。所属するミキハウスの寮や拠点は高校時代と同じ大阪にあります。

中学校入学時から始まった寮生活は、今年で7年目になります。もはや大阪は第二の故郷といっても過言ではありません。近所の八百屋さんには入寮当初から親切にしてもらい、焼き芋や飲みものもいただいたそうです。慣れない土地で優しく話しかけてもらったことは、いまでも覚えています。「キャリーバッグを持って歩いていると、どこに行くのと聞かれたり、頑張ってねと言われたり、昨日も『頑張ってるね』って話しかけてくれました。すごく優しいなって思います。頑張って大きな大会に出て、活躍しているところを見せたいと思います」

中学の入寮当初から親切にしてもらっている八百屋さん「播磨」

▲中学の入寮当初から親切にしてもらっている八百屋さん「播磨」

戦術を強化してトップ選手に進化する!

一日の練習は朝8時ぐらいから。昼の休憩を挟んで夜は19時ぐらいまで、まさしく卓球漬けの毎日を送っています。プロとしての自覚も芽生えました。「自立しなくちゃいけないと思いますし、もともと1人でやるのがけっこう好きなので、自分の考えをしっかり持って、取り組んでいきたいと思います」

2023年のシーズンは、2024年の大きな大会に向けての選考大会に力を集中させるためにも、国内での試合に専念していく予定といいます。ちなみに「おいしいご飯を食べているときと、お風呂に入っているときには、幸せを感じます(笑)」とのことで、しっかりリフレッシュもできています。なかでも焼き肉が好きで、地元や遠征先でよく食べにいくそうです。

近年の卓球の進化は目覚ましく、そのスピードには目を見張るものがあります。

「そうしたスピードについていくためには、“読み”が必要」と大藤選手はいいます。だからこそ、戦術が重要になってくるそうです。つまり、相手を自分のスタイルへと誘い込むための策を、1プレーごとに考えていく。そうすることで、速いボールにも対処できるといいます。「自分はそういうところが得意ではなかったので、最近になって戦術が大事だって、改めて気付いたんです」。課題はわかっている。あとは、それをいかに克服して進化させるか。大藤選手にとって、2023年のシーズンが本当に重要なシーズンとなっていくことは間違いないでしょう。

中学入学時から指導を受けている元日本代表・平野早矢香さんの言葉「もっと努力しないといけない。もっと意識を高くもたないといけない。どんなことをしてでも勝つという気持ちがないと。感覚だけでは勝てないよ」という金言を胸に、大藤選手の大きな目標へのチャレンジは続きます。

(取材・制作:4years.)

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