導入検討企業のご担当者の方へ

確定拠出年金の導入パターン

確定拠出年金の導入パターンには、主に以下の5つのものがあります。導入パターンの選択時には、退職給付債務(PBO)や既存従業員の給付への影響を考慮することが重要です。

パターンI:新規採用者から導入するパターン

内容
  • 既存従業員は現行制度に継続して加入し、新規採用者から確定拠出年金に加入します。
  • 既存従業員が全員退職し、給付が終了すれば、制度は確定拠出年金に一本化されます。
退職給付債務(PBO)への影響
  • 現行制度の退職給付債務の即効的な減少にはつながりません。
  • 制度が確定拠出年金に一本化された際には、退職給付債務はなくなります。
既存従業員への影響
  • 既存従業員への給付は、従来どおり行なわれます。
パターンI

パターンII:全従業員の将来分から導入するパターン

内容
  • 既存従業員は導入までの勤務期間に対応する給付は、現行制度から受け、導入後の勤務期間に対応する給付は、確定拠出年金から受けます。
  • 既存従業員が全員退職し、現行制度からの給付が終了すれば、制度は確定拠出年金に一本化されます。
退職給付債務(PBO)への影響
  • 現行制度の将来の給付に対応する退職給付債務が減少します。
  • 制度が確定拠出年金に一本化された際には、退職給付債務はなくなります。
既存従業員への影響
  • 導入時点で退職したと仮定したときの給付額は、保証されます。
  • 導入後に確定拠出年金で積み立てる部分については、運用次第で受取額が変化します。
パターンII

パターンIII:現行制度の一部を移行するパターン

内容
  • 現行制度の一定割合を確定拠出年金に移行し、両制度から給付を行ないます。
  • 企業年金制度から過去分を移行する場合、積立不足がないことが前提です。
退職給付債務(PBO)への影響
  • 移行部分に相当する退職給付債務はなくなります。
既存従業員への影響
  • 移行部分に対応する給付額は自らの運用次第で変動するようになります。
  • 一方、現行制度からは、一定の給付額が保証されます。
パターンIII

パターンIV:現行制度のすべてを移行するパターン

内容
  • 現行制度を完全に廃止し、確定拠出年金に一本化します。
  • 企業年金制度から過去分を移行する場合、積立不足がないことが前提です。
退職給付債務(PBO)への影響
  • 現行制度の抱える退職給付債務は完全になくなります。
既存従業員への影響
  • 退職後におけるすべての給付が自らの運用次第で変動するようになり、給付額の保証は一切なくなります。
パターンIV

パターンV:現行制度に上乗せするパターン

内容
  • 現行制度はそのまま継続し、新たに確定拠出年金を上乗せすることにより給付を増加させます。
退職給付債務(PBO)への影響
  • 退職給付債務には影響しません。
既存従業員への影響
  • 現行制度の給付は従来どおり行なわれ、さらに確定拠出年金の分だけ給付が増えます。
パターンV