

※本記事は、2024年6月時点の内容です


「初対面の人と話が盛り上がらず気まずい……」「何度も顔をあわせているのになぜか距離が縮まらない……」そんな悩みを抱えている人はいませんか?雑談力を身に付けて会話上手になることが、よりよい人間関係を築くためのカギとなります!今回は、『おもしろい人が無意識にしている 神雑談力』の著者であり、元お笑い芸人で経営者として活躍する中北朋宏さんに、雑談力を身に付ける方法をお伺いしました。
- ※本記事は、当社が中北朋宏様に取材を依頼して掲載しています。

中北さんが定義する「雑談力」とはどのようなものでしょうか。
一般的に雑談というと、たわいもない会話のことを指すと思います。代表的なものとしては、「今日は寒いですね」といった天気の話などです。しかし、いくら天気の話をしたからといって、相手との関係は深まりませんよね。こういった時間を埋めるだけの会話ではなく、「相手にどうなってほしいか」という意図や目的を持った会話を通して、相手との関係を築き、深める力が、僕の考える雑談力です。僕はこれを“神雑談力”と呼んでいます。
天気の話がちょっとうまくできるようなその場しのぎのテクニックではなく、相手との関係を構築する力のことを指すのですね。“神雑談力”を身に付けると、どのように役立つのでしょうか?
人から応援してもらえるというメリットがあります。同じ仕事をしていても人に助けてもらえるかどうかでそのスムーズさは大きく変わります。僕自身、この“神雑談力”を身に付けたことで、必要な人が必要なときに協力してくれるようになり、仕事の成果にもつながりました。
もちろん、“神雑談力”が役立つのは仕事面だけではありません。ママ友やご近所さんとの交流、もっと近しい友人や家族との関係を深めることにも役立ちます。大切な人や素敵だと思う人に時間を使い関係を深めることで、より楽しい人生を送ることができるのです。

雑談力がある人とない人では、どういった違いがあるでしょうか?
雑談力がある人は、会話の目的が明確です。相手とこの会話を通してこういう関係になりたい、こういう情報が欲しいという意図がはっきりとしています。また、相手に対して自分と関係を築くメリットを提示することができます。逆に、雑談力のない人が陥りがちなのが、天気や気温の話題などの時間を埋めるだけの会話や、相手にメリットを提示できず、一方的に教えを乞うような自分視点の会話です。このような表面的な会話に時間を費やしていないか、普段自分がしている雑談を振り返ってみるとよいかもしれません。

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1会食での自己紹介。印象に残るには?
- 趣味は映画鑑賞です!
- 趣味は映画鑑賞で、好きな作品は〇〇で
す。特に〇〇のシーンで感動しました!
Aが普通の雑談、Bが“神雑談”です。相手の印象に残るためには、ターゲットを絞った自己紹介が必要です。具体的に自分の価値観を提示することで、気のあう人に刺さり、相手から話しかけられやすくなります。
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2子どもが同じ保育園に通うママと
エレベーターのなかでバッタリ!何を話す?- 今日は寒いですね。毎日毎日凍えて嫌になってしまいます。
- 今日は寒いですね。そういえば来週のお楽しみ会って──
Aが普通の雑談、Bが“神雑談”です。自分の話で終わらせるのではなく、両者に共通していてかつ情報の重要度が高い話題に触れることで、トークがより弾み、相手との距離感をグッと縮めることができます。
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3上司にすすめられた本を購入し、読み終えた。
どう伝える?- おすすめしてもらった本を買いました。面白かったです。
- おすすめしてもらった本を読んで、書いてあった〇〇を実践したのですが、全然うまくいきませんでした。もしコツがあれば教えてください。
こちらも、Aが普通の雑談、Bが“神雑談”です。ただの報告で終わらせるのではなく、実際に読んでみた感想や実践した結果を伝えることで、上司に対して、有言実行である印象を持ってもらう効果があります。
- ※中北様への取材をもとに編集部作成
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特に初対面の人とのコミュニケーションにおいて、会話術以前に気を付けるべきことは何でしょうか。
まずは、相手によい第一印象を与えることが大切です。心理学では、第一印象が決まるまでの時間はたった数秒で、かつその印象は約半年間持続すると言われています。この短い時間で私たちができることは、シンプルですが、笑顔であいさつをすることです。この数秒を制することで次のステップに進むことができるのです。
では、どのようなコミュニケーションをすれば、より関係性を深めることができるのでしょう。 “雑談力”を高めるためには、次に紹介することを意識してみてください。

人間関係のなかで他者を好きになるのには4つの要因があると言われており、これらを会話のなかに取り入れていくことも、相手に好印象を与えるために効果的です。
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顔馴染み感 ほどよい自己開示で相手との距離感を
詰めるまず一つ目に「お互いのことをどれだけ知っているか」が重要です。よくあるのが、相手のことを知ろうとするあまり質問ばかりしてしまい、面接のようになってしまうパターン。コミュニケーションは相互関係で成り立つものなので、主体的に相手のことを知ることと、自己開示をして相手に自分のことを知ってもらうこと、その両方が必要になります。
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同類感 会話のなかで互いの共通点を
見つけ出す出身地や好きな映画が同じ人に出会うとトークが弾みますよね。人は経験や価値観が似ている人に興味を持つ傾向があるため、相手との共通点を会話のなかで積極的に探ってみましょう。相手の価値観にさりげなく触れるためには、「AとBだとどちらが好みですか?」など、具体的な事例を出しながら探るのも有効です。
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前のめり感 相手に対してなるべくポジティブな
感情を伝える人は相手に何かをしてもらったら、自分もお返ししたくなる心理があり、これを「返報性の法則」といいます。つまり、自分から相手に好意を示すことが、相手にも好意を抱いてもらうきっかけになるのです。ぜひ、ポジティブな感情を相手へ率直に伝えてみましょう。
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主人公感 言葉遣い、声のトーン、服装など
会話以外のセルフプロデュースも忘れずに自分を魅力的に見せるための自己プロデュースも重要です。相手に認識してもらいたい印象を決め、どのような言動をとるかまでデザインしておきましょう。話す内容はもちろんのこと、言葉遣いや声のトーンといった聴覚情報、服装や表情などの視覚情報も大切な要素になります。

過度に相手のことをネガティブに考えながら接することはやめましょう。無意識のうちに表情や話し方に現れてしまい、相手からも同じような態度で接されてしまいます。また、無礼な態度だと誤解されかねません。基本的に相手にリスペクトを持って接することが大前提だと思います。
また、過度な自己開示もNG。例えば、初対面の人が突然自分の失恋話を赤裸々に語り出したらちょっと気持ち悪いですよね。相手との会話のキャッチボールのなかで見きわめながら、徐々に自己開示レベルを上げていくことが大切です。

イギリスの人類学者ロビン・ダンバーの研究によると、人が良好な人間関係を築くうえで、その人数には上限があると言われています。例えば、相手と月に数回連絡を取りあうような親しい関係になりたいと思ったとき、そのなかのひとりになるために、すでに埋まっているであろうその席を取りにいかなければならないでしょう。
「この人のことをもっと知りたい!」と相手に思ってもらうためには、自分と関係構築をするメリットを提示する必要があります。そのためにまず、相手が困っていることや、どういう情報が知りたいのかなど、相手の情報を把握しておかなければなりません。ただ、相手が困っていることへのソリューションを提供するばかりでは、「御用聞き」になってしまいますし、逆に、自分が学びたいから、話したいからといって相手の時間を奪うだけの会話は、あまり良くありません。あくまでも相互関係であることを前提においたうえでメリットを提示し、自分のことも開示していくバランス感覚が重要です。

お互いのことをそれなりに理解して信頼関係ができているのであれば、よほどのNG行動でない限りは一度のミスで信頼を失うことはあまりありません。そのため、試行錯誤しながら関係を構築していくのがよいのではないでしょうか。何度か会っているけれど距離が縮まらない場合は、十分に行動できていないことが多い傾向にあります。
また、関係を構築するべき人ではないというパターンもあります。お互いに目的がなかったり、メリットがマッチしない場合に、無理して関係を構築する必要はありません。かなり意識的に相手にメリットを提示し続けないと仲良くなれない人は、そもそもの関係構築がミスマッチである可能性が高いのです。

「雑談が苦手」という悩みを抱えていると、「話し上手」は生まれつきで、大人になってから雑談力を身に付けることは難しいのではないかと思ってしまいます。
実は僕も元々コミュニケーションが得意なわけではないんです。新幹線で窓際の席に座ったとき、隣の人に一言声をかけることが億劫で、東京から大阪までトイレに行くのを我慢したこともありました。そんな僕でも身に付けられたので、みなさんにもぜひチャレンジしてもらえたらと思います。
意外です!それでは、雑談が苦手な人でも日常で実践できるような、トレーニング方法を教えていただけないでしょうか。
練習するのであれば、4つのステップを実践してもらえるとよいと思います。まずは家族や友人といった親しい人との会話のなかで練習してみてください。

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トレーニング1自己開示の練習の場として、家族との会話を増やす
一つ目のステップは、自己開示の練習の場として家族との会話を増やすことです。今日起こった出来事を自分から話し、相手にも質問して話してもらって……というやりとりを意識して増やしてみてください。
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トレーニング2会話のなかに、笑顔や大きめの
リアクションを取り入れる二つ目は、そういった親しい人との会話のなかで、笑顔で話を聞いたり、大袈裟なくらいちゃんとリアクションをすることです。相手の本音が出てくるような話しやすい場づくりができるとベストだと思います。
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トレーニング3相手の話に「よい話だな」とか
「面白いね」といった一言を添える三つ目は、相手の話に対して「よい話だな」とか「面白いね」といった一言を添えることです。もし、わざとらしくなってしまうのであれば、さりげなく呟いてサブリミナル効果を狙うのもおすすめです!芸人時代、あまり売れてはいないけれど先輩になぜかいつも可愛がってもらっている人がいました。飲み会でその方を観察していると、トイレに行くときに聞こえるか聞こえないかの声で「今日めっちゃ楽しい〜」と呟いてから行っていたんです!このテクニックは会社でも使えますが、相手の心理的安全性の確保につながるので、家庭や友人間でも役に立つこと間違いなしです。
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トレーニング4会話の終わりにも「また話そうね」など、
一言開示をする最後は、会話の終わりにも一言開示をすることです。人と話した最後に「今日楽しかったよ。また話そうね」と言うことで、相手に「また話したい」という気持ちを持ってもらうことができます。

最後に、雑談が苦手な方や人とのコミュニケーションに悩むみなさんに、中北さんからメッセージをお願いします。
ここまでお話ししてきた“神雑談力”は、そもそも無理して関係構築をする必要はない!という考え方が前提となっています。自分にとって大切な人をもっと大切にするための力として活用してもらうことで、いろんな人に応援してもらったり、自分の人生を楽しんだりできる人間関係を築いていってもらえると嬉しいです。

Profile
中北 朋宏
Profile中北 朋宏
株式会社俺 代表取締役社長。浅井企画で芸人として活動後、人事系コンサル会社に就職。営業MVP等数々の賞を受賞。2018年2月に株式会社俺を設立。お笑い芸人からの転職支援「芸人ネクスト」、笑いの力で組織を変える「コメディケーション」の事業を展開。
これまでに「芸人ネクスト」で100名以上の芸人の転職にかかわり、「コメディケーション」は260社以上の企業に導入され、受講者は26,000名を超えている。3冊の著作を刊行しており、ベストセラーを記録。1作目『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』日本経済新聞出版。2作目『コンプレックスは営業の最高の武器である。』日本経済新聞出版。3作目『おもしろい人が無意識にしている 神雑談力』東洋経済新報社。
- ※本記事は、2024年6月時点の内容です。
- ※本記事は、当社が中北 朋宏様に取材を依頼して掲載しています。
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