「正しく理解」できていますか? サプリメントの選び方&使い方

管理栄養士が解説 選ぶ際にはこの表示を確認! 購入・利用時の注意ポイントとは Q&Aでサプリメントの疑問を解消!

※本記事は、2024年7月時点の内容です

サプリメントは、食事ではまかないきれない栄養素を補ってくれるなど、上手に利用すれば私たちの健康づくりをサポートしてくれる心強い存在。みなさんはサプリメントの適切な選び方や使い方をご存じでしょうか。この記事ではサプリメントを正しく理解するため、管理栄養士の篠原絵里佳さんの監修のもと、知っておくべき基礎知識、選び方や使い方のポイント、利用する際の注意点などをご紹介します。

サプリメントは医薬品ではなく「健康食品」

サプリメントには錠剤やカプセル剤のような見た目のものが多くあります。そのため、「サプリメントって医薬品なのかな?」と思われている方も多いかもしれません。サプリメントは法律上で定義はされていませんが、「健康食品」に分類される、いわゆる「食品」です。サプリメントは医薬品のように「効果・効能が保証されるものではない」という点を念頭におくとよいでしょう。このように書くと、「サプリメントって摂取しても意味がないの?危ないものなの?」と思ってしまいそうですが、そうではありません。大事なのは正しい知識と理解を持ってお付き合いするということです。

サプリメントは適切に活用することで、健康をサポートする味方になってくれることが期待できます。健康の維持・増進や、食事だけでは不足している栄養素の補給・強化、美容など、目的に応じたさまざまなサプリメントがありますので、次の項目からご紹介する知識を踏まえながら、利用してみてください。

何を目安にしたらよい?サプリメントの上手な選び方

食事の現状を把握し、不足した分をサプリで補う

サプリメントを利用する前の大前提として、心身ともに健やかに過ごすには、毎日の食事をバランスよく欠かさず摂ることが大切です。けれども、さまざまな理由で栄養バランスの整った食事を摂るのが難しいこともあるでしょう。そんなときに、不足している栄養素を補給するのがサプリメントです。まずは、毎日の食事における「自分の食事の癖や傾向」に気付き、不足している栄養素があれば、サプリメントの利用を検討する、というようにしましょう。

日本人に不足しがちな栄養素には、ビタミンDやカルシウム、食物繊維などがあります※1。また、ビタミンB群の一種である葉酸は、妊娠前後における摂取によって、おなかの赤ちゃんの脳や脊髄などに生じる先天異常である神経管閉鎖障害の発症リスクを減らせることが、さまざまな研究によって報告されています※2。そこで、厚生労働省では、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦に対して、普段の食事に加えてサプリメントなどからも葉酸を摂取することを推奨しています※2。食事だけでは足りない栄養素がある場合、サプリメントを活用することで、不足している栄養素を補うことが期待できます。

  • ※1出典:厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』、厚生労働省『令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要』
  • ※2出典:e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」

サプリメントを選ぶ際にはこの表示を確認!

サプリメントを摂取する前にパッケージの表示を十分に確認することが大切です。そこで、サプリメントを選ぶ際に気を付けたいポイントを次にまとめました。

「保健機能食品」に分類されるものか、
「一般食品」に分類されるものか確認する

健康食品の一種であるサプリメントは、大きく二つに分類されます。一つは国が定めた安全性と有効性に関する基準などに従って機能性が表示されている「保健機能食品」、もう一つは国の関与がなく保健機能食品のように機能をパッケージに表示することはできない「一般食品」です。いずれも効果・効能が保証されるものではありません。「保健機能食品」には、さらに「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の三種類があります。

食品 一般食品 ※機能性の表示ができない 栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品といった表示で販売されている食品は一般食品です。 保健機能食品 ※機能性の表示ができる 特定保健用食品 栄養機能食品 機能性表示食品 医薬品 医薬部外品

『「機能性表示食品」って何?』(消費者庁)
(https://www.caa.go.jp/notice/assets/150810_1.pdf)を加工して作成

特定保健用食品

製品ごとに安全性と健康の維持増進に役立つ効果について国が審査し、消費者庁長官が保健機能の表示を許可している食品です。「トクホ」と呼ばれ、許可された食品には、許可マークが表示されています。

栄養機能食品

人に効果を及ぼすとされる科学的根拠が認められている栄養成分を一定の基準量含む食品で、特定の栄養成分の補給のために利用されます。ただし、特定保健用食品のように製品ごとの審査はなく、事業者の自己申告によって国が定めた栄養機能が表示されています。また、許可マークの表示もありません。栄養機能食品として機能の表示をすることができる栄養成分には次のものがあります(2024年7月時点)。

機能の表示をすることができる栄養成分

脂肪酸(1種類)

n-3系脂肪酸

ミネラル(6種類)

亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム

ビタミン(13種類)

ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

出典:消費者庁ウェブサイト「栄養機能食品について」

機能性表示食品

事業者の責任において科学的根拠に基づいた安全性や機能性などの情報を販売前に消費者庁長官へ届け出て、機能性を表示した食品です。特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。また、許可マークの表示もありません。

原材料表示に記載された
原材料や食品添加物を確認する

配合されている成分にどんな原料が使われているのかを知るには、原材料表示を確認します。また、サプリメントの製造には、原料を均一に混ざりやすくしたり、錠剤の形状にしたり、カプセル剤の材料となるなどのために欠かせない食品添加物が使われています。どのような食品添加物が使われているかも把握しましょう。

含有量表示を確認する

どの成分が、どのくらいの量含まれているのかを知るためには、含有量表示を確認します。原材料は含有量が多い順に記載されていますが、目的としている栄養素や成分が少ししか含まれていない場合もあるので、しっかりチェックしましょう。また、厚生労働省による『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防を目的として、栄養素の摂取量の基準(推定平均必要量、推奨量、目安量、耐容上限量、目標量)などを示しています。摂りたい栄養素の摂取量の基準を調べたうえで、サプリメントから1日に摂れる量を確認することも大切です。

GMP認証を受けているかを確認する

GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略称で「適正製造規範」のことを指し、原料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、「適正な製造管理と品質管理」を求めるものです。「GMPマーク」の付いた製品には、一定の品質が確保されています。現状、GMPマークが付いている製品は限られていますが、サプリメントを選ぶときの判断材料の一つになります。

GMPマーク

日健栄協認定製品GMP

出典:公益財団法人
日本健康・栄養食品協会

見きわめが必要なサプリメント

サプリメントのなかには、摂取を慎重に検討したほうがよいものもあります。選ぶ際の参考にしてください。

格安のサプリメントのなかには
粗悪品が紛れていることも

サプリメントは、必ずしも価格が高ければ高いほど質も高いとは限りませんが、安過ぎるサプリメントには注意が必要です。サプリメントを安全に製造するには、不純物の混入を取り除くなどの必要なコストがかかります。また、天然素材を使ったサプリメントは、一般に原材料費が高くなるものですが、著しく価格の低いサプリメントのなかには食品由来ではない原材料が使われているものもあります。販売元のメーカーを調べるなど確認を行なうことが大切です。

海外製のサプリメントのなかには
日本人にあわないものも

日本で購入できるサプリメントのなかには、海外製のものも多く出回っています。海外製のサプリメントは、日本人とは異なる体格や食文化を背景として、それぞれの国の基準で製造されています。海外製のサプリメントに含まれている栄養素には、日本人であれば普通の食生活のなかで十分摂取できているものもあり、特定の成分の過剰摂取につながる可能性もあります。海外製のサプリメントを購入する際はしっかり見きわめを行ないましょう。

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サプリメント利用の際に注意したい5つのポイント

1 薬を服用中の人は、まずは医師や薬剤師に相談する

「サプリメントを利用してみたい!」と思ったときに気になるのが、「服用中の薬と併用できるの?」ということではないでしょうか。サプリメントと医薬品を併用すると、医薬品と同じ成分を二重に摂ることになったり、医薬品の作用が妨げられたりすることも。その結果、医薬品が効きにくくなったり、副作用が出やすくなったりする場合があるので注意が必要です。病気の治療中などで医師から処方されている薬を服用している人は、自己判断でサプリメントを摂ることは避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。同様に市販薬も、サプリメントとの併用に注意しましょう。

そのほかにも、サプリメントに使われる原材料のなかには、食物アレルギーを引き起こす成分が含まれていることもあるので、特に重い食物アレルギーのある人は注意が必要です。

2 サプリメントの摂り過ぎに注意する

サプリメントのように特定の成分が濃縮されているものは、食品から栄養を摂取する場合よりも体へ及ぼす影響が強く出ることがあります。ときには過剰症を引き起こし、肝臓や腎臓などの機能を悪化させる恐れがあります。サプリメントを摂るときは、摂取目安量を守りましょう。

3 体調に異変を感じたらサプリメントの摂取を中止する

サプリメントを利用する際は、食品だからと安心したりせず、「どんなサプリメントを」「いつ」「どれだけの量」を摂ったのか記録しておくようにしましょう。パッケージの写真を撮っておいたり、捨てずに保存しておいたりすると安心です。サプリメントを摂取して体調に異変を感じたら、速やかに利用を中止してください。場合によっては、医療機関への受診を検討してください。

4 サプリメントで気になることは薬剤師など専門家に相談を

サプリメントで気になることがある場合、身近で相談できるのが薬局やドラッグストアなどの薬剤師です。薬局のなかでも、厚生労働大臣が定める一定基準を満たしている「健康サポート薬局」では、掛かり付け薬剤師・薬局の機能に加えて、市販薬や健康食品、食事・栄養摂取に関することなども相談できます。公益社団法人 日本薬剤師会では目印となる下記のロゴマークを作成しており、健康サポート薬局の多くが薬局の外などに表示しています。

健康サポート薬局のロゴマーク

厚生労働省基準適合健康サポート薬局

出典:公益社団法人 日本薬剤師会

そのほかにも、健康食品に関する「アドバイザリースタッフ(食品保健指導士、健康食品管理士、NR・サプリメントアドバイザーなど)」は、サプリメントなどの健康食品に含まれる成分の機能やサプリメントの活用方法などについて、医療機関や薬局、ドラッグストアなどで情報提供や相談を行なっています。

5 サプリメント選びに迷ったら医療機関へ

サプリメントの種類はさまざまで、自分がどんなものを摂り入れたらよいのかと迷う人も多いかと思います。一例として自分が不足している栄養素を特定し、補いたい場合は、主に保険外診療(自費診療)で「栄養療法」を実施しているクリニックなどの医療機関への相談も選択肢の一つです。栄養療法では、血液検査や食事記録などから、不足している栄養素を把握し、食事の改善方法やおすすめのサプリメントについて、医師や管理栄養士など専門家からアドバイスを受けることができます。

サプリメントの疑問を解消!Q&A

Q ダイエットに役立つサプリメントはあるの?
A

サプリメントに頼る前に、まずは体重や体脂肪が増えた原因を把握する必要があります。食べ過ぎや運動不足が原因の場合は、食事や運動を見直し、生活習慣の改善を図ることが大切です。食事制限によって不足していると感じる栄養素がある場合は、サプリメントで補うというように、ダイエットのサポートにサプリメントを利用するのがよいでしょう。

Q 肌荒れしたときは美容に役立つサプリメントを使うとよい?
A

肌荒れの原因はさまざまで、栄養バランスの悪い食事や睡眠不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、紫外線、乾燥、花粉、間違ったスキンケアなどがあります。まずは肌荒れの原因を知ることが大切です。例えば、食事が肌荒れの原因になっていると考えられる場合は、ビタミンB群やビタミンC、たんぱく質などが不足している場合があります。食事を改善しても不足していると考えられる栄養素がある場合は、サプリメントで補うとよいでしょう。

Q 複数のサプリメントを同時に摂ってもいい?
A

複数のサプリメントそのものが肝臓の機能などに悪影響を及ぼすこともあります。また、異なる種類のサプリメントを使用した場合の相互作用については、ほとんどわかっていません。そのため、自己判断で多種類のサプリメントを摂取すると、体調に異変があった場合にどのサプリメントのどの成分が影響しているのか、原因を突き止めるのが難しくなる恐れがあります。いくつもの種類のサプリメントを摂る際の注意点も把握しておきましょう。

サプリメントはあくまでも「補助」食品

正しい知識を身に付けたうえで上手に活用することで、私たちの健康づくりや生き生きとした生活をサポートしてくれるのがサプリメント。健康の維持や増進の基本は、「栄養バランスの取れた食事」「適切な運動」「十分な休養」です。まずは日々の生活習慣を振り返り、食事、運動、休養の改善を図ることが大切です。そのうえで、いつまでも健やかに過ごすためのあくまで補助的なものとして、サプリメントを上手に活用しましょう。

監修
篠原絵里佳

監修篠原絵里佳

管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士。
総合病院、腎臓・内科クリニック勤務を経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体のなかから健康と美をつくる食生活を見いだし、食をわかりやすく発信することを得意とする。医療機関で栄養相談のほか、全国での講演会、セミナー講師、コラム執筆、レシピ提案、テレビ・ラジオの出演、雑誌・ウェブサイト・書籍の監修など、幅広く活躍している。

  • ※本記事は、2024年7月時点の内容です。
  • ※本記事は、当社が篠原絵里佳様に監修を依頼して掲載しています。

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