
――2020年に生命保険文化センターが行なった調査※によると、シニア世代が最も不安なことの第1位は「健康」という結果でした。やはりみなさん、老後を考えるうえで健康への不安は切っても切り離せないのでしょうか。

- ※ 出典:公益財団法人 生命保険文化センター『ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査』(2021 年)
- ※ 小数点の端数処理の都合上、合計値は100%になりません
白澤先生:
そうですね。実際、さまざまな身体機能が低下していくシニア世代にとって、健康の維持はとても大きな課題だと思います。男女ともに平均寿命が80歳を超える長寿国の日本ですが、実は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる」とされる健康寿命は、男女ともに70代※なんです。健康寿命と平均寿命にはこの時点で10年の違いがありますよね。つまり70代で体調を崩し、健康面で大きな課題を抱えながら、余生を過ごす方が多いのが現状。たとえ平均寿命が長くても、健康寿命との差が大きい場合は不健康な状態が長期間続くことになり、医療費や介護費が増えるなど、家族や生活への負担も大きくなってしまう可能性があります。
- ※ 出典:厚生労働省『健康寿命の令和元年値について』(2019 年)