20~39歳の3割以上に症状あり!? 歯周病の怖さと対策

あなたは大丈夫?歯周病危険度セルフチェック! 歯周病が死に至る病気を引き起こすリスクも?

※本記事は、2024年2月時点の内容です

放置すると死のリスクも!? 歯周病の対策をプロが徹底解説

日本人の国民病の一つともいわれる歯周病。しかし自覚症状のないために気付かないうちに進行し、悪化すると全身疾患を引き起こす可能性のある怖い病気です。そうした状況を受けて、国は2025年にすべての国民に歯科検診を義務づける「国民皆歯科検診」の導入を検討しているともいわれています。いったいどうすれば、歯周病を防ぐことができるのでしょうか。その原因や対策について、歯周病のエキスパートである若林健史先生に伺いました。

1 若年層も要注意!
意外と身近な歯周病の脅威

歯周病というと中高年以降で発症する病気のイメージがあるかもしれません。しかし調査の結果から、実は若い世代の患者も一定数存在することがわかっています。歯周病はどれほど身近な病気なのでしょうか?原因や症状とあわせて紹介します。

※ 出典:厚生労働省『歯科疾患実態調査結果の概要』(2022年)

中高年だけじゃない!?
20~39歳の3割以上は歯周病の症状あり

歯周病は、歯の磨き残しなどが原因で口内に歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌のかたまりが増えることで発症します。この歯垢に含まれる歯周病菌が、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)から侵入して炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。

歯周病は40代以降に多い病気ですが、若年層の患者も決して珍しくはありません。2022年に厚生労働省が実施した調査※1では、進行した歯周病の症状がある人(4mm以上の歯周ポケットがある人)の割合が、20~39歳の約30.6%となり、若年層のなかにも有症者が一定数見られる結果になっています。

また特に女性は年代問わず、歯周病になりやすいとされています※2プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンが増えると、歯茎への血流量が増えて代謝が活発になります。すると歯垢などの刺激物に敏感に歯茎が反応して炎症を起こし、歯周病を誘発してしまうのです。ホルモンバランスが乱れやすい「思春期」「妊娠・出産」「更年期」の時期は、歯周病のリスクが高まるため注意が必要です。

  • ※1 出典:厚生労働省『歯科疾患実態調査結果の概要』(2022年)
  • ※2 出典:NPO法人日本臨床歯周病学会『歯周病と妊娠』(患者様向け歯周病リーフレットより)

放置すると危険! 歯周病セルフチェックリスト

では歯周病になると、どのような症状が現れるのでしょうか。下記のチェックリストに、当てはまっている症状がないか確認してみましょう。ひとつでも心当たりがある人は注意が必要です。

  • 歯茎が赤く腫れている
  • 歯磨き時に歯肉から出血しやすい
  • 人から口臭を指摘される
  • 朝起きると口のなかがネバネバして、
    気持ち悪い
  • 舌で歯茎を触ったときに、
    表面がツルッとしているように感じる
  • 硬いものが噛みにくい
  • 歯肉が下がり、
    歯が長くなったように感じる
  • 歯と歯の間に隙間ができ、
    食べ物が詰まりやすく感じる
  • 歯がグラグラする

上記のチェックリストからも分かるように、歯周病は痛みなどの自覚症状はあまりなく、気付かないうちに進行している場合も少なくありません。また本来健康的な歯茎の表面はざらざらとしているのですが、歯茎が腫れると表面の凹凸がなくなってしまいます。ところが一般の人にはなかなか歯周病と判断がつかず、歯茎にハリがあり健康な状態だと勘違いしてしまうこともあります。また口臭についても、指摘されるまで自分では気が付けないケースがほとんどです。
まさに「静かなる病気(サイレントディジーズ)」といえますが、放置を続けると歯の寿命が短くなるだけではないのが、この病気の怖いところ。実は、全身疾患との強い関連性が明らかになっているのです。

2 命の危険も?歯周病が原因で
起こる全身疾患とは

歯周病が悪化すると、歯垢のなかに潜む歯周病菌が歯茎の血管に入り込んで全身を巡り、健康にさまざまな影響を与える恐れがあることが世界中の研究により指摘されています。命を危険にさらす疾患につながる可能性もあるため、決して甘く見てはいけません。ここでは歯周病が引き起こす主な全身疾患を紹介します。

  1. 1 糖尿病

    歯周病は糖尿病の合併症である神経障害、網膜症、腎症、糖尿病足病変、脳梗塞・心筋梗塞(大血管症)に次ぐ「第6の合併症」といわれていますが、歯周病になると糖尿病が悪化することも解明されています。歯周病菌が血糖をコントロールするインスリンの働きを弱めてしまうため、糖尿病を誘発する可能性があります。

  2. 2 脳梗塞・心筋梗塞

    歯周病が引き起こす疾患のなかには、命を危険にさらすものもあります。歯周病菌によりつくられた血栓が脳や心臓の血管に詰まることで脳梗塞、心筋梗塞を引き起こしやすくなります。2014年には、東京大学の研究チームが行なった約5年間にわたる追跡調査から、歯周病の可能性が強く疑われる男性は心筋梗塞のリスクが約2倍になることが明らかになっています。

    ※ 出典:Satomi Noguchi, Satoshi Toyokawa, Yuji Miyoshi, Yasuo Suyama, Kazuo Inoue,Yasuki Kobayashi. Five-year follow-up study of the association between periodontal disease and myocardial infarction among Japanese male workers: MY Health Up Study. Journal of Public Health. 2015; 37(4): 605–611. Doi: 10.1093/pubmed/fdu076

  3. 3 早産・低体重児出産

    歯周病には、早産や低体重児出産のリスクもあります。妊娠をすると、出産時に羊水のなかに子宮の収縮を促すプロスタグランジンという物質が分泌されます。歯周病になり炎症が広がると、それを抑えようとプロスタグランジンが必要以上に分泌され、子宮の収縮が早期に促されることにより、早産や低体重児出産のリスクが生じます。

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3 そのやり方、間違っているかも!
歯周病対策のための口内ケア

さまざまな健康リスクを持つ歯周病ですが、症状が軽度であれば炎症を抑えることで健康な状態へと戻すことができます。しかし近年口内ケアとして広まっている対処法のなかには、逆効果だったり効果が薄いものも。改善するためには、正しい知識を持って対策を講じる必要があります。以下に歯周病対策のために効果的なケアをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

立体的な歯の「形」にそって1本ずつ磨く

口内を清潔に保つには、歯磨きでしっかりと歯垢を取り除くことが大切ですが、実は正しい磨き方ができている人は、あまり多くありません。歯磨きのポイントは、歯の形状にそって1本ずつしっかりと磨くこと。歯ブラシの毛先を歯の面に直角に軽く当て、小刻みに動かしながら汚れを落としましょう。できれば毎食後に歯を磨くことが理想ですが、歯周病菌は寝ている間に増加するので、就寝前と起床後には必ず磨くようにした方が良いです。歯と歯茎の境目に毛先が当たっているかを確認しながら磨きましょう。

磨き方のイメージ

歯磨き粉は用途に応じて選ぶ

最近はさまざまな有効成分入りの歯磨き粉がならんでいますが歯周病の予防に有効なのが、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化セチルビリジニウム)など殺菌効果の高い成分が入った歯磨き粉です。薬局や歯科医院で歯周病専用の歯磨き粉を選ぶのが一番良いでしょう。歯を丈夫にしてくれるフッ素入りの歯磨き粉なら、虫歯予防の効果もあります。

手磨きよりも刷掃能力が高い、
電動歯ブラシを活用

なるべく磨き残しをなくすためには、実は電動歯ブラシが有効です。高速で振動する電動歯ブラシは普通の歯ブラシで磨くよりも刷掃能力が高く短時間で磨くことができます。また、デンタルフロスや歯間ブラシ、口内洗浄液などの口内ケアグッズを使ってケアするのも有効な方法です。

間食を減らす

間食の回数が増えるほど歯に歯垢がたまりやすくなるため、間食はできるだけ避けましょう。また歯の健康を意識してキシリトール入りのガムを噛む人も多いかもしれませんが、これも注意が必要!なかには砂糖や添加物がたくさん入っているものもあり、かえって虫歯や歯周病を引き起こす可能性があります。おすすめは、歯科医院などで取り扱っているキシリトール100%のガムですが、普段購入するときは成分表を確認したうえで選ぶようにしましょう。

定期的に検診を受ける

歯周病は自分で気付くことがなかなか難しい病気のため、日々のセルフケアと並行して歯科医院で定期検診を受けることも大切。理想としては、3~4ヵ月以内に1度のペースでメンテナンスを行なうことをおすすめします。またきちんと歯磨きができていないケースが多いため、一度、歯科医院で正しい磨き方を教えてもらうと良いでしょう。

4 日ごろのケアは未来への投資。
今できることからはじめよう

歯の健康は、全身の健康に大きく影響します。特に歯周病は一度悪化してしまうともとには戻りません。できるだけ初期の段階で歯周病であることに気付き、適切に対処することで進行を食い止めることが大切です。自覚症状があまりないため、つい放置してしまいがちな歯の手入れですが、日ごろのケアは将来への投資と考えて今からできる対策を行なっていきましょう。

監修
若林健史

監修若林健史

歯周病専門医。1982年、日本大学松戸歯学部 卒業。東京都練馬区若林歯科医院勤務。
1989年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年に恵比寿に移転したあと、2024年4月から表参道にて移転開業。日本歯周病学会理事。日本歯周病学会専門医・指導医。日本臨床歯周病学会認定医・指導医。著書に『なぜ歯医者の治療は1回で終わらないのか?聞くに聞けない歯医者のギモン40』(朝日新聞出版)

  • ※本記事は、2024年2月時点の内容です。
  • ※本記事は、当社が若林健史様に監修を依頼して掲載しています。

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