血管の健康の指標として、「血管年齢」が注目されていますが、一般的な健康診断に「血管年齢」という項目はありません。そもそも、血管年齢とは何なのでしょうか?また、血管の健康はいったい何で決まるのでしょうか?まずはそこから見ていきましょう。
血管は、体のほかの部分と同じように年を取ります。老化した血管(特に動脈)は、硬くなって弾力を失います。「血管年齢」とは、この血管の硬さを数値化し、動脈硬化の進行度を示したものです。
血液には、赤血球や白血球など体の維持に必要なもののほか、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪など、増え過ぎると血管に負担をかけるものも含まれています。血管の内壁に悪玉コレステロールなどがたまるとプラークと呼ばれる塊ができ、コブ状になって血管を狭くします。プラークのコブが破れると、その部分の傷を補修するため血が固まって血栓ができ、血管が詰まります(図1)。これが心臓で起こると「心筋梗塞」で、脳で起こると「脳梗塞」です。心筋梗塞も脳梗塞もいのちにかかわる重大な病気ですが、その原因は血管にあるのです。
心筋梗塞や脳梗塞のはじまりは血管の老化。では、「予防のためには、血管の老化を防がなければいけない」のでしょうか。
もちろん、この考えに間違いはありません。しかし近年、少し違った見方から「血管の健康」にアプローチする考えが出てきています。それは、「血管の老化自体は、人間の体としてある程度は仕方のないこと。けれど、老化して硬くなった血管でも、血流がスムーズなら、プラークはできにくく心筋梗塞や脳梗塞を予防できる」というもの。つまり、問題は血管の老化よりも血液の滞り。心筋梗塞や脳梗塞予防には、血流改善が大事になってくるのです。
では、加齢以外で動脈硬化を進行させるものには、何があるのでしょうか?日常の生活習慣から見ていきましょう。
運動不足は中性脂肪の増加や高血圧につながります。
糖質を摂り過ぎると、血液中の過剰な糖が血管にダメージを与えます。
肉の脂身などに多く含まれる悪玉コレステロールや中性脂肪がプラークのもとになります。
たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血圧を上げ、血管に負担をかけます。また、血小板をダンゴ状にして血栓の原因をつくります。
アルコールは適量以上を長く飲み続けると、脳梗塞や脳出血のリスクを高めます。
例えば、歩いて行ける距離でも速くて楽だからと車を使ったり、何となくテレビを見ながらお菓子を食べたり、揚げ物をつまみにお酒を飲んだり……。こうしたことを「生活習慣」にしてしまうと、知らず知らずのうちに動脈硬化が進行する可能性が。まずは、自分の日常生活を見直してみましょう。
血管の状態は外からは全く分かりません。動脈硬化が進んでいたとしても、自覚症状はほぼありません。だからこそ、定期健康診断などで血液検査を行ない、悪玉コレステロールや中性脂肪の値を確認しましょう。基準値内でも、年々徐々に値が増えていくようなら要注意です。血管の健康のために、生活習慣を見直しましょう。
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健康的な生活習慣を選択していくことは、とても大切です。ですが、それだけでは病気のリスクをゼロにすることはできません。安心のセカンドライフのためにも、健康習慣の実践と、もしもに備えた医療保険をご検討してはいかがでしょうか。明治安田では、循環器病に特化した商品や先進医療による療養にも対応する商品など、充実の治療と療養生活をサポートする商品をご用意しています。
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血流改善で即効性を期待できるのは、やはり運動。人の体は心臓がポンプとなって全身に血を巡らせますが、加齢でポンプの力が弱くなると血流も滞りがちに。しかし、運動で筋肉を動かすと、筋肉がポンプとして働いてくれるため血流が改善されます。運動は大変……というイメージがあるかもしれませんが、単純な動きを数分行なうだけでも効果あり!朝起きてから夜寝るまで、いつでも気軽にできる「ちょこっと運動」をご紹介します。
下半身の血流を上半身に戻す運動です。
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1
かかとを上げる
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2
かかとを下げる
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3
①②の動きを、数分間を目安に無理のない程度繰り返す
上半身(体の前側)の血流を良くする運動です。
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1
腕を組む
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2
そのままの姿勢で肩を上げ下げする
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3
②の動きを、数分間を目安に無理のない程度繰り返す
上半身(背中側)の血流を良くする運動です。
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1
肘を後ろに引き、手のひらを上に向ける
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2
そのままの姿勢で肩を上げ下げする
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3
②の動きを、数分間を目安に無理のない程度繰り返す
「背伸び運動」を寝た状態で行ないます。
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1
仰向けに寝てつま先を伸ばす
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2
つま先を戻す
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3
①②の動きを、数分間を目安に無理のない程度繰り返す
健康のための食事は、難しいし面倒くさそう。そんなふうに思っていませんか。でも、ポイントを絞ってシンプルなルールにすれば、意外と難しくありません。積極的に摂取したい栄養成分と、できるだけ控える栄養成分が分かれば、あとは食べ方の3つの基本ルールを守ればOKです。ただし、必要な栄養素や食べ方は健康状態などで違ってきます。生活習慣病で食事制限がある、食が細くてあまり食べられないなど、食事のお悩みがあったら、まずはかかりつけ医などに相談しましょう。
摂取したい栄養成分とその代表的な食材
血液サラサラを維持するのは、抗酸化作用の高いビタミンA・C・E、リコピンや、抗炎症作用の高いEPA・DHA、ビタミンD、スルフォラファンなどを多く含む食材。それぞれの栄養成分を多く含む食材を(表1)にまとめました。ぜひ、積極的に食べましょう。
(表1)血管の健康のために食べるべき食材
抗酸化
ビタミンA※
レバー、うなぎ、ぎんだら、にんじん、ほうれんそう、かぼちゃ
体内でビタミンAに変わるβカロテンを含む
ビタミンC
ピーマン、ブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワー、豆苗
ビタミンE
ひまわり油、オリーブ油、アーモンド、抹茶、きなこ
リコピン
トマト
カテキン
緑茶、紅茶、ウーロン茶
抗炎症
EPA・DHA
さんま、さば、いわし、にしん、くろまぐろ、ぶり、あなご
ビタミンD
しらす干し、べにざけ、あじ、うなぎ、にじます、干ししいたけ
スルフォラファン
ブロッコリースプラウト
ケルセチン
たまねぎ、りんご、そば、緑茶
クルクミン
うこん
体内でビタミンAに変わるβカロテンを含む
控えめにしたい栄養成分とその代表的な食材・食品
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸など悪玉コレステロールを増加させる脂肪、糖分・塩分・アルコールは控えめに。具体的な食品・食品は、(表2)を参照してください。
(表2)血管の健康のために控えたほうが良い食材・食品
飽和脂肪酸
バター、ショートニング、ラード、マーガリン、牛・豚ロース
トランス脂肪酸
マーガリン、ファットスプレッド、スナック菓子
血管や血液の原料となるたんぱく質は、毎食しっかり摂りたい栄養素です。ただし、牛や豚のロース肉、鶏もも肉などに含まれる動物性脂肪はプラークを増やす原因になるので控えめに。
赤、緑、黄色、オレンジなどのカラフルな野菜には、βカロテン、ビタミンC、葉酸などのほか、食物繊維やミネラルがたっぷり。特に、色素が濃い野菜はポリフェノールも豊富です。ご飯より先にたっぷり、ゆっくり食べると、満腹中枢が刺激されて、その後の食べ過ぎを防いでくれます。食が細くて野菜だけでお腹いっぱいになってしまうようなら、メインディッシュの肉や魚を先に食べてもOKです。
塩分過多は、高血圧の原因になったり血管を硬くしたりします。ただし、汗を大量にかく夏などは、状況と必要に応じた塩分補給が大切です。その都度記録したり計算したりするのは大変なので、「腹8分目」の感覚で「塩8分目」を目安にすると良いでしょう。
血管の健康のためには、外からは確認できない血液や血管の状態を定期的にチェックすることも大切です。
血液の状態は、定期健康診断や特定健康診査などの血液検査で分かります。悪玉コレステロール、中性脂肪、血圧、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:過去1~2か月の血糖状態が分かる値)などをチェックしましょう。(表3)に各項目の危険因子の判断基準を示します。危険因子の判断基準に当てはまっていたら、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
なお、血圧は測ったときのストレスのかかり具合で数値が変わってきます。このため、緊張しやすい病院で測ったときの「診察室血圧」と、自宅でリラックスして測った「家庭血圧」の2種類の基準値があります。いずれも正常値は「問題なし」、正常高値(正常範囲ではあるが高めの状態)は「要注意」です。
(表3)3つの危険因子の判断基準
| 高血圧 | |
|---|---|
| 診察室血圧 | 140/90mmHg以上 |
| 家庭血圧 | 135/85mmHg以上 |
| 脂質異常症(空腹時採血) | |
|---|---|
| 中性脂肪 | 150mg/dl以上 |
| LDL(悪玉コレステロール) | 140mg/dl以上 |
| HDL(善玉コレステロール) | 40mg/dl以下 |
| 糖尿病 | |
|---|---|
| ヘモグロビンA1c(NGSP) | 6.5%以上 |
| 空腹時血糖値 | 126mg/dl以上 |
高沢先生監修のもと、編集部にて作成
血管の状態については、パソコンやスマートフォンなどで「血管年齢検査 クリニック」などの検索ワードで調べると、検査のできるクリニックを見つけることができます。血液検査で基準値から外れる項目がある方や喫煙習慣のある方は、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか?
心筋梗塞や脳梗塞などの循環器病は、自覚なく進行し、いきなり発症して、突然死につながる可能性のある病気です。しかし、日ごろから健康習慣を見直し、血液検査で異常の早期発見・早期対処をすることで、詰まりにくい元気な血管を維持することは可能です。
2019年における日本の死亡原因は、2位が心疾患(高血圧を除く)、4位が脳血管疾患となっており、心筋梗塞や脳梗塞での死亡が多いことが分かります※。つまり、血管の健康維持は、誰にとっても大事な健康管理。できることから血流改善に取り組んで、ゴミがたまらない血管をめざしましょう。
厚生労働省『令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況』より
監修
高沢謙二
監修高沢謙二
医学博士。医療法人社団信濃会 信濃坂クリニック院長。東京医科大学名誉教授。自治医科大学循環器内科へ研修出張後、東京医科大学第二内科へ帰局。東京医科大学八王子医療センター病院長、東京薬科大学客員教授、北京大学客員教授などを歴任。専門分野は内科、高血圧、循環器、脈波。「血管年齢」の考案者。著書に『最新医学でわかった 突然死にならない方法』『[高沢式]自力で血管を強化する本』など。テレビ番組出演多数。
- 本記事は、2025年7月時点の内容です。
- 本記事は、当社が高沢謙二様に監修を依頼して掲載しています。
- 本記事は、監修者の知識や経験を踏まえて執筆しています。
これからは血管の健康を考えるとともに
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