「もう70代」「まだ70代」。あなたはどう思いますか?まずは、人生100年時代の70代の実際について、健康面での特徴や健康意識から見ていきましょう。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。厚生労働省の調査によると、2022年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳。これに対して健康寿命は、男性が72.57歳、女性が75.45歳となっています。※つまり統計上は、平均寿命から健康寿命を差し引いた、男性8.48年、女性11.64年が、何らかの健康上の問題を抱えて生活する時期。この時期を0に近づけるために健康寿命をいかに延ばすかが、豊かな老後を過ごすためのポイントです。
※ 厚生労働省 第4回 健康日本21(第三次)推進専門委員会資料「健康寿命の令和4年値について」より
人の体は、加齢とともにさまざまな変化が訪れます。一般的にいえば、筋肉は40代ごろから落ち、50代になると骨密度も低下がはじまります。その後、筋肉量や骨密度はじわじわと落ち続けますが、70代になるとそれが一気に加速します。足腰が弱って転倒リスクが高まるほか、胃腸の働きも低下するため栄養不良や脱水症状を起こしやすくなります。
年齢による日本人の筋肉量の変化
出典:谷本 芳美, 渡辺 美鈴, 河野 令, 広田 千賀, 高崎 恭輔, 河野 公一.
日本人筋肉量の加齢による特徴 日本老年医学
2010:(47)52-57.(出典をもとに作図)
とはいえ実際には、加齢による体の変化は高齢になるほど個人差が大きいことが分かっています。高齢者を対象に行なわれた意識調査でも、日常生活での介助や介護の必要性について「まったく不自由なく過ごせる」と答えた人は70~74歳で79.8%、75~79歳で74.9%※と、健康寿命年齢が含まれる70代でも多くの人は元気に過ごしています。
※内閣府 第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査
(2021)より
こうしたことから、加齢が進む70代は、そのままどんどん衰えてしまうのか、まだまだ元気で活動できるのかの境目、すなわち「健康寿命の分岐点」といえそうです。では、その違いは何なのでしょうか?次では、体の衰えを加速させる要因などについて見ていきます。
健康長寿への第一歩は、何が健康寿命を縮めるリスクとなるのかを知ること。ここでは特に、加齢による体の衰えや生活習慣病がもたらす影響と、日ごろから気を付けておくべき体の状態について説明します。
病気ではないが健康でもない「フレイル」「サルコペニア」
近年、老年医学の分野で注目されているのが「フレイル」と「サルコペニア」です。フレイルとは、ひとことでいえば「加齢による心身の衰え」のこと。体重が減る、疲れやすい、風邪をひきやすくなる、といった身体の状態に加え、やる気が起きない、なにごとにも興味を持てない、といった心の状態も含まれます。また、サルコペニアは、体を動かす筋肉が減ったことで、立ち上がりや歩行がしにくいなど「日常の活動が困難になった状態」です。
フレイルもサルコペニアも病気ではありませんが、風邪をこじらせて肺炎になったり、足もとがふらついて転倒・骨折して寝たきりになったりするなど、健康寿命にかかわる事態を招きやすくなります。また、年齢を重ねれば筋肉が減ったり体力が衰えたりするのは自然なことですが、それを加速させてしまう主な原因が、たんぱく質などの栄養不足と運動不足です。
じわじわと健康寿命に影響する「生活習慣病」
生活習慣病には、さまざまなものがあります。主な疾患と健康への影響については、<表>で簡単に説明していますのでご覧ください。このような疾患は、じわじわと健康寿命に影響していきます。例えば、あまり意識されていませんが、セカンドライフ世代に多い歯周病も生活習慣病です。歯周病は食事がうまく食べられなくなることから低栄養を招き、フレイル・サルコペニアに進行して全身の健康を損なっていきます。だからこそ、予防には早期の治療やケアがとても重要です。
また、フレイルやサルコペニアも生活習慣病と深くかかわっています。例えば、筋力や運動量の低下は日常生活の質を低下させる原因となり、脂質異常症、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症といった生活習慣病を悪化させる可能性があります。このように、フレイルやサルコペニアと生活習慣病は、相互に影響しています。
セカンドライフ世代に多い慢性疾患と健康寿命への影響
| 疾患名 | 健康寿命への影響 |
|---|---|
| 糖尿病 | 合併症により失明や透析治療が必要になる可能性がある 脳卒中や心血管疾患のリスクを高める |
| 脂質異常症 | 動脈硬化を進行させ、心血管疾患のリスクを高める |
| 高血圧 | 脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める |
| 骨粗しょう症 | 転倒骨折のリスクが高まり、寝たきりになる可能性がある |
| 関節疾患 | 変形性関節症などにより歩行が困難になる可能性がある |
| 肥満 | 生活習慣病のリスク、関節負担増加のリスクを高める |
| 歯周病 | 噛む力が低下し、食事が十分に摂れず低栄養を招く可能性がある |
健康寿命を延ばして、人生をもっと
楽しく豊かにするために
あなたにあった
医療保険を検討してみませんか?
食事の内容や食べ方に少し気を付けるだけで、今からでも健康寿命を延ばすことは可能です。長く元気に活動できれば、人生をもっともっと楽しく豊かにできるはず。だからこそ、健康寿命を延ばすための生活習慣の改善に加えて、さまざまな健康リスクにも備えておきたいものですね。この機会に、あなたにあった医療保険をご検討されてはいかがでしょうか?
脳血管疾患や心疾患などの
循環器病に備えたい方に
- 循環器病の重症化予防をサポートします
- 重症化した場合は複数回の発病や併発、心臓移植も保障します
- 所定の要介護状態になった場合、年金を一生涯にわたりお支払いします
日ごろからの健康習慣で健康寿命を延ばすことは可能です。特に、体をつくる食習慣は大切。そこで、今日からできる食べ方のポイントや簡単・安全調理のコツをご紹介します。毎日の食事の参考にしてください。
積極的に摂るべきはたんぱく質
セカンドライフ世代は、生活習慣病や肥満が気になって食事を制限しがち。でも実は、どちらかといえば、栄養の摂り過ぎよりも栄養不足のほうが問題だといわれています。なかでも不足しやすいのが、たんぱく質です。たんぱく質は筋肉や血管などの体組織の原料となる栄養素で、不足すると筋肉量が減ってフレイルになりやすくなります。膝などの関節軟骨に多く含まれるコラーゲンや、骨粗しょう症予防に有効なエストロゲンなどのホルモンもたんぱく質からつくられるため、足腰の元気にも欠かせません。さらには、免疫機能にも深くかかわる栄養素で、不足すると感染症に抵抗する力も落ちてしまいます。つまり、たんぱく質を多く含む、肉や魚、豆類をしっかり摂ることが健康長寿食事術の基本なのです。
今日から実践!
食べ方の基本4つのポイント
-
1献立は主食ではなく主菜から考える
献立を立てるとき、「ご飯?パン?麺?」といったように主食から決めると、食事全体をイメージしにくく炭水化物中心のメニューになりがちです。でも、「肉がいいかな?だったら生姜焼きにしよう」などと主菜から考えると、食事全体のイメージがしやすいため、栄養バランスの取れた献立を立てやすくなります。
-
2ベジファーストよりたんぱく質ファースト
食後の血糖値の上昇を抑える食事法として、食事の最初に食物繊維が多い野菜を食べる「ベジファースト」があります。良い食事法のようですが、食が細い方は野菜を先に食べるとお腹が張って、肝心のたんぱく質が十分に食べられないということもあるようです。セカンドライフ世代は、肉・魚・豆製品などたんぱく質を多く含む食品を最初に食べる「たんぱく質ファースト」がおすすめです。
-
3削り節や蒸し豆でたんぱく質をちょい足し
1食のなかに肉料理や魚料理を何品も入れるのは、つくるのも食べるのも少し大変です。そんなときは、削り節をおかずにトッピングしたり、サラダに蒸し豆を加えるなどでたんぱく質をちょい足しすると良いでしょう。保存が利く乾物や缶詰を使えば、調理の手間もかかりません。
-
4高たんぱく食材を使っておやつを味方に
小腹が空いたときも、たんぱく質補給のチャンスです。おせんべいの代わりにチーズ、ケーキの代わりに伊達巻、コーヒーフレッシュの代わりに豆乳やスキムミルクなど、いつものおやつを高たんぱく食材に置き換えるだけでOKです。市販のおからクッキーやきなこ菓子なども良いですが、できるだけ糖質の少ないものを選びましょう。
省ける手間は省いて正解!
簡単・安全調理のコツ
-
1うっかりケガのもとになる包丁は使わない
カット野菜を活用する
スーパーの野菜売り場やコンビニでは、キャベツ、レタス、カボチャ、きのこなどの単品野菜のほか、野菜炒め用や鍋用にブレンドしたカット野菜も売られています。野菜は丸ごと買うと余らせてしまうことも多いので、無駄にもならず一石二鳥。
肉はキッチンバサミで切る
少し抵抗があるかもしれませんが、使ってみると便利さに驚くはず。もちろん、野菜も切れます。刃を分解できるタイプは、しっかり洗えて衛生面もより安全です。 -
2電子レンジ調理器の活用で電子レンジが万能に
市販されている各種の電子レンジ調理器を活用することで、蒸し野菜、焼き魚、パスタ、煮込みなど、さまざまな料理を電子レンジでつくれます。火を使わないので、調理中にキッチンから離れても安心です。
-
3お惣菜や冷凍食品、缶詰なども積極活用
少量だと調理しにくい揚げ物などは、お惣菜や冷凍食品を活用しましょう。ツナやサバなどの缶詰もたんぱく質のちょい足しに便利。災害用備蓄品のローリングストックも兼ねて常備しておくと良いでしょう。
毎日の食事でたんぱく質をしっかり摂ることは、セカンドライフ世代のQOL(生活の質)向上にもつながります。無理なく続けられる方法で、体のなかから健康寿命を延ばしましょう。
加齢による体の衰えは、誰であれ避けられない現象です。でも、そのスピードをゆっくりにすることは可能です。そのための方法の一つが、バラエティ豊かな食事を楽しむこと。多様な食品をさまざまな調理法で食べることは、低栄養予防はもちろんQOLの向上にもつながります。ただし、がんばり過ぎると負担になりますから、無理なく継続できることからはじめましょう。
また、栄養状態や健康状態には個人差がありますので、自分の栄養状態や食生活について個別に相談したい方は、かかりつけ医や地域の保健センターの健康相談窓口などを利用すると良いでしょう。専門家にもどんどん頼って日々の食事と生活習慣を見直し、体のなかから健康長寿の延伸をめざしましょう!
監修
麻生れいみ
監修麻生れいみ
管理栄養士・料理研究家・食育栄養インストラクター。医療栄養学修士。日本健康食栄協会代表・全国アスリート臨床栄養協会理事・Nourish Lab主宰。大手出版会社の編集を経て、東京医療保健大学大学院医療保健学研究科修士課程修了。企業の特定保健指導・栄養相談を務める傍ら、病院の臨床研究において栄養療法を監修。著書に『管理栄養士が伝える 長生き食事術 人生100年時代の「新・栄養学」入門』など。
- 本記事は、2025年3月時点の内容です。
- 本記事は、当社が麻生れいみ様に監修を依頼して掲載しています。
- 本記事は、監修者の知識や経験を踏まえて執筆しています。
健康寿命を延ばして、人生をもっと
楽しく豊かにするために
あなたにあった
医療保険を検討してみませんか?
食事の内容や食べ方に少し気を付けるだけで、今からでも健康寿命を延ばすことは可能です。長く元気に活動できれば、人生をもっともっと楽しく豊かにできるはず。だからこそ、健康寿命を延ばすための生活習慣の改善に加えて、さまざまな健康リスクにも備えておきたいものですね。この機会に、あなたにあった医療保険をご検討されてはいかがでしょうか?
脳血管疾患や心疾患などの
循環器病に備えたい方に
- 循環器病の重症化予防をサポートします
- 重症化した場合は複数回の発病や併発、心臓移植も保障します
- 所定の要介護状態になった場合、年金を一生涯にわたりお支払いします