

体の機能が少しずつ衰えていく老化現象は、自分では意外にも気付きにくいものです。「まだ40代なのに老化なんて」と思っていても、以前と比べてこんな変化が一つでもある場合は、すでに老化がはじまっている可能性があります。老化を防いだり、遅らせたりするための第一歩は、自分の体の現在地を把握することです。まずは次のリストでチェックしてみましょう。一つ以上あてはまったら、すでに老化が進んでいる可能性があるので注意が必要です。
※本記事は、2024年4月時点の内容です
「疲れやすい」「肌のたるみやしわが目立つ」「太りやすくなった」など、いわゆる「老化」と呼ばれる体の不調や変化を実感しやすくなる40代・50代。個人差はありますが、20代・30代のときとは異なり、ミドル世代になると一気に老化が進みやすくなります。今回は老化の原因を解説するとともに、今からできる老化防止対策を整形外科専門医の朱田尚徳さんにお聞きしました。
体の機能が少しずつ衰えていく老化現象は、自分では意外にも気付きにくいものです。「まだ40代なのに老化なんて」と思っていても、以前と比べてこんな変化が一つでもある場合は、すでに老化がはじまっている可能性があります。老化を防いだり、遅らせたりするための第一歩は、自分の体の現在地を把握することです。まずは次のリストでチェックしてみましょう。一つ以上あてはまったら、すでに老化が進んでいる可能性があるので注意が必要です。
老化は一般に生物全般に起こるものと考えられています。人は生まれてから死ぬまでの間に、成長し、やがて衰えていくという変化を経ますが、人生の後半部分に起こる体の変化が老化です。
一般的に年齢を重ねると、体のさまざまな臓器や、体を構成している骨・軟骨・靱帯などが衰えてきます。また、バランス感覚や筋肉の反応、目の見え方、耳の聞こえ方なども若いときとは異なってきます。老化の進み方には個人差があり、遺伝的な影響も関係しているとされているため、一概に何歳から老化がはじまるとは言えませんが、こうした体の変化は、大体40代ぐらいからはじまると考えられています。
老化の原因やメカニズムは、さまざまな研究が進められており、今のところ完全にはわかっていませんが、40代・50代の中年期になると老化が進みやすくなる理由には、次のようなことが考えられています。
細胞の老化
人間は、1個の受精卵から細胞分裂を繰り返すことで臓器などがつくられますが、細胞分裂の回数は各臓器によって異なり、延々に分裂するものばかりではありません。加齢とともに細胞分裂の回数が減ったり、細胞分裂を繰り返すことで細胞の質自体が変化したりするなど、細胞の老化が起こると考えられています。
脳の老化
脳の働きは多岐にわたりますが、その一つが体の動きや感覚をコントロールすることです。脳のなかでは神経細胞同士がつながって構築しているネットワークを通じて、神経細胞から神経細胞へと信号が伝わります。加齢に伴って、体を動かす脳の神経細胞同士の信号の伝達速度や、筋肉と神経を接続している機能などが徐々に衰えてきます。そのため、思ったように体を動かせなくなったり、動きが鈍くなったりするなど身体上の変化が見られるようになります。
コラーゲンの劣化
人の皮膚や血管、靱帯、腱、軟骨などの組織を構成する繊維状のたんぱく質であるコラーゲンは加齢によって劣化するため、年を重ねると、肌のしわやたるみ、膝の軟骨や腰の椎間板などに変性が現れるようになります。コラーゲンの劣化を加速させる要因には、喫煙や運動不足など悪い生活習慣の積み重ねや、糖尿病や脂質異常症、脂肪肝などの生活習慣病、さらに女性の場合は閉経がかかわってきます。
慢性炎症
体内でじわじわと持続的に起こる炎症を慢性炎症といいます。けがなどで一時的にその部位が腫れ、痛みを伴う急性炎症とは異なり、慢性炎症は全身のあらゆるところで起こり、自覚症状を伴わず、組織や器官などの働きを低下させます。慢性炎症は、肥満や糖尿病など、さまざまな生活習慣病を引き起こす要因と考えられています。老化と慢性炎症は連動するため、生活習慣病が重なるほど老化が進みやすくなります。
老化を加速させる生活習慣病を予防するためにも、運動や食事、睡眠などに気を付けて規則正しい生活を送ることが重要。ですが、その予防に加えてもう一つ大切なのが、「もしも」のときに備えた対策です。明治安田では、病気になったときの入院治療費の保障だけでなく、病気の予防をサポートする「Wの備え」を兼ね備えた総合保障保険をご用意しています。
老化を放置していると、さまざまな病気が引き起こされる可能性がありますが、危険な病気の一つが、骨がもろくなる骨粗しょう症です。骨粗しょう症があると、転倒したときなどに骨折しやすくなり、1ヵ所骨折すると、次の骨折を引き起こす連鎖骨折が起こる危険性が高まるといわれています。骨折する部位が増えることで、老後に介護が必要な状態や寝たきりを招く恐れもあります。
また、血管の内側が狭くなって血流が悪くなる動脈硬化は、加齢に伴って誰にでも起こる可能性がありますが、肥満や高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病があると進行しやすくなります。動脈硬化によって血管が詰まると、脳梗塞や心筋梗塞などが起こり、命に関わる場合もあります。
老化は避けられないものですが、生活習慣を改善することで少しでも遅らせることが期待できます。ここからは、今からできる老化防止対策をご紹介します。
生活習慣病などを引き起こし、老化の要因となる慢性炎症を防ぐには、運動をすることが大切です。運動の種類は、体に無理のない範囲で自分が楽しいと思えるものに取り組むのがおすすめです。そうすることで、感情をつかさどる脳の扁桃体という場所が刺激され、幸福感を得られ、より老化防止につながります。
手軽にできるのが、有酸素運動の一種であるウォーキングです。ウォーキングは、心肺機能を高めるほか、重力がかかることによって骨に刺激を与えてくれるなど、さまざまな効果が期待できます。日中、30分程度歩くとより効果的ですが、熱中症の危険があるときは、無理をせずに安全に運動ができる時間帯に行ないましょう。
※ 治療中の病気やけががある場合は、運動をはじめる前に医師に相談してください。
睡眠には、1日の活動でたまった疲労やストレスから回復させる重要な役割があります。
厚生労働省が策定した『健康づくりのための睡眠ガイド2023』では、推奨する睡眠時間や生活習慣を、子ども、成人、高齢者の三つの世代に分けて示しています。成人については6~8時間が適正な睡眠時間と考えられ、1日の睡眠時間の目安として少なくとも6時間確保することが推奨されています。
睡眠時間を確保することに加えて、睡眠によって休養感が得られていることも重要です。良質な睡眠を取るためには、睡眠環境や、嗜好品との向き合い方などを見直しましょう。体内時計を調節するため日中は日光を浴びるようにし、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まずにできるだけ暗くして寝ると、よい睡眠につながります。また、カフェインやアルコール・煙草などの嗜好品は、睡眠の質を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。カフェインを含む飲食物は摂りすぎに注意して夕方以降は控え、晩酌での深酒や寝酒、喫煙なども避けるようにしましょう。睡眠不足や睡眠の質の低下は肌のターンオーバー(肌の新陳代謝)を低下させ、シミやくすみなどの肌トラブルを引き起こす可能性もあるので注意しましょう。
老化を加速させる要因となる生活習慣病を予防したり改善したりするには、食生活を見直すことが大切です。1日3食、栄養バランスのよい食事をなるべく規則正しい時間に摂るようにしましょう。人間の体になくてはならない栄養素のなかで、エネルギー源となるたんぱく質と脂質、炭水化物は毎食、適量を摂るようにしましょう。加えて、体の調子を整える働きをするビタミンとミネラルも毎食、食事から摂るようにするのが理想です。例えば、ビタミンのなかでもビタミンAやビタミンC、ビタミンEは体の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、摂取することにより肌のしわやたるみの改善につながるとされています。また、介護が必要な状態や寝たきりを招く恐れがある骨粗しょう症を予防するうえで重要な栄養素がビタミンDとカルシウムですが、多くの日本人でビタミンDが不足していることが報告されています。ビタミンD不足を解消するには、ビタミンDが豊富な魚類や卵、きのこ類などの食材を毎日の食事で意識して取ることや、適度に日光に当たることが大切です。
食事を抜くと、体が飢餓状態を引き起こし、太りやすくなるので、食事は抜かないように心がけましょう。特に体内時計をリセットする働きをする朝食を抜くことは避け、朝食と昼食をしっかり摂り、夕食をやや少なめに摂るのがおすすめです。また、寝る直前に夕食や夜食を摂ることは控えましょう。
人は脳で事前にさまざまなことを予測して行動しているため、予測とずれることが起こるとうまく反応できないことがあります。年齢を重ねると、脳での情報処理が追いつかなくなり、予測できる選択肢が少なくなってくる傾向がありますが、それを防ぐために役立つのが、新しい刺激に触れることです。
「新たな趣味に挑戦する」「新しくできたカフェに行く」「訪れたことのない場所へ旅行する」など、新たな刺激に触れる機会を積極的につくりましょう。趣味などを通した仲間との交流も、よい刺激をもたらしてくれます。
一般的に年齢とともに体にさまざまな変化が起こり、健康リスクが高まりやすい中年期。より健康への意識が高まる時期でもありますが、老化は誰にでも訪れ、避けられないものです。ですが、今からできる対策をはじめることで、病気を発症するリスクを軽減させることが期待できます。また、健康リスクが顕在化し、手術を受けなければならなくなったとしても、その手術を受けるのに適したタイミングというものがあります。そのタイミングを逃さないよう、体に違和感を感じたら専門家を頼るということも必要です。
「人生100年時代」を生き抜くには、健康への備えがますます欠かせないものとなっています。これからの人生を考え、老化を遅らせたり防いだりする対策に積極的に取り組むことで、安心できる将来をめざしましょう。
監修
朱田尚徳
監修朱田尚徳
所沢あかだ整形外科院長。富山医科薬科大学医学部医学科卒業。国内・海外の病院の整形外科に勤務のほか、Jリーグのチームドクターなどを経て、2020年に所沢あかだ整形外科(埼玉県所沢市)を開院。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、義肢装具等適合判定医。
老化を加速させる生活習慣病を予防するためにも、運動や食事、睡眠などに気を付けて規則正しい生活を送ることが重要。ですが、その予防に加えてもう一つ大切なのが、「もしも」のときに備えた対策です。明治安田では、病気になったときの入院治療費の保障だけでなく、病気の予防をサポートする「Wの備え」を兼ね備えた総合保障保険をご用意しています。日々の老化防止対策に「もしも」の備えをプラスして、将来の安心を手に入れませんか?
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