


暑かった夏ももう終わり。気温も下がって比較的過ごしやすい時期のはずなのに、なんだか気分が鬱々としたり体が重く感じたりすることはないでしょうか。その症状の正体は、「秋バテ」かもしれません。
暑い時期に身体が疲れてしまう夏バテをご存じの方も多いとは思いますが、なぜ気温も落ち着いた秋口に「バテて」しまうのでしょうか。
悪化すると自律神経失調症やうつ病などの疾病も引き起こしてしまう危険性があり、実は怖い「秋バテ」。
その原因と代表的な症状、そして秋バテを解消する食材を使ったレシピを、管理栄養士で料理家の坂田芽唯さんに伺いました。


秋バテとは、涼しくなった9月下旬ごろから起こる身体の不調や食欲不振、気分の落ち込みのことを指します。
原因としては、夏バテ同様エアコンの使いすぎ、冷たいものの摂りすぎのほか、秋特有の寒暖差や気圧の変化などによる自律神経の乱れなどが挙げられます。
自律神経は緊張時・興奮時に働く交感神経とリラックスしているときに働く副交感神経の2種類からなり、通常時は互いにバランスよく切り替わりながら身体の調子を保っています。
しかしその切り替えがうまくいかずバランスが崩れてしまうと、先に述べた心身の不調が起こるのです。
下記の症状に当てはまる人は秋バテの可能性があるとのこと。当てはまる項目がないか、さっそくチェックしてみましょう。
秋バテチェック項目
- 最近、疲れやすい
- やる気が出ない
- 倦怠感がある
- 頭がぼーっとする
- 食欲がない
- 肩こりや頭痛がある
- 朝、スッキリ起きられない
- 一日中眠い
- 寝つきが悪かったり、夜中に目覚めることがよくある
悪化すると、こんなリスクも…
秋バテの症状が長引き「なんとなく不調」が続くと、やる気がなくなり仕事のパフォーマンスが低下したり、外出する気が起きずに引きこもりがちになってしまうことも。
また自律神経が乱れた状態が長く続くことで免疫力が低下し、季節性の風邪などに罹るリスクも高くなります。また長期的な不調により、自律神経失調症やうつ病などの疾病も引き起こしてしまう危険性もでてきます。
このように、放置しておくのは避けたい秋バテですが、解消のコツは生活習慣にあります。
ほんの少し意識を向ければ、症状を改善することができます。

では、具体的にどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
秋バテ脱却には、「血流や胃腸の働きを良くし、自律神経を整えることが大事」と坂田さん。
マッサージや入浴で身体を温め、冷えをとることで血流を改善したり、アロマや音楽で身体をリラックスさせる方法もありますが、栄養バランスの良い食事を取り胃腸を整えることも、自律神経のバランスを調整するために効果的。
「食べるのが好き!」というみなさんに向けて、食事で秋バテを脱却する方法を坂田さんに紹介してもらいました。

秋バテにより体調が安定しないと栄養バランスが偏りがち。
不足しがちなビタミンB群・タンパク質・鉄分を意識して摂ることが、秋バテの改善にもつながるとのことです。
秋バテに効果的な栄養素
-
ビタミンB群
- ビタミンB1 : 糖質をエネルギーに変える
豊富に摂れる食材・・・豚肉 - ビタミンB6 : 免疫機能向上のほか、神経伝達物質の合成なども行なう
豊富に摂れる食材・・・カツオ、マグロ、バナナ - ビタミンB12 : 造血作用があるほか、末梢神経を修復する働きもあるため、眼精疲労や肩こり、神経痛の改善も期待できる
豊富に摂れる食材・・・鮭
- ビタミンB1 : 糖質をエネルギーに変える
-
タンパク質
筋肉・骨・臓器・髪のほか、栄養や酵素を体中に届ける血液・リンパ液などを構成する
豊富に摂れる食材・・・マグロ・カツオ・鮭・サバなどの魚類、卵、鶏胸肉 -
鉄分
体中に酸素を運ぶための赤血球(ヘモグロビン)をつくるなどの健康維持に役立つほか、肌や髪にとって大切なコラーゲンの生成も担う
豊富に摂れる食材・・・イワシ・マグロ・カツオなどの赤身魚、ヒレやランプ・モモなどの赤身肉※秋バテで疲れているときは植物性よりも動物性のタンパク質の方が、吸収率が高いのでおすすめ

内容だけでなく、タイミングも肝心!と坂田さん。
食習慣を改善して腸内環境が整い、主食・主菜・副菜を基本に栄養バランスを意識するほか、下記の2点もしっかり押さえておくと良いでしょう。
①朝ごはんをしっかり食べる
朝はどうしてもバタバタしてしまいがち。朝食を抜いている人も多いですが、何か口に入れるようにしましょう。
その理由は、食べ物を身体に取り込むと腸のぜんどう運動が促進され、便を出しやすくなるからです。便によって腸内の老廃物が出ると腸内環境を整えることができます。
②就寝の2〜3時間前には食事を終える
就寝ギリギリまで食事をすると、就寝中に腸が消化活動をしてしまい、睡眠が浅くなってしまいます。
質の高い睡眠のために、就寝の2〜3時間前には食事を終えるようにしましょう。
坂田さんのワンポイントアドバイス
朝食を欠食している方は、何か一口でも口に入れられるといいですね。自炊が難しい方は、コンビニで買ったものでも問題ありません。
添加物が気になる方もいるかもしれませんが、食べ物を摂り入れることで腸を動かしてあげることからはじめてみましょう。


仕事もあり家事もあり、時間が取れずバランスの良い食事を毎日続けることはなかなか難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回坂田さんに、短時間かつ一皿で秋バテに効果的な栄養素が摂れるとっておきのレシピを紹介していただきました。
“豚肉と秋なすのカシューナッツ炒め”

坂田さんのおすすめポイント
豚肉となすのジューシーさ、ナッツの歯応えが組み合わさることでしっかりとした食べ応えがあるレシピ。一品で肉とたっぷりの野菜を食べられるため、忙しいけど整った食事を食べたいという方におすすめです!
豚肉とカシューナッツにはエネルギー代謝を助けるビタミンB1が豊富に含まれており秋バテの疲労回復が期待できます。
また旬の秋なすには疲れのもととなる「活性酸素」を除去する作用のあるポリフェノールが豊富に含まれているんですよ。


材料(2人分)



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なすを薄切り、ピーマンとパプリカを2センチ角に切る。
豚肉を食べやすい大きさに切り、Aをまぶし下味をつける。
Bを混ぜあわせておく。 -
フライパンにカシューナッツを入れ、乾煎りする。
一度取り出す。 -
フライパンに油を入れ、中火で熱する。
豚肉、なす、ピーマンの順にいれ炒めたら、1で用意したあわせ調味料を加えて全体に絡むまで炒めあわせたら完成。

-
なすのアク抜きをしておく!
なすはアクが強い野菜のため、切った後に塩水に5分ほどつけておくとえぐみを取り除くことができます。
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時間があれば、なすの色止めを
加熱してからもなすの色を美しく保つには色が抜けないよう下処理する必要があります。
なすがひたひたに浸かるほどの水に酢を少し入れてつけておくなどするとなすの皮の色が抜けるのを防止できます。 -
カシューナッツの乾煎りもおすすめ
あらかじめ乾煎りすることで炒め物が香ばしく仕上がります。
-
料理にかかる時間はたった15分!栄養バランスを考えた食事を摂ることで、効率よく秋バテ対策ができます。
バランスの良い食事を作ろうと考えたとき、主菜も副菜も汁物も…と考えるとハードルが高くなってしまいますが、15分程度で1品であれば、時間が取れる人も多いのではないでしょうか?食欲がわかないときこそしっかりと栄養を摂ることで、心も体も元気に季節の変わり目を乗り切りたいですね。

監修
坂田芽唯
監修坂田芽唯
管理栄養士。保育施設の教育管理、食育指導をしたのち、フリーランスの管理栄養士として活動を行なう。企業へのレシピ提供250以上、料理動画制作100本以上、Webコラムの執筆100本など、食に関するWebコンテンツに幅広く携わる(2023年6月取材時点)。
- ※本記事は、2023年6月時点の内容です。
- ※本記事は、当社が坂田芽唯様に執筆を依頼し、掲載しています。
健康管理を徹底していても
病気になってしまうことも…
病気や万一のリスクは保険で備えれば安心!
記事内で紹介した秋バテ解消法のように、規則正しい生活を送ることで免疫力を上げ、日常的に体の調子を整える努力をすることはもちろん大切。
自己管理を徹底していても、意外と身近な秋バテから自律神経失調症やうつ病などの疾病が引き起こされる危険性があります。病気にかかってしまうと、保険に加入することができなくなるケースもあるので、健康なうちにリスクに備えて保険に加入することが重要です。
保険に加入していれば、入院が必要になった場合に保障が受けられるだけでなく、健康に関するトラブルに対しても安心感があります。
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