2002年度経済見通し

構造改革の正念場を迎える日本経済

4国際収支

米国、アジアを中心に世界的な景気減速の影響で輸出は急速な落込みを強いられている。しかも、中国を中心とする東アジアへの生産移転が再び活発化していることから、中長期的にも輸出の伸びは期待出来なくなっている。一方、輸入は国内景気の悪化と共に徐々に鈍化してきたものの、東アジアからの開発輸入や委託加工輸入などの増加もあり、当面輸出ほどには減らない見通しにある。
従って、貿易黒字は急速に減少している。サービス収支の赤字基調とも相まってGDPに反映される貿易・サービス収支は2001年度は2.7兆円と大きく減少し、2002年度も3.0兆円と若干の伸びにとどまる。ただ、所得収支(投資収益)を加えた経常収支段階では 2001年度8.4兆円、2002年度8.9兆円と一応の規模の黒字を維持する見通しである。

国際収支(IMFベース)(億円、%)

97年

98年

99年

‘00年度

‘01年度
(予測)

‘02年度
(予測)

経常収支

129,491

151,696

126,427

120,782

84,113

89,361

貿易・サービス収支

72,769

95,630

78,494

63,573

26,513

29,961

貿易収支

136,340

159,819

137,685

115,478

80,686

86,256

輸出

498,886

476,442

467,162

498,047

460,195

470,320

(11.3)

(-4.5)

(-1.9)

(6.6)

(-7.6)

(2.2)

輸入

362,546

316,622

329,477

382,570

379,570

384,064

(0.6)

(-12.7)

(4.1)

(16.1)

(-0.8)

(1.2)

サービス収支

-63,572

-64,189

-59,191

-51,904

-54,173

-56,295

所得収支

67,066

70,655

58,768

66,582

68,100

70,200

経常移転収支

-10,343

-14,589

-10,835

-9,373

-10,500

-10,800

(注)( )内の数値は前年比。