UBSと資産運用面での提携について

平成13年8月20日

安田生命とUBSは、提携・協力関係について協議を重ねて参りました結果、これまでの安田生命と米国ペインウェバー社(以下PW社)との業務提携関係を継続し、さらに発展させることでこのたび最終合意に達しましたのでお知らせいたします。

このことにより、当社は更なるグローバル化の推進と資産運用の効率化による経営の健全性を今まで以上に向上して参る所存です。

なお、当社はPW社と1987年以来緊密な関係を築き上げてきており、そのノウハウを取得し、合弁事業により投資信託や投資顧問の事業ラインを強化し、アセットマネジメント業務における顧客のニーズに十分対応できる態勢を整えてきました。今回の合意は、これまで以上に関係を拡大・強化していくことが、安田生命とUBS双方にとって有益であるとの考えに基づいたものです。

UBSは高い格付けを有し、顧客預り資産残高で世界最大規模の国際的なスイスのトップバンクであり、昨年PW社を傘下に加えたことで米国でも強固な業務基盤を築き上げました。今後は、今回の提携によりUBSのもつ国際的なネットワークや強固な資産運用能力、最先端の金融テクノロジー等と、安田生命の有する強固な保険営業力・健全な資産運用能力を相互にフル活用して参ります。

具体的推進内容について

1資産運用の外部委託の推進

安田生命は、この提携を機に、資産運用の根本的な効率化を図って参ります。

外国有価証券運用やオルタナティブ運用についての外部委託の積極推進

UBSは、世界50カ国以上に跨るネットワークを持ち、オルタナティブ運用では優れた実績のあるGAM(Global Asset Management)社やO'Connor社を傘下におさめております。
当社は、UBSのこの
優れた資産運用能力を活用し、運用パフォーマンスの一層の向上と業務効率化を推進するため、UBSに対し積極的に資産運用を委託して参ります。

当社の外部委託計画概略図

当社の外部委託計画概略図

(一般勘定資産等の数値は2001年3月末の概算数値)

また、安田生命本体では、リサーチに基づいた日本株のアクティブ運用と国内債券の運用に特化、それ以外を優れたパフォーマンスを誇る内外の投資顧問会社のみを厳選し、運用を外部委託します。その結果、当社は、その内外投資顧問への資産配分をコントロールしパフォーマンスを管理していくことで、高い超過運用収益を継続的に確保する態勢を構築します。

2資産運用受託力の強化

確定拠出型年金(日本版401k)分野での提携推進および年金資金受託力の強化
これまでにも安田生命は、数多くのトレーニーをPW社に派遣し、米国401kの運用ノウハウを取得して参りました。さらに1999年には、PW社と合弁で、安田PW投信(株)を設立してリテール分野への進出を図り、日本での確定拠出型年金ビジネスに向けた共同事業を展開して参りました。

今後は、
UBSのもつ優れた商品と確定拠出型年金の運営ノウハウと安田生命の資産運用能力と強固な営業力を融合させ、確定拠出型年金ビジネスにおける協力関係を展開して参ります。
更に、UBSの高い資産運用能力を、安田生命グループに取り入れることで
年金資産運用の受託力も強化します。

3アジアでの共同展開

アジアを対象とした資産運用能力を強化するために、安田生命グループとUBSは、香港においてジョイントベンチャー(2002年1月を目処に投資顧問会社を設立予定、出資比率:当社10%、UBS10%、安田投資顧問80%を予定、出資額については未定)を展開いたします。

このジョイントベンチャーは、アジア地域の株式運用・調査業務を目的としており、安田生命はUBSの協力を得て、安田投資顧問を中心に、アジア地域を対象とする資産運用への特化を強め、パフォーマンスのさらなる向上を図って参ります。

(ご参考)
昨年、安田生命は、香港の確定拠出型年金(MPF=Mandatory Provident Fund)ビジネスに参入するべく、香港の保険ビジネスで実績のあるAIGグループのアメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)と提携いたしました。
その提携に基づき、職員をAIAに派遣し、マーケティングやレコードキーピング、運用管理業務等のノウハウの取得を図るとともに、香港の日系企業に対して同制度に対応した年金商品を販売し、最大規模の実績をあげております。
今後は、AIAの提携を継続しつつ、資産運用面でUBSの協力を得て安田生命グループが得意とする日本株やアジア株の運用で、MPFの資産運用の受託を伸ばして参る予定です。

安田投資顧問の位置づけについて

アジアに特化

安田生命グループの安田投資顧問(株)についても、資産運用の効率化を図ります。
運用の対象を、得意とするアジア地域に特化して専門性を高めていくことで、高いパフォーマンスを継続的に実現し、ブランド力を高めて参ります。
安田投資顧問が運用する金融商品は、当社の年金顧客等に提供されるほか、グループ内の安田PW投信(株)にも供給され、投信として顧客に提供されます。

安田PW投信の位置づけについて

安田生命グループの安田ペインウェバー投信(株)では、UBSをはじめ、安田投資顧問以外の商品も取り込んだ、魅力ある商品企画に注力して参ります。

外部委託以外の両社業務提携の骨子

(1)業務提携関係の継続
安田生命とUBSは、従来の安田生命と米国PW社との業務提携関係を継続する。

(2)トレーニー制度の継続
安田生命より92名のトレーニーをPW社へ派遣してきた"トレーニー制度"も継続し、UBSの資産運用業務のノウハウ取得を図る。

(3)合弁事業
国内での合弁事業である安田PW投信(株)と、英国での合弁事業であるクエスター投資顧問については継続し、新たに香港で合弁事業を展開し、アジア地域における株式運用・調査業務の強化を図る。

(4)両社の定期協議
両社のトップ及び経営層は、それぞれのレベルにおいて、業務提携の成果の確認、将来の提携関係の拡大、経営戦略に関する意見交換等を目的として定期的に協議を行い、強固で長期的な関係を維持・発展させる。

UBSの会社概要(2001年3月)

本社
チューリッヒ(スイス)

社長
ルックマン・アーノルド

従業員
71,080人

総資産
1.2兆スイスフラン(87.4兆円)

預かり資産
2.4兆スイスフラン(175.0兆円)

BIS
14.0%

格付け
Aa2(ムーディーズ)

沿革
1998年にスイス・ユニオン銀行とスイス銀行コーポレーションが合併し社名をUBS AGに変更。また、2000年にバンキング業務(UBSスイス)、資産運用業務(UBSアセットマネジメント)、投資銀行業務・スイス外のバンキング業務(UBSウォーバーグ)に再編。 同年、米国ペインウェバー社を買収。

安田生命グループの会社概要(2001年3月期)

(1)安田生命保険相互会社

創立
明治13(1880)年1月1日

本社所在地
東京都新宿区西新宿1-9-1

代表者名
取締役社長 宮本三喜彦

従業員数
21,959人(うち内勤職員5,297人)

基金
1,000億円(平成13年度に300億円を追加募集の予定)

総資産
10兆2,565億円

収入保険料
1兆4,889億円

保有契約高
142兆5,831億円(個人保険、個人年金保険、団体保険の合計)

(2)安田投資顧問株式会社

創立
昭和60(1985)年7月23日

本社所在地
東京都千代田区丸の内1-1-2(日本鋼管ビル)

代表者名
取締役社長 山崎節生

従業員数
65人

資本金
18億円

預り資産
1兆3,621億円

(3)安田ペインウェバー投信株式会社

創立
平成11(1999)年3月1日

本社所在地
東京都新宿区西新宿1-25-1(新宿センタービル)

代表者名
取締役社長 中川雅弘

従業員数
30人

資本金
20億円

預り資産
1,899億円

以上