表記について

読み方について

男女ともに漢字1文字の名前が首位
男の子は『湊』ちゃん・女の子は『翠』ちゃんが、調査開始以来はじめてトップに!

2025年生まれの名前のポイント

「2025年生まれの名前(表記)」は、男の子は、「港」を意味し活気に満ち溢れた人生を連想させる『湊』ちゃん、女の子は幸運を呼ぶ宝石「翡翠」をイメージさせる『翠』ちゃんが、それぞれ初めて首位を飾る結果となりました。続く2位は、男の子は『伊織』ちゃん・『結翔』ちゃん、女の子は『陽葵』ちゃん、3位の女の子は『紬』ちゃんという結果でした。
2025年の干支である「乙巳(きのとみ)」は、「変化と再生」を表すと言われています。2025年もまさにその通り、経済面では、日銀による利上げや日経平均株価の5万円台への到達、インバウンド需要による観光業の回復等の明るい経済動向が注目されるなど、未来への兆しが見える一年になったのではないでしょうか。
他にも、国内外から大きな注目を集めた日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催や、映画「国宝」の大ヒット、史上最速でワールドカップ出場となったサッカー、野球選手の海外でのめざましい活躍等、私たちに希望や活力を与える一年でもありました。
一方で、格差や分断の広がり、孤独・孤立といった社会課題が顕在化する混沌とした時代でもあるなかで、「2025年生まれの名前(表記)」のトップ3に共通するのは、人との繋がりや結びつき、輝く姿を連想させる名前です。「社交的で人を引きつける魅力のある人になってほしい」、「美しく幸せな人生を歩んでほしい」という、願いが込められているのではないでしょうか。

男の子の名前トップ3のポイント

男の子の名前は、『湊』ちゃんが、調査開始以来、初めてトップとなりました。「湊」は、「水が集まる場所」・「船着き場」を意味する漢字であることから、社交的で人を引きつける魅力のある人になってほしい、活気に満ち溢れた人生を送ってほしいという願いを感じます。

第2位の『伊織』ちゃんという名前は、日本の伝統的な名前の一つです。「伊」は、その漢字の成り立ちから、「人を導く」という意味を持ち、物事を織り成す、または結びつけるという意味を持つ「織」の漢字と組み合わせることで、「穏やかで安定した人、周囲との調和を大切にする人」というイメージを連想させます。

同じく2位の『結翔』ちゃんは、「結」は「つなぐ」や「結ぶ」という意味があり、「翔」は「空高く飛ぶ」というイメージです。「たくさんの人と交わって縁をつなぎ、羽ばたいてほしい」という願いが感じられます。

女の子の名前トップ3のポイント

女の子の名前も調査開始以来、初めて『翠』ちゃんがトップとなりました。緑色の羽を持つ翡翠(カワセミ)に由来し、躍動感あふれるカワセミの生命力と上品で澄んだ緑色の印象を合わせ持ち、美しい景色がイメージできるような漢字です。また、深くつやのある美しさが魅力の宝石「翡翠」(ヒスイ)は、幸運を呼ぶ宝石でもあり、美しく幸せな人生を歩んでほしいという願いを感じます。

第2位の『陽葵』ちゃんの「陽」の字は、日の光を意味します。そして「葵」の字は、「太陽の方向を向く植物」という意味を持ちます。2つの字を組み合わせた「陽葵」という表記や、「ヒマリ」という主な読み方から、太陽に向かってすくすくと成長し、明るく前に進んでいくイメージを想起させます。

第3位の『紬』ちゃんは、「紬」の由来となる絹織物は、糸を掛け合わせて長い時間と手間をかけて丹念に作られることから、「つなぐ」「丈夫さ」を連想させます。

男の子にも日本の伝統文化や季語に由来する“和風ネーム”が人気の兆し!

昨年は、女の子の名前(表記)で日本の伝統文化や季語に由来する名前が人気でしたが、男の子の名前にもその兆しが感じられる年となりました。
トップ10には、古くから詩歌などに使われてきた「港」を意味する『湊』ちゃん(第1位)や、人名に使われる『伊織』ちゃん(第2位)、仏教・浄土思想に由来する「蓮の花」にちなんだ『蓮』ちゃん(第5位)、月の始まりを意味し、新しいスタートや希望を象徴する『朔』ちゃん(第6位)のほか、日本の伝統的な色(和色)である『碧』ちゃん(第6位)や『藍』ちゃん(第8位)等、日本人が古くから親しみを持つ事柄を表す漢字を用いた名前が目を引きます。
グローバル化が進む一方で、日本人としてのアイデンティティを再確認する動きが広がっていること等を背景に、日本の伝統文化や和の美意識が見直されています。「日本らしさ」や「和の価値観」を大切にしたいという気持ちが、名前にも反映されているのかもしれません。また、“和風ネーム”は、個性的でありながらも読みやすく、おしゃれなイメージを与えることも人気の理由かもしれません。

ベスト100にランクインした“和風ネーム”(男の子)

名前

順位

(昨年順位)

第1位

(第15位)

伊織

第2位

(第36位)

第5位

(第6位)

第6位

(第22位)

(第6位)

第8位

(第40位)

大和

第11位

(第15位)

朝日

(ランク外)

第14位

(第22位)

(第2位)

第25位

(第50位)

第39位

(ランク外)

(第31位)

第45位

(第21位)

琥珀

(第69位)

第57位

(第31位)

第65位

(第69位)

第77位

(第24位)

(初ランクイン)

(第84位)

(初ランクイン)

瑞己

第93位

(初ランクイン)

(ランク外)

蓮翔

(ランク外)

漢字一文字の名前が引き続き人気!

男の子の名前は、漢字一文字の名前が引き続き人気です。調査開始以来、初めて首位にたった『湊』ちゃんを筆頭に、トップ10で5個、トップ50では14個、トップ100では38個の「漢字一文字」の名前が並ぶ結果となりましたが、注目すべきは、漢字のバリエーションの多さです。トップ100のうち、10個(『仁』ちゃん、『翠』ちゃん、『柊』ちゃん、『楓』ちゃん、『慧』ちゃん、『響』ちゃん、『玲』ちゃん、『光』ちゃん、『漣』ちゃん、『昴』ちゃん)は、昨年ランク外からベスト100入り、3個(『薫』ちゃん、『然』ちゃん、『禅』ちゃん)は調査開始年以来、初めてランクインするなど、名づけの選択肢が増えている傾向が読み取れます。
漢字一文字の名前は、一般的に、響きが現代的でありながら、漢字の持つ意味がより強調され、印象に残ると言われています。名前に込めた想いを、よりストレートに表現したい、という気持ちが反映されているのかもしれません。

ベスト100にランクインした漢字一文字の名前(男の子)

名前

順位

(昨年順位)

第1位

(第15位)

第5位

(第6位)

第6位

(第6位)

(第22位)

第8位

(第40位)

第14位

(第22位)

(第4位)

(第2位)

第19位

(ランク外)

第20位

(第13位)

(第6位)

第23位

(第33位)

第25位

(第50位)

(第10位)

第30位

(ランク外)

第39位

(第15位)

(第15位)

(ランク外)

(第31位)

第45位

(第21位)

(第36位)

(ランク外)

第57位

(第31位)

(ランク外)

(第84位)

第65位

(ランク外)

(第69位)

(第69位)

(ランク外)

第77位

(第24位)

(初ランクイン)

(ランク外)

(第84位)

(初ランクイン)

(初ランクイン)

第93位

(ランク外)

(ランク外)

(第69位)

大谷翔平選手の活躍は名づけにも影響!使用漢字のトップは、「翔」が5年連続トップ!

男の子の名前に使用されている漢字のトップは、飛び立つ様やスケールの大きさを意味する「翔」の字が5年連続トップとなりました。

大谷翔平選手が二刀流の快挙を成し遂げ、満票でアメリカン・リーグのMVPに選出された2021年から5年間、圧倒的な人気を誇る漢字です。大谷翔平選手のように世界で活躍してほしいという願いが、込められているのかもしれません。調査数全体(調査数:6,312人)で「翔」を使用している名前は166種(『結翔』ちゃん、『陽翔』ちゃんなど)、「陽」は107種(『陽向』ちゃん、『陽翔』ちゃんなど)、「斗」は128種(『湊斗』ちゃん、『陽斗』ちゃんなど)となっています。
2位以降は、同じく人気の漢字の常連、「陽」・「斗」・「大」が続きます。

彩り豊かな名前に注目!「色」にちなんだ名前が人気

女の子の名前では、引き続き日本の伝統文化や季語に由来する名前の人気が続いていますが、今年は色にちなんだ名前(色名そのもの、または色を連想させる漢字が含まれる名前)が目を引く結果となりました。トップの『翠』ちゃん以外にも、香り高く美しい白い花のジャスミンを表す「茉」と、純粋さや清らかな様子を表す「白」を組み合わせた『茉白』ちゃんほか、『陽葵』ちゃん(第2位、あおい色)、『桜都』ちゃん(第17位、桜色)、『藍』ちゃん(第28位、あい色)といった名前が28個ランクインしています。

日本には、微妙な色の違いにまで繊細に名前を付ける「伝統色」(和色)という文化があり、たとえば、青色ひとつをとっても、「瑠璃色」「藍色」など、色の濃淡やニュアンスごとに多様な名称が存在します。日本ならではの色の多様性は、四季折々の美しい自然や風景と深く結びついており、春の桜色、秋の紅葉色など、名前に情緒や物語性を持たせられることが人気の理由なのではないでしょうか。

ベスト100にランクインした色にちなんだ名前(女の子)

名前(カッコ内は順位)

白色

『茉白』ちゃん(4位)、『咲茉』ちゃん(12位)、
『依茉』ちゃん(17位)、『茉莉』ちゃん(48位)、『永茉』ちゃん(56位)

赤・ピンク系

桜色

『桜都』ちゃん(17位)、『美桜』ちゃん(21位)、
『桜叶』ちゃん(42位)、『桜』ちゃん(68位)、
『実桜』ちゃん・『凪桜』ちゃん・『凛桜』ちゃん(98位)

茜色

『茜』ちゃん(68位)

もみじ色

『椛』ちゃん(68位)

紫・ブルー系

すみれ色

『菫』ちゃん(98位)

あおい色

『陽葵』ちゃん(2位)、『葵』ちゃん(12位)、『紬葵』ちゃん(42位)

瑠璃色

『璃音』ちゃん(98位)、『瑠夏』ちゃん(98位)

藍色

『藍』ちゃん(28位)

みどり色

『翠』ちゃん(1位)、『翠唯』ちゃん(98位)

あお色

『碧』ちゃん(68位)

その他

『彩葉』ちゃん(8位)、『彩羽』ちゃん(24位)、
『陽彩』ちゃん(56位)、『彩晴』ちゃん(98位)

使用漢字は「愛」が4年連続でトップ!人気の漢字は固定化傾向

女の子の名前に使用される漢字は、「愛」が4年連続でトップとなりました。「愛」は「愛する」「思いやり」「大切にする」といった、非常に前向きで温かい意味がある漢字です。名前(表記)のトップ50には、『乃愛』ちゃん(第12位)、『結愛』ちゃん(第24位)、『愛茉』ちゃん(第48位)と3つだけでしたが、調査数全体(調査数:6,193人)では143個の名前に「愛」の字が付く結果となりました。
「愛」という漢字が持つ意味に人気があることはもちろんですが、『愛』ちゃん、『愛茉』ちゃん、『乃愛』ちゃん、『莉乃愛』ちゃんのように、名前の「一文字目」・「止め字」の両方で使用できることも、人気の理由かもしれません。
他にも、「花」「莉」「菜」が16年連続でベスト10入りするなど、人気の漢字は固定化傾向にあるようです。

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