

※本記事は、2024年5月時点の内容です
楽天ポイントやdポイントなどの身近なポイントを使って、投資の疑似体験ができる「ポイント運用」をご存じでしょうか?証券口座の開設などの面倒な手続きは不要なので、投資をしたことがない人でも気軽にはじめられます。ポイント運用の仕組みや上手な活用法などを、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが解説します。

ポイント運用とは、ポイントを使って投資を疑似体験できるサービスです。一般的に投資をするときは、まずは証券口座を開設し、そこへ投資資金を入れる必要がありますが、ポイント運用は実際に金融商品を購入するわけではないため、証券口座の開設が不要で、手間なく気軽にスタートできます※。
※ ポイント運用も投資と同様に元本保証がなく、運用の成果によってはポイントが減少するリスクがあります。ポイント運用の性質を理解したうえで、ご自身の判断と責任で行なってください。

ポイント運用は、投資信託や株式など実際の金融商品の値動きに応じてポイントが増えたり減ったりする仕組みです。利用者は実際に金融商品を購入するわけではなく、ポイント運用会社が用意した運用コースのなかから自分の好きなコースを選択して、そこに手持ちのポイントを投じます。運用コースは実際の金融商品の値動きに連動しており、金融商品が値上がりすれば、ポイントも増えていきます。

運用するポイントはいつでも追加したり、引き出したりすることができます。例えば1,000ポイントを運用していて、1,500ポイントに増えたタイミングで引き出せば、そのまま1,500ポイントとして、買い物などに利用することができます※。なお、ポイント運用はポイントを現金化することはできません。引き出す際もポイントでの引き出しとなります※。
※ ポイントの追加・引き出しのルールはサービスによって異なります。ルールによっては、実際の引き出しポイント数が引き出し申請したポイント数と異なる場合があります。

ポイント運用と混同されがちなサービスに「ポイント投資」があります。ポイント投資とは、ポイントを使って株式や投資信託を購入できるサービスです。ポイント運用はあくまでも投資の疑似体験であるのに対し、ポイント投資は証券口座の開設が必要で、実際に投資を行なうことになるという点が大きく異なります。両者の主な違いを確認してみましょう。
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- ※1 「PayPayポイント運用」など手数料がかかるサービスもあります。
- ※2 課税対象として扱われる可能性もあるため、個別の取扱いにつきましては、所轄の税務署等にご確認ください。
- ※3 NISA口座を利用した場合は非課税
ポイント運用の目的はポイントを増やすことであり、貯まっているポイントを有効利用したいという人に向いています。面倒な手続きなしに投資の疑似体験ができることも魅力の一つでしょう。一方のポイント投資は、金融商品を購入する際にポイントを利用すること以外は一般的な投資と同じ流れで売買することになります。
なお、ポイント運用もポイント投資も、ポイントを利用して投資・運用を行なうという点は同じです。どちらも、資産(ポイント)が増える可能性はありますが、損失が発生する(ポイントが減少する)リスクもあることにはご注意ください。
二つの方法の特徴をよく理解したうえで、投資の練習としてポイント運用で資産運用の感覚を身に付けてみるのもおすすめです。

ポイント運用サービスを提供しているポイントの代表的なものとしては、「楽天ポイント」「dポイント」「PayPayポイント」「Pontaポイント(au Payポイント運用)」「永久不滅ポイント(セゾンカード)」などがあります。dポイントの場合は「ポイント投資」という名称ですが、サービスの内容はポイント運用と同じです。
ポイント運用のはじめ方は、基本的にはどのサービスでも同じで、アプリやWEBからすぐにはじめることができます。用意されたコースを選択して、保有ポイントを投入すると、自動的に運用がスタートします。

このところ資産運用の必要性が認識され、「お金に働いてもらう」という意識が普及してきましたが、ポイントも同じです。眠っているポイントがあったら、ポイントを運用することも考えてみましょう。

運用コースは、ポイント運用サービス会社が独自に設定しています。基本的には安定運用型と積極運用型を中心に設計されていますので、リスクを抑えて安定したリターンをめざしたい人は安定運用型(バランス型)、多少リスクをとっても高いリターンをめざしたい人は積極運用型(アクティブ型)を選ぶとよいでしょう。
例えば、楽天ポイントの場合、積極的な運用をめざす「アクティブコース」と安定的な運用をめざす「バランスコース」の二つのコースが用意されています。選択肢が二つだけなので、初心者でも選びやすいでしょう。
dポイントの場合は「おまかせ運用」と「テーマ運用」の二種類があります。おまかせ運用はさらに「アクティブコース」と「バランスコース」に分かれています。また、テーマ運用は「日経平均株価」「新興国」「クリーン・エネルギー」「SDGs/ESG」など複数のテーマが設定されていて、投資先を自分で選ぶことができます。国内外の経済や社会問題に関心を持つきっかけになるかもしれません。
PayPayポイント運用の場合は、アメリカの代表的な株価指数S&P500の値動きに連動する「スタンダードコース」やS&P500の値動きに3倍連動する「チャレンジコース」など、計7コースが用意されています。 どのコースを選んでよいか悩んでしまう人には、ポイント付与のタイミングで各種コースに自動追加していく機能もあります。
ほかにも、各サービスがそれぞれユニークなコースを設定しています。複数のコースを同時に運用したり、途中でコースを変更することも可能ですので、気になるコースがあったら気軽にチャレンジしてみましょう※。
※ ポイント運用サービスのプランは変更になる場合がございます。

投資は損失が発生するリスクがあるため、余裕資金で行なうことが基本です。ポイント運用も同じで、まずは使う予定のない眠らせがちなポイントで運用してみましょう。サービスによって異なりますが、1ポイントから運用できるものもあります。使う予定のないポイントであれば、減ってしまってもそんなにダメージはありませんし、運用にまわしておいたら思いがけず増えていたということもあり得ます。
また、ポイントのなかには取得日から1年間といった有効期限があるものもありますが、ポイント運用中であれば多くの場合は有効期限がなくなります。ポイント失効の回避にも、ポイント運用は役立ちます。ただし、運用可能なポイントは、基本的には通常ポイントのみです。目的が限定されたポイントや、期間限定ポイントでの運用はできないことが一般的ですので注意しましょう。

ポイント運用は一般的に元手が少額ですので、安定運用型のコースだと大きなリターンは期待できません。ポイント運用で現金が減ることはありませんので、運用の醍醐味を味わいたいという場合は、少しリスクをとって、大きなリターンを期待できるコースにチャレンジしてみるのもよいでしょう。ただし、運用していくなかでポイントが減少するリスクがあることの認識は必要です。

ポイント運用も投資と同様に、ポイント数が日々変動します。増えているときはよいのですが、減ってくると不安になって引き出したくなるかもしれません。しかし、短期的な動きに一喜一憂することなく、長期的な視点で取り組むことが大切です。選んだコースにもよりますが、経済が成長している限り、一時的な下落はあっても、下落し続ける可能性は少ないといえます。そのうち上昇に転じるときがくるため、そのときまで放っておきましょう。「ほったらかし」も上手に活用するコツの一つです。

ポイントを引き出すタイミングとしてベストなのは、連動する金融商品の価格が過去と比較して一番高いときです。逆に、ポイントを追加するベストなタイミングは一番安いときです。しかし、これらのタイミングを的確に予測するのは困難です。
ポイント運用はポイントを増やすことが目的という側面から考えれば、運用をはじめた最初のうちは、ポイントが増えているタイミングで、ポイントを使いたいときに引き出せばよいでしょう。
ポイント運用に慣れてきたら、連動する金融商品の値動きを予測し、ポイントの追加・引き出しのタイミングを自分なりに判断してみましょう。こうした経験を積めば、次のステップの本格的な投資にもつながります。

ここまで、ポイント運用の仕組みや活用方法について解説してきましたが、ポイント運用で気を付けるべき点についても確認しておきましょう。

ポイント運用は元本保証ではないため、運用しているポイントが減少するリスクがあります。そのことは理解したうえで運用しましょう。

ポイント運用で運用できるポイントは、ポイント運用サービス会社によって決まっています。例えば楽天ポイントの場合、「通常ポイント」しか運用できず、「期間限定ポイント」は対象外です。保有しているポイントのすべてを運用できるとは限らないため、注意しましょう。

ポイント運用の運用先は、ポイント運用サービス会社が用意しているいくつかのコースからしか選ぶことができません。ポイント運用が普及するにつれ、コース設定もバラエティ豊かになってきましたが、投資に慣れてくると、少し物足りなく感じる人もいるかもしれません。

ポイント運用の目的はポイントを増やすことであり、資産を大きく増やすことはできません。そもそも、運用の元手となるのはポイントのため、保有数には限りがありますし、増やしたポイントは現金化できず、引き出す際もポイントでの引き出しとなります。将来に向けた資産形成としては、別の手段を考える必要があります。

ポイント運用は、面倒な手続きなしに気軽にはじめられるため、貯まっているポイントを有効活用したいという人にはおすすめのサービスです。投資の疑似体験という側面もありますので、まずはポイント運用で投資の感覚を身に付け、増やしたポイントでポイント投資をはじめてみるというのもよいでしょう。
眠っているポイントがあったら、ぜひポイントに働いてもらいましょう!

監修
丸山晴美
監修丸山晴美
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。22歳のときに節約に目覚め、会社員としてひとり暮らしをしながらも1年で200万円を貯め、26歳で住宅を購入した経験がメディアに取り上げられ、2001年に節約アドバイザーとして独立。食費や通信費など身の回りの節約術やポイ活、資産運用のアドバイスまで幅広く発信。著書・監修書に『知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本』(宝島社刊)など多数。
- ※本記事は、2024年5月時点の内容です。
- ※本記事は、当社が丸山晴美様に監修を依頼して掲載しています。
ポイント運用とあわせて、保険で
資産運用にチャレンジしてみませんか?
気軽に投資の疑似体験ができるポイント運用を楽しみつつ、将来に向けて着実な資産形成に挑戦してみてはいかがでしょうか。明治安田では、月々少額から積立可能な貯蓄型保険を各種ご用意しています。将来に向けた資産形成の一手段として、活用してみてはいかがでしょうか。
募Ⅱ2401036ダイマ推
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- ※1 保険商品をご検討いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください
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