

※本記事は、2023年11月時点の内容です

投資に興味はあるけれど、買うべき銘柄や売買のタイミングがわからないという不安から、なかなか一歩を踏み出せない。そんな株式投資初心者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな投資初心者が覚えておくと良い株の銘柄の選び方や、売り買いの基本戦略など、株式投資の基本の「キ」について、ファイナンシャルプランナーであり、株式トレーダーの横山利香さんに教えていただきました。

株式投資の仕組みはとてもシンプルです。株価が安いときに買う、その後に株価が上がってきたらその差額(含み益)が発生するので、売ることで利益を得るという流れが基本です。
株価は、その株の買い手と売り手のバランスによって決まります。買いたい人が売りたい人よりも多ければ株価は上がり、売りたい人の方が多ければ下がります。株価が上がる要因はいくつかありますが、そのなかでも重要なのが企業業績です。業績が上がれば企業の価値が高くなるので、その企業の株を買いたい人が増えます。
そのため、株の銘柄を選ぶ際は、業績が上がっている、もしくは上がっていきそうな企業を選ぶことが大切です。
馴染みのある業界から株式投資をはじめる
どの企業の業績が伸びそうか、停滞しそうか、投資をはじめたばかりのころは判断するのが難しいかもしれません。そこでおすすめしたいのが、自分にとって馴染みのある業界から、株式投資をはじめてみることです。例えば、ゲームが好きならゲーム業界、ITの仕事をしていたらIT業界といったように、馴染みのある業界であれば、どの企業が注目されているか、どんなヒット商品が生まれているかがわかるので、銘柄も選びやすいはずです。
株主優待が魅力的な企業から選んでみる
株式を発行している企業は株主に対して、株主優待や、配当金などの還元策を実施していることがあります。株主優待とは、企業が株主に対して自社サービスの優待券や、製品などの優待品を贈呈する制度のことです。銘柄を選ぶときは、この「株主優待」に着目してみるのもおすすめです。例えば、汎用性のある商品券や好きなものを選べるカタログギフト、飲食店を運営する企業であれば利用割引の金券、飲食料品メーカーなら自社商品を送る企業もあります。魅力的な株主優待を継続している企業は、それだけ個人投資家に人気が高く、比較的安定した業績が期待できる企業とも考えられます。「人気の商品が株主優待でもらえるんだ」と楽しみながら、銘柄を探してみましょう。
自分の感性にあう情報源を参考にする
株の銘柄選びに参考になるのが『会社四季報』です。『会社四季報』は、企業の特徴や業績、株価の動きなど、株式投資に役立つ上場企業のデータがまとめられた本で、年に4回発行されています。また、政治や経済、景気動向などの情報をキャッチできる『日本経済新聞』も、読んでおいて損はありません。投資をはじめて間もないころは偏りなく、さまざまな情報源からチェックする習慣を付け、だんだんと自分の興味のある分野や、感性にあったほかの情報源も取り入れていきましょう。ただし、情報源は増やしすぎないように注意してください。さまざまな意見に振り回されることで、株を売買するときの決断スピードが鈍ってしまう恐れもあります。
株価チャートをチェックする
銘柄を選んだら、買い時や売り時を見極める必要があります。そこで参考になるのが、株価の変動をグラフで表した「株価チャート」です。株価チャートを見ることで、この銘柄の株価は上がっているのか、下がっているのかを視覚的に把握することができます。株価チャートの見方については、次からご紹介していきます。

株価チャートとは、過去の株価の動きをグラフで表したものです。多くの投資家が株価チャートを参考にして、株式投資を行なっています。株価チャートで過去の値動きを見ることで、現在の株価が高いのか、低いのかを判断できるだけでなく、値動きのパターンや傾向を読み取ることも可能です。ここでは、基本的な株価チャートの見方と、売り買いのポイントをご紹介します。

インターネットで株価チャートのページを開くと、「ローソク足」「移動平均線」「出来高」と、3つの情報が表示されます。株価チャートをチェックするにあたり、これら3つの基礎知識を知っておくと売買タイミングの分析に役立ちます。

ローソク足
ローソク足とは、始値(一定期間の取引で最初に成立した株価)、高値(一定期間の取引で一番高かった株価)、安値(一定期間の取引で一番安かった株価)、終値(一定期間の取引で最後に成立した株価)の4つの値を一本のローソクの形で表現したものです。
1日の株価変動を表した「日足」、1週間の「週足」、1ヵ月の「月足」と、期間ごとにローソク足を見ることができます。株価チャートは通常、日足チャートが表示されることが多いです(上の図参照)。そして、チャートの期間は自分で切り替えることができます。
また、始値に比べて終値が高い場合を「陽線」、始値に比べて終値が低い場合を「陰線」と言います。なお、ローソク足の色は利用するサイトやアプリ等によって異なります。
例えば、下の図のローソク足の場合、陽線は290円(始値)で取引がはじまり、一時は270円(安値)まで値下がりしましたが、310円(高値)まで値上がりし、最終的には300円(終値)で取引が終了。陰線は、取引が300円(始値)からはじまり、一時は310円(高値)まで値上がりしましたが、270円(安値)まで値下がりし、最終的には290円(終値)で取引を終えたということになります。

移動平均線
移動平均線とは、一定期間の株価の終値の平均値を線のグラフで表したもので、株価のトレンドを把握するのに役立ちます。線が上向きであれば「上昇トレンド」、横ばいなら「もみあい局面」、下向きなら「下降トレンド」となります。移動平均線の平均をとる期間に決まりはありませんが、一般的には短期だと5日線(過去5日間の株価の平均)、少し長めであれば25日線が投資家たちによく見られています。
株の売買は、株価が安いときに株を買い、高くなったら売るのが基本になります。株価が下降トレンドを終えて下げ止まったら株を買い、その後、上昇トレンドに転じたら売るという流れになります。
出来高
出来高は、その株が売買された取引量です。出来高は棒グラフで表現されます。出来高が多いほど株の売買取引量が多いということです。出来高を見ることによって、その株を取引している人がどれだけいるのかがわかるので、その株の人気度がわかります。

移動平均線とローソク足から
買い時をチェック!
投資初心者が株価チャートを参考にするとき、まず見てほしい情報が「移動平均線」です。株式投資の世界は「安いときに買って、高いときに売る」が大原則です。つまり、移動平均線が下がりきって上向きはじめてから買って、買ったときよりも上がったら売ることが基本戦略となります。
移動平均線とあわせて「ローソク足」もチェックしてみてください。移動平均線が上がる際は、買い方が優勢であることを示す「陽線」のローソク足が増えていきます。逆に、移動平均線が下がる際は、売り方が優勢であることを示す「陰線」のローソク足が増えていきます。
「出来高」も株式売買の参考となる指標ですが、初心者には、株の売り買いのタイミングというよりは、銘柄を選ぶ際の参考材料として活用することをおすすめします。出来高=株の取引数が多いということは、その銘柄の株の売買に参加している人の数も多いということ。売買をする人が少ないということは、株価の変動も膠着しやすいので、せっかく株を買ったのに株価が全然上がらないという事態も起こりやすいのです。
最初は株を買うだけでなく、
売ることもしてみよう
株式投資をはじめてする方のなかには、買った株をなかなか売ることができずに失敗する方もいます。株価が上がって売り時になっているのに「明日はもっと儲かるかも」と欲が出てきて売れない。株価が下がっても「いつか(株価が)戻るかも」と思って、やはり株を手放すことができない。結果、株価が買ったときよりも値下がりして損をしてしまうというのが、よくあるパターンです。
最初のチャレンジが失敗に終わると、多くの方は「やっぱり株は儲からないんだ」と株式投資から離れてしまいます。大事なのは、利益は小さくても良いので成功体験を積み上げていくこと。最初は、株価が5%上がったら株を売る、株価が下がったらすぐに売る、最低でも月に1回は株の売買をするなどのルールを定めて、株を売る練習をしてみましょう。
まずは基本をおさえて
株式投資にチャレンジしてみよう
株価チャートは奥の深い世界。ここで紹介したもの以外にも、さまざまな見方があります。ですが、一度にたくさんのことを覚えようとすると混乱してしまうので、まずは基本からおさえて慣れていきましょう。株価チャートの見方を覚えると、為替チャートも見られるようになるので、米ドルなど、外貨建てでの資産運用をする際にも役立ちます。
ご紹介した株の選び方のコツを意識して、ぜひ株式投資に挑戦してみてください。

監修
横山利香
監修横山利香
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー。 「将来への不安を解消するために楽しく投資を続けよう!」をモットーに、 株式投資をはじめとし、さまざまな投資、キャッシュレス決済、ポイント、クレジットカード、ふるさと納税等のお得な家計管理に関する情報を、講座、セミナー、インターネットなどで発信している。『図解月10万円から始める!誰でもラクラク株投資生活』(タツミムック)など、著書多数。
- ※本記事は、2023年11月時点の内容です。
- ※本記事は、当社が横山様に監修を依頼して掲載しています。
資産を株式に一本化することは
リスクが高いため、
貯蓄型保険を分散投資先として
検討してみてはいかがでしょうか
明治安田では、無理なく資産形成ができる貯蓄型や外貨建ての保険をご用意しています。
株式投資だけではなく、分散投資の一つとして保険を賢く利用し、リスクを抑えながら資産運用を行ない、経済的な安心を手に入れましょう。
募Ⅱ2400681ダイマ推
この記事を見た方におすすめの保険商品
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手軽にはじめられ、満期保険金のある積立保険です。※1※
※保険商品をご検討いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください
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※保険商品をご検討いただく際には、「契約締結前交付書面(契約概要・注意喚起情報)」を必ずご確認ください
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- ※1 保険商品をご検討いただく際には、「ご案内ブックレット」を必ずご確認ください
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