

まずは、くぅちゃんさんについて教えてください。現在、どのような活動をされているのですか?
くぅちゃん:
「時間の節約は家計の節約にもつながる」をモットーに「時短節約家」を名乗り、節約や家計管理のコツをSNSやメディアで発信しています。昨年まで看護師として働いていましたが、現在は、家計管理や家計簿の書き方のセミナーを開くなど、お金にまつわるさまざまな情報発信をしています。
もともとは浪費家で「貯められないタイプ」だったそうですね。節約をはじめたきっかけは何だったのでしょうか?
くぅちゃん:
以前は、看護師としてフルタイムで働き、安定した収入を得ていたので、「あるだけ使う」生活を送っていました。現在は、夫(41歳)と中学3年生の長男、小学6年生の次男の4人で暮らしていますが、結婚して子どもが生まれても、節約意識はゼロ。家計簿をつけたこともありませんでした。
危機感を覚えたのは、ふたり目が生まれてから。病院を転職して給料が下がり、子育てで夜勤もできなくなって、収入が激減。結婚当初から、「月10万円は貯蓄してね」と夫に言われていたのですが、貯蓄どころか毎月赤字。このままではマズイ……と節約を決意しました。3日坊主を防ぐため、まずはブログで、「1,000万円貯めるぞ!」と宣言したんです。
あとに引けない状況をつくり、自分に火をつけたのですね。
くぅちゃん:
それくらいしないと、挫折してしまいそうで(笑)。習慣を変えるのは大変ですからね。それに、「1,000万円貯めた主婦」として本を出したいという気持ちもありました。金額や目的が明確なほうが、行動のモチベーションにつながります。


実際に6年で1,000万円の貯蓄を達成し、著書「節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄」
(KADOKAWA)を出版されました。まさに有言実行ですね。具体的には、どのように家計を見直していったのですか?
くぅちゃん:
まずは、支出を書きだし、家計のムダを洗い出しました。すると、使っていないクレジットカードの年会費、スマートフォンの変更時に登録しっぱなしのサブスクリプション、惰性で続けている子どもの習い事、休眠口座など、見えないムダの存在が次々と発覚したので、それらをカット。5枚あったクレジットカードも1枚に集約しました。
次に、固定費の見直しに着手し、家族のスマートフォンを大手キャリアから格安SIMに乗り換え、月3,000円お得になり、年間で約4万円も節約に。光熱費は、電気とガスを同じ会社にセットで乗り換えました。固定費は、毎月の推移を振り返りながら、定期的に見直しをしています。
家計のムダを洗い出すことは、どの家庭にも通じる節約の第一歩ですね。毎月変動する生活費は、どのようにして節約していますか?
くぅちゃん:
日用品は、専用のものを買わず、オールマイティに使えるもので代用します。洗い物や消毒は、「スーパーアルカリイオン水」が活躍。野菜や食器を洗ったり、掃除をしたり、アルコールスプレーや除菌消臭剤代わりにも。調味料も頭数を減らし、必要最低限のみ。結局出番が多いのは、家族が好きな唐揚げや生姜焼きといった定番メニューで使うものなので。モノは少ない方が管理もラクだし、買い物時間の短縮にもなるので、いいことずくめです。調味料は、クレジットカードで貯めたポイントで購入しています。
同居している家族がいると、どうしても食費が増えがちです。くぅちゃん家では、どうしていますか?
くぅちゃん:
我が家も、子どもが中学3️年生と小学6年生の男の子ふたりなので、食費の節約には苦労していますね(笑)。基本は、「まとめ買いをして、最後まで美味しく食べ切る」。無駄が出ないように、あらかじめ1週間の献立を決め、まとめ買いすることで、1週間1万円くらいで収めるようにしていました。お米は、ふるさと納税の返礼品を使います。
ただ、最近は食べ盛りなので月の予算を5万円まで上げました。食材のストック状況を把握するために、在庫の数と量をノートに記録しています。食材にはお金はかけませんが、調理器具はいいものを長く使うのがこだわりです。料理がグレードアップしますよ。
お金の使い方で意識していることはありますか?
くぅちゃん:
浪費なのか投資なのかは、意識しています。知識を得るための学びや資格取得など、将来の糧となるものは投資なので、多少お金がかかってもOK。その分、浪費はなくしていく。限られたお金を有効に使うことが大事です。普段、節約している分、旅行では気にせずお金を使います。子どもたちも喜ぶし、ご褒美があるほうが節約のモチベーションにもつながります。

家計簿はどのようにつけていますか?
くぅちゃん:
ノートを使ってオリジナルの家計簿を作っています。当初は、雑誌の付録についていた家計簿を使っていましたが、費目の分け方などが我が家にあわず、使い勝手が悪かったので、自分でつくった家計簿に変えました。
くぅちゃん流・
最強家計簿の付け方ルール

-
費目はなるべく絞って記入
我が家では、夫婦で財布を別にしているので、記入するのは、自分が担当している「食費」「日用品・レジャー費」「子ども費」「小遣い」の4項目のみ。「子ども費」は教育費や習い事代、子どもの医療費など子どもにかかるお金、「小遣い」は私にかかるお金です。何に使ったかではなく、誰に使ったかで分けるようにしています。費目が増えていくと、結局管理が大変になってしまうんです。
-
自分にかけるお金はすべて
「お小遣い」に医療費や美容費といったイレギュラーな支出は、お小遣いから出します。病気になる=使えるお小遣いが減るので、逆に健康に気を付けるようになりました(笑)。家計簿に記入するのは、お金を使った日のみなので、記録が面倒だから買うのをやめようということも多く、無駄遣いの防止にもなっていますね。
家計管理で大切にしているルールを教えてください。
くぅちゃん:
モノも家計も、すべて「自分が管理できる範囲」にとどめています。クレジットカードは1枚のみです。枚数が増えると、支払い期日にタイムラグがあるなど、家計が混乱してしまいます。
銀行口座も、貯める用と使う用の二つのみで、チェックするのも月1度、5分程度です。貯蓄は、給与が振り込まれる口座を「使う用」の口座とし、先取りで8万円程度、積立NISAなどの投資にまわしています。その後、「使う用」の口座から生活費などを差し引き、余った現金を「貯める用」の口座に移しています。
また、家計を整えるには、時間の使い方を見直すことがとても重要です。忙しかったり、時間に余裕がなかったりすると、ついお惣菜を買ったり、外食が増えたりと、お金の使い方が雑になり、無駄な支出が増えてしまいます。貯蓄にしても、自分たちのライフイベントを考えながら、かかるお金を想定し、それを逆算して月額に落とし込むことで、毎月の貯蓄額がイメージできます。そうしたことも、時間に余裕がないとできません。時間の使い方が上手になれば、家計も貯蓄も上手になりますよ。
家計のなかで、保険についてはどのように考えていますか?
くぅちゃん:
医療保険と終身保険、あとは自営業なので収入保障保険に加入しています。やはりいざというときに、子どもたちの将来に支障が出ないように、リスクに備えておきたいですしね。子どもが独立したら終身保険は老後資金に回す予定です。
資産運用も、うまく家計に組み込んでいらっしゃるのですね。
くぅちゃん:
3年くらい前から、資産運用について勉強しはじめるようになり、ファイナンシャルプランナーの資格も取得しました。
そこから銀行預金のほかにも、何かの金融商品に変えることで、少しでもプラスになればいいなと考えるようになりました。偶然ですが、はじめての資産運用は明治安田の「じぶんの積立」から、行なっているんです。
明治安田の「じぶんの積立」を選んでいただいたのですね。
くぅちゃん:
当時は投資に関する知識もあまりない状態だったので、まずはリスクが低く、少額投資からはじめられるものにしたいなと。今のところ、プラスになっていますね。
現在の悩みとしては子どもの成長とともに増えている教育費のやりくりです(笑)。突発的な支出もありますが、特別費を積み立てておいてそこから使うのも手です。その都度、家計を見直しながら、引き締めるところは引き締め、楽しく有意義なお金の使い方をしていきたいですね。

- 家計簿は、極力シンプルに。銀行口座は「貯める」「使う」の二つに。
クレジットカードは1枚に。 - 家計簿は使いやすいようにアレンジ。費目はなるべく絞って記入。
- 投資と浪費は分ける。浪費を減らし、投資を増やして将来につなげよう。

Profile
くぅちゃん
Profileくぅちゃん
6年で1,000万円貯めた節約主婦として、多くのメディアに出演。自身のYouTubeチャンネルでは、家計簿のつくり方から食材の使い切り方、節約レシピを発信。著書に、『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』(KADOKAWA)
- ※本記事は、2023年7月時点の内容です。
- ※当コラムは当社が、くぅちゃん様に取材を依頼して掲載しています。
エネルギッシュなくぅちゃんさん。固定費の見直しや家計簿を自分流にアレンジしたり、献立ノートで食材の在庫管理を行なって美味しく食べ切ったりなど、楽しみながら節約を楽しむ工夫とヒントがたくさんありました。くぅちゃんさんの節約、家計管理を参考に節約にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
募Ⅱ2301208ダイマ推