※本記事は、2026年3月時点の内容です
「物が多すぎて片付ける気になれない」「何度も片付けに挫折した」……そんな経験はありませんか?実は、物を捨てなくてもスッキリ暮らす方法があります。
今回は、5,000軒以上のお宅の片付けを手がけてきた「幸せ住空間セラピスト」の古堅純子さんに、部屋の景色を変えることからはじめる「捨てない片付け」のコツを伺いました。
ミニマリストや物を減らす暮らしがブームになり、「片付け=物を捨てること」と思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、一つ一つの物と向きあって「いる・いらない」を判断するのは、想像以上に時間もエネルギーもかかるもの。途中で挫折してしまうのも無理はありません。
実は、片付かない本当の原因は「物が多い」ことだけではなく、「物の置く場所が間違っている」から。捨てることからはじめなくても、部屋はスッキリできるのです。
「捨てない片付け」で最優先するのは、「部屋の景色」。物を捨てる前に、部屋を自分好みになるよう片付けます。まずは散らかっている物を一箇所に「寄せる」。そして、寄せた物を収納のなかや物置スペースなど見えない場所に「隠す」か「埋める」。たったこれだけで、「部屋の景色」が劇的に変わります。
(写真提供:古堅さん)
試しに、ダイニングテーブルのうえに置いてある物を別の場所に移して更地にしてみてください。それだけで、見慣れた景色が変わるのがわかるはずです。逆に、どんなに時間をかけて引き出しのなかを整理しても、パッと見たときの景色が変わらなければ達成感は得られません。物を捨てることではなく、まずは、目に見える空間をスッキリさせることが重要なのです。
そして、一度きれいになった景色を見ると、その状態をキープしたくなるもの。家族の意識も自然と変わり、片付けへのモチベーションにもつながっていきます。
片付けをはじめる前に、まず「この部屋で何がしたいか」「どんな物に囲まれて暮らしたいか」を考えてみてください。部屋のコンセプトがはっきりすると、そこに置くべき物も自然と見えてきます。コンセプトが決まったら、次の4つのSTEPで進めていきましょう。
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まずは、部屋に散らばっている物を一箇所に寄せ集めます。このとき、「いる・いらない」は判断せず、とにかく全部まとめて、普段はあまり使わない収納や部屋の隅など「へき地」に移動させましょう。すると、物がなくなった場所に「更地(何もない空間)」が生まれます。
最初から部屋全体を片付けようとしなくても大丈夫。まずはダイニングテーブルのうえだけ、廊下だけ、というように小さなエリアからはじめましょう。収納が足りない場合やワンルームの場合は、紙袋や収納ボックスに物をまとめて視界から隠すだけでもOKです。目の前に広がるスッキリした空間に、片付けへの意欲が高まるはずです。
リビングダイニングにあふれていたものを、子ども部屋にする予定のあまり使っていなかった部屋に寄せ集めた状態(写真提供:古堅さん)
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更地ができたら、へき地に寄せた物のなかから「本当に必要な物」だけを元の場所に戻します。基準は、「稼働率が高い(日常的に使っている)」かどうか。毎日~週に何度も手に取る物だけを戻し、「いつか使うかも」と思っている物は戻さず、いったん別の場所で寝かせます。
戻すときに、その物の定位置を、使う場所のそばの収納の扉のなかに決めましょう。理想は1秒で戻せること。こうすることで、よく使う物が出し戻ししやすくなり、片付いた状態をキープしやすくなります。
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稼働率は高くないけれど、捨てられない物も、無理に手放す必要はありません。その代わり、物置き部屋、クローゼット、ベッドの下や奥などに「埋めて」、視界から完全に隠してしまいましょう。「捨てる決断を先送りにしていい」と考えてください。
捨てることへのプレッシャーがなくなることで、片付けに対する精神的な負担がぐっと軽くなります。日常を片付いた景色のなかで過ごすうちに、心にゆとりが生まれ、自然と埋めたままの物を手放せるタイミングがやってきます。
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普段過ごす場所の景色がスッキリ変わると、その状態を維持したくなるもの。でも、リビングなどは家族それぞれが物を持ち込む場所なので、気を抜くとすぐに元どおりになってしまいます。個人の物は持ち込まない、持ち込んでも必ず自分のスペースに持ち帰るなど、ルールを決めましょう。
テーブルやカウンターについポンと置いてしまう「ちょい置き」を防ぐには、ワンアクションで収納のなかに戻せる場所をつくること。見せる収納は生活感が出がちなので、扉や引き出し付きの収納がおすすめです。
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きれいな景色をキープするには、ワンアクションで戻せる仕組みづくりがカギ。ホームセンターや100円ショップで手軽に手に入るグッズを活用してみましょう。
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帰宅後、ソファや椅子にバッグや持っていた物をつい置いてしまう……そんな習慣に心当たりはありませんか?そういう方におすすめなのが、カラーボックスや引き出し収納を使った「ちょい置き棚」です。
つくる場所は、クローゼットや押し入れのなかの「ゴールデンゾーン」。腰高から背丈くらいまでの、物を最も出し入れしやすい位置をゴールデンゾーンと呼びます。カラーボックスや引き出しを重ねて高さを出し、ゴールデンゾーンの高さのなかに荷物を置けるスペースをつくることで、帰宅後、バッグやよく使う物をさっと隠せる「ちょい置き棚」のできあがりです。
ゴールデンゾーン(中段)には毎日使う服やバッグを配置し、上段には季節ものや使用頻度の低い物を「埋める」収納に(写真提供:古堅さん)
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帽子や鍵など、毎日使う細かな物をどこに置いたかすぐわからなくなってしまう人が取り入れたいのが、扉の裏を使ったフック収納です。下駄箱やクローゼット、リビング収納などの扉の裏側にフックを取り付けます。両面テープ式やS字フックなど、扉のタイプにあわせて選びましょう。
帰宅したら、扉を開けて、帽子や鍵をワンアクションで引っかけるだけ。扉を閉めれば見た目もスッキリします。帰宅後の生活動線にあわせて扉裏のフックを用意しておけば、片付けに手間をかける必要がなくなり、ズボラな人でも無理なく続けられます。
扉の裏にフックを取り付けるだけで、帽子やマスクなどの定位置に。扉を閉めれば見た目もスッキリ(写真提供:古堅さん)
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アイテムの種類ではなく、使う頻度で場所を決めるのがキッチン収納のコツです。一番使いやすい腰高の引き出しや棚には、毎日使うハサミや箸、よく使う食器など「稼働率が高い」物だけを集めましょう。お客さま用の食器や年に数回しか使わない物は、別の場所へ。
引き出しのなかは、収納グッズとして手に入りやすい「キッチントレー」で仕切ると、定位置がはっきりして自然と戻す習慣が身に付きます。
腰高の引き出しには毎日使う食器やカトラリーを。トレーで仕切り、戻す際は必ず定位置に(写真提供:古堅さん)
「物が動くと、空間ができる。空間ができると、心が動く。心が動くと、人生が変わる」──片付けは苦しい修行ではなく、自分らしく幸せに生きるための「手段」です。物が捨てられないからといって、自分を責める必要はありません。
大切なのは、人と物が心地よくいられる「部屋の景色」をつくること。まずはダイニングテーブルのうえだけ、クローゼットの一角だけでも構いません。小さな「景色の変化」から、はじめてみませんか?
監修
古堅純子
監修古堅純子
幸せ住空間セラピスト、家事効率化支援アドバイザー。1998年家事代行サービス会社に入社したことをきっかけに、これまでに5,000軒以上のお宅を訪問。掃除と片付けをとおして暮らしを整えていく独自の「古堅式メソッド」を確立し、幅広い世代から支持を集める。「生前整理」という言葉の生みの親でもあり、テレビ、雑誌などメディアでも活躍。YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」は登録者数44万人超、総再生数2億5,000万回以上(2026年3月時点)。著書累計70万部以上。最新著書『古堅純子の片付け事件簿~家族のピンチをズバッと解決!~』(KADOKAWA)。
- ※本記事は、2026年3月時点の内容です。
- ※本記事は、当社が古堅純子様に監修を依頼して掲載しています。
- ※本記事は、監修者の知識や経験をふまえて執筆しています。
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