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突撃!僕らのJタウン
  • 「ネバーギブアップ」なメンタリティ。名古屋グランパスの歩み。
  • 積極的に地域交流。大都市の人々をつなぐハブをめざす。
  • 前編はこちら

突撃!僕らのJタウン at 名古屋グランパス

選手御用達! -5℃の冷凍サウナに独立書店…グランパスの地元、名古屋をめぐる!<後編>

と、ここまでは、名古屋の魅力的なスポットをご紹介したわけですが、名古屋グランパスは、大都市名古屋でどのように街とかかわっているクラブなのか探るべく、クラブハウスにやってきました。

ここから先は、広報・コミュニケーション部ホームタウングループの西村惇志さんにお話を伺っていきます。

クレジット:取材:友光だんご/文:関戸ナオヒロ/構成:納谷ロマン/写真:山元裕人

西村 惇志(にしむら あつし)

広報コミュニケーション部 ホームタウングループ所属。愛知県出身。大学を卒業後、まちづくりに携わる会社に入社。行政計画の策定や地方創生、シティプロモーションの事業を行なう。その後、2018年4月に株式会社名古屋グランパスエイトに入社。SDGsの推進、地域のホームタウン活動に従事している。

「ネバーギブアップ」なメンタリティ。名古屋グランパスの歩み。

だんご
今日、名古屋をいろいろと周らせてもらったんですけど、シティとローカル、両方の要素を感じました。すごく大きな街ですね。
西村
そうですよね。名古屋グランパスはJリーグ発足時に加盟した、いわばオリジナル10のひとつであり、名古屋市、豊田市、みよし市を中心に愛知全域をホームタウンとして活動しています。
だんご
名古屋グランパスのクラブの成り立ちからお聞きしてもよろしいでしょうか?
西村
名古屋グランパスは元々、トヨタ自動車サッカー部が母体となって結成され、クラブとして去年30周年を迎えました。
だんご
Jクラブが地元にできるときき、当時はすごく盛り上がったでしょうね。
西村
プロ野球チームが元々あったので、スポーツを受け入れる姿勢は整っていました。なので、サッカーという世界的に人気なコンテンツが地元で見れるということに、街はとても盛り上がっていたと思います。

名古屋グランパスの初期ユニフォーム。
鯱のマスコットは創立当初から。

だんご
発足当時のエピソードって何かありますか?
西村
リーグ開幕当初はあまり勝てていないクラブでしたが、世界的な名将のベンゲル監督や、ストイコビッチ選手がクラブに来て、強豪クラブのひとつとして認知されていきました。
特にストイコビッチ選手は名古屋グランパスで監督も長く勤めていました。監督時代のスローガンだった「ネバーギブアップ」の精神は今のクラブにもしっかりと根付いています。
だんご
30年という長い歴史を持つクラブだと思うんですが、困難な時期はありましたか?
西村
実は、2016シーズンにクラブがはじめてJ2リーグに降格しました。J1にいることが日常でしたので本当にショックなことでした。でも、リーグ降格をしたら観客動員数が増えたんですよ。
だんご
なんと!

「応援はリーグ屈指の熱量なんです」と西村さん。

西村
Jリーグとしてもとても珍しいことで、名古屋グランパスが多くの人に支えられていることを改めて感じることができたシーズンでもありました。
だんご
まさにネバーギブアップ。クラブとしては熱いサポーターのみなさんがいることは心強いですよね。
西村
特にリーグ昇格を決める一戦では、4万5千人収容のスタジアムがいっぱいになるほど応援に駆け付けてくれて。僕はもそのとき観客席にいたんですけど、日本でこんなにサッカーに熱気が感じられる場所があるんだと感動しました。
だんご
ものすごい歓声だっただろうなあ。逆境のときこそ応援してもらえるのは、サポーターから愛されている証拠ですよね。

積極的に地域交流。大都市の人々をつなぐハブをめざす。

だんご
大都市で人口も多いし、立派なスタジアムもある。とてもポテンシャルが高いクラブだと思うのですが、街とのかかわりの部分を聞いてもよろしいでしょうか?
西村
正直言うと、今までずっと地域と一緒に歩んでこれたかって聞かれるとそうではなくて、僕が所属しているホームタウングループも後発的にできた部署なんです。でも、地域にまいてきた活動のタネが、徐々に育っているのを感じます。
だんご
具体的にはどういった活動をしているんでしょうか?
西村
毎年、名古屋城で行われる夏祭りで「グランパスデー」を開催したり、グランパスが主体となって「鯱の大祭典」という名古屋の街全体でイベントを行って、積極的に地域交流を目指しています

開催期間中はホームタウンと連携し、
街なかで関連イベントを実施している。

西村
一昨年には「シャチほこれ!グランパス音頭」を作りました。
だんご
グランパス音頭!?サッカークラブが盆踊りですか?

スタジアム前で盆踊りのイベントを
開催した様子。

西村
サッカーに興味がない人でも楽しんでもらえるように、あまりサッカー要素を盛り込まずに作りました。愛知の盆踊りってちょっと変わっていて、ノリノリなんですよ。なので、シャチほこれ!グランパス音頭もアップテンポなナンバーに仕上がっています
だんご
たしかに盆踊りは年齢性別問わず楽しめるし、すごく面白いですね。後で調べて聞いてみます。
西村
ほかにも、ホームゲームのときはスタジアムの広場でプロレスを誘致したり、キッチンカーを呼んでグルメを楽しんでもらったり……。すべてのホームゲームにテーマを定めて、イベントも実施しています

ホームゲームで行われるイベントの数々。
まさにお祭り級の盛り上がりだ。

だんご
そこまでいくと、毎試合ホームゲームはお祭りみたいですね。
西村
グランパスの試合の日は、一日中ワクワクしてもらいたいんです。ホームゲームがひとつのお祭りになって、サッカーに興味がない人でも遊びにこれるスタジアムを目指しています
だんご
まずは親しんでもらって、それから名古屋グランパスに興味を持ってもらえたら最高ですよね。最後に、今後取り組んでいきたいことはありますか?
西村
街のスケールが大きいので私たちの活動がなかなか浸透しづらいこともありますが、これからも行政、企業、地域の方々のハブとして、グランパスがもっと多くのみなさんに愛されるクラブに成長していけたらと思っています!
だんご
名古屋の街が名古屋グランパスを通してひとつに団結したら、ものすごいエネルギーですよね。これからも注目します!西村さん、どうもありがとうございました!

いかがでしたか?名古屋グランパスのホームタウンのおすすめスポット探訪にはじまり、クラブと街のかかわりをしっかりとご紹介できたのではないでしょうか。Jクラブホームタウンの面白さを身をもって痛感しました。次回の訪問先も、きっとすばらしいJタウンのはずです。今から、ワクワクしてきたぞ〜!それでは、次回の『突撃!僕らのJタウン』も、お楽しみに!

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Profile

友光だんご
(ともみつ だんご)

1989年、岡山県岡山市生まれ。大学進学とともに上京し、2012年に出版社へ入社。女性ライフスタイル誌・車中泊専門誌の編集に携わったのち、2017年2月に退社。その後、株式会社Huuuuへ所属し、2019年からHuuuuの取締役兼編集部長を務める。編集者・ライターとして、「ジモコロ」を中心にウェブと紙を行き来しながら活動。インタビューと犬とビールが好き。

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