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突撃!僕らのJタウン
  • 北海道の歴史はサッポロビールの歴史!?
  • 新しい公共の場所を目指すホステル。
  • 行列を生み出す、新進気鋭のアパレルショップ。
  • 後編はこちら

突撃!僕らのJタウン at 北海道コンサドーレ札幌

広大な大地でサッカーを広める工夫とは?来訪必須!札幌の人気スポットも紹介 <前編>

「突撃!僕らのJタウン」では、Jクラブのホームタウンを散策し、前編パートでは、その街の魅力的なお店やスポットを紹介し、後編パートでは、クラブ関係者のインタビューを敢行。外から見る街の魅力と、なかから見る街の魅力、そして、Jクラブについてをまるっと知ることができるコンテンツです。

好評のシリーズ第5回目は日本の最北にあるクラブの北海道コンサドーレ札幌。雄大な自然に囲まれ、広大な土地を持つ北海道の中で、今回は札幌にフォーカスして、街とクラブに突撃しました!

取材:友光だんご/文:関戸ナオヒロ/構成:納谷ロマン/写真:山元裕人

北海道コンサドーレ札幌・ホームタウン、札幌市。

明治安田生命ライフフィールドマガジンをご覧のみなさん、はじめまして!編集者の友光だんごです。今回は、柿次郎に代わって僕がナビゲートさせていただきます!

と、いうわけで北海道コンサドーレ札幌の本拠地がある札幌にやってきました。
ご存じの通り、北海道最大の都市札幌は、時計台やサッポロビール博物館などの観光名所がたくさん。雪まつりといったイベントなども有名な都市ですよね。
『突撃!僕らのJタウン』もついに本州を飛び出しての北海道、見どころ満載のオススメスポットを、さっそくご紹介していきたいと思います!

サッポロビールの歴史は、北海道開拓史とリンクする。

まずはじめに訪れたのは[サッポロビール博物館]。日本で最も歴史のあるビール博物館で、サッポロビールの歴史や、ここでしか見られない展示品などなど、見どころたっぷり。その歴史や街とのかかわりを館長の栗原さんに伺った。

[サッポロビール博物館]の館長、
栗原さん。

2003年まで稼働していた銅製の煮沸釜。
完全な形が残っているのは国内でココだけ。

だんご
北海道といったらサッポロビールのイメージがありますね。ここってどんな場所なんですか?
栗原
ありがとうございます。ここは北海道開拓事業から引き継がれるサッポロビールの歴史と文化を体感できる、日本で最も歴史あるビール博物館なんですよ。
だんご
北海道の開拓とビールが関係しているっていうことですか?
栗原
開拓使とは、明治初期にロシアの南下政策から国土を守るため、そして近代産業育成のために造られたに省庁なんです。その事業としてビール産業が計画されたのがはじまりだったんです。
栗原
当初は東京に工場を作る計画でしたが、ドイツで学んだビール醸造法には氷が不可欠。そこで、当時の開拓使の一員であった村橋久成が政府の決定をクビ覚悟で覆し、札幌でビール醸造場の建設に踏み切ったのです。こうして、日本初の日本人によるビールが誕生しました。
だんご
まさにフロンティアスピリッツですね。政府の決定に沿っていたら、もしかしたらサッポロビールは誕生していなかったかもしれませんね。

開拓使麦酒のほかに、北海道限定のサッポロクラ
シック、
馴染みの深いサッポロ黒ラベルの3種類
飲み比べが楽しめる。

栗原
1階にあるスターホールではビールの3種飲み比べがお楽しみいただけます。創業当時の味を現代風にアレンジしたビールで、再現した開拓使麦酒はなかなか味わえないですよ。友光さん、どうぞ味わってみてください。
だんご
いただきます……。おお!爽やかな味わいがとても美味しいです!ビールづくりに情熱を注いだ歴史を学んだあとだと、また味わいが増しますね。いやあ、大満足でした。栗原さん、ありがとうございました!

旅の疲れを癒すホステルは、新しい公共の場所だった。

続いて訪れたのは、2014年に開業した[UNTAPPED HOSTEL]。DIYで作られたお洒落なホステルだが、宿泊のほかにさまざまな事業も行っているという。オーナーである神さんにお話を伺った。

[UNTAPPED HOSTEL]のオーナー、
神さん。

だんご
お久しぶりです!前に泊まらせていただいたときはお世話になりました。ただのホステルじゃないこの場所をどうやって伝えたらいいか迷っていて……。
一言で言いづらいよね。ウチってはじまりはホステルだったんだけど、今は別館として[Seesaw Books]っていう独立系書店と、生活困窮者の一時的な受け入れをするシェルターの3つを運営しています

ホステルはドミトリーのほかに個室も用意。
打ちっぱなしのコンクリートの空間は
DIYで作り上げた。

だんご
書店を始めたのは昨年からでしたよね。1年やってみてどうでしたか?
札幌って大都市なのに、意外とウチみたいな独立系書店がほとんどなくて。だからすごく温かく迎えてくれましたね。ただ、めっちゃ儲かるような仕事でもないし、スタッフもそこまで多くないので。宿のチェックイン、掃除、本屋の店番から雑務……と、仕事はめちゃくちゃに増えました。
だんご
書店を開業した理由はどうしてだったんでしょうか?
ぶっちゃけて言うと、カフェでも居酒屋でもなんでもよかったんです。シェルター利用者を社会から分断せず、多くの人にシェルターの存在を知ってもらえる空間を作りたいっていう思いがまず根底にあって、その場所として書店が良いなって思ったんですよね。

リトルプレスやZINEなど、独自の目線で
セレクトされた本が揃う

だんご
今後としてはどういった事をしていきたいですか?
ホステルは引き続き運営しながら、一般社団法人化してシェルターの方をもう少し手厚くしたいと思っています。前例があまりないですけど、人と人が支え合ってケアしながら生きる社会を局所的にでも作ることができたら、もっとみんな生活しやすくなると思っています。
だんご
とても素敵なお話をありがとうございました。せっかくなので少し店内を見させてもらってもいいでしょうか?
ありがとうございます!ぜひ見ていってください!

炊き出しイベント「大きな食卓」の様子。
アーティストやミュージシャンを招き、物資や
お弁当を配布したほか、
無料ヘアカットなどを行った。

行列を生み出す、新進気鋭のアパレルショップ。

最後にご紹介するのは、セレクトショップ[WAKE.]。新作のリリースとなれば行列を生み出し、道民のみならず全国のファッションフリークから注目を集めるこのお店。札幌の街のことやお店のことを、オーナーの小俣さんに伺った。

[WAKE.]のオーナー、小俣さん。

だんご
広々としたオシャレなお店ですね。中心地からは少し外れた場所ですが、どうしてココでお店を始めたんですか?
小俣
石山通を超えた向こうが、今の札幌のアパレル中心地なんですけど、物件が気に入ったのでこの場所にしました。でも、はじめはこっちの方まで来ちゃって大丈夫かなって不安もありました。ウチはECショップもホームページもなくて、Instagramだけしか情報を発信してないんですよ。
だんご
今の時代のアパレルショップとしてはかなり珍しいですよね。その理由はどうしてなんでしょうか?
小俣
お店に足を運んで、コミュニケーションが生まれて、知り合ってコミュニティが生まれるっていう形がお店のあるべき姿だと思うんですよね。ネットだと、ただ商品を買ってお終いってなっちゃうじゃないですか。

「出張とか、観光の隙間に来てくれる人も
多いですね」と小俣さん。

小俣
僕らみたいな地方の人ってやっぱり、東京に行ったらなんでも売ってる羨ましさがあるんですよ。店頭販売だけのウチのスタイルを面白がってくれて別注の商品を作ってもらったりすると、札幌に行かないと買えないってなるんです。
だんご
東京の人が札幌の人を羨ましがる逆転現象が起きてるんですね。それで、全国からお客さんがやってくる。
小俣
そうそう。僕らのお店があるエリアも先輩の服屋さんや飲食店が増えてきて盛り上がってきてるんです。札幌は大きな街だけど、人が集まるような場所がもっと増えて欲しいですね。自分がやっていることが誰かの刺激になって色々と変わっていったら、札幌がもっと面白くなるって思ってます。
だんご
お店を起点にして街に面白いエリアが生まれて、カルチャーが生まれる。札幌の伸び代を垣間見た気がします。お忙しいところありがとうございました!
後編はこちら

Profile

友光だんご
(ともみつ だんご)

1989年、岡山県岡山市生まれ。大学進学とともに上京し、2012年に出版社へ入社。女性ライフスタイル誌・車中泊専門誌の編集に携わったのち、2017年2月に退社。その後、株式会社Huuuuへ所属し、2019年からHuuuuの取締役兼編集部長を務める。編集者・ライターとして、「ジモコロ」を中心にウェブと紙を行き来しながら活動。インタビューと犬とビールが好き。

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