2023年度総代報告会の報告事項および質疑応答の内容について

2023年12月1日(金)に開催した総代報告会の報告事項と質疑応答の内容は次のとおりです。

報告事項

  1. 2023年度上半期報告
  2. 次期中期経営計画の方向性

質疑応答の内容

あらかじめ書面等により提出があった意見・質問

当社が特に注力する優先課題に設定する「健康寿命の延伸」と「地方創生の推進」に関し、インパクトの計測や開示、他の機関との連携等、現状の取組みについて、説明してほしい

A.インパクトの計測については、現在、2「大」プロジェクトによる事業活動の実施規模と、事業活動を通じた短期的成果を計測しています。
「健康寿命の延伸」については、事業活動として当社の健康増進型保険への「加入者数」や「健康増進イベントの開催数」等を把握し、短期的成果として「ご加入者の健康年齢の改善状況」「健康意識の高まり」等を計測しており、順調に成果が表れてきています。
「地方創生の推進」については、事業活動として「自治体との協働取組数」や「地元企業の健康経営サポート企業数」等を把握し、短期的成果として「協働取組みへの参加者数」、「健康経営優良法人認定取得企業数」等を計測しており、こちらも順調に進展するとともに、協働先の自治体満足度も96%と高く評価いただいています。
具体的な取組状況や成果、他の機関との連携等については、2023年11月15日付「ニュースリリース」をご参照ください。

ESG投融資やスチュワードシップ活動に関し、投融資先企業の持続的成長と当該企業に求める株主還元水準の関係について、どのように考えているのか、説明してほしい

A.当社は、長期の機関投資家として、投融資先企業の持続的かつ安定的な成長を通じて株主還元を享受することを、基本方針としています。
そのため、ESG投融資やスチュワードシップ活動を両輪とした責任投資を積極的に推進し、企業の成長をサポートしています。
また、短期的な目線のアクティビスト等とは一線を画し、スチュワードシップ活動における企業との対話を通じ、事業拡大に向けた考え方や取組方針等を確認しながら、画一的ではなく、個々の企業実態に応じた中長期的な視点での株主還元を求めています。

投融資先企業におけるサステイナブルな取組みが、当該企業のリスク管理・機会創出につながるよう、対話のなかでどのような工夫をしているのか、説明してほしい

A.当社は、気候関連の「リスク」と「機会」に関する情報開示を推進する国際的な組織であるTCFDの提言に賛同しています。
投融資先企業との対話においては、事業環境が変化するなかで、気候変動だけではなく、生物多様性、ダイバーシティなどESG全般の「リスク」と「機会」を企業が適切に認識し、想定する課題に対応しているかを確認しています。
対応が遅れていると判断した企業に対しては、他企業の取組みから好事例を紹介するなど提案型の対話を通じ、長期的な視点から課題解決に向けたサポートをしてまいります。

取締役会内に設置した「IT・デジタル委員会」に関し、審議するテーマおよび今後のスケジュールについて、説明してほしい

A.当社は、指名委員会等設置会社として、執行側の業務執行に対し、監督側である取締役会が専門的な知見もふまえ適切にモニタリングすることが求められていると認識しています。
現在の取締役会構成員のスキルセットの状況等に鑑み、取締役会内にIT・デジタルに関する外部の専門家を構成員に含めた任意の委員会「IT・デジタル委員会」を設置し、2023年10月から運営を開始しました。
年3回程度の頻度で、執行サイドにおけるIT・デジタル分野の投資や戦略について審議する予定であり、初回の委員会では、システムアーキテクチャーの整備方針の検証を目的に、現行システムに対する課題認識や今後の計画の妥当性を中心に審議しました。

新たなソルベンシー規制が導入された場合に、当社における経済価値ベースの健全性指標であるESRはどの程度の水準になるのか、説明してほしい

A.当社が経営管理に用いているESRは2023年9月末時点で212%であり、現在検討されている資本規制での行政当局の指導・介入の一つの目安とされる100%を大きく超え、十分な健全性を確保しています。
新たな規制におけるESR水準については、現時点で計算方法等が最終化に至っていないため確定的なことは申しあげられないものの、足下の経済環境が継続した場合、その水準は、現在開示しているESRと大きくは変わらない、十分な水準を確保できると想定しています。

少子高齢化が進展することによって、保険料等収入と保険金等支払いにかかる収支のバランスに問題が生じることはないか、説明してほしい

A.民間の生命保険の保険料は、保険期間を通じて想定される保険金等の支払いに必要な金額を予測して、「収支相等」となるように設定しています。
保険金の支払いは年齢の上昇とともに増加するものの、保険金の支払いが少ない保険期間の前半にお預かりした保険料の一部を、将来の支払財源として適切に積み立てており、収支のバランスに問題が生じる懸念はございません。
なお、将来的に死亡率・生存率等が大きく変わった場合には、その後の新契約の保険料に適切に反映してまいります。

加速する超高齢社会をふまえた長期的な展望について、説明してほしい

A.少子高齢化の加速に伴い、国の社会保障制度の補完機能を担う生命保険会社の役割は、今後ますます大きくなっていくものと想定しています。
当社においても、ご高齢のお客さま向けの医療・介護・認知症等の商品や、資産形成ニーズに応える貯蓄性商品を提供しており、ご好評をいただいています。今後も、これら長生きリスクに対応した商品ラインアップを順次拡大してまいります。
また、Jリーグウォーキングなどの運動機会の提供に取り組んでおり、「みんなの健活プロジェクト」を通じて、お客さまの健康寿命の延伸に貢献してまいります。
加えて、国内だけでなく、人口増加が見込まれる先進国等の成長の取込みについても、海外保険事業や資産運用を通じて取り組んでまいります。

今後、生命保険会社として人々の健康やQOLの向上に貢献していくためには、医療有識者や他の産業と協力して新しい取組みを検討することも必要になると考えるが、当社の取組みについて、説明してほしい

A.ご認識のとおりであり、当社としても、従来の疾病に罹患した際の保障に加え、疾病の予防や早期発見、治療後の療養をサポートする仕組みの拡充に取り組んでいるところです。
具体的には、国立循環器病研究センターや弘前大学、京都大学、早稲田大学との共同研究を通じ、疾病の発症リスクの将来予測や生活習慣の改善など、予防行動を促すコンテンツの開発と実装などを進めています。

ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの衝突など、不安定な世界情勢が続いているが、それらがスタンコープ社に与える影響およびその対策について、今後の業績見通しとあわせて説明してほしい

A.昨今、不安定な世界情勢が強く認識されるところ、スタンコープ社は米国内のみで事業を行なっていることから、それらによる直接的な影響は受けていません。
一方、世界情勢の不安定化に起因した米国経済へのネガティブな影響は懸念されるところであり、スタンコープ社においても経済環境の変化に迅速に対応できるよう、経済や市場の調査・分析を継続的に進めています。
米国経済について、減速はするも大幅な落ち込みはなく安定的に推移する見込みであり、スタンコープ社の業績も、米国の強い雇用情勢や高い金利水準に支えられ好調を維持し、今期も「増収・増益」が継続する見通しです。

関西サッカーリーグに所属する「アルテリーヴォ和歌山」への支援は、すばらしい取組みだと思うが、このように経営基盤が弱い地域リーグ等に所属するサッカークラブへの支援を拡充することはできないか、説明してほしい

A.当社は、Jリーグとのタイトルパートナーに加え、全国の支社等が原則1支社1クラブと個別にスポンサー契約を締結しています。その考えに基づき、60あるすべてのJクラブに加え、Jクラブ不在地域では、Jリーグ参入をめざすJFL・地域リーグ等のクラブも応援しています。
JFLや地域リーグに所属するクラブとのスポンサー契約料は、Jクラブと同様に、カテゴリーごとに定めた基本金額に、支社等との協業レベルに応じた金額を上乗せして支援する仕組みとしています。
当社が地方創生への貢献を進めるうえでは、地域に密着したクラブの経営基盤を支援することが重要と考えており、各クラブとのコミュニケーションを通じ、協業レベルのさらなる引き上げと支援の拡充を検討してまいります。

芸術分野においてどのようなイベントや施策を行なっているのか、説明してほしい

A.音楽分野において、小田和正氏の全国ツアーに協賛しているほか、三枝成彰氏によるクラシック音楽コンサートを全都道府県65ヵ所で開催しています。また、国内最大級のクラシック音楽の祭典「東京・春・音楽祭」にも協賛しています。
加えて、当社関連財団の明治安田クオリティオブライフ文化財団では、これまでに若手音楽家の留学費用支援を173件、民族芸能など地域の伝統文化の保存維持等の支援を1,400件実施しています。
なお、静嘉堂文庫美術館やJリーグの当社ビルへの移転を契機に、当社の不動産を活用した「明治安田ヴィレッジ」を展開しており、全国に保有するホールでは、クラシック音楽コンサートや映画の上映会、お笑いイベント等を定期的に開催することとしています。

MYリンクコーディネーターの採用および定着に向けて、どのような取組みをしているのか、説明してほしい

A.当社は、2022年度に「MYリンクコーディネーター制度」を創設し、営業職員の新たな役割に「お客さまの健康増進」や「地域社会とのつながり」のサポートを設定しています。こうした役割発揮を通じて、生命保険の枠にとどまらない新たな価値を提供することが、採用における他社との差別化や、職業魅力度の向上に繋がるものと認識しています。
また、人財の定着に向けては、新たな役割をふまえた処遇の引き上げや、毎月変動していた給与の年間固定化といった対応を実施しているほか、入社5年以内を育成期間と位置づけ、社会保障制度や当社商品に関する基礎的な知識はもちろん、お客さまとの接点づくり、その後のフォロー・提案に至るまで、段階的な活動に関する教育カリキュラムを整備しています。そのほか、女性の健康支援策の拡充や、オフィス環境の整備等も実施しており、こうした諸対策は、MYリンクコーディネーターに前向きに受け止められています。
これらの取組みの結果、2023年10月始における在籍者数は3.6万人を超え、安定的に推移しています。

MYリンクコーディネーターの教育・研修体系に関し、重視している点や創意・工夫している点について、説明してほしい。また、ノウハウやスキルを継承するにあたり、AIやデジタルをどのように活用しているのか、説明してほしい

A.当社では、MYリンクコーディネーターの育成にあたり、全層一律および成長段階に応じた層別カリキュラムを設定・運営しています。
全層一律カリキュラムでは、コンプライアンスや態度・マナーに加え、社会保障制度等の正確な知識の定着を重視した教育を行なっており、これらの理解・習得状況については社内検定を通じて確認しています。他方、層別カリキュラムでは、入社5年以内を育成期間と位置づけ、事例共有を中心とした集合研修やTeams研修に加え、AIやデジタルを活用した自学自習を効果的に組み合わせることで、個々の成長を後押ししています。
また、ノウハウやスキルの継承にあたっては、現在もAIを活用した営業支援の仕組みを導入しているところであり、今後もさらなる高度化を検討してまいります。

外貨建て保険に関し、今後の販売動向をどのように見通しているか、また、どのような販売教育を行なっているのか、説明してほしい

A.今後、円金利の上昇が見込まれるものの、世界の経済・金融環境は中長期的に堅調であり、足下の内外金利差をふまえれば、外貨建て保険を活用した資産形成ニーズは当面続くと考えています。
外貨建て保険の販売にあたっては、お客さまに為替や金利リスク、諸費用といった事項を十分にご理解いただくことが重要であるため、募集時に丁寧な説明・手続きを行なう態勢と、ご加入後も定期的にご契約内容と諸リスクをご確認いただく態勢を整備しています。また、外貨建て保険の取扱いに際しては、業界共通試験だけでなく、当社独自の販売資格試験の合格も必須とし、合格後においても諸リスクの説明に関する反復教育を行なっています。

消費税インボイス制度の導入に伴う、MYリンクコーディネーター等への対応や会社への影響について、説明してほしい

A.当社のMYリンクコーディネーター等には、課税事業者と免税事業者の2種類が在籍しています。
消費税インボイス制度の導入に伴うMYリンクコーディネーター等への対応としては、課税事業者にインボイス発行事業者の登録申請を勧奨し、また、免税事業者には勧奨を行なっておりません。
インボイス発行事業者でない方との取引に関して仕入税額控除が減少することで、経過措置の終了後において、事業費支出が年間15億円程度増加する見込みです。

景気の後退局面における商品の開発・販売戦略について、説明してほしい

A.景気の後退局面においては「できるだけ保険料を抑えて、必要な保障を合理的に準備したい」というニーズの高まりが想定されるため、多様な選択肢を提供することが重要と考えています。
当社の主力商品である「ベストスタイル」は、最新・最適な保障をご要望に応じて準備でき、ご加入後も保障内容を見直すことができる仕組みとしています。また、シニア層のお客さまには、基本的な医療保障に加え、がん・認知症といった保障を独立した上乗せ商品としてお選びいただける、いわゆるカフェテリア方式でご提供しています。
そのほか、ご加入時に必要な最低保険金額を引き下げるといった、商品の小口化等も行なっています。

若年層の資産形成ニーズに応える商品の開発ついて、説明してほしい

A.近年、若年層において資産形成ニーズが高まってる背景には、少子高齢化や物価上昇等による将来への経済的な不安があるものと推察しています。
こうしたなか、当社は、生命保険会社の役割として、魅力的で安定的な利率の設定により、長期的な資産形成ニーズにお応えすることが重要と考えており、この考え方に基づく商品ラインアップの拡充を図ってまいります。
そのうえで、今後のお客さまニーズ等をふまえ、投資性商品などの検討も進めてまいります。

お客さまの声を経営に活かす取組みについて、具体的な事例を説明してほしい

A.当社では、お客さま懇談会に加え、対面活動やインターネット等を通じてお客さまからいただいたご意見を活かして業務改善につなげる取組みを、インフラの強化も含め継続的に行なっています。
一例として、「医療技術の進展をふまえた、ニーズに沿った商品を開発して欲しい」という声をふまえ、2023年4月に、特定のがん治療においてオプジーボのような高額な薬剤を自費診療で使用し所定の条件を満たした場合に、薬剤費を通算1億円までお支払いする「特定自費診療がん薬物治療保障特約」を発売しました。
また、「ご高齢の方に配慮した対応を拡充して欲しい」という声をふまえ、2023年6月に、ご家族等による代理手続きの取扱範囲を拡大する「契約者手続きサポート制度」を創設し、9月末までの4ヵ月間で30万件を超えるお客さまにご登録をいただくなど、大変ご好評をいただいています。

他社の保険金の請求書類の封筒のなかに手づくりの折り鶴が入っていた。当社でも、このような心のこもった取組みを実施していると思うが、具体的な事例について、説明してほしい

A.企業ビジョン「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」の実現に向け、当社でも全従業員が一丸となってさまざまな取組みを進めています。
一例として、従業員のボトムアップによる小集団活動である「Kizuna運動」を通じ、給付金ご請求時に折り鶴やお見舞いカードなどを添えて書類をお渡しするケースが数多くあります。
また、会社全体の対応として、ご契約者が保険に託した「想い」を手書きのメッセージとしてお預かりし、万一の際にご家族等にお届けする「エピローグ・レター」というサービスを提供しており、「元気なうちに、家族に手書きのメッセージを残せるのは、とても良い制度だと思う」といった多くの感謝の声をいただいています。

「地域を見守る」社会貢献活動について、地域の役に立った具体的な事例を説明してほしい

A.当社では、従業員が、通勤中やお客さま訪問活動のなかで、お子さまやご高齢の方等の様子に変化があると気付いた際に、警察署や自治体の窓口等に連絡して不測の事態を未然に防ぐ取組みとして、2006年から実施しています。
今年度、ご自宅の階段から落ちて動けなくなったお客さまを発見した担当者が病院に搬送した事例や、携帯電話で話しながらATMを操作しているご高齢の方にお声掛けすることで、還付金詐欺を未然に防ぎ、警察から感謝状をいただいた事例などがあります。
引き続き、警察や自治体と協力しながら、地域に密着した活動として推進してまいります。

「地元の元気プロジェクト」の取組内容は地域ごとに差異があるのか、説明してほしい

A.「地元の元気プロジェクト」では、豊かな地域づくりへの貢献を果たすべく、これまでに900を超える市区町村等との間で連携協定を締結しており、これを土台に各市区町村と協働で、地域課題の解決に資する取組みを展開しています。
展開にあたっては、地域社会の抱える課題が、地域特性等によってさまざまであることをふまえ、取組内容・計画をあらかじめ各市区町村と協議のうえ決定することとしていることから、地域ごとの取組内容には差があります。
なお、特長的な取組みは、定期的に他の市区町村にも事例共有を行ない、各地域での効果的な取組みの展開につなげています。

企業の従業員満足度向上の一助となる福利厚生支援等に関し、商品・サービス面の新たな取組みや今後の方向性について、説明してほしい

A.当社は、企業・団体の福利厚生の充実をサポートする取組みとして、「みんなの健活プロジェクト」を通じた健康経営の支援を行なっています。
具体的には、従業員向けに、健康診断結果に応じて保険料相当額をキャッシュバックする商品の提供のほか、10年後の疾病リスク予測、健康状態の改善アドバイスを掲載した「健活レポート」の提供等を行なっています。
また、企業・団体向けには、従業員全体の健康状態と統計数値を経年で比較・分析した「健活分析レポート」の提供や、健康経営の課題に対応した「健康経営セミナー」のご案内等を行なっています。
今後は、健康情報を活用した新たな商品の検討や、お客さま専用WEBサイトを通じたヘルスケア情報の発信等、お客さまの多様なニーズにお応えできる取組みを進めてまいります。

保険の各種手続きが可能なインターネットでのサービスについて、高齢者を中心とした活用状況を説明してほしい

A.当社のお客さま専用WEBサイトである「MYほけんページ」では、約8割のお手続きについてお客さまご自身で実施できる環境を整えています。
実際にMYほけんページを利用してご自身でお手続きいただいた方の割合は、今年度上半期で約10%であるところ、70歳以上のお客さまは約1%にとどまります。
こうした状況の背景には、ご高齢のお客さまがデジタルサービスに不慣れな点もあると考えており、当社では「Shoulder to Shoulder」の考えのもと、担当のMYリンクコーディネーターや事務サービス・コンシェルジュ等がMYほけんページでの手続方法を対面で丁寧にご案内する取組みを実施しています。

提案書類・申込書類などのペーパーレス化や、手続きの電子化を通じ、どの程度の紙の削減につながったのか。また、さらなる推進策があれば、説明してほしい

A.当社では、従前からペーパーレス化に取り組んでおり、例えば、電子手続きの割合は、新契約のお申込みで約97%、保全手続きで約79%、給付金等のお支払手続きで約95%という状況です。これら電子手続きは、WEBによるものもありますが、大半はタブレット型営業端末を用いたMYリンクコーディネーター等との対面による手続きです。
また、従来は冊子でお渡ししていたご契約のしおり等を2020年からWEB上でも閲覧いただけるようにするとともに、保険設計書をLINEやメールで送付できるよう整備するなど、お客さまのご希望に添えるよう進めています。
今後は、お申込み時やご加入後の手続きをタブレット型営業端末やWEB上で行なっていただく「ecoシリーズ」の商品ラインアップの拡充を計画しており、環境へ配慮した取組みをいっそう推進してまいります。

MYほけんページは操作がしやすく助かっている。一方で、他の契約者から寄せられている改善要望があれば、今後のアップデート予定も含めて説明してほしい

A.2023年11月9日に、一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会が主催する「UCDAアワード2023」の「デジタル」カテゴリにおいて、特に専門家の評価が高い企業・団体に贈られる「情報のわかりやすさ賞」を受賞しました。
お客さまからは、MY健活レポート等の確認したい画面への遷移をしやすくしてほしいとのご要望をいただいており、さらなる改善に向けて検討しています。

若年層へのアプローチ方法について、説明してほしい

A.若年層のお客さまのなかには保険に未加入の方も多く、“かんたん・小口・わかりやすい”を特長とした「かんたん保険シリーズ ライト! By明治安田生命」を中心にご案内しており、昨年度はシリーズ全体で約22万件のご契約をいただきました。
また、若年層のお客さまにおける情報収集の主な手段がインターネットやSNSであることをふまえ、WEB広告を出稿し、WEBサイト等での資料請求から対面のコンサルティングにつなげる仕組みも構築しており、昨年度は約3.5万件のご契約につながりました。
加えて、Jリーグ等と協働して開催する各種イベントを通じて、若年層のお客さまとの接点の拡充を図っているほか、ご契約者へのアフターフォローを通じて、お子さま等をご紹介いただけるような取組みを進めています。

子育て世代や女性向けのマスコットキャラクターを活用した広告・マーケティング戦略について、説明してほしい

A.当社の「うさりん」「かめろん」「ライトくん」「ランプーちゃん」といったキャラクターは、商品イメージの訴求や当社に親しみを持っていただくこと等を目的に作成しています。
これらのキャラクターは、若年層や女性のお客さまをターゲットとして、主にYouTube等の媒体に出稿しているWEB動画に活用しており、当社の認知や商品への興味の喚起につながっていると認識しています。
そのほか、商品広告や各種イベント、ノベルティグッズでの活用など、さまざまな場面で活用していますが、頂戴したご意見もふまえ、引き続き、キャラクターを活用した広告・マーケティング戦略を検討してまいります。

円安が常態化しているが、資産運用にどのような影響があるのか、説明してほしい

A.当社では、為替リスクをヘッジしているものを含めて、一般勘定の約3割を外貨建て資産で運用していますが、円安によって外貨の価値が引き上がるため、外貨建て資産からの利息及び配当金等収入は増加します。また、保有する外貨建て資産を円換算した際の資産評価額が上昇することで、資産の含み益は拡大することから、資産の健全性も高まります。
一方、将来的な円高リスクに備えて、為替ヘッジの取引を機動的に行なう等、リスク管理を高度化するとともに、新規に外貨建て資産へ投資する際には為替の水準感や方向感を見極め、適切に対応することが重要であると認識しています。

女性の社会進出が進むなか、仕事と家庭の両立を図る女性従業員に対し、どのようなサポートをしているか、説明してほしい

A.当社は全従業員の約9割が女性であることから、女性が働きやすい環境における国内トップ水準をめざし、さまざまな支援に取り組んでいます。
具体的には、子どもの行事の際に取得可能なキッズサポート休暇や、月2万円を上限とした保育料補助、婦人科・小児科相談窓口の設置等、当社独自の支援制度を整備しています。
また、育休からの復職時セミナーや「小1の壁」セミナー等の本人向けの講習に加え、上司の理解促進に向けた研修を実施するなど、両立支援の風土醸成にも努めています。
2024年度からは、海外留学や家族の海外赴任に帯同する際などに活用できる「マルチステージ休職」や、疾病治療や介護との両立を支援する「選択的週休3日制」の導入を予定しており、従業員が働きやすい職場環境づくりに、今後も努めてまいります。

当社が優秀な人財を確保し続けるための取組みについて、説明してほしい

A.当社では、メンバーシップ型雇用を基本とし、新卒採用と長期的な内部育成を両輪とする人財育成に取組んでいます。
採用にあたっては、「明治安田フィロソフィー」に共感する人財の新卒採用に注力したうえで、専門性が高く短期間での内部育成が困難な分野については、経験者を厳選して採用しています。
育成においては、長期的な時間軸での本人の希望・能力・適性をふまえた内部育成にこだわっており、経営人財と専門人財が相互に補完しあう「デュアルラダー」の体制整備を進めています。
また人事制度面においても、2024年度には従来の年功要素を廃止し、役割重視の人事制度へと抜本的に改正するとともに、給与・賞与とは別に、企業価値の向上に連動する「価値創造特別手当」を創設し、処遇の引き上げにも積極的に取り組んでいます。
なお、ダイヤモンド社の「2024年新卒採用力ランキング」で初の1位を獲得するなど、当社の「ひと」中心経営が、社内に限らず学生からも一定の評価を得られていると考えています。

MYユニバーシティの具体的なコンテンツについて、説明してほしい

A.MYユニバーシティは、明治安田フィロソフィーを体現できる人財の持続的な輩出を目的に2021年度に創設した企業内大学で、「オープンコース」と「選抜コース」の二つのコースで構成しています。
オープンコースでは、社外の講師に加えて、社内の有識者等42名を教授に任命し、現在約450の講座を開講しています。各講座は、時間や場所を選ばずにスマホからでも受講でき、人気講座であるDX関連講座を中心に今年度は90%以上の職員が受講し、自己研鑽に励んでいます。また全層の活躍促進にむけ、シニア層をはじめとするリスキリングにも活用しています。
選抜コースでは、経営人財としての志や視座を高め、幹部候補の計画的養成を企図したサクセッションプランである「経営塾」や、海外MBA取得に向けた留学等に加え、本業に従事しながら最新のデジタル技術等を取得する「アップスキリング留学」も運営しています。

剰余金のうち社員配当金の支払いに充てた割合を示す「配当性向」を公表することについてどう考えるか、説明してほしい

A.いわゆる「配当性向」については、毎年変動する剰余金を分母とした場合、当社が志向するご契約者配当の安定性を必ずしも表せるとは限らない、また、相互会社のご契約者配当は株主配当とは異なるため、一般の株式会社が公表する「配当性向」と単純に比較できるものではないという課題があると考えています。
ご契約者に当社の配当政策を十分にご理解いただける公表のあり方について、引き続き検討してまいります。

財務の健全性と契約者への還元のバランスについて、どのような考え方で確保しているのか、また、内部留保から支払うMYミューチュアル配当の金額はどの程度か、説明してほしい

A.当社は、経済価値ベースの健全性指標であるESRについて、ターゲットレンジである165%以上を維持しつつ、220%の達成をめざし、内部留保を積み立てています。
一方、相互会社の社員であるご契約者のうち、長期間にわたり内部留保の積み立てに特に貢献いただいている保障性商品のご契約者に対して、内部留保の一部から、その貢献度に応じてMYミューチュアル配当をお支払いすることで、健全性の確保とご契約者への還元のバランスを図っています。
昨年度の決算に基づく今年度のMYミューチュアル配当のお支払予定額は90億円です。

あらかじめ書面等により提出があったその他の意見・感想

総代の立場から、当社は、契約者の意見が確実に経営に反映されていると感じており、これからも、人に一番やさしい生命保険会社として、確かな安心をいつまでも届けてくださることを期待している

生命保険の特徴をふまえ、契約者が長期的に加入し続けたいと思えるような経営を継続していただけることを期待している

会場内の出席者から申し出のあった意見・質問等

当社の社内複業制度に関し、具体的な内容および成果について、説明してほしい

A.当社では、お客さまに真摯に向きあう必要があること、お客さまの個人情報の目的外利用の懸念があること、労務管理が十分にできないこと等を主な理由として、社外での「副業」を原則禁止としています。一方で、意欲ある従業員が新たな業務へのチャレンジを通じて、自らの能力・キャリアの幅を広げることを目的に、今年度から社内複業制度「ワークプラス」を展開し、積極的に推進しています。
本制度は、各組織の公募テーマに自発的に応募する「テーマ型」と、全社課題に指名制で取り組む「ミッション型」で構成され、従事期間や業務内容に応じて一定の報酬を支給するもので、現在、12案件に約850名が応募し、うち約700人が人事発令等を受け、社内複業に従事しています。
従事者からは、「普段は直接的に関わらない業務にチャレンジしたことで、今後のキャリアを考えるきっかけになった」「ユーザー目線で業務に取り組んだことで、自身のモチベーションが高まった」といった好意的な意見がある一方で、「本業とのバランスを図るにあたり難しい面もある」といった意見もあります。次年度に向けては、本業とのバランスをふまえた適切な複業従事時間・報酬水準の設定に関する妥当性の検証を行ない、引き続き、イノベーション創出につながる従業員の活躍を後押しするとともに、一人ひとりの多様なキャリア形成の促進に努めてまいります。

お客さま懇談会に関し、子育てや介護等で外出が困難な方を含め、より多くの契約者が参加できるよう、オンラインでの参加も可能な運営を継続してほしい

A.お客さま懇談会は、ご契約者のみなさまに当社に対するご理解を深めていただくとともに、ご意見・ご要望等を直接お伺いすることを目的に全国の支社等で開催しているものです。今後の運営にあたっては、頂戴したご意見もふまえ、オンラインでの参加を併用した運営を含め、より多くのご契約者にご参加いただけるよう検討してまいります。

新たに開催された総代懇談会に出席したことで、当社の歴史や決算等にかかる理解および当社役員との懇親を深めることができた。当該懇談会は、総代が定時総代会等を通じて役割を発揮するにあたり、有意義な機会と評価する

A.総代懇談会は、相互会社の仕組みや当社のフィロソフィー等について総代に詳しくご説明するとともに、総代と当社役員等が懇親を深めることを目的に、2022年度から順次、地域別に開催しているものです。頂戴したご意見もふまえ、今後も同様の機会を設けてまいります。

2024年度から支給開始が予定されている「価値創造特別手当」に関し、新たな人財の採用・定着だけでなく、既存職員のモチベーション・キャリアップにも資する制度と評価する。本件にかかる職員一人ひとりとの対話等を通じ、当該制度の趣旨・目的にかかる理解浸透が図られ、契約者利益の向上や会社の発展につながっていくことを期待する

A.当社は、人には尊厳があって、何かの手段にしてはならないとの考えに基づき、いわゆる人的資本に関し、「ひと」中心経営と表現して推進しています。従業員は、会社のために生まれてきたわけでも、会社のためだけに存在するわけでもありません。一人ひとりが自らを主役として、たった1回の舞台である人生において輝き、幸せになれるよう、その手段・環境として会社がしっかり機能するよう存在すべきと考えています。そのうえで、従業員一人ひとりが真摯かつ誠実に幸せを追求したとき、結果として、お客さま満足度の向上や会社の成長が実現するものであると信じています。
人の力を信じ、対面で絆を紡ぎ、地域社会を大切にしていく。こうした当社のありようやパーパス等を理解し、共感いただける方々に選ばれ続けたい。このように考えています。
「価値創造特別手当」は、社会的価値・経済的価値の向上といった会社の発展に対する職員の頑張りに報いていくことを目的に創設するものであり、「ひと」中心経営に通じるものです。創設に向けては、頂戴したご意見もふまえ、職員一人ひとりが本制度の趣旨・目的を理解したうえで活躍できるよう対応してまいります。

少子高齢化に伴い地域の担い手となる現役世代が減少しているといった課題があると考えている。その解決策の一つである企業におけるプロボノ活動に関し、当社の見解や対応の方向性について、説明してほしい

A.当社では、全国のMYリンクコーディネーター等が役割として、2「大」プロジェクトを通じ、少子高齢化をはじめとする地域課題の解決に取り組んでいます。
加えて、専門的なスキル・経験を社会貢献に活かすプロボノ活動の推進をめざし、経営層が率先垂範でボランティア活動等を行ない、その内容を全従業員向けに紹介することで、従業員による共感や全社的な社会貢献意識の醸成につなげる取組みを試行的に行なっています。引き続き、ボランティアの面でも社会に貢献していくことができるよう検討してまいります。

私の地元において、「当社のMYリンクコーディネーター等は、説明が丁寧で、とても分かりやすい」との声を聞いた。お客さまを大切にする当社の経営方針が従業員一人ひとりまで浸透していると感じたので、ご紹介させていただいた

A.誠にありがとうございます。ご紹介いただいた内容は、社内に共有させていただきます。

当社における役員の適正人数および女性役員の登用に関し、当社の見解を説明してほしい

A.当社の役員人数に関し、定款において「取締役15人以内を置く」旨、および「執行役30人以内を置く」旨を定めるところ、現在は、取締役を11人、執行役については、取締役と兼任している者を含め17人を選任しています。
当社の1,200万人を超えるお客さま数、および5万人を超える国内外の連結従業員数をふまえると、業務を執行するうえで適正な水準と考えていますが、引き続き、業務執行における必要十分性や効率性等を勘案して役員人数を検討してまいります。
女性役員の登用に関し、現在は、社外取締役を2人選任しています。また、別途、執行役員として1人選任しています。女性も含めた優秀な次世代リーダーを計画的・継続的に選抜・育成するため、2015年度からサクセッションプランを導入し、将来の役員登用候補者である経営管理職等の人財プールが着実に増えていくよう取り組んでおり、今後、さらに女性の執行役・執行役員を登用できると認識しています。

以上