2019年度総代報告会の報告事項および質疑応答の内容について

2019年12月3日(火)に開催した総代報告会の報告事項と質疑応答の内容は次のとおりです。

報告事項

  1. 2019年度上半期報告
  2. 「みんなの健活プロジェクト」の取組状況
  3. 明治安田生命発足15年の振り返り、
    長期的な経営の基本方向と新たな3ヵ年プログラムの策定

質疑応答の内容

総代からの意見、質問に対し、社長および担当執行役から回答しました。

今後、超高齢社会、地方と都市部の格差など、保険業界に影響を与える社会問題が顕著になるが、5年後、10年後を見据えた戦略があれば説明してほしい。

A.当社は10年後を見据えた「長期的な経営の基本方向」を策定し、これに基づく3年ごとの中期経営計画を策定しています。また、新たな中期経営計画の策定にあたり分析した結果、今後30年で人口減少や高齢化、社会保障制度の変革等の社会構造の変化に加え、デジタライゼーションや医療技術の進歩等のテクノロジーの変化など、大きな環境変化を想定しています。
さらに、こうした環境変化をふまえつつ、長期的な視点で「相互会社の強み」を活かした経営を推進するため、契約者ファーストの考え方を前提に、お客さまの人生に寄り添い、一生涯のサポートをお約束する商品・サービス戦略や、お客さまとともに地域社会を豊かにする活動など、具体的な取組みを定めて推進していきます。

高齢化の進展に伴い、介護サービスが受けられない時代が来ると言われているが、当社の考えを説明してほしい。

A.高齢社会の進展に伴い、社会保障制度を補完する生命保険会社の役割はますます高まるものと認識しており、それに伴う商品・サービスの開発を進めていく所存です。
具体的には、疾病予防・介護予防の観点から、「みんなの健活プロジェクト」を通じて、ご高齢のお客さまでも参加しやすい「Jリーグウォーキング」の開催や、血液検査、骨の強度を測定いただく機会を提供するといった取組みを推進しています。
今後は、認知症の予防や早期発見に資するサービス・アクションの提供に加え、新たな商品の提供も検討中であり、引き続き、健康寿命の延伸やクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献できるよう取組みを進めていきます。

新たな価値サービスの提供等が求められるなか、現在の保険の枠組みを超えた視点での商品・サービス等の戦略について説明してほしい。
また、「みんなの健活プロジェクト」以外の取組みについて検討していることがあれば説明してほしい。

A.「みんなの健活プロジェクト」は、これまで生命保険会社が提供してきた、万一のときや病気になったときの保障の提供という枠組みを超えた、新たな取組みと認識しています。
今後は、「健康増進」から、さらに「疾病の早期発見」「重症化予防」へとその範疇を広げ、取組みを進化させていく予定です。
また、「みんなの健活プロジェクト」以外の取組みとして、アフターフォローをさらに進化させるべく、周辺の金融サービスも含めた新たな商品・サービス等の検討も進めていきます。

明治安田ブランドの浸透に向け、各地域でMYライフプランアドバイザー(以下、アドバイザー)のブランド化を進めていく必要があると考えるが、当社のブランド戦略について説明してほしい。

A.当社は、企業ビジョンとして「人に一番やさしい生命保険会社」を掲げ、お客さま、地域社会、働く仲間との絆を大切に考え、さまざまな取組みを推進しています。その考えに基づき、アドバイザーをはじめ当社の従業員が地域社会のみなさまと一緒に汗をかき、「地元のJクラブの応援」「ウォーキング等を通じた健康増進」「祭事への助成、参加等による地域文化の保全」「高齢者の様子を見守る活動」等に取り組むことで、地域に寄り添う会社というブランド価値を作っていきます。

4月より販売している「ベストスタイル 健康キャッシュバック」のメリットや健活サービスについて説明してほしい。

A.「ベストスタイル 健康キャッシュバック」は、従来の保障に加え「健康増進の取組みを応援する機能」を備えた当社の主力商品です。健康診断結果に応じて最大で保険料の1ヵ月分相当のキャッシュバックを行なうほか、現在の健康度や将来の入院リスク、健康アドバイス等の内容を、お客さまご自身の健康増進に役立つ情報としてまとめてご覧いただける「MY健活レポート」を提供しています。

若年層と高齢者向けの商品について説明してほしい。

A.若年層向け商品として2016年10月に発売した「かんたん保険シリーズ ライト! By明治安田生命」(以下、「ライト!シリーズ」)は、小口から加入いただける2種類の貯蓄性商品と、自転車・家財・携行品を補償する3種の損害保険商品をラインアップしています。発売から3年で100万件を突破し、多くのお客さまからご好評いただいています。
高齢者向けの商品としては、入院時にまとまった一時金をお受け取りいただける「一時金給付型終身医療保険」と、資産活用ニーズにお応えする「外貨建一時払終身保険」を2019年度に発売しています。
また、認知症等を保障する商品を現在検討中です。

国内の超低金利環境をふまえた今後の貯蓄性商品の開発方針を説明してほしい。

A.国内における現在の低金利環境が継続する限り、魅力ある円建て商品の開発は難しい状況です。従って、貯蓄性商品の開発は、当面、外貨建て商品を基本として、魅力ある商品のラインアップ拡充に努めていきます。

2019年12月に発売した「外貨建一時払終身保険」の商品内容について説明してほしい。

A.「外貨建一時払終身保険」は、相対的に高い海外の金利や生存者の保障を重視するトンチンの仕組みを活用することで受取率を高めた商品です。
アドバイザーチャネルでは、中長期の資産形成のために保険期間を5年・7年・10年からお選びいただけるタイプと、簡単かつ計画的に生前贈与に活用できるタイプの2商品を取り扱っています。金融機関窓口販売チャネルでは、これらに加えて、終身にわたり運用成果を1年に1回お受け取りいただけるタイプも取り扱っています。

外貨建て保険について、法人契約として契約できるよう検討してほしい。

A.現在、法人契約の取り扱いはしていませんが、今後の取り扱いについては、マーケットニーズ等をふまえ検討していきます。

「みんなの健活プロジェクト」の進捗状況について説明してほしい。また、今後予定している取組みについて説明してほしい。

A.「みんなの健活プロジェクト」は、商品・サービス・アクションを一体的に提供しています。商品面では、「ベストスタイル 健康キャッシュバック」が2019年4月の発売以降、上半期合計で約21万件、前年対比で2桁伸展と好調です。サービス面では、疾病を早期発見する先進検査や、がん等のリスクを測定する郵送検診等の優待サービスをラインアップしているほか、2019年11月からは「MY健活レポート」の提供も開始しています。
健活アクションの取組状況については、上半期合計で約19万人が各種イベントに参加し、大都市とそれ以外で割合は半々と、特定の地域に偏らず全国のみなさまに参加いただいています。また、若年層向けのフットサル大会や中高年の参加が多いゴルフ大会、女性に人気のヨガ教室など、複数のラインアップを全国で展開し、性別・年代に偏りなく多くの方に参加いただいており、参加者の満足度も高い状況です。
プロジェクトの効果については、プロジェクトがスタートしたばかりであり、お客さまの状況は現時点で把握できないものの、先行展開した当社従業員においては、健康のために自身の行動が変わったと回答した従業員の占率が大幅に増加しており、また、健康診断結果も改善した割合が増加し、悪化した割合が減少しています。今後、プロジェクトの進捗にあわせてお客さまの状況を確認していく予定です。
今後の取組みとして、健活商品第2弾となるシニア向けの認知症保険とあわせて、認知機能を簡単にチェックできるスマホアプリや、アプリのチェック結果や健診結果に基づく認知機能の低下リスク等を掲載した「MY健活レポート」など、認知症の予防・早期発見につながるサービスの展開を予定しています。なお、おすすめのレシピや運動等の情報を一般公開してはどうかとのご意見については、現在は、ご加入者個々の健康状態に沿った内容になっているため、今後、一般向けにカスタマイズして公開することを検討しています。また、ご要望いただいた、個人のお客さま向け健康増進アプリの開発についても、従業員に提供しているアプリの効果等を検証のうえ、今後検討していきます。

健康増進の取組みにおける自治体と連携した地域戦略について、第72回定時総代会以降の進捗状況を説明してほしい。

A.上半期には市や区を中心とした75の自治体と協働し、アドバイザーによる健康診断の受診勧奨等を約3万人の方に実施しました。また、血管年齢測定・健康関連セミナー等を208回開催し、約1万人の方に参加いただいています。さらに、スポーツイベント等の共同開催を通じた運動機会の提供にも取り組んでおり、今後も自治体や地元企業と連携した取組みをさらに拡大していきます。

「みんなの健活プロジェクト」のCMは内容が分かりづらい。CM以外の宣伝も含めて、分かりやすくする工夫をしてほしい。

A.テレビCMにおいては、時間等の表現上の制約があるため、特に「健康キャッシュバック」や「MY健活レポート」等の具体的な機能にポイントを絞り、印象づけて説明することを重視しています。
プロジェクトの全体像について、テレビCMのみならず、アドバイザー訪問時の案内やプロジェクト公式サイトでの情報提供、当社SNS公式アカウントからのメッセージ発信等を通じて、より分かりやすく紹介できるように取り組んでいきます。また、マスコミへの働きかけを通じてテレビ番組や新聞記事の報道露出の拡大にも取り組み、幅広い方々に当社のプロジェクトの独自性を伝えていきます。

「ライト!シリーズ」は若年層向けの保険と聞いているが、若年層の加入状況、および若年層が貯蓄性商品に加入することについて、当社の考えを説明してほしい。

A.「ライト!シリーズ」は、発売から3年で100万件を突破しており、2018年度実績におけるご加入者の年代の内訳は、30代以下が約40%と最も多く、40代・50代もそれぞれ約20%と、全層で好評です。また、約65%が当社に初めてご加入のお客さまであり、新規のお客さま数の拡大に寄与しています。さらに、「ライト!シリーズ」にご加入いただいたお客さまについては、その後の継続的なアフターフォロー等を通じて、保障性商品の提案・加入にもつながっており、引き続き、「ライト!シリーズ」をきっかけとした、お客さまを拡げる取組みに注力していきます。

法人向け保険に関する税務取扱い変更について、どの程度影響があったか説明してほしい。また、これに伴い事業部門の縮小等があったか説明してほしい。

A.法人向け定期保険の販売実績は税制改正前と比べ大きく減少していますが、収入保険料全体に占める法人契約の割合は少なく、販売休止の影響は軽微です。
なお、生命保険を活用した事業保障資金や退職金の準備など、各種保障については、今後も一定のニーズがあると考えられることから、引き続き、お客さまのニーズをふまえた法人向け商品の販売推進に取り組むとともに、商品ラインアップの追加等も検討しており、現時点では、事業部門の縮小等は実施していません。

高額な治療費を要する不妊治療を保障する商品の検討状況を説明してほしい。

A.不妊治療保険の開発については、魅力的な給付内容や、適切な保険料の算出方法等について、現在、幅広に調査・研究を進めている段階です。

津波や地震等の自然災害に対して、会社と個人は、保険を活用してどのような準備をしておけば良いか説明してほしい。

A.当社は、代理店として損害保険を取り扱っています。
自然災害への備えとして、生命保険では、お客さまが入院したときや万一のときの保障、損害保険では、会社・個人の財産の損害やさまざまな損失に備える補償があります。
損害保険を活用した具体的な備えとしては、住居・社屋等の損害に対する火災保険・地震保険や、自家用車・社用車の損害に対する車両保険、さらに、会社の休業時の損失に対する補償があります。

契約者への説明・提案にあたり、より深い知識やコンサルティングが望まれるなか、相談窓口やアドバイザリースタッフなど、契約者にかかわる部門の組織強化・育成等の計画があれば説明してほしい。

A.2019年9月から、お客さまの主担当である約3万人のアドバイザーに、新たなモバイル営業端末や社用スマートフォンを配布しており、お客さまから提供された情報と社会保障制度等に基づき、必要な保障内容等をシミュレーションする機能を搭載するなど、コンサルティング活動をサポートする態勢を拡充しています。
加えて、全国の支社等の店頭にお客さま相談窓口「MYほけんデスク」を設置し、加入内容の確認や相続関連の相談等について、専門の担当者に気軽に相談できる体制を整備しています。
今後は、全国の営業拠点に専門的な知識を備えた訪問事務スタッフを配置するなど、主にご高齢者を対象として、各種お手続きのサポートや相続関連、認知症の予防に関するご相談等のアフターフォローを、アドバイザーと協働して提供する体制を検討していきます。

スマートフォンの普及に伴い、自社アプリ等でのシミュレーションや、わかりやすい保険の説明等があると、若い世代にも保険に関心を持ってもらえるのではないか。

A.スマートフォンでも閲覧可能な当社ホームページ上に、保険を検討中のお客さま向けのページを準備しており、要望にあった商品の検索や保険料のシミュレーション等が可能です。特に、若い世代のお客さまに好評な「ライト!シリーズ」については、専用サイトを設けて、商品への関心・理解を深めてもらうための各種情報やオリジナル動画、マネーコラム等を掲載しています。また、さまざまなWeb上の広告を通じて、多くのお客さまの興味・関心を惹き、専用サイトにアクセスしてもらう取組みも並行して実施しています。

海外保険事業が、順調に進展しているようだが、今後どのような戦略で進めていくのか説明してほしい。

A.2027年度を目途に、グループ全体の収益に対する海外保険事業等の貢献度を15%まで拡大する方針です。2019年度上半期の海外保険事業等の基礎利益相当額は337億円、グループ基礎利益全体に対する割合は10.8%と上昇し、着実に進展しています。
この方針のもと、米国スタンコープ社を中心に既存7社の収益拡大に取り組みつつ、あわせて早期に安定的な収益貢献が期待できる先進国、中長期的に成長が見込まれる新興国の双方を幅広く調査・研究し、さらなる収益拡大に取り組んでいきます。

「コンタクトセンター・アワード2019 リーダー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞したが、受賞理由である東京・大阪2拠点のコミュニケーションセンターの複線化運営について説明してほしい。

A.「コンタクトセンター・アワード2019」では、災害等の緊急事態発生時の事業継続に対する取組みを評価いただきました。
当社は、首都圏で大規模災害等が発生した場合でも滞りなくお客さまからの電話応対ができる態勢を構築するため、2014年に大阪コミュニケーションセンターを設立しました。東京・大阪の2センター体制となったことにより、大規模災害時だけではなく台風や大雪による交通機関の乱れ等でコミュニケーターが出社できない場合でも、電話応対が可能な態勢を実現しています。
2019年10月に首都圏へ台風19号が上陸した際も、鉄道の計画運休を受けて東京コミュニケーションセンターは閉鎖しましたが、大阪コミュニケーションセンターで補完しました。

アドバイザーとLINEでつながることができるのは、特に一人暮らしの高齢者にとって安心だと思うが、どのくらいの頻度でのやりとりを想定しているのか説明してほしい。

A.現時点ではコミュニケーションの頻度として統一的な水準を定めていませんが、LINEでつながったお客さまに対して、担当のアドバイザーから、節目のごあいさつ、ご契約に関する情報やお手続きに関するご案内など、LINEを通じた定期的なご連絡を実施しています。また、LINEでつながることで、お客さまがいつでもお問い合わせやご連絡ができるようになり、今まで以上にお客さまに寄り添った密なコミュニケーション、また、より丁寧なアフターフォローが実現できるようになっています。

東京都新宿駅前の再開発事業および不動産投資の今後の方針について説明してほしい。

A.新宿ビルは1961年(昭和36年)に竣工したビルです。老朽化が進み建替えの時期が到来しており、東京オリンピック・パラリンピック以降に、駅前好立地を活かし、収益性の高い大規模賃貸オフィスビルへの建替えを行なう予定です。使用開始時期を含めた、建替えに関する具体的かつ詳細な計画は、行政との協議等もふまえながら今後策定予定です。
不動産投資は、生命保険会社の資産運用方法の一つであり、長期に安定した利回りとインフレヘッジ効果が期待でき、また、不動産を通じた地域貢献への取組みも可能です。今後10年間で新規投資・建替等をあわせ、3,500億円程度の投資を予定しており、新宿ビルの建替えもその一環です。不動産投資については、不動産市場の過熱感も懸念されるため、物件の収益性等を十分に検証し、選別して投資を行なう方針です。

人手不足のなかで、人工知能(AI)導入に関する当社の考えを説明してほしい。

A.当社では、人工知能を「ヒトによる基幹業務の生産性向上を支援するツール」と位置付け、積極的に導入する方針です。活用にあたっては、学習データの確保が重要となりますが、基幹業務の一つである保険金の支払査定業務等では数万件のデータが確保できることから、2019年3月にAIを導入済みです。また、今後、資産運用、営業面での業務支援、さらにお客さまからの相談・照会対応等の分野における活用も予定しており、引き続き必要なデータを蓄積しつつ、研究・開発を進めていきます。

新入職員の確保や従業員の満足度を高めるために、どのような取組みを行なっているか説明してほしい。

A.新入職員の確保については、インターンシップで年間約5,000名の学生を受け入れ、当社への理解を深めてもらう努力をしています。その後も、参加者個人への継続的な働きかけにより志望度を向上させ、優秀人財の採用につなげています。入社後は配属先でメンターを配置し、フォローしています。なお、来年4月は計画通りの入社数を見込んでいます。
従業員満足については、業務効率化による職場環境の改善、フレックス制度等による多様な働き方の実現、さらには、多様な個性や専門性を活かして頑張った人が報われる処遇制度の実現に取り組んでいます。また、当社は、毎年、匿名で全従業員を対象とした意識調査を実施し、会社の政策に対する従業員の受け止めを確認しており、2019年度調査では、職場の総合的魅力度が過去最高を記録しています。

働き方改革をふまえた人財育成の方向性について説明してほしい。

A.当社は、働き方改革の一環としてデジタル化、ルールの簡素化等の業務効率化に会社をあげて取り組んでおり、従業員向け意識調査の結果、2016年度から2018年度までの3年間に、体感ベースで約3割の業務効率化を実現しています。また、こうして創出された余剰時間をイノベーションの推進等に充てるほか、ビジネススキル習得を目的として社内で自己参画型の夕活セミナーやモバイル視聴可能なeラーニングを展開し、さらに、社外セミナー等への参加を通じて異業種との接点を持つことを勧奨しています。
加えて、次期中期人事政策において、特に専門人財の育成態勢を高度化し、IT・資産運用など、8分野からなる専門分野を10分野に拡大し、分野ごとの人財プーリングや育成・登用に取り組む方針です。

起業家精神をもった人財を活かす経営施策や、自身でやりがいを見出した従業員の感性や実行性を伸ばすためのアプローチについて説明してほしい。

A.当社においても、リスクを恐れず新たな価値創造に挑む起業家精神は非常に重要と認識し、求める人財像の一つに「果敢に挑戦し、新しい価値を創造する人財」を設定し人財育成に取り組んでいます。具体的には、海外MBA留学制度、異業種企業への派遣制度やデジタル分野の提携戦略を担う組織等への異動立候補制度である「キャリア・チャレンジ」を実施しており、さらに、IT、資産運用等の専門人財育成プログラムを来年度には10分野に拡大するなど、従業員一人ひとりの多様なチャレンジや専門志向に応える仕組みも着実に強化しています。
加えて、2020年4月には、入社コースや入社年次にとらわれず、さらなるチャレンジと役割・能力発揮を後押しし、頑張った人により報いる人事制度改正を実施予定です。

副業は、従業員育成の観点から有用と考えるが、当社の考えを説明してほしい。また、副業として、当社で働きたいという人を採用しているか説明してほしい。

A.現在の就業規則では副業を原則禁止しています。その理由は、(1)お客さま一人ひとりに寄り添い、お客さまを生涯にわたって支え続け、確かな安心をいつまでも提供するためには、従業員が基本的に当社での業務に専念する必要があると考えているため、(2)副業先を含めた労働時間の管理を当社が行なうことは容易ではなく、長時間労働や従業員の健康への影響が懸念されるためです。
一方、副業への社会的価値観の変化や人財育成における一定の有用性は認識しており、副業へのニーズや副業先における労働時間管理等についての政府検討等を注視しつつ、今後の検討課題として調査・研究を継続していきます。

顧客との人間関係構築のためにも、営業担当者(支社長・営業所長)の異動を長期化することを検討してほしい。

A.当社は全国に約1,000ヵ所の営業所等を有し、約3万人のアドバイザーが在籍していますが、それぞれの地域に暮らし、地域を愛し、一人ひとりのお客さまに長期にわたり寄り添うことができるアドバイザーこそがアフターフォローの一番の担い手と位置づけています。
一方、アドバイザーを支え、指導・統率する支社長・営業所長の多くは、全国転勤の可能性がある職種の職員から登用しており、人財育成、本人希望、リスク防止等の観点から、原則3年程度の在任期間が適切と認識し、運用を行なっています。さらに、人生100年時代における人事運用のあり方については、お客さまのご意見、働く職員の価値観の変化等を見据え、調査・研究を継続していきます。

台風等の自然災害への対策として、(1)従業員の安全確保など、事業継続に向けた対応、(2)台風被害等の被災地域に対する支援、(3)自然災害の生命保険事業に与える影響、について説明してほしい。

A.2019年の台風19号の例では、まず、(1)事業継続に向けた対応としては、全役職員の安否確認のためメール等による安否確認システムを導入済であり、台風19号通過直後に同システムを活用し、対象地域の役職員の安否を確認しました。また、事前対応については、安全確保を最優先とし自宅防災準備のための早期帰宅を勧奨し、加えて、安全が見込めないなかの出社を避けるべく、社有スマートフォンやPCを持ち帰り、自宅で緊急連絡や業務を行なえる体制を準備しました。さらに、お客さまからの電話照会業務のうち、東京で受けている分を大阪に切り替えており、これらの取組みの結果、特に問題はありませんでした。
(2)被災地域への支援については、災害規模や被害状況に応じて対応内容を決定していますが、台風19号では、保険料払込猶予期間の延長など、ご契約関係の特別取扱いを実施したほか、お客さまへのお見舞い訪問を速やかに開始し、お客さまの被災状況を確認するなど、対面のアフターフォローを実施しました。また、1リットルの水を約2万本、タオル約9万本の支援物資等を本社から直接支社・営業所に緊急発送し、お客さまへお配りするとともに、被災地域へ義援金1,000万円を寄贈し、被災者の方々から感謝の声を数多くいただきました。
(3)台風19号の影響について、人的被害に比べ、家屋や車等の損害が大きかったため、生命保険会社の支払額は損害保険会社に比べ少額にとどまる見込みです。

当社の社会貢献活動の取組みについて説明してほしい。また、被災地に対する社会貢献活動について説明してほしい。

A.当社は、生命保険会社として、確かな安心をお届けするため、お客さまや地域社会との絆を深めることで社会に貢献していくことが大切であると考えています。
その考えに基づき、子供の健全育成を社会貢献活動の重点分野と捉え、2009年から約5万8千人が参加しているチャリティーコンサートや、2011年から延べ30万人が参加している「あしながチャリティー&ウォーク」等を通じて合計1億3千万円の募金を寄贈し、東日本大震災で被災をしたお子さまの奨学金や心のケアに役立てています。
また、災害時にはアドバイザーによるお客さまの安否確認活動に加え、社会貢献活動として義援金の寄贈や支援物資の提供など、被災地のみなさまを支える活動を行なっています。

社会貢献活動に対する従業員の負担感を、組織としてどのように確認しているか説明してほしい。

A.定量的な方法として、毎年実施する「従業員意識調査」において、社会貢献活動に関する設問を設定し、活動に対する従業員の評価や認識を確認しています。また、定性的な確認手段として、ボトムアップの小集団活動であるKizuna運動の仕組みや労働組合との意見交換等を通じて従業員の声を集約しています。2019年度の従業員意識調査では、社会貢献活動に対する肯定的な意見の割合が7割を超え、活動負荷に伴う後ろ向きの反応は確認していませんが、組織ごとの活動が拡散して従業員の負荷が過大にならないよう活動の効率化に努めていきます。

Jリーグのタイトルパートナーおよびトップパートナーとして今後どのような活動を展開するのか説明してほしい。

A.当社はJリーグとのタイトルパートナー契約に加え、すべてのJクラブともスポンサー契約を締結し、スタジアムでの試合観戦、小学生向けサッカー教室やJリーグウォーキングをはじめとする、地域のお客さま向けのイベント等を開催しています。今後もこの取組みを継続、発展させることに加え、これまでの取組みで関係を強化してきたJクラブやパートナー企業、自治体ともよく連携のうえ、Jリーグをいっそう盛り上げるとともに、地域のみなさまの健康増進を具体的かつ継続的に応援していきます。

幅広くCSR等に取り組んでいることをどのように広報・周知しているか説明してほしい。

A.当社のCSR活動については、統合報告書「明治安田生命の現況」や「明治安田インフォメーション」等に掲載し、アドバイザー等による配布を通じたご案内を実施しています。また、毎年全国で開催する「お客さま懇談会」での報告に加え、ホームページにCSR活動を紹介するページを設け、広く取組みをご覧いただける環境を整備しています。さらに、地方メディアを中心に情報提供を行ない、地元での活動内容を、報道を通じて地域のみなさまにも広くお知らせすることにも継続的に取り組んでいます。

関西を考える会が冊子を発行しているが、他の地域での活動があれば説明してほしい。

A.関西を考える会は、大阪に勤務する社内有志で発足した会であり、1976年(昭和51年)から関西の歴史・文化を探る地域社会貢献活動を続けています。毎年さまざまなテーマで冊子を発行し、ご希望の方に無料で配付するとともに、関西2府4県の図書館等にも寄贈しています。なお、現時点では、他の地域での同様の活動は行なっていません。

高齢者向けの今後の健活サービスについて、生活習慣病対策やメタボ対策とは異なる対策が必要と考えられるが、当社の考えを説明してほしい。
また、認知症保険を新たに開発しているとのことだが、医学的なコンセンサスや診断後の対処方法等が定まっていない状況もあるなかで、どのような内容を検討しているのか、当社の考えを説明してほしい。

A.2020年2月から健活プロジェクト第2弾としてシニア向けの取組みをスタートする予定です。シニア向けの健活プロジェクトを進めていくにあたっては、保障中核層に照準をあわせた第1弾の取組みとは違った観点での情報提供やサービスの検討が必要と考えており、ご意見もふまえて、今後、さらに検討を深めていきます。
認知症保険については、今後、「みんなの健活プロジェクト」では、健康増進に加えて重症化予防にも取り組む方針であり、給付内容や安心を提供する取組みについて、検討を進めていきます。

「みんなの健活プロジェクト」の投資効果の検証方法について、考え方を説明してほしい。

A.投資にあたっては、原則として、個々の投資について、回収可能性を定量的に計測し判断するほか、当社は相互会社であり、ご契約者間の世代を超えた相互扶助の観点も含めて判断しており、現在のご契約者への還元を目的としたものだけでなく、将来的な会社の存続に必要な投資も実施しています。
「みんなの健活プロジェクト」については、現在ご契約いただいているお客さまの健康増進に加え、当社のブランドとして定着することで、新たなお客さまが増加し、将来的な収益につながることを見込んで投資をしています。当社は、シニア向け保険マーケットや、比較的保険加入率の低い女性マーケット、また、今後社会保障の補完としての生命保険の役割が高まると考えられる第三分野マーケットを成長分野と捉えており、「みんなの健活プロジェクト」の投資は、これらの成長マーケットの開拓につなげられるかどうかが判断のポイントになると考えています。会社全体として毎年PDCAサイクルを回していきます。

上半期において、外貨建て一時払保険の販売が不振となった理由を説明してほしい。

A.外貨建て保険マーケットは競争が激化しており、魅力ある利回りの実現には、米国の金利状況等が大きく影響します。上半期は米国金利の急激な低下による商品性の低下により、昨年と比較して外貨建て保険全体の販売額が大きく減少しました。加えて、円建ての定額貯畜商品の販売を休止したことにより、全体として減収となりました。
なお、平準払の外貨建て保険も含めれば外貨建て保険の販売量は増加傾向にあり、2019年12月には、従前の商品よりも運用期間を短縮した外貨建ての新商品を投入しました。今後も引き続きスペックの優れた商品を開発のうえ投入し、外貨建て保険マーケットの取り込みを図っていきます。

以上