第73回定時総代会質疑応答内容

<総代からあらかじめ書面にて申し出のあった質問>

コロナ禍における当社の現状と今後の見通しや、従業員の安全を確保しながら事業を継続・発展させるために、どのような対策を実施しているか説明してほしい。

A.【業績への影響】
今般のコロナ禍の影響について、2019年度決算への影響は限定的であったものの、対面による営業活動を自粛していた4-5月における新契約業績は個人営業が前年の約3割、法人営業が約5割にとどまりました。一方で、足元の6月は6割程度まで回復しています。
2020年度は、引き続き、世界的な金利低下が続く見込みであり、これによる外貨建て商品の販売減少等により、「減収・減益」となる見通しです。
なお、足元で金融マーケットが回復したこともあり、健全性を示す各種指標に大きな影響はありません。

【2020年度経営計画における対応】
2020年度経営計画においては、お客さまにご契約を継続いただくための「保障内容と保険料のコンサルティング」を中心に、アフターフォローを徹底することで、お客さまとの関係の維持・強化に努めます。
お客さまへのアフターフォローにあたっては、「三密」の回避をはじめとする感染防止対策のほか、対面での活動に際してはお客さまから事前にご了解をいただくこととしており、また、体調不良時は特別休暇を取得させる等、従業員の衛生管理を徹底しています。
今後、第2波の到来により、対面の活動が再び制限される可能性もあることから、当計画では、非対面のコミュニケーションツールの拡充や、テレワーク環境の高度化を図るとともに、保険金・給付金のお支払いをはじめとする基幹業務を確実に遂行する態勢の整備・強化にも取り組みます。

「とことん!アフターフォロー特別計画」について詳しく説明してほしい。

A.新たに策定した当計画では、お客さま・従業員の安全確保と、保険金・給付金のお支払いをはじめとする基幹業務の着実な遂行を前提に、業績目標は設定せず、お客さまへのアフターフォローを徹底する経営を推進しています。
アフターフォローの実施においては、対面によらない手続きも活用し、ご契約に関する特別取扱いのご案内や、保障継続に向けたコンサルティング活動等を行なっています。
さらに、コロナ禍をふまえ、デジタル技術を活用し、非対面の活動を支えるインフラの整備にも取り組みます。
加えて、10年後にめざす姿の実現に向け、4「大」改革を一部先行実施し、2021年度からの新3ヵ年プログラムの円滑なスタートに向けた態勢を確立していきます。

新型コロナウイルス感染症の影響で対面業務の方法は転換が必要と思われるが、中期的に経営としてどのようにデジタル・トランスフォーメーション(DX)に対応していくのか説明してほしい。

A.営業職員に配付済みのタブレット「マイスタープラス」、社用スマートフォン「MYフォン」を活用した非対面の営業活動や、テレワークの拡充に伴う環境整備を進めています。
デジタル・トランスフォーメーションの推進にあたっては、従前からAI等、先端技術の導入によるイノベーションに取り組んでおり、引き続き、デジタル技術を活用したお客さまの利便性向上や従業員の役割の高度化による業務プロセスの変革を通じて、「人とデジタルの効果的な融合」を加速していきます。

新型コロナウイルス感染症の第2波への対策について説明してほしい。

A.第2波の発生により、再度、出社制限や対面によるお客さま対応などに制約が生じることを想定し、対策を進めていきます。
保険金・給付金のお支払いをはじめとする基幹業務の着実な遂行と従業員の安全管理のために、新たに在宅でも基幹業務ができるよう、システム環境などを整備・拡充する予定です。
また、お客さまのアフターフォローやご契約に関する特別取扱いのご案内を確実に行なえるよう、営業職員等のテレワーク環境や、対面によらない手続きを整備・強化していきます。

「地域社会との絆」を深める取組みについて、新型コロナウイルス感染症により、イベント型の取組みは制限される。より地域のニーズにあったCSR・CSVを検討するプロジェクトを立ち上げてほしい。

A.地域のニーズに応えるため、2020年度から自治体との連携・協働を通じて豊かな地域づくりに貢献する「地元の元気プロジェクト」をスタートしました。
本プロジェクトでは、自治体との連携協定に基づき行政の取組みを住民に周知するなど、イベントにとどまらない幅広い活動により地域の課題解決をサポートすることを通じて、地域のみなさまとの緊密な関係づくりと接点の拡大をめざします。
今年度は、コロナ禍の影響をふまえ、従業員募金に会社拠出額をマッチングする「私の地元応援募金」を展開するとともに、自宅でできる運動動画「おうちで健活」の配信や地域の特産品等を紹介するサイトの開設など、Jリーグとの協働による取組みも拡充していきます。

2020年度は、営業職員に保険契約の個人目標を設定しないとの記事を目にしたが、すでに個人目標を廃止している金融機関もあるなか、コロナ後を見据えた今後の当社の営業管理のあり方について説明してほしい。

A.2020年度は、コロナ禍で営業活動が大幅に制約を受けるなか、お客さまからの保障内容の見直し要望や保険料支払いに対する不安の声に最優先で取り組むため、営業目標を廃止し、既契約者へのアフターフォローの推進を経営目標とした特別計画を展開することとしました。
各支社・営業拠点に対しては、対面・非対面での既契約者へのアフターフォローの実施とその結果としての契約の継続状況等を組織・人事評価に反映します。また、営業職員についても、担当のお客さまへのアフターフォローの完全実施を前提に、一定の給与保障を行なうことで、特別計画の実効性を上げていきます。
なお、新契約活動については、トップダウンでの営業目標は設定せず、営業職員一人ひとりが自身の活動環境等をふまえた自主計画を策定し、拠点長等が目標達成に向けて指導・支援していくボトムアップ型の営業管理手法を試行し、その実効性や課題等を検証のうえ、今後の新しい営業管理のあり方を検討していきます。

コロナ禍により、保険に対するお客さまの考え方はどのように変わってきているか。また、対面営業が難しいなか、足元の対応状況と今後の対応の方向性について説明してほしい。

A.万一のときや入院時の備えを充実したいという声が増加する一方、先々の保険料支払いに対する不安の声や非対面での相談・手続きの希望など、コロナ禍におけるお客さまの保険ニーズや行動・意識の変化を認識しています。
こうしたお客さまのご要望にお応えすべく、2020年度は、既契約者に対するコンサルティング活動を最優先し、ご本人・ご家族を含めた保障内容の最新化・最適化をご提案するとともに、保険料支払いが困難となったお客さまには、保険料の払込みを一定期間猶予する特別取扱いをご案内し、できる限り保障を継続していただけるよう対応しています。
なお、お客さまのご了解を前提に、感染防止対策を徹底のうえ訪問活動を実施していますが、非対面での相談・手続きを希望される場合は、郵送やWEB等を併用し、お客さまのご希望に沿った対応ができるよう努めています。
今後は、新しい生活様式の定着も見据え、最新のデジタル技術を活用したコミュニケーション手段の多様化と各種手続きの操作性・利便性の飛躍的向上により、お客さまのさまざまな要望に対応できる新たな営業スタイルの確立をめざしていきます。

コロナ禍によるお客さまニーズの変化や想定される経済環境の変動等をふまえた、今後の商品戦略について説明してほしい。

A.コロナ禍を通して、「健康増進」や「万一のときや入院時の保障」への関心がさらに高まってきたものと認識しています。
経済環境等をふまえつつ、営業職員のきめ細やかなコンサルティングを通じ、多様化するニーズにお応えしていけるよう第三分野(医療・介護等)、高齢者、健康増進、投資型商品等の各領域における商品ラインアップを拡充していきます。

新型コロナウイルス感染症による保険金等の請求・支払いの状況を説明してほしい。

A.新型コロナウイルス感染による保険金等のご請求に対し、6月末時点で、個人保険・団体保険あわせて、死亡保険金48件(2億7,471万円)、入院給付金等372件(1億199万円)をお支払いしています。2019年度の支払件数の0.1%程度の水準で、収支への影響は限定的です。

新型コロナウイルス感染症による長期間の入院や自宅待機により、仕事ができない方が多いが、そのような場合を保障する保険商品があるか説明してほしい。

A.当社では、医療費については、長期間の入院にも対応できるよう、入院時にかかる自己負担分を保障する「入院治療保障特約」や、差額ベッド代等を1回の入院につき180日まで日額で保障する「新・入院特約」等を提供しています。
また、収入の減少分を補っていただくために、入院等が30日間継続した場合において、1年間にわたって毎月給付金をお支払いする「給与・家計サポート特約」を提供しています。
なお、今回の新型コロナウイルス感染症については、医療機関が満床等の理由で臨時施設や自宅で療養をされた場合についても、入院治療給付金や入院給付金をお支払いする対象としています。

新型ウイルスによる「イベントの中止」や「店舗休業」等を補償する保険があるか説明してほしい。

A.「イベント中止」や「店舗休業」などに対応する保険商品は、損害保険商品となります。
当社は損害保険代理店として、主に個人向けの自動車保険、火災保険などを取り扱っています。
新型コロナウイルスへ対応する損害保険商品については、損害保険の元受会社にご相談となりますので、お取次ぎが必要な場合はお申し出ください。

米国では新型コロナウイルスの感染者数が多数にのぼっているが、米国スタンコープ社におけるコロナ禍の影響の程度について説明してほしい。

A.米国スタンコープ社の主力商品は、ケガや病気に起因した所得減少を補償する就業不能保険および死亡を保障する定期保険です。この団体保険は勤労世代向け商品ということもあり、現時点での保険金支払いは限定的で、足元の業績も順調です。
米ワシントン大学によりますと、米国死亡者数は最大約20万人を上回るとのデータもあり
(注1)、今後支払いが増加する可能性がありますが、最悪時のシナリオで試算しても、スタンコープ社は高い健全性を有しており、お客さまへのお支払いに問題はありません。
今後、複数年にわたり、失業率上昇による収入保険料減少や低金利による収益減少等が見込まれるため、業績への影響等について、モニタリングを強化していきます。

(注1)2020年6月15日時点:米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済環境の変化をふまえ、今後どのような投資・運用戦略をとるのか説明してほしい。

A.当社の資産運用においては、経済価値ベースのALM運用を基本とした健全性の確保を前提に、運用環境に応じた機動的な対応により安定的な収益を確保することを基本方針としています。
ご指摘のとおり、コロナ禍を受けてマーケットが乱高下しており、今後もこの状態の継続が予想されることから、基本方針に沿い、予兆管理の実施・リスクヘッジ手段の活用等によりリスク管理を適切に行ないつつ、投資タイミングを捉えた資産運用の実施により収益の安定的な維持・向上を図っていきます。

在宅でのテレワークについて、生産性の観点から、コロナ禍における状況および今後の取組みを説明してほしい。

A.今般のコロナ禍では、ピーク時には対面の営業活動を全面的に自粛し、9割近くの従業員が在宅勤務を余儀なくされるなか、保険金支払い等のお客さま対応や、決算業務等の重要業務を遂行しました。保険金等支払業務に対応するため出社した一部の職員の残業は増加しましたが、会社全体としてみると、この間の残業時間が約3割縮減する等、テレワークに一定の効果がみられました。
他方、保険金お支払い等の基幹業務がリモートに対応できないことや、ネットワーク回線の逼迫など、システムインフラ上の課題も顕在化しました。
今後、新型コロナの第2波への備えや、生産性向上等の観点から、職務デザインや人事評価等を含む、当社にふさわしいテレワークのあり方を早急に検討し、システムインフラの強化および態勢の整備を進める方針です。

テレワークが長引くなか、どのように人事評価(考課)をしているか説明してほしい

A.営業組織においては、従来の業績目標に基づく評価運営を改め、非対面を含むアフターフォローの取組みを評価するとともに、一人ひとりが設定した目標の達成状況を所属長が評価する「定性評価」をより重視する運営へ見直します。
一方、本社組織については、働き方が多様化するものの、組織の基本的役割や業務内容に変更はないため、従来の評価プロセスを基本とした運営を継続します。

低金利環境等が継続しているが、貯蓄性商品を開発する予定があるか説明してほしい。

A.ご案内のとおり、足元の国内外の低金利状況をふまえると、魅力ある貯蓄性商品の提供は非常に困難な状況となっており、当面、貯蓄性の新商品を発売する予定はありません。
なお、現在は貯蓄性商品として、円建ての「明治安田生命じぶんの積立」、外貨建ての「つみたてドル建終身」「期間がえらべる外貨建一時払終身保険」「米ドル建・一時払養老保険」「外貨建・エブリバディプラス」等をラインアップしています。
今後も、国内外金利の動向等を注視しつつ、多様な資産形成ニーズにお応えできるよう、商品ラインアップの拡充に努めていきます。

「認知症ケア MCIプラス」の契約年齢範囲が50歳からとなっているが、若年層を対象から外した理由、および今後、この契約年齢を見直す予定があるか説明してほしい。

A.2019年8月に50歳からご加入いただける終身医療保障の「一時金給付型終身医療保険」を発売し、それに認知症保障を充実させたプランとして「認知症ケア MCIプラス」を2020年2月に発売しました。
従って、「認知症ケア MCIプラス」は「一時金給付型終身医療保険」を主契約、軽度認知障害(MCI)保障と認知症保障を特約としており、契約年齢範囲は主契約にあわせて50歳~85歳としています。
なお、現在、MCI保障・認知症保障に特化した商品を開発中であり、契約年齢範囲も拡大する方向で検討していきます。

ビッグデータやAIツールの広まりとともに、個々の消費者は自らが直面するリスクを早い段階で理解し、将来のリスク抑制に取り組むことができる時代になってきている。そのようななかで、他人から推奨された保険ではなく、自分自身で設計できる個別ニーズに対応した保険商品があるとよいのではないか。

A.当社では、お客さまの保険に対するニーズの多様化にあわせて、ご要望に沿った保障を提供できるよう、多様な商品ラインアップにおいて、個々の商品は型決めではなく自由設計型を中心としています。
具体的には、お客さまのニーズに応じた保障の組み合わせや毎年保障見直しが可能な組立型総合保障保険「ベストスタイル」をはじめ、医療保険・介護保険・外貨建て保険・損害保険等を準備し、営業職員が対面でニーズを確認しながら、適切な商品をご提案しています。
今後も、お客さまの多様なニーズにお応えできるよう、商品ラインアップの拡充と営業職員のコンサルティング力の向上に取り組んでいきます。

保険料増収やマーケットシェア拡大のため、金融機関窓口販売等の貯蓄性商品の開発力強化に向けた今後の取組みについて説明してほしい。

A.多様な資産形成ニーズにお応えできる商品ラインアップの拡充と、変化する市場環境に応じた機動的な商品開発を実現しうる態勢強化を進めていきます。
なお、受取率向上のための商品設計やローコスト化など、低金利下での商品の魅力度向上に向けた取組みも継続していきます。

一時払いの外貨建て保険について、高齢者は、為替変動を長期間待つなどのリスクヘッジができないと考えるが、契約年齢制限を設けることを検討してほしい(例えば75歳上限)。

A.当社では、商品ごとに契約年齢範囲を設定していますが、一時払いの外貨建て保険については、高齢のお客さまの資産形成ニーズ等にも幅広くお応えするため、85歳、または90歳を上限としています。
そのうえで、外貨建て保険の持つ為替リスクを十分にご理解いただくため、アドバイザーチャネルでは、お客さまが70歳以上の場合はご家族に同席いただくことや、ご提案時の営業所長等の同席、電話・訪問による事後の確認等を実施しています。
現在のところ、契約年齢範囲の上限を引き下げる予定はありませんが、長期の運用で為替リスクをカバーすることが主眼であることもふまえ、必要に応じて上限の引き下げも検討していきます。

金融機関窓口で販売している一時払いの外貨建て保険について、保険の契約手続きとあわせて、当該金融機関で新規に外貨預金口座を開設した場合、クーリング・オフの対象に、保険だけでなく外貨預金も含めるべきではないか。

A.円入金特約を付加しない場合、銀行はお客さまに対し、両替取引と外貨建て保険契約のそれぞれについて確認・説明を行ない、申込書を記入していただいています。
そのため、両替取引と外貨建て保険契約は別個の契約となっており、当社でお受けできるクーリング・オフは、外貨建て保険契約に対してのみのお取り扱いとなることから、外貨でお払い込みいただいた保険料を外貨預金口座にご返金しています。
ご契約のお申し込みに際しては、各種お取り扱いを十分にご理解のうえお申し込みいただけるよう、お客さまへのご説明を引き続き代理店等に指導していきます。

認知症関連サービスの現状と課題について説明してほしい。

A.2020年2月の「認知症ケア MCIプラス」の発売にあわせて、脳の活用度を判定できる認知機能チェックアプリ「かんたんブレインチェック」や、軽度認知障害(MCI)に対するリスク予測が可能な「MCIスクリーニング検査」の優待サービス、「成年後見制度・家族信託相談サービス」など、関連サービスの提供を開始しています。
また、お客さまにご提出いただいた健康診断結果のデータをもとに、脳卒中や糖尿病等により今後10年以内に入院するリスクを分析することに加え、認知機能が低下するリスクの分析と認知症の予防に向けた健康アドバイスを掲載した、認知症ケア版の「MY健活レポート」を、2020年10月から提供します。
なお、認知症の予防には、身体を動かす機会や人との交流の場等を「みんなの健活プロジェクト」を通じて提供していますが、今後は高齢者に社会参加いただくための機会のさらなる充実を検討します。

「フレイル」の対策となるサービスの開発を検討してほしい。

A.当社では、「みんなの健活プロジェクト」や「地元の元気プロジェクト」を通じて、お客さまの健康づくりや、お客さまと地域社会とのつながりを応援する等の取組みを推進しており、2020年2月には「認知症ケア MCIプラス」を発売する等、シニア向けの取組みもスタートしています。
認知症と並び高齢者が要介護となる主な原因であるフレイル
(注2)について、当社子会社である「明治安田総合研究所」において調査を行なう等、研究を開始しており、予防には、多様な栄養素の摂取に加え習慣的な運動や地域活動への参加等が重要な要素であると考えています。
今後、「みんなの健活プロジェクト」におけるシニア向けの取組みを高度化するなかで、フレイルの予防に資する新たなサービスを提供できるよう検討を進めます。

(注2)「フレイル」:加齢とともに運動機能や認知機能等が低下する一方、適切な介入・支援を行なえば、生活機能の維持向上が可能な状態

ESG投資について、社会問題の解決に関する債券投資の取組みを説明してほしい。

A.ESGにかかる債券については、これまで、企業や地方自治体等が国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する「グリーンボンド」が主流でした。
昨今は、新型コロナウイルス感染症の拡大で、社会問題の解決に資金を募る「ソーシャルボンド」等を発行する事例が増えています。
当社においては、ESG投資の重要性に鑑み、これまでもグリーンボンド等の取組みをすすめてきましたが、2020年6月には新型コロナウイルス感染症対策に寄与する目的のソーシャルボンドへ投資を行ないました。当該投資資金の一部が同感染症拡大による経済的被害や感染症防止、治療の支援に充当される予定です。

スチュワードシップ活動における議決権行使の判断基準および助言会社の利用有無について説明してほしい。

A.当社では議決権行使の基本的考え方、行使基準等を社内規定で定めており、その概要をホームページで公表しています。
当社は、投資先企業に、長期的な企業価値の向上を通じた株主利益の拡大、その前提となるコーポレートガバナンスが十分機能した経営の遂行を求めており、投資先企業との対話による認識共有が重要と認識しています。
株主総会の議案については、すべての議案を確認し、議決権を行使しています。また、行使に際しては、投資先企業の状況や対話の内容等をふまえ、議案に対する賛否を判断しています。
なお、行使判断においては、すべて自社で意思決定しており、議決権行使助言会社の推奨は利用していません。

現在、「社内」役員に女性がいないが、女性の役員・管理職の登用促進に向けては、
①育児介護の負担を負いやすい女性従業員が働き続けられる環境の整備、
②そのような女性が能力を高める機会の確保、
③無意識のバイアスの除去等の人事評価の公正さの確保、
が必要ではないかと思われるが、これらの課題にかかる当社の方針を説明してほしい。

A.当社は従来から、女性の家庭と仕事の両立の実現に向け、毎月の保育料の補助サービスを最大で25,000円支給するなど、業界最高水準の両立支援制度の拡充に取り組み、女性が働き続けられる環境の整備を行なってきました。
また、女性が活躍できる風土醸成、アンコンシャスバイアスの払拭等、さらなる女性活躍推進に向けた基盤整備を加速するため、経営トップのコミットメントを通じた組織全体の意識改革を目的とした全社フォーラムを毎年開催しています。
さらに、女性管理職の継続的輩出に向けて、2012年に女性管理職比率30%の数値目標を掲げ、登用候補者への能力開発研修の実施や職務登用等を通じ、女性役員・管理職登用に向けた人財のプーリングを積極的に行なってきました。
結果として、2020年4月に管理職(部長相当職、課長相当職)に占める女性の割合は30.1%(2012年対比26.3ポイント増)と目標を達成し、リーダー候補者(女性管理職登用候補者)は398人(2012年度対比+296人)となりました。
今後は、さらなる上位職務への登用に向け積極的かつ能動的な取組みを行ないます。