くらま
節約系YouTubeチャンネル『倹者の流儀』を運営。ファイナンシャルプランナー資格保有。生活費は月に5万円、一日一食、家具は段ボールで手づくりなど、徹底的な節約・倹約生活を送り、社会人1年目にひとり暮らしをしながら250万円以上を貯蓄。現在も会社員とYouTuberを兼業し、節約に役立つコンテンツを動画やブログで発信している。
私たちの生活に必要不可欠なものってなんだかわかりますか?それは「お金」です!旅行や買い物を楽しんだり、お食事に出かけたり……。でも、お金は使ったらその分なくなりますし、毎日生活するだけでもお金はかかります。ところでみなさんは貯蓄、できてますか?事故や病気にかかったとき、老後の生活の資金、自分の選択肢を増やすなど、貯蓄をしておくことは自分を助けてくれる大事な存在です。ですが、貯蓄をした方がいいと思いながらも毎日の生活費にやりくりするのが精一杯で……なんて人も多いのではないでしょうか?「限られたお金のなかでどうやったら貯蓄できるの?」「老後の資金が心配で……」などなど、お金に対して誰しもが持つお悩みを少しでも解消できるように、今回は『節約系YouTuber』として活動するくらまさんにインタビューを行ないました!都内で会社員1年目のときにひとり暮らしをしながら250万円以上貯蓄をしたくらまさんは、いわばプロの節約家。現在は20代ながら2,000万円以上の貯蓄があるそうです。そんなくらまさんの節約生活とは……。そして、誰でもすぐに実践できる節約方法を教えていただきました!
—— 今日はお金の悩みに関していろいろお話を聞けたらと思います。まず、普段どういった活動をしているのか簡単に自己紹介をお願いします。
くらま:東京都内でひとり暮らしをしながら会社員をしています。副業で『倹者の流儀』という、主にお金や節約のことについて発信するYouTubeチャンネルを運営しています。
—— どのような動画を発信しているんでしょうか。
くらま:つみたてNISAやiDeCo、ふるさと納税といった資産運用の解説や、毎月の自分の家計簿を公開、格安で作れるご飯のレシピなどです。貯蓄・節約が苦手な人の参考に少しでもなればと思っています。
—— そもそも、くらまさんが貯蓄を始めたきっかけなんでしょうか?
くらま:やっぱり貯蓄があると精神的に余裕が生まれるんですよ。僕はとにかく、心穏やかに生活していきたいっていう強い想いがずっとあって節約生活を始めました。というのも、今までずっと心が乱れてしまっていたので……。
—— たしかに金銭面で将来に不安を感じることは多いと思います。くらまさんはどうして心が乱れる生活を送っていたんでしょうか?
くらま:昔の自分はすごく見栄っ張りで、いわゆる有名企業だったり、国家公務員とか、とにかく人にすごいって思われるようなところに就職を希望していました。実際は就活がうまくいかなくて、結局無内定のまま大学を卒業してしまって。
—— なるほど。卒業後はどのように過ごされていたんでしょうか。
くらま:お金がないので実家に戻ったんですけど、誰にも会いたくなくて家に引きこもったり、ほぼニートのような生活をしていました。学生時代の友人たちは社会人としてスタートを切っているなか、自分だけが取り残されてしまったと感じてしまって……。それがものすごくコンプレックスで性格も荒んでいたんです。
—— 理想と現実、周りと人たちとのギャップを感じて塞ぎ込んでしまったんですね。
くらま:そうですね。あとは学生時代のときに借りた奨学金の300万円がずーっと、何年も足枷に感じていました。社会に出遅れてしまった自分が周りの人との差を埋めるには誰よりも早く奨学金を返すことだと思って、家賃補助や福利厚生がしっかりあって、お金をとにかく貯められそうな会社に就職しました。
—— 300万円という大金ですが奨学金はどれくらいで完済されたんでしょうか?
くらま:とにかく早く完済したくて、就職して1年で300万円返し切りました。そのときは本業とは別に副業としてアルバイトをして月に5〜10万円稼いで返済に充てていました。
—— 300万円を1年で完済ですか……。
くらま:月収でいうと手取りで20万円前後と、特別給料が高いってわけでもないと思います。それでも貯蓄ができたのは、単純にお金を全く使わずにとにかく働き続けるという究極の節約生活を行なっていたからなんです。
—— 具体的にはどのような節約をしてお金を貯めたんでしょうか?
くらま:食事は1日1食にして、家具は段ボールで手づくり。お金はビタ一文無駄遣いをしないって決めていたので、家賃も含めて月の生活費は5万円以下でした。
—— ストイックすぎる……。
くらま:友達や親とも全く会わない。節約が原因で付き合っていた彼女と別れてしまったこともありましたが、とにかく生活のすべてを貯蓄することだけに集中しています。奨学金を返し終わったら、あとは資産を積み重ねていくだけなので。
—— 今現在はどれくらい貯蓄しているんでしょうか?
くらま:先日、貯蓄額が2,000万円を突破しました。それでも私はこれからも今の生活を続けていきますね。
—— くらまさんがそこまで自分を追い込んで貯蓄を続ける理由はどうしてでしょうか?
くらま:就職できませんでしたし、とにかくお金がない状態を長年経験していたことが大きいかもれません。実際、お金がそこまでないのに稼いだお金をすべて使う生活をしていたときは、やっぱりとても辛かったんですよ。
—— 辛い、というのはどうしてだったんでしょうか。
くらま:その日暮らしなので1年、10年先を見据えた金銭的プランを立てられない。そのせいで将来の不安を感じることも多かったし、お金がないから会社も辞めることもできない。自分の人生が縛られている辛さがあるんです。
—— 先行きがわからない不安は確かに常に抱えているかもしれません。そのせいで、自分の意志に反することもしないといけない。貯蓄ができてからはどのような変化がありましたか?
くらま:お金がなくてやりたいのにできなかったことができるようになり、心にゆとりが生まれました。実際にやる、やらないは別としていろいろなことに選択肢を持つことができるようになったことはとても価値がある変化だと感じています。
—— くらまさんの貯蓄に対してモチベーションを保ち続ける秘訣ってあるんでしょうか?
くらま:動画投稿もダイエットも同じで、やり始めは一気に節約したり、動画を撮ったりして自分をすごい追い込む。追い込んでから、自分が無理なく継続できるペースを見つけて少しずつ改善していく。人からしたらストイックに見えるかもしれませんが、自分のなかでは一定のペースで行なっているから続けられるんです。
—— 毎日の生活費にやりくりするのが精一杯で貯蓄する余裕がない人も多いと思うんですが、どうしたら貯蓄できるようになると思いますか?
くらま:貯蓄する理由はそれぞれあると思うんですけど、僕のようにコンプレックスだったり、自分の夢のためにお金を貯めたいっていうのは強いエネルギーを持っていると思うんです。その気持ちを持っていたらお金を貯められるかなって思います。
—— お話を聞いて正直、くらまさんのように自分を追い込めないと感じてしまいました……。そんな私でも取り組めるような挑戦しやすい節約方法ってありますか?
くらま:貯蓄をしたいと考えているならまずは支出の見直しと、優先順位を付けること。これは絶対にやったほうがいいです。
—— 優先順位……ですか。具体的にはどのようにつけていったらいいんでしょうか?
くらま:例えば、自分が住む場所には優先してこだわりたいのであれば、無理に家賃を下げる必要はありません。ほかの優先度の低い部分を徹底的に下げれば貯蓄はできるんです。
—— 家賃や食費を削っていくのが節約だと思っていました。
くらま:そういった単純な節約方法もあるんですけど、生活にメリハリがなくなってしまう可能性があります。そうすると節約をキツく感じてしまって結局続かないんですよ。極限まで節約している私でも、温泉にいくのが好きなので年に何度か旅行に行ったりしますし。
—— 使いたいところは使ってしまってもいいんですね。
くらま:とにかく優先順位の低いものを節約するっていうやり方なら、節約が辛くて続かなかった人も取り組みやすいと思います。そのために、まずは家計簿をつけて支出と収入を把握することが大事です。
くらま:もうひとつ私がオススメしているのは、ポイントサービスをうまく活用するということです。
—— 詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。
くらま:まず始めやすいのは、キャッシュレス決済サービスです。現金で買い物をしてもポイントは付きませんが、キャッシュレス決済ならポイントが付与されます。最近だと、電話、ガス、電気など日常生活にかかせないサービスにもポイントが付くサービスも多いです。様々な消費を同じポイントがつくグループに統一すること、いわゆるポイント経済圏を活用することでゲットしたポイントでガスや電気など各サービスの支払いができるので直接的な固定費の節約になりますよね。
くらま:あとは、ケータイのプランの見直しですね。大手キャリアに追いつけ追い越せと、たくさんの格安SIMが出ています。数万円分のポイントがもらえるキャンペーンや、料金が一年安くなるフェアなどもありますし、自分にあったキャリアやプランに変更することで大きな節約になります。
—— 現金払いよりキャッシュレス。そしてケータイプランの見直しが大きな節約になるんですね。
くらま:ポイントって活用することにメリットしかなくて、知識として知っている人だけが得をする仕組みになっています。逆に言うと、わからない人は損をしてしまう。損をしないためにも、ポイント経済圏やキャンペーンを積極的に活用することを勧めています。
—— 損をしないためにも自分で情報を集めることが大事ですね。
くらま:学べば学ぶほど節約になりますよ。勉強といっしょで、勉強したことをアウトプットしたら成果が出る。その成果がお金に直結するってすばらしいことだと思っています。もっとみなさんもお得を楽しみましょう!
くらま:あとは、つみたてNISAやiDeCo、ふるさと納税といった国の制度を使った資産運用をするということです。ほかにも住宅ローン控除や生命保険料控除だったり、知っているだけで大きく節約できるんですよ。
—— いわゆる資産運用ですね。くらまさんはどれくらいの時期に運用を始めましたか?
くらま:あんまり焦る必要はなくて、ある程度貯蓄を作って土台を固めた上で投資は始めるべきですね。金額でいえば500万円くらい貯まったら、まずはNISAやiDeCoからスタートするのを勧めています。
—— そのふたつをオススメする理由はなぜでしょうか?
くらま:両方とも非課税の制度なんです。iDeCoなら自分の課税所得を減らす、つまり節税しながら老後の資金を作れる仕組みなんです。さらにiDeCoはとても守られた財産で、極端な話、もし自己破産で差し押さえになったとしても、iDeCoで積み立てた資産は没収されないのです。
—— なるほど。
くらま:みなさんのお金の悩みの大半が、働けなくなった老後資金の不安だと思うんですよ。でも、つみたてNISAなら非課税で20年間で800万円分の枠がありますし、先のふたつの制度を最大限に活用したら十分に老後資金は賄えるので、安心できると思います。
—— そのふたつだけでもしっかりとやっておけば老後の生活を支えられるんですね。シンプルでわかりやすいかも。老後の心配が少し解消されました……!
くらま:最近、親にも仕組みを教えてあげて積立口座を作らせました。自分だけじゃなくて、親にも共有したほうがいいと思います。親の老後のためにも、自分のリスクヘッジにもなりますからね。
ということで、今回は節約系YouTuberのくらまさんにお話をお聞きしました。
もともとはお金に対して強いコンプレックスを抱えていたくらまさんですが、独自の節約術を実践し貯蓄をすることで、心に余裕を持った生活ができるようになりました。
しかし、くらまさんのようにストイックな節約は誰でもできるわけではありません。
貯蓄への1歩目は自分の支出を記録して見直してみること。
そして、毎日コツコツと、自分が続けられるペースを見つけて貯蓄をしていくこと。
私たちが生きていく上で必要不可欠なテーマだからこそ、真剣に自分のお金と向き合ってみませんか?
※記載の内容はあくまで著者の意見です
くらま
節約系YouTubeチャンネル『倹者の流儀』を運営。ファイナンシャルプランナー資格保有。生活費は月に5万円、一日一食、家具は段ボールで手づくりなど、徹底的な節約・倹約生活を送り、社会人1年目にひとり暮らしをしながら250万円以上を貯蓄。現在も会社員とYouTuberを兼業し、節約に役立つコンテンツを動画やブログで発信している。