


取材・文:関戸ナオヒロ
※本記事内の取材は2023シーズン開幕前に実施しています
横浜F・マリノスが川崎フロンターレの3連覇を阻止して優勝を果たした2022シーズン。4年に一度の国際大会も開催され、日本中が熱狂しサッカー熱が高まるなか、今年も2月に待ちに待ったJリーグのシーズンが開幕しました!そこで、今回は数々の国際試合やJリーグで審判として間近で選手のプレーを見てきた家本政明さんにお話を聞き、Jリーグ観戦がもっと面白くなる最注目ポイントを玄人目線で徹底分析してもらいました!
2023シーズンのJリーグを楽しむために!

2024シーズンに実施されるリーグ全体の構造改革に向け、2023シーズンから新しい動きがあります。家本さんに、構造改革の具体的な内容と、2023シーズンにおける影響をお聞きしました。

2024シーズンに実施されるリーグ全体の構造改革に向け、2023シーズンから新しい動きがあります。家本さんに、構造改革の具体的な内容と、2023シーズンにおける影響をお聞きしました。

2024シーズンから、J1からJ3までの各カテゴリーに所属するクラブの数を20クラブに統一することが決定。このような構造改革に向け、2023シーズンは昇格・降格枠がともに増加しています。そのため、各リーグとも競争が激しくなり、さらに白熱したシーズンになると予想しています。
※ J3は省略しています。




20クラブ編成への変化を受けJ2からは昇格枠が3クラブに増加。J2では熾烈な争いが繰り広げられると考えています。高校サッカー界の名将・黒田剛監督を招聘するなど、大型補強を果たしたFC町田ゼルビア、昨シーズン降格となり、J1復帰をめざすジュビロ磐田にベガルタ仙台、古豪の大宮アルディージャやヴァンフォーレ甲府など、まさに群雄割拠。一体どのクラブが昇格の切符を手にするのか、最終節まで目が離せません。

昔は考えられもしなかった戦術やプレーが次々と生まれ、年々アップデートされていく現代サッカーで、今のサッカーのトレンドや観戦のポイントを審判目線で分析。家本さんが注目したい5つのポイントとは?

開幕に向け戦力の補強をするために各クラブによる移籍情報が流れるなか、今年一番のビッグニュースとなったのは、やはり香川真司の移籍です。欧州の強豪でプレーし、約12年半ぶりに古巣であるセレッソ大阪に華々しく凱旋しました。
彼のような海外のベテラン組が国内のプレーヤーと化学反応を起こすことで、Jリーグ全体に新しい変化をもたらしてくれるのではないかと期待しています。

かつて「無敵艦隊」と呼ばれたスペインが確立したテクニック重視のパスサッカーの時代から、フィジカルを重視したサッカーが世界的なトレンドに変化。事実、国内の強豪クラブはフィジカルで勝負することを戦術の一部とし、前線からプレスをかけてショートカウンターで得点に迫るシーンも増えてきている印象です。
華麗なテクニックに目を奪われがちですが、一瞬の瞬発力や走り切る持久力、球際の力強さなど、今まで以上にフィジカルな部分が試合を決定づける瞬間が2023シーズンは多く見られるのではないでしょうか。


ここ数年間、優勝争いを繰り広げる横浜F・マリノスと川崎フロンターレは、多彩な攻撃力と堅牢な守備力を兼ね備える隙のないクラブで、優勝争いという視点ではまず名前が上がるでしょう。そんな神奈川の2強に対して、サンフレッチェ広島やサガン鳥栖、京都サンガF.C.のように、選手の運動量や球際の激しさなど、フィジカル面で強豪に立ち向かっていくクラブは思わず応援したくなりますね。ほかにもFC東京や鹿島アントラーズといった実力あるクラブが上位争いに加わった、スリリングなシーズン展開になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、ここ最近のJリーグでは各クラブのカラーに顕著に違いが現れています。優秀な選手や監督の実力を引き出すのは、クラブにフィットしているかどうか。コンセプトが明確なクラブは個々の選手のパフォーマンスもはっきりしていて総合力も高い。クラブのアイデンティティやマインドのピッチ内外での表現にも要注目です。

激しいコンタクトプレーやアタックで攻守がスピーディーに切り替わる試合は、審判をしていて難しさもありながら面白いと思いますし、ピッチから観客のリアクションを見ていても盛り上がりが伝わってきます。サッカーの魅力は連続性と変化。試合展開の数だけ観てる人をワクワクさせてくれますし、良い試合には流れや緩急のなか、常にゴールシーンの気配が存在しているのです。

審判は反則をジャッジするだけではなく、プレーの邪魔をせずにピッチを走り、選手とコミュニケーションを取ることで試合全体のマネジメントを行っています。観ていて面白い試合では、審判が最低限のゲームコントロールだけを行い選手やクラブの特徴を上手に引き出しているんです。審判の動きがプレーに過度な介入を行っていないか注目しながら観戦すると、試合に対する理解度が深まり面白いかもしれません。
また、海外リーグや主要国際大会で導入されている、3Dでオフサイドを判定するシステムが今シーズンから導入されました。日進月歩で進化するテクノロジーによるジャッジも、Jリーグに大きな変革を与えるでしょう。


昔は考えられもしなかった戦術やプレーが次々と生まれ、年々アップデートされていく現代サッカーで、今のサッカーのトレンドや観戦のポイントを審判目線で分析。家本さんが注目したい5つのポイントとは?

開幕に向け戦力の補強をするために各クラブによる移籍情報が流れるなか、今年一番のビッグニュースとなったのは、やはり香川真司の移籍です。欧州の強豪でプレーし、約12年半ぶりに古巣であるセレッソ大阪に華々しく凱旋しました。
彼のような海外のベテラン組が国内のプレーヤーと化学反応を起こすことで、Jリーグ全体に新しい変化をもたらしてくれるのではないかと期待しています。

かつて「無敵艦隊」と呼ばれたスペインが確立したテクニック重視のパスサッカーの時代から、フィジカルを重視したサッカーが世界的なトレンドに変化。事実、国内の強豪クラブはフィジカルで勝負することを戦術の一部とし、前線からプレスをかけてショートカウンターで得点に迫るシーンも増えてきている印象です。
華麗なテクニックに目を奪われがちですが、一瞬の瞬発力や走り切る持久力、球際の力強さなど、今まで以上にフィジカルな部分が試合を決定づける瞬間が2023シーズンは多く見られるのではないでしょうか。


ここ数年間、優勝争いを繰り広げる横浜F・マリノスと川崎フロンターレは、多彩な攻撃力と堅牢な守備力を兼ね備える隙のないクラブで、優勝争いという視点ではまず名前が上がるでしょう。そんな神奈川の2強に対して、サンフレッチェ広島やサガン鳥栖、京都サンガF.C.のように、選手の運動量や球際の激しさなど、フィジカル面で強豪に立ち向かっていくクラブは思わず応援したくなりますね。ほかにもFC東京や鹿島アントラーズといった実力あるクラブが上位争いに加わった、スリリングなシーズン展開になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、ここ最近のJリーグでは各クラブのカラーに顕著に違いが現れています。優秀な選手や監督の実力を引き出すのは、クラブにフィットしているかどうか。コンセプトが明確なクラブは個々の選手のパフォーマンスもはっきりしていて総合力も高い。クラブのアイデンティティやマインドのピッチ内外での表現にも要注目です。

激しいコンタクトプレーやアタックで攻守がスピーディーに切り替わる試合は、審判をしていて難しさもありながら面白いと思いますし、ピッチから観客のリアクションを見ていても盛り上がりが伝わってきます。サッカーの魅力は連続性と変化。試合展開の数だけ観てる人をワクワクさせてくれますし、良い試合には流れや緩急のなか、常にゴールシーンの気配が存在しているのです。

審判は反則をジャッジするだけではなく、プレーの邪魔をせずにピッチを走り、選手とコミュニケーションを取ることで試合全体のマネジメントを行っています。観ていて面白い試合では、審判が最低限のゲームコントロールだけを行い選手やクラブの特徴を上手に引き出しているんです。審判の動きがプレーに過度な介入を行っていないか注目しながら観戦すると、試合に対する理解度が深まり面白いかもしれません。
また、海外リーグや主要国際大会で導入されている、3Dでオフサイドを判定するシステムが今シーズンから導入されました。日進月歩で進化するテクノロジーによるジャッジも、Jリーグに大きな変革を与えるでしょう。





というわけで、2023シーズンのJリーグで注目のポイントを、家本さん目線でご紹介していただきました。スタジアムに足を運んだことがない人も、熱狂的なサポーターの人も、ポイントを抑えて試合を観るとよりいっそうJリーグの面白さを味わえます。さらに白熱の予感がするJリーグ。ぜひ、試合観戦のときに注目してみてくださいね!
2024シーズンから、J1からJ3までの各カテゴリーに所属するクラブの数を20クラブに統一することが決定。このような構造改革に向け、2023シーズンは昇格・降格枠がともに増加しています。そのため、各リーグとも競争が激しくなり、さらに白熱したシーズンになると予想しています。
※ J3は省略しています。
20クラブ編成への変化を受けJ2からは昇格枠が3クラブに増加。J2では熾烈な争いが繰り広げられると考えています。高校サッカー界の名将・黒田剛監督を招聘するなど、大型補強を果たしたFC町田ゼルビア、昨シーズン降格となり、J1復帰をめざすジュビロ磐田にベガルタ仙台、古豪の大宮アルディージャやヴァンフォーレ甲府など、まさに群雄割拠。一体どのクラブが昇格の切符を手にするのか、最終節まで目が離せません。