サッカー番組を担当したことで人生が変わった! 『フィールドから発見したJリーグのすばらしさと魅力』 現場で体験したJリーグと日本サッカーの盛り上がり ~ 竹内由恵さん ~ 取材_牛島康之(NO-TECH) 撮影_赤澤昂宥 ヘアメイク_面下伸一(FACCIA) スタイリスト_井阪恵(dynamicdynamic) 制作_マガジンハウス

コロナ禍の影響で過密日程になっているものの、選手たちは依然、熱い戦いを繰り広げています。今回はJリーグも公認するほどの国民的人気番組『やべっちF.C. 〜日本サッカー応援宣言!〜』(以下『やべっちF.C.』)のMCを長年にわたり担当した“たけうっち”こと竹内由恵さんが登場。番組を担当した当時の大変だったこと、印象深かったこと、そしてJリーグをもっと盛り上げていくためのアイデアとは?

スタジアムに足を運ぶことが
いつしか気分転換になっていた

Jリーグ各クラブのサポーターの間では知らない人はいないであろう“たけうっち”。その理由は人気番組『やべっちF.C.』を担当していたから。本人曰く、入社当時でサッカーのルールも知らないままに担当を任されたので、戸惑うことも多かったそう。そんな当時の出来事を振り返りつつも、Jリーグに関する思いなどを伺っていきます。

Profile竹内由恵さん

1986年1月20日、東京都生まれ。元テレビ朝日アナウンサー。慶應義塾大学在学中の2006年には「ミス慶應」に選ばれ、2008年にテレビ朝日に入社。入社同年から2018年まで10年間『やべっちF.C.』を担当。同番組の卒業時には、当時のJリーグチェアマン村井満氏より、番組を通じてJリーグを盛り上げた功績をたたえ、感謝状が贈られた。2019年に結婚を機に退社、現在は静岡県に移住して、TVCMやバラエティ番組などで活躍している。

Future of Soccer

サッカーも何も知らない状態で
いきなり“ピッチリポーター”の担当に

「私は入社1年目で、サッカーの『サ』の字も知らない状態で『やべっちF.C.』に起用されました。当時は試合開催日にスタジアムに行って“ピッチリポーター”を任せてもらっていたのですが、サッカーを知らないので何を見たらいいのか、何を聞いたらいいかわからなくて(笑)。試合後は、番組用のインタビュー以外でも、自分から積極的に選手に話しかけるようにしなさいと番組スタッフからアドバイスをもらい、でもなんと声をかけていいかわからず緊張してしまい、『ゴールしましたね』と返しようのない質問をして選手を困らせていましたね(笑)。当時は番組スタッフも、サポーターの方もサッカーに詳しい人ばかりなので、『私なんかがサッカーの何を伝えられるのだろう……』と引け目を感じていました」

Future of Soccer

選手に顔を覚えてもらえて
声をかけてもらえるのが嬉しかった

「マイナスに考えても仕方がないので、自分は自分のできることをやろうと思いました。活躍したシーンやプレーに関することを聞くのはもちろんですが、選手の試合に対する想いやキャラクターがより伝わるような質問をしようと心掛けました。例えば久しぶりに試合に出場した選手がいれば、試合中の細かい仕草に注目して、そこから選手の試合に対する想いを引き出すとか。番組に言われた通りではなく、自分なりにインタビュー内容を工夫することで、試合を見るのもどんどん面白くなっていきましたね。毎試合、ピッチリポートをしていると選手にも顔を覚えてもらえて、声をかけてもらえるようになったのもモチベーションにつながりました。また番組を見ている各クラブのサポーターの方々もすごくアットホームで。『いつも番組見てるよ~』『頑張ってJリーグを盛り上げて~』と温かい声をかけてもらうたびに、自分がサッカーファミリーに加えてもらえたみたいで、すごく嬉しかったのを覚えています」

YOSHIE TAKEUCHI

Jリーグで活躍して
海外でプレーする選手への
貴重なインタビューも
いい思い出

「私が一番最初にインタビューした選手が、当時まだJリーグに在籍していた岡崎慎司選手(現リーガエスパニョーラ1部SDウエスカ所属)でした。何年後かに取材したときに岡崎選手に『竹内さんの最初のインタビュー相手って僕なんですよね?』と言われ、そのことを覚えてくれていて。同い年の岡崎選手に、“まだまだお互い頑張ろうね”と声をかけてもらったときはすごく嬉しかったですね。また当時FC東京に所属していた長友佑都選手も、最初はゴリラの真似とかしてくれていたのですが(笑)、海外でのプレーなど私に伝えてくれた自分の人生プランを有言実行し、スターの階段を上っていく姿は本当にすばらしいなと思いました」

Jリーグで活躍して
海外でプレーする選手への
貴重なインタビューも
いい思い出

「私が一番最初にインタビューした選手が、当時まだJリーグに在籍していた岡崎慎司選手(現リーガエスパニョーラ1部SDウエスカ所属)でした。何年後かに取材したときに岡崎選手に「竹内さんの最初のインタビュー相手って僕なんですよね?」と言われ、そのことを覚えてくれていて。同い年の岡崎選手に、“まだまだお互い頑張ろうね”と声をかけてもらったときはすごく嬉しかったですね。また当時FC東京に所属していた長友佑都選手も、最初はゴリラの真似とかしてくれていたのですが(笑)、海外でのプレーなど私に伝えてくれた自分の人生プランを有言実行し、スターの階段を上っていく姿は本当にすばらしいなと思いました」

週末のルーティーンの
スタジアム観戦も
自分の癒しや
リフレッシュできる環境に

「私のテレビ朝日でのアナウンサー人生は11年間だったのですが、そのなかでも10年間担当したのが『やべっちF.C.』でした。だから、Jリーグの試合が開催される週末はスタジアムに行くのが生活の一部になっていたんです。都会の喧騒を離れた場所にあるスタジアムも多かったので、ピッチの傍に立つと景色もいいし自然を感じられて、仕事じゃないみたいな感じで気分転換できました。思い出に残っているのは柏レイソルのホームスタジアム(現三協フロンテア柏スタジアム)。すごくきれいな夕日が見られるスタジアムで、毎回うっとりしていました。そういった景色を見ると仕事で落ち込んでいたときや悩み事があったときも、いい意味でリフレッシュできましたね。なによりも戦っている選手たちの姿を見ることで励まされ、私自身助けられた感じがします」

YOSHIE TAKEUCHI

選手が成長していく姿を
間近に見ると
感慨深いものがあります

「自分がインタビューしたり、取材した選手は今でも気になりますね。そのなかでも現在セレッソ大阪で活躍する清武弘嗣選手は印象に残っています。2012年にそれまで欠番だったセレッソ大阪のエースナンバー“背番号8番”を継承したときに、番組のコーナーである『なべっち』に来ていただきました。そのときも『ずっと、やべっちF.C.出たかったんです!』と終始ニコニコしていて、家族の話とかサッカーの話をされていて……。コーナー中、ずっとほっぺたが赤くて、勝手に“可愛らしい弟”みたいだなぁと感じていました(笑)。その好青年が、海外から戻ってきてセレッソ大阪でキャプテンになって、苦しい時期を経て成長している姿を見ると、グッとくるものがありますね。ホントお姉ちゃんとかお母さん目線ですけど(笑)」

Future of Soccer

女性ファンがグッとくるのは
選手の素顔や
キャラクターを感じたとき

女性ファンがグッとくるのは
選手の素顔や
キャラクターを感じたとき

「Jリーグを盛り上げていくには、サッカーが好きな固定ファンだけでなく、私のようにサッカーを知らない女性も取り込んでいく必要があるのかなと思います。番組を担当していて、女性やサッカーファン以外からの評価が高かったのが『デジっちが行く!』というコーナーでした。選手の素顔やおちゃらけている場面が多いのですが、試合でプレーしているときとのギャップがすごいんです。だからこそ、そういった選手の素の部分を映した動画を各クラブが配信することで、もっと女性ファンを獲得できると信じています(笑)。『やべっちF.C.』は卒業しましたが、Jリーグを卒業したわけではないので、これからも個人的にJリーグを応援し続けます!これからは積極的にスタジアムにも足を運びたいですね!」ワンピース 19,000円(RAW FUDGE/PEACH TEL. 03-5411-2288)
ピアス 12,000円(ナチュラリ ジュエリ/NATURALI JEWELRY 新宿高島屋店
TEL. 03-3351-5107)