Jリーグ最前線レポート 『クローズアップJプレイヤーズ!』 一流現役選手が語るサッカーの魅力 ~ジュビロ磐田 川又堅碁さん~ 取材_牛島康之(NO-TECH)/ 撮影_関竜太 / 制作_マガジンハウス

明治安田生命Jリーグ2019シーズンも中盤戦に突入。お気に入りのチームの勝ち負けに一喜一憂しているサポーターの皆さんも多いかと思います。先月より鹿島アントラーズの内田篤人選手を皮切りにスタートした本企画。今回も注目の現役選手のインタビューを敢行しました。シーズン中だからこそ語れる本音、そしてJリーグや所属チームに関して根掘り葉掘り伺ってきました。

フォワードのみぞ知る
「ゴール」への感覚

現在はジュビロ磐田でも替えのきかないフォワード、日本でも稀有なフィジカルと得点感覚を持ち合わせる、川又堅碁さん。現在は怪我の影響から出場時間こそ少ないが、虎視眈々と定位置確保を狙っている。もちろん、その先に見える日本代表という高みを目指す川又さんに、現在の自分の状況や、自分が感じる得点感覚に関する思い、そしてプライベートなことまで、トコトンお話ししていただきました。

Profile 川又堅碁さん

1989年10月14日生まれ。愛媛県西条市出身。小松高校在学中の2006年、地元の愛媛FCの特別指定選手に登録される。高校卒業後はアルビレックス新潟に入団。ファジアーノ岡山、名古屋グランパスを経て、2017年からはジュビロ磐田にチームを移し、フォワードとして存在感を見せる。日本人離れしたダイナミックなプレーが持ち味で、泥臭くもこぼれ球をゴールに押し込む姿は、ジュビロ磐田のレジェンドこと中山雅史さんの姿も彷彿とさせる。森保監督の新生日本代表のアジアカップメンバーにも選ばれたが、怪我で離脱した経験も。

Close Up Players KENGO KAWAMATA

いいプレーを観るだけではだめ!

「現在のJリーグは、外国人選手の枠が拡大(1チームにつき外国人選手の登録は無限、1試合に5人までエントリー可能)されて、レベルが上がってきているなと感じます。観ている側もそれは感じられると思うし、なにより観ていて楽しいですよね。ただ、プレーしている側は、レベルの高いプレーを見ていて参考にはなりますが、自分が上手くなるわけではないので、より一層、自分を高めていかないといけないなと思います。実際に自分で動いてみないとわからない部分はあるので、いいプレーを見て、自分で動いてみて自分の中にどう活かしていくか……が大事だと思いますね」

Close Up Players KENGO KAWAMATA

J2での経験が大きな自信と
ターニングポイントに

「自分の中でターニングポイントになったのはアルビレックス新潟に所属していた時期に、J2のファジアーノ岡山にレンタルされたことですね。前年に23試合ぐらい出場して、得点は取れなかったんですが、来年も同じ感じでやれば結果が出せるかなという時に、レンタルのオファーをもらって。すごく迷いましたが、代理人が背中を押してくれてファジアーノ岡山にお世話になることを決めました。その次の年にファジアーノ岡山で18点取って、J1でやるという挑戦権を自分でもぎ取って自信になったのが、大きな転機になった気がします」

KENGO KAWAMATA

日々の努力で引き寄せる
得点への「慣れ」

「自分はフォワードなので、なによりも得点を取ることを求められているのですが、得点を取ることに慣れるということは大事だと思います。1点取れば波に乗るというか、脳がゴールを取ることに慣れる感覚になってきます。自分もそういった選手なので、早く1点が欲しいなと思いますね。波に乗ってくると、勝手にボールが目の前に転がってくることもあるほど。こぼれ球がどこに飛んでくるかを予測していても、正直ほとんど予測した場所にボールは来ません。ただ、波に乗っていると1発目でそこにボールが来るんです。逆に勢いがないと20回目にそこにボールが飛んできます。得点を取っている選手は勢いがあるといいますが、今までの経験とか日々の努力で、その20分の1回目を引き当てている選手もいるので、そうなれるように日々自分を高めていかなければいけないんですよ(笑)」

Close Up Players KENGO KAWAMATA

目指すはもちろん“日本代表”
しかし学ぶべきことはまだ沢山!

「目指すところは、やはり日本代表です。またチャレンジしていきたいですね。代表でトレーニングするだけでもいい刺激はもらえますし、楽しいですね。自分が動き出したら、必ずそこにパスが出てきたり、思わぬところで“あっ、ここでこんなパスを出してくれるんや”とか感じることも沢山あります。また他国の代表チームと国の誇りをかけて試合をするわけですから、フィジカルの部分や球際のところで、普段感じないパワーや圧力、集中力の高さを感じたりすることも、自分にとってはプラスになります。だからこそ、チームで結果を残して、いつでも呼ばれるようにしていきたいです」

KENGO KAWAMATA

週1のヘアサロン、
そしてひたすら寝る!
サッカー以外の大切な2つのこと

「髪型も注目されることが多いですが、ヘアサロンには週1ペースで通っています。気分転換にもなりますしね(笑)。試合前には必ずサロンに行くことが、自分の中でルーティンになっているぐらい。特に自分からオーダーすることはなくて、いつもサロンの方にお任せでやっていただいています。今回は色を入れただけなんですが、それでもだいぶ雰囲気が変わったと思います。ただ、すごく髪の毛が傷むので、トリートメントもしてもらいました(笑)。髪型だけでなく、プレーでも目立てるようにしていきたいですね。サッカー以外でのリラックス法は、寝ることです(笑)。一生懸命練習して、クタクタになってから長い時間寝て、朝起きた時の幸福度はハンパないですね。睡眠の質を高くするために、オーダーで自分専用の枕も作ったぐらいです。例えば、15試合点が取れてなくても、寝付けなくなることはないです(笑)。寝ることで忘れて、しっかり切り替えるタイプなので」

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勝利こそJリーグを
盛り上げていく!!

勝利こそJリーグを
盛り上げていく!!

「Jリーグを盛り上げていくためには、もっともっと自分のチームが勝たないとダメですね。いい試合をしても結局、負けてしまったのでは意味がないんです。磐田以外にもいろいろな地方のチームがあると思うのですが、地元のチームが勝つことで盛り上がる部分もあると思うのです。やっぱり応援するなら強いチームがいいですからね。そうやってチームが勝っていくことで、サポーターも喜んで応援してくれるし、サポーターが盛り上がれば地域も活性化すると思います。チームが勝つためには、やはり自分が点を取らなければいけないので、チームの勝利に貢献できるように、これからも自分を高めていくだけです」