Jサポーター美女と一流選手の夢の対談が実現! 『今後もJリーグを盛り上げていくには?』 特別対談企画 〜 中村憲剛さん×中川絵美里さん 〜 取材_牛島康之(NO-TECH) 撮影_関竜太 制作_マガジンハウス

現役選手とJサポーター美女の夢の対談が実現! 今回は川崎フロンターレの中村憲剛選手と『Jリーグタイム』キャスターとして活躍中の中川絵美里さんが、Jリーグの魅力や今後Jリーグを盛り上げていく方法を話し合いました。サポーター想いの中村憲剛選手の言葉は必見です。

これだけ選手に想われる
サポーターの皆さんが
本当に羨ましい

中川絵美里(以下E):今年チームのみなさんが地元の商店街へ挨拶回りされる様子を取材させていただきましたが、川崎フロンターレはサポーターとの距離が特に近い気がしました。

中村憲剛(以下K):すごく近いと思います。それは僕自身が、他のチームからやってきた選手ではなく、J2の時代から川崎フロンターレで育った人間なので、これが当たり前と思っているところはあります。昨シーズンは、やっとJリーグ優勝というタイトルを味わえたので、今季もまた、同じ喜びをサポーターのみんなとともに味わいたいですね。当然のことですけれども。

E:(中村)憲剛選手がそういった気持ちだからこそ、他の選手も同じようにサポーターを大切にされるんですね。これだけ選手に想われるサポーターの皆さんが本当に羨ましいです。

K:こういった部分はこれからも継続していくべきところだと思います。ただ、クラブスタッフに何でもやらされる覚悟じゃないとキツいですが……(笑)。

Profile 中村憲剛さん

1980年生まれ。川崎フロンターレ所属。ポジションはミッドフィールダー。オシム監督、ジーコ監督、岡田監督時代には日本代表にも選出された。2016年には歴代最年長の36歳でJリーグ年間最優秀選手賞を獲得。昨シーズンは念願のJリーグ優勝を達成し、涙したシーンは記憶に新しい。昨シーズンに400試合出場も達成するなど、鉄人ぶりも発揮。今年は初の連覇を狙う。

Profile 中川絵美里さん

1995年生まれ。清水エスパルスのお膝元であるサッカーどころ、静岡県静岡市清水区出身。小さい頃から歌と踊りが好きで、以前はプロスポーツチームのチアリーダーとしても活躍。現在はフリーキャスターに転向し、現在はNHK BS1で放送中の『Jリーグタイム』のキャスターを担当。サッカーの取材を通して、サポーターや選手の言葉に感銘を受けることもしばしば。

Future of Soccer

その熱が冷めないうちに
また観に来てもらいたい

E:(中村)憲剛選手は試合後もLINEブログやTwitterなどをマメに更新していますが、なにか意図する部分はあるのですか?

K:やっぱり、試合を観に来たくても来られなかったサポーターや、実際に試合を観に来てくれたサポーターにも、その熱が冷めないうちにまた観に来てもらいたい、共有したいっていう気持ちがあるので。ただ、家では子供や奥さんに“まだスマホいじってるの?”って怒られちゃいます(笑)。

E:そういう気持ちでいてくれる選手がいるのは、本当にサポーターにとっても嬉しいと思います。

Future of Soccer

E:毎年注目されているのが、(中村)憲剛選手のゴールパフォーマンス。その直後は本当にスタジアムが盛り上がりますよね。

K:毎年『やべっちF.C.』の「デジっちが行く!」のコーナーで登里(享平)選手が、いい流れを作ってくれているので、本当に登里様様です。確かに、パフォーマンス後は歓声が違いますよね。元ネタのバイク川崎バイクさんと対談した時に「自分より盛り上がってる……」と嫉妬されましたからね(笑)。ただ、パフォーマンスするのはもっと点を取るポジションの人がやればいいと思っています。自分は中盤ですから。

KENGO NAKAMURA & EMIRI NAKAGAWA

こんなにサポーター想いの
選手が
いることに改めて感動

E:パフォーマンスといえば、(中村)憲剛選手はコーナーキックの時も両手を挙げて、サポーターを煽ってますよね。

K:よく見てますね!あれもいつもやるんじゃなくて、チームが負けていてみんなを鼓舞したい時にサポーターの力を借りたくてやっているんですけど、あれで乗ってくれると本当に勢いがつくんです。

E:そういった意味でもサポーターと一体になって戦っている感じになりますよね。

K:そうなんです。だからこそ今季もサポーターとともに昨シーズンと同じ景色を見たいんですよ。

E:いつもは試合後のコメントとかあわただしい状態での取材が多いので、今回ゆっくり腰を据えてお話をうかがうと、こんなにもサポーター想いの選手がいることに改めて感動しました。

Future of Soccer

E:世界的サッカーの祭典で日本代表が躍動しました。その前後で海外の有名選手が移籍してくるなどJリーグ自体も注目を浴びていますが、(中村)憲剛選手自身はどう感じていますか?

K:ホームはもちろんですが、アウェーでもスタジアムに人が入っているなというのは感じますね。集客のみならず各クラブの雰囲気や歓声も、正直「アウェーだな……」って感じることが増えています。でも、そうなってくれないとJリーグ自体が盛り上がらないと思いますね。やはり自分の地域のチームが盛り上がればその地域がどんどん活性化していくと思うので、クラブはそこも意識しながら、チームを強化して欲しいです。ピッチの中と外、両方ですね。いろんな影響が出ると思いますし。

E:やはり地元のチームが強いと応援したくなりますよね。

KENGO NAKAMURA & EMIRI NAKAGAWA

Jリーグのレベルを上げないと
日本のサッカーは
強くなっていかない

K:有名選手の新加入に関して言えば、アンドレス・イニエスタ選手やフェルナンド・トーレス選手が来たことで、ヴィッセル神戸やサガン鳥栖の選手は、二人の所作を見て、学べるところがたくさんあると思います。もちろん、自分も対戦することでそれを見て感じていきたいですね。とにかく、プレーで会話ができるようにしたいです。

E:確かに、『Jリーグタイム』の視聴率も世界的サッカーの祭典後に増えたみたいで……(笑)。なにより同じピッチでプレーする選手の皆さんが学べることは大きな収穫ですね。そうやってどんどんJリーグが盛り上がっていくといいですね。

K:今は海外で活躍する選手も多いですよね。もちろん海外に行くことも必要ですが、それと同じくらいJリーグのレベルを上げないと日本のサッカーは強くなっていかないと思います。

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E:長年活躍されている(中村)憲剛選手が感じる、Jリーグの魅力はどういった部分でしょうか?

K:言い方は良くないかもしれませんが、どのチームが優勝してもおかしくないところです。だからこそ、最後まで優勝争いや残留争いが盛り上がるんだと思います。応援するサポーターも優勝がどこかわからないからこそ非日常を体験できて、感情が爆発する。だからこそ勝っても負けても、地元のチームを応援し続ける熱いサポーターも増えてきていると思います。Jリーグが開幕して25年が経ちましたけど、文化として地域にJリーグが息づいてきているんだなと感じましたね。

E:私もそんなJリーグに少しでも携われているのが誇りでもあります。これからもともにJリーグを盛り上げていきましょう。

KENGO NAKAMURA & EMIRI NAKAGAWA