あのヒトの愛犬、愛猫に会いたい ワン!ニャン!!家族帖 犬と猫と、理想の暮らし ~ユピとピガと、猫沢さん~

やっぱり猫が好き。もちろん犬だって。みんな思わずほっこりしてしまう愛犬、愛猫を愛くるしい表情と共にご紹介。飼い主様にもクローズアップして、その暮らしぶりから時に涙も笑いも伴ったエピソードまで、“家族”としての実像を優しくレポート。

アーティストと
愛猫の心地よい関係

1990年代からミュージシャンとして活動し、何冊も本を出版する文筆家であり、フランス文化を伝えるフリーペーパーの編集長を務める猫沢エミさん。その印象的なアーティスト名に加え、アーモンドアイの大きな瞳と飾らないチャーミングな人柄は、まるで猫そのもの。実生活では、初代愛猫ピキ(享年13年)と渡仏してパリで暮らし、現在は2代目愛猫ピガと3代目愛猫ユピの2匹と、東京の下町で暮らしている。人生の大半を猫と歩み、それを心から愉しんでいる猫沢さんのペットと豊かに暮らす秘訣とは?

Profile 猫沢エミさん

ミュージシャン、エッセイスト。福島県出身。1996年にコロムビア・トライアドレーベルよりデビュー。愛猫と2002年渡仏してパリで5年間過ごし、その後帰国。音楽活動のほか、作家、映画解説、フリーペーパー『Bonzour Japon』編集長など、文筆業でも活躍。現在はパリと東京を行き来しながら、ジャズ・コンボバンド『Emi NECOZAWA&Sphinx』 、超実践型フランス語講座『にゃんフラ』を主宰。最新刊『フランスの更紗手帖』がパイ インターナショナルより発売中。
instagram @necozawaemi

ユピテル[愛称/ユピ](雑種、5歳、男の子)。猫沢家の3代目愛猫。Twitterで保護猫の里親募集を見て、家族として迎え入れる。性格は人懐っこく、甘えん坊の弟気質。名前の由来は、木星のように美しい虎模様からきており、英語ジュピターのラテン語読み。毎日、猫沢さんの入浴時に、風呂ふたの上でくつろぐのが日課。

Profile 猫沢エミさん

ミュージシャン、エッセイスト。福島県出身。1996年にコロムビア・トライアドレーベルよりデビュー。愛猫と2002年渡仏してパリで5年間過ごし、その後帰国。音楽活動のほか、作家、映画解説、フリーペーパー『Bonzour Japon』編集長など、文筆業でも活躍。現在はパリと東京を行き来しながら、ジャズ・コンボバンド『Emi NECOZAWA&Sphinx』 、超実践型フランス語講座『にゃんフラ』を主宰。最新刊『フランスの更紗手帖』がパイ インターナショナルより発売中。
instagram @necozawaemi

JUPITER with Emi Necozawa

JUPITER

DOG&CAT

時代を超えて
アーティストに愛される動物

向田邦子、池波正太郎、ヘミングウェイ、バルテュス、藤田嗣治──。猫沢さんが愛する作家や芸術家には、なぜか猫好きという共通点がある。「精神性のどこかが共通しているのかも知れません。奔放な生き方をしている人が多いですが、みな自分を厳しく律して、自分のルールと美学にのっとって生きた人達です」。様々な創作活動で自己表現をする猫沢さんも、先人達と共通する何かを、猫から感じとっているのかも知れません。

JUPITER

DOG&CAT

「間」のつくものに
マッチングする猫

あるとき曲を考えていると、ふと“猫は休符である”と思ったそう。そのときどきで、四分休符、八分休符、全休符と違うけど、猫は「空間をうめる休符」「時間をわかつ休符」「人間をいやす休符」であると。同時に、空間、時間、人間など「間」のつくものにマッチングする生き物だと気づく。存在感はあるけど、気配を隠すのが上手な猫。ミュージシャンの猫沢さんらしい感覚で、猫との暮らし=「間」を楽しんでいます。

JUPITER with Emi Necozawa

JUPITER

DOG&CAT

生き物として尊重する
フランス人のペット観

一緒に渡仏した愛猫とのパリ暮らしで、フランス人と日本人のペットとの関係性に違いを感じた猫沢さん。「日本人は手厚くかわいがり、飼い主の想いが強い。フランス人は、動物は動物、人は人という考えでありながら、ひとつの生き物として動物を尊重しています」。またフランスには猫好きが多く、飼い主と猫が対等な関係を築いているそう。猫を飼っているのではなく、パートナーとして一緒に暮らしている感覚なのだとか。

PIGAPÏNGÉRIE with Emi Necozawa

シャイで哲学家の2代目愛猫 ピガピンジェリ(雑種、6歳、男の子)。愛称はピガ。名前の由来は、猫沢さんが構想を温めている小説の主人公から。

猫本来の姿が垣間見える多頭飼い

猫沢家は、2代目愛猫ピガと3代目愛猫ユピが一緒に暮らす多頭飼い。仕事柄パリに出張する機会が多い猫沢さんは、ピガの相棒にユピを迎え入れます。多頭飼いは猫同士の相性が合わないと修羅場になるので、個々のキャラクターを見極めることが大切だそう。「ピガの性格上、ほかの猫も大丈夫と予測していましたが、実際に会わせるまでは不安でした」。猫沢家は多頭飼いにしたことで、猫同士の社会性や絆が生まれたようです。

シャイで哲学家の2代目愛猫 ピガピンジェリ(雑種、6歳、男の子)。愛称はピガ。名前の由来は、猫沢さんが構想を温めている小説の主人公から。

猫が元気なうちに考える

病は突然やってくるので動転しないよう、病院など万が一の場合の対応施設は予め探しておきましょう。

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DOG&CAT

愛猫と暮らす上で気をつけていること

猫沢さんは初代愛猫が大病した経験から、信頼できる動物病院や24時間対応の動物病院を探しておくことが大切だと言います。「愛猫が病気になったらセカンドオピニオンを遠慮せずに求めるのも重要です。獣医師によって診断や診療方針が違うことがあるので」。最近はペット保険が充実しているので、転ばぬ先の杖として愛猫にあった条件やオプションを吟味し、きちんと保険に入っておくこともおすすめしています。

愛猫は息子であり
最良のパートナー

「ピガとユピを息子のように思っています」。2匹と親子のような関係を築きながら、過干渉にならない良きパートナーとして暮らす猫沢さん。フランスの生活でふれた、ペットとの自然な関わり方を知り、飼い主と飼い猫ではなく、あくまでも独立した個体として対等に付き合っています。猫沢さんの人にも猫にも心地いい尊重した関係は、これからのペット暮らしの参考になりそうですね。