LiLiCo流、幸せな人生の泳ぎ方 『マイナスをプラスに転換する発想法』 私の幸せは私が決める! ~ 映画コメンテーター  LiLiCoさん ~ 取材_藤田佳奈美 撮影_赤澤昂宥 制作_マガジンハウス

撮影中、白いリネンのカーテンがふわっと風になびいた瞬間、「窓の外を見て、いい青空。風が気持ちいいね」と、笑顔でスタッフに話しかけるLiLiCoさん。現在の活躍に至るまで、家庭崩壊や壮絶ないじめ、ホームレス経験など、人生の辛酸を人一倍なめてきたからこそ、LiLiCoさんは日常のささやかな幸せも見逃さない。「どんな小さな幸せも大きく捉えることが得意なの」そう言って現場の空気を明るく醸成します。そんなLiLiCoさんに、人生を幸せにするヒントについて伺いました。

マイナス思考に陥るのは“自分視点”だから

どんな逆境にもめげず、ポジティブなパワーで猪突猛進するLiLiCoさん。波瀾万丈な人生の谷を、一体どう乗り越えてきたのでしょうか。

「『あの経験があったからこそ今がある』なんて後からいくらでも言えるけど、人生しんどい渦中にいる時はなかなかそう思えないですよね。でも、そんな時こそ、客観的視点を意識してください。物事は自分を取り巻くたくさんの因果で成り立っている。自分の視点だけで考えると不幸かもしれないことが、多くの人の立場や考えに寄り添ってみることで、そうじゃないかもしれないって気付くことができる。マイナス思考になっている時は、ひとりよがりになっている時かもしれません。成功している人と自分を比較して嘆くのはやめましょう。成功している人の特徴を分析しましたか? 物事を広い視点で捉えられるようになったら、どんなこともポジティブに転換できるのではないでしょうか。それに、歳を重ねると経験があるから乗り越えられることが確実に増えていくんですよ。だからきっとどんなことが起きても大丈夫。私はそうやって乗り越えてきました」

Profile

LiLiCoさん

1970年スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日、1989年から芸能活動スタート。TBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとして出演、フジテレビ「ノンストップ!」J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」など、出演番組も多数。アニメ「サウスパーク」のエリック・カートマン役など声優やナレーション、女優などマルチに活躍する映画コメンテーター。ファッションにも意欲的に取り組み、ジュエリーのデザインやプロデュースも手掛ける。

Special Interview LiLiCo

幸せを与えてもらおうとするな、自分で掴み取りに行け!

番組のプロデューサーや制作会社に直接売り込みに行き、時には自ら企画を持ってプレゼンするなど、やりたいことに対して能動的にアプローチしてきたLiLiCoさん。「自分の幸せは待っててもやってこない」と話します。

「私は鳴かず飛ばずの時代が長くて苦労したので、仕事がとても大切だし、生きがいなんです。そして仕事も待ってたってやって来ないのを知っている。だからこそフットワークの軽さで仕事をとってきたんです。いつ誰から誘いが来てもすぐ駆けつけられるように、化粧は就寝ギリギリまで落としません。仕事関係者やつながりたい人がいる場に呼ばれたら、断らずに必ずすぐに行く。もちろん、下心ありきですよ。プライドなんてくだらない、自分の気持ちに素直になって。私は嫌われる勇気を持って自分ができることややりたいことを伝えていますよ」

ネガティブなイメージに乗っかったら、未来の扉が開いた

LiLiCoさんはオーディションに落ちても、必ず受かった人の特徴を分析し、自らダメ出しを受けることも大切にしているそう。今のLiLiCoさんを形成するのに大きく関係している、思い出深いフィードバックについて教えてもらいました。

「テレビに出演したばかりのころ、私の迫力ある見た目から『モンスター』『野獣』ってイジられてました。私もそう思うって納得する反面、心のどこかではやっぱりそれが受け入れられなくて傷ついてたんですけど、とある人に『それに乗っかれ』って言われて。それで、からかわれた時に試しに『ガオーッ!!』って猛獣みたいなリアクションで返してみたら、それがウケて。そこから自分が売れていった感覚がありますね。あの時のアドバイスを素直に受けて良かったと思いました。だから今でもフィードバックを受けることを大切にしていて。もちろんいつでもフィードバックをもらえるわけじゃないから、自分で分析することもしますよ。何かのコンテストで優勝した人がいたら、その人を見て分析しないと優勝できなかった自分は成長しないから。でも大切なのは、コンテストで優勝することより、自分が成長すること。だからフィードバックは積極的に受けてほしいですし、もらえなければ分析してほしいです。それが未来の自分をつくるから」

Special Interview LiLiCo

誰かのためは自分のためと思えたら、幸せはすぐそこ

何事にもストイックなLiLiCoさん。多忙をきわめても家事ですら旦那さんに頼らずほとんどひとりでこなしてしまうほど。自分に厳しいと、つい他人にも厳しい目を向けがちですが、人に期待せず優しくいるためのコツは?

「誰かのためにしたことは、自分のためにしたと思うこと。誰しも自分の幸せを優先したいと思いますが、人の幸せを願って応援できる人は強いと思います。私は人と人をつなげるのが好きで、誰かが困っていたら『こんな人いるよ』って紹介しますよ。みんなが幸せになってくれればいいなって思っているし、いずれ巡り巡って自分にもその恩恵がやってくる時がある。もちろん、何もないこともあるけど、でも周りがハッピーだと私もハッピーだから」

彼がいなくなっても『ありがとう』って言える

結婚、離婚、再婚。酸いも甘いも経験してきたLiLiCoさん。2017年、歌謡グループ「純烈」の小田井涼平さんと結婚したLiLiCoさんは、今の結婚生活をどう捉えているのでしょうか。

「たとえ明日、彼が出て行ったとしても『幸せな時間をありがとう。楽しかったよ』って送り出せる自信があります。別れてしまった結果だけ見るんじゃなくて、その時自分がどう感じて一緒に過ごしていたかで判断したい。大切なのは、自分が幸せだったかどうか。私はいまだに自分にコンプレックスを感じているんですけど、それでも彼は『キレイだよ』って私をまっすぐ見て言ってくれるから、私は本当に今幸せですよ」

 相手の気持ちを信じなくていい。自分がどう思うかが大切

相手の気持ちを信じなくていい。自分がどう思うかが大切

誰かを愛し続けることや愛され続けることが簡単ではないなかで、LiLiCoさんはどう小田井さんと幸せを育んでいるのでしょうか。

「信頼関係の構築は大切だと思うけど、人の気持ちは不変ではないから、あえて信じる必要はないんじゃないですかね。だって、自分を信じられない時ですらあるわけだし。相手を過度に信じたり、期待したりしない。と、言いつつ、昔は『旦那は私の悪口を絶対に言わない』って信じていましたよ。でも、とある番組で旦那にドッキリを仕掛けたら、思いっきり私の悪口を言ってました(笑)。そんなものです。ですから、相手の気持ちは受け止めるけど、相手の気持ちに全力で寄りかからず、自分の気持ちをしっかり持っておきたいですね」

いろんな視点を持てば、いつだって人生はハッピーに!

先行き不透明な時代だからこそ、不安も大きい中、人生を幸せな気持ちで泳いでいくには? LiLiCoさんは「多角的な視点を持てば、どんな時もハッピーになるよ」と教えてくれました。

「純烈は地方公演が多かったのですが、コロナ禍ですっかり無くなってしまって。でも、おかげで小田井は映画に出演することができました。新たな経験をすることができたんです。何が言いたいかと言うと、失ったものにフォーカスするのではなく、そこから得ることもあるし、むしろ制約ができたことで新たな可能性が広がったことって多いと思うんですよ。例えばコロナで舞台がオンライン観劇も可能になり、会場のキャパを気にせず、より多くのお客さんに見てもらえるチャンスが増えましたよね。ですから、どんな状況に立たされても、発想の転換次第でビジネスチャンスや人生の可能性を広げることができる。そういう視点を持てると、人生はどんどん豊かになっていくんじゃないかな」※2021年 12月21日取材

先行き不透明な時代だからこそ、不安も大きい中、人生を幸せな気持ちで泳いでいくには? LiLiCoさんは「多角的な視点を持てば、どんな時もハッピーになるよ」と教えてくれました。

「純烈は地方公演が多かったのですが、コロナ禍ですっかり無くなってしまって。でも、おかげで小田井は映画に出演することができました。新たな経験をすることができたんです。何が言いたいかと言うと、失ったものにフォーカスするのではなく、そこから得ることもあるし、むしろ制約ができたことで新たな可能性が広がったことって多いと思うんですよ。例えばコロナで舞台がオンライン観劇も可能になり、会場のキャパを気にせず、より多くのお客さんに見てもらえるチャンスが増えましたよね。ですから、どんな状況に立たされても、発想の転換次第でビジネスチャンスや人生の可能性を広げることができる。そういう視点を持てると、人生はどんどん豊かになっていくんじゃないかな」※2021年 12月21日取材