気さくで明るい笑顔が印象的な大沢あかねさん。ところが彼女は「私は全く根明ではなくて、友だちも多くない」と、パブリックイメージとのギャップを感じさせる、リアルな自身の姿を語りました。そんな大沢さんの笑顔の源は、愛する5人の家族。何よりも結婚してから10年以上経つ今でも、夫である劇団ひとりさんのことをリスペクトしている様子が随所で伝わってきます。別々の道を歩む選択をする夫婦が少なくない中で、パートナーを愛し続け、家庭円満でいるための秘訣について伺いました。
劇団ひとりさんが「パパ役・友だち役・パートナー役と三役担っている」と語る大沢さん。子どもを持つとパパ・ママ役にそれぞれ徹してしまうことが多い中で、限定的ではない関係性をどのように築いているのでしょうか。
「私が彼にいろんな役割を求めるから応えてくれているんだと思います。私は子役時代から身の回りのことはマネージャーさんがやってくれることが多かったので、世間知らずなところもあって。友だちも少ないし、教えてくれる父親もいない。彼はそういう私の背景を理解してくれました。無知な私をバカにすることなく、父親のようにやさしく教えてくれます。私が愚痴をこぼしても、友だちのように聞いてくれるし、笑いに変えてくれます」
お互いを大切に思うからこそ、家族の役割に縛りつけることなく、子どもを持っても自由な関係性を築けているようです。
1985年8月16日生まれ、大阪府出身。1994年、子役モデルとして芸能界デビュー。13歳の時に、NHKの子供番組『天才てれびくんワイド』にて『てれび戦士』としてレギュラー出演。2001年『ピチレモン』の専属モデルに。以後バラエティ番組を中心に活躍。2009年2月4日、自叙伝『母ひとり、娘(こ)ひとり』(幻冬舎)を出版。同年2月16日、劇団ひとりさんとの結婚を発表。現在3児の母。2021年は13年ぶりに女優業を再開させ、現在撮影中の作品は年末に放送予定。
ずばり、夫婦円満の秘訣を聞くと「距離感を保つこと」という回答が。
「お互いひとりの時間を大切にしています。そして、お互いの仕事やプライベートに踏み込み過ぎない、干渉しない。彼とふたりだけの時間があっても、多分それぞれ別で過ごすと思います。子どもが3人もいるのでどうしてもメンタルにきてしまう時もあるのですが、彼が帰宅後子どもの面倒を見てくれて、私のために自由な時間を作ってくれるんです。家族を持つとひとりになる瞬間ってなかなかないからこそ、自分だけの時間を持つこと、そのためにお互い距離を保つことは、夫婦円満に欠かせないポイントになりました」
夫婦で長く一緒に過ごすと、つい感謝の気持ちを忘れがちに。大沢さんはどんな瞬間でも劇団ひとりさんに対するリスペクトがあります。
「私からすると、いつまでたっても優しくて真面目でおもしろくて、できた人なんです。だからこそ、嫌なところを見ないようにしています(笑)。必要以上に踏み込まない。好きだと相手のことをもっと知りたいって思う感情はありましたけど、無意識でコントロールしているのかも?とにかく距離感、本当に大事です!」
仕事と家庭の両立がしんどいワーキングマザー。大沢さんはどのようにしてワークライフバランスを保っているのでしょうか。
「私は仕事が好きなので、1人目出産後は早く仕事復帰したんです。でも、保育園の先生から子どもの成長を聞く感じだったので、子どもの大事な時期を見逃してしまった気がしました。なので、2人目は3歳くらいまで自分で見ようと思って。ブランクができることでキャリアが分断してしまうのではという不安もありました。でも、しっかり子どもと向き合ってから仕事復帰したら、仕事も家庭もうまくいって。仕事で笑顔だと家庭でも笑顔になった。メリハリをつけることが大事なんだと思いました」
「ママだから我慢しなきゃと思っている女性が多いけど、やりたいことをやってほしい」と語る大沢さん。時間も体力もない中でも、自分のための時間を作ることは仕事や家庭に良い影響をもたらすと実感したそうです。
「すべてのママに伝えたいのは、自分のやりたいことをやってほしいということ。やりたいことをやって生き生きしている姿は、周りにもいい影響を与えます。私が笑顔だと家族も笑顔になる。大変だと思いますが、自分の夢や目標をあきらめないで欲しいです」
どんなに家庭がうまくいっていても、時には衝突もあるもの。大沢さんも劇団ひとりさんと折り合いがつかず、半年も口を聞かなかった期間があったといいます。一体どうやってピンチを乗り越えたのでしょうか。
「改まって仲直りするような儀式みたいなものはうちにはなくて。だから仲直りするきっかけもないまま時間だけが過ぎてしまったのですが、ある日彼が『家族でキャンプに行こう』と言い出して。実際に大自然を目の前にしたら、気持ちが切り替わりました。そしたら半年ぶりに彼と会話していました。同じ環境にいたら行き詰まってしまうこともあると思うので、たまには環境を変えるのは大事なんだなと思いました」
「自分のやりたいことや目標に向かいながら、大好きな家族と一緒にいる。それが私にとっての豊かな人生だと実感しています。もちろん、彼や子どもたちの夢が叶うのも嬉しいし、家族の幸せが私の幸せでもあるので、幸せの総量が増えました。もちろん、家族の時間と自分の時間を両立するのは大変だから、ときには他人の力を借りたり、いろんな機器をうまく活用するなど、便利になった今の環境にもっと頼っていいと思うんです。無理は禁物。自分を労れたら家族にもきっと優しく向き合えますよ」