私の働き方&休み方改革!『どんな毎日でも、ご機嫌に生きていく方法』 心の純度に従えば人生は好転する ~フリーアナウンサー 宇賀なつみさん~ 取材_藤田佳奈美 撮影_佐藤将希 ヘアメイク_遊佐こころ スタイリスト_鈴木千春 制作_マガジンハウス

10年間勤めたテレビ朝日を辞め、フリーアナウンサー2年目を迎えた宇賀なつみさん。『報道ステーション』のキャスター時代とは一転、初の冠番組『川柳居酒屋なつみ』では、大好きなお酒を嗜みながらゲストを盛り上げています。また、趣味の旅がコラムになるなど、のびのびとした生き様が仕事につながっているようです。コロナにより新しい時代を迎える今、毎日ご機嫌に生きていくためには。宇賀さんにヒントをもらいました。

“3週間働いて1週間休む”スタイルを確立

──コロナによって時代の流れが大きく変わりました。働き方で何か変化はありましたか?

「2019年の春に10年勤めたテレビ朝日を退社し、フリーになってからは月10日までしか仕事を入れないという“個人的な働き方改革”をしました。今年度は毎月3週間働いて1週間休むというサイクルにしたくて整えてきたので、コロナが来る前から状況的には準備できていたんです。全く影響がないわけではないのですが、時代の変化とは関係なく、自分で変化を起こしてきたところがあります。人によって心地よい働き方は違うので、約2ヵ月の自粛期間は局所的な話ではなく、多くの人や企業にとって働き方を見直すきっかけになったのではないでしょうか」

Profile

宇賀なつみさん

1986年6月20日生まれ、東京都出身。2009年テレビ朝日入社。『報道ステーション』気象キャスターとしてデビュー。2019年フリーランスに転向後、初の冠レギュラー番組『川柳居酒屋なつみ』(テレビ朝日)でMC、『土曜はナニする!?』(関西テレビ制作・フジテレビ系)で司会を務める。コラム、ラジオ多数。

Special Interview NATSUMI UGA

──お酒の番組や旅のコラムなど宇賀さんの好きなことが仕事になっていますよね。自分らしく輝いていらっしゃる姿が印象的です。どのように仕事のスタイルを確立させたのですか?

「事務的なこともすべて自分でやっているため、自分がパンクしないように、最初の4ヵ月間はレギュラー以外の仕事はしないって決めたんです。オファーをいただいても丁寧にお断りしました」

いきいきと仕事をするには“心の純度に従う”

──オファーを断ったら仕事が来なくなるかもしれないという不安はなかったのでしょうか。

「全く不安はなくて楽しみしかなかったです。むしろその4ヵ月間でしっかり理想の働き方を整えられました。とにかく会社員を辞める時に決めたのは、“自分の心の純度に従うこと”。どんなに見え方やギャラが良くても、やりたくないならやらない。どこかに所属する場合、自分の意思だけでお仕事は選べないですが、フリーなら自分でやる・やらないを決められる。そのためにフリーになったので、そこだけは絶対にブレないようにしています。おかげさまで、好きと言い続けたことでお仕事をいただけるようになりました」

Special Interview NATSUMI UGA

毎日の日記で“自分がどうしたいか”を知る

──とりわけ趣味がない人も多い中で、宇賀さんはどのようにして自分の”好き”を自覚してきたのでしょうか。

「私は昔から手帳に日記をつけているのですが、書き込む上で、どこに誰と行ったという“TO DO”より、その時どう感じたかという“TO FEEL”を大切にしています。コロナで人と会わない日々が続いた時は、より自分の内面と向き合うことが増えました。心の声を書き出すと、自分の好きなことややりたいこと、どうありたいかが見えてくるんですよ。また、過去の日記から教えてもらうこともあるし、自分の成長を感じ取れることもある。会社を辞めたのも、日記に思いをしたためていたから決断できたことなんですよね。いつまでも自分らしくしなやかにいたいから、これからもその時の声を聞いてあげたいと思っています」

旅先では“東京の続き”を一切しない

旅先では“東京の続き”を一切しない

────趣味の旅行はひとりで行くことが多いそうですね。ひとりの楽しみ方を教えてください。

「ひとり旅って聞こえはいいかもしれないですけど、できれば人と一緒に行きたいんです。ただ、仕事柄都合が合わなくて、でも我慢するのも嫌で。そうやって自分の心の声に従っていたら、結果ひとりで行くことになっているんですよね。でも、友達と行くとつい東京と同じ過ごし方をしちゃうじゃないですか。ひとりだと100%旅に集中できるし、東京の地続きをしない。すべてが鮮明に記憶に残るんですよね。孤独の方が自分を鍛えられるし、デトックスすることも、インプットすることもできる。それに旅先で仲良くなる人と一緒にご飯を食べたり、交流したり、なんだかんだひとりにはさせてくれないことも多い。それはそれでまた楽しみだったりします」

Special Interview NATSUMI UGA

コロナでも動じず。いい意味で放任なふたり

──コロナ離婚、コロナ結婚などが話題になりましたが、今回の自粛期間で旦那さまとのコミュニケーションや関係性で変化はありましたか?

「結婚して一番一緒にいる時間が長かったですね。でも、仕事やリモート飲みなどでお互いの部屋で過ごすことも多いです。私も彼もひょうひょうと生きているので、お互いのペースで生きることをお互いが許容しています。家事も自分たちができるタイミングでフォローしあっていますね。共同生活のルールもなくて、元気に生きていればOKみたいな。つまり、コロナによって関係性に変化はなくて、相変わらず仲が良いということなんだと思います」

変化を恐れず、前向きに。きっと楽しくなる

変化を恐れず、前向きに。きっと楽しくなる

──宇賀さんのように、公私ともにご機嫌で過ごすための秘訣を教えてください。

「未来は今の積み重ねでしかないから、とにかく今日1日をより良いものにするために、どんなことも経験だと前向きに捉えていくことが大切なんだと思います。心配事は多いし大変な状況は続きますが、その中で一人ひとりができることをやっていくしかない。私もこのコロナ禍で変わったこともありましたが、次の予定に追われる過ごし方からゆっくり過ごすことの大切さを感じ、生活の質が上がって、悪いことばかりじゃないなと。なんであんなに予定を詰めていたのだろうと、今では不思議に思うくらいです。今年も海外へ行くために予定を空けていたのですが、最初はこんな状況になってしまって、どうしようかなと思ったんですけど、空いた予定はあえてそのままにしています。コロナで制約ができたと思うより、その上でどういう風に過ごそうか楽しみにしていて。ゆっくり考えたいですね」