ミュージカルに触れて開いた、役者としての新たな扉 『本気で対峙した“その先”にある豊かな人生』 本質を求め続ける愛すべき役者ばか ~ 俳優 市原隼人さん ~ 取材_オオサワ系 撮影_河合克成(125 inc.) ヘアメイク_大森裕行(VANITES) スタイリスト_小野和美(Post Foundation) 制作_マガジンハウス

市原隼人さんは、何に対してもつねに一生懸命。それが芝居となればなおのこと、一切の妥協をせず、愚直なまでにその役柄と真摯に向き合い続ける。そんな、世間では “アツい男”という印象の強い市原さんですが、今回のインタビューを通じて感じたのは人間としての繊細さや思慮深さ。市原さんにとって初体験となるミュージカル『生きる』への意気込みをうかがいつつ、俳優という仕事について、さらに人生観に至るまで人間・市原隼人を掘り下げます。

初となるミュージカル出演は、すでにわくわくが止まらない

今作の『生きる』がミュージカル初挑戦となる市原さん。オファーをもらったときの率直な感想をうかがうと「どうして自分なのだろう」とひと言。「びっくりしましたね。あと黒澤明監督の『生きる』といえば、誰もが知っている作品ですから、そのミュージカル化第一弾のキャストに選ばれたことはうれしかったです。今までは映画やドラマの現場は経験してきましたが、ミュージカルは初めてである分、それまで自分が試みたことのない表現をしてみたり、セリフの言い回しができると思うのと、何よりそれをこれまでに無かったかたちで、劇場に来てくださるお客さんやファンの方たちに観ていただけると思うと、今から本番が楽しみで仕方ないです」

Profile

市原隼人さん

1987年2月6日生まれ。2001年映画『リリイ・シュシュのすべて』で主演を果たす。その後映画やドラマを中心に、多くの作品に出演している。さらに10月8日(月・祝)よりTBS赤坂ACTシアターで上演されるミュージカル『生きる』(原作=黒澤明)に出演。市原さんにとって本作がミュージカル初出演となる。また、10月26日(金)には映画『あいあい傘』が公開。
http://official.stardust.co.jp/hayato/

Special Interview HAYATO ICHIHARA

この初めてのミュージカルは、自身のテンションも普段のドラマや映画の撮影とはちがうそうです。

「朝起きてすぐに柔軟体操をして発声練習をして、風呂に入っているときも歌って、稽古に行っても歌って、帰ってきたら家でずっと歌い続けて。歌いすぎてイヤになることもありましたが、今では歌とすごく良い付き合い方ができそうだなって思えてきました。最近は気づいたら口ずさんでいるほど、歌が日常に溶け込んでいますね。こんなことは、普段の準備段階ではありえないですよ。いつもより作品の世界観に没頭しているので、僕の中ではこの公演期間中、毎日メロディーの海に心地よく漂っている自分の姿がすでに見えますね(笑)」

何のために芝居をするのか?

そんな、お芝居に対してストイックな市原さんですが、この業界に入った当初はお芝居にあまり興味がなかったのだとか。

「ぜんぜんありませんでしたね。現場でも最初の頃は何度やってもOKがもらえず、1シーンを撮るのに64テイクとか出しちゃうこともありました(笑)。そのときは正直、この仕事は向いてないかもって思っていましたね。こんなことを言っても信じてもらえないかもしれませんが、そもそも子どもの頃は人前に出ることがすごく苦手で、写真を撮られるのもイヤでしたから」

Special Interview HAYATO ICHIHARA

しかし、いつしかお芝居をすることの喜びを感じるようになったそう。それは応援をしてくれる人たちの存在があったから。

「色々な方から応援の声をいただいて、涙が止まらなくなるほどうれしかったです。例えば自分の子どもが不登校になってしまい親子で会話もできなかったけど、僕の出演しているドラマを見てからは会話のきっかけができたとか、あと大きな手術を控えていて怖いけど、僕のお芝居を見て力をもらいましたとか、今もそういった声が自分の原動力になっています。僕が何のためにお芝居をするかといえば、見てくれる人たちのため。それこそが役者として一番大切なことだと、つねに思っています」

“笑わせるんじゃねーよ” で一蹴

ハタから見ると順風満帆な人生ですが、挫折なしでは語れません。それは市原さんも例外ではないですが、市原さんは人よりもある才能が長けている分、今までやってこれているのかもしれないと続けます。

「挫折は毎日していますが、立ち直りが人よりも早いのかもしれません(笑)。落ち込んだらまず考えて、悩みぬいて、とにかく気持ちを落ちるところまで落とすことです。そうすると、あとは上がるしかないって思えるので。またよくやるのは、イヤなことがあると自分自身に対して心の中で『笑わせるんじゃねーよ』って言っています。今抱えている悩みを笑い飛ばしてやるっていうわけでもないですが、そうすると不思議とポジティブになれるんですよね。あとは挫折したときに限らず、つねにもっと明るく楽しい未来があるはずだって思うようにはしています」

Special Interview HAYATO ICHIHARA

“物事の本質”を大事にし続けること

そんな市原さんには、いつかやり遂げたい夢があるそう。

「夢のかたちとしては少し異質かもしれませんが、何に対しても本気で笑って泣いて、くやしがることで、物事の本質を大事にし続けていくことですね。自分が本気で向き合えば、その相手にも本気の感情は生まれるはずですから。それは役者という仕事にも同じことがいえると思うんです。自分がこうして抱く夢を実現させるためには、役者とはどうして生まれたのか、何のためにあるのか、その存在意義と本気で向き合い、忘れないことが大事なのだと思います。自分にはまだその本気度が足りてないんで。とはいえ、いつもどんなに芝居をしていても、結局はすべて作り話、虚像なんですよね。でも、そこにどれだけリアルな感情で臨むかということが大事なわけで。実際、撮影期間中に、気がついたら取り憑かれたように役のリアルな感情を追い求めてしまうときがたまにあります。でもそういうときは自分が怖いと思うと同時に、不思議と幸せを感じる瞬間でもあるんです」

本気で臨むことで生まれる感情こそ大事!

市原さんにとって豊かな人生とは

「二つあるのですが、まず身近なもので、自分にとって最もリラックスするひとときというのが、地元の幼なじみと一緒にバカ話をしたりしているときです。もう子どもの頃から何ひとつ成長していないっていう(笑)。そういう何も考えずに身を委ねることができる何気ないときは、僕にとっては豊かな時間といいますか、人生の魅力を感じる大事な瞬間ですね。

そしてもう一つ。これは人生という大きな時間の中で思うことです。人によってはお金のある人生とか、お金が無くても愛する家族とともに慎ましやかに生きる人生など、豊かさの基準はさまざまだと思うのですが、僕の場合は、さっきも言った通りつねに物事の核心をついて、それが仕事であれ遊びであれ、何に対しても本気で臨むことですね。その結果はどうであれ、本気になることで生まれる感情こそが、これからの人生を豊かにするのだと思います」 <衣裳協力>
シャツ ¥24,000 (wjk/wjk base TEL 03-6418-6314)
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