サッカー界屈指の名ディフェンダー長友佑都の『食事革命』トップアスリートの実践レポート〜 食べて作る超健康ボディ 〜

2018年1月までイタリア・セリエAの名門チーム、インテルで活躍した長友佑都さん。2015シーズンに度重なるケガなどで、選手生命の危機に立たされていました。そこからできることを実践しようとして取り組んだのが、食事の見直しです。その結果自己のパフォーマンスを十二分に発揮できるようになったそうです。今回は実際に長友さんが1日に3回ある食事に対し、どう向き合いどんなことを実践していったのかをまとめてご紹介します。

食事でカラダが劇的に変わる!

長友さんは30歳を目前に控えた2015シーズン、肩の脱臼や右太腿の屈曲筋の負傷などで満身創痍の状態でした。カラダのキレもいまひとつで、パフォーマンスも低かったそう。そのためレギュラーも取れず、移籍の噂も出るなど、まさに選手生命の危機でした。そんなときピッチ外でのコンディションを整えること、そう食生活を整えることに思い当たったそうです。食事を武器にするため、カラダづくりを根本から見直した結果、今の高いパフォーマンスが保てるようになったのです。

Point01

30歳を機に食事を
見直し食べることを
武器にする

イタリアに移籍してからは、外食が多く、体重と体脂肪が増えてしまったという長友さん。そこから姉の麻歩さんに食事を作ってもらうことで食を見直し、さらに管理栄養士の石川三知さんにその食事をチェックしてもらったのです。石川さんの話では一般人としてはいいが、アスリートとしては武器になるカラダが作れないと指摘されました。そこから朝食ではカラダの代謝を促すビタミン類を摂取したり、試合前にはカラダの酸化を防ぐ、フレッシュなビタミンを摂ることを心掛けたり、徐々にバランスを考えた食事を心がけるようになりました。

Point02

食事革命の要

長友さんの食事革命の最大の肝といえるのが、糖質制限です。これはカラダの主なエネルギー源である糖質と脂質のうち、前者の20倍もの量を体内に蓄えられ、エネルギー効率のいい脂質をエネルギー源として活用したかったから。もちろん脂質だけをエネルギーにするだけではアスリートはエネルギー不足に陥るので、適度に糖質(炭水化物)も摂取し、血糖値をコントロールするようになりました。それにより、試合の途中にスタミナ切れをおこすこともなくなり、パフォーマンスも向上したのです。

糖質コントロールのため、主食を玄米に替える

糖質制限中のメニュー。白米よりもエネルギーに変換されやすい玄米は食物繊維も豊富なため、吸収も穏やか。よく咀嚼することも大事だそう。

Point03

油と食材で鍛える血管

どんなに気をつけていてもアスリートにケガはつきもの。長友さんもロシアを目指した世界大会予選の序盤戦ではケガによる離脱が多くなっていました。そこで見直したのが食材や油脂の質を選ぶことによる血管のケア。栄養を含んだ新鮮な血液をケガの患部に送り届ければ、ケガの回復も多少は早くなります。現在も長友さんの専属シェフを務める加藤超也さん指導の下、DHAやEPAといった血液循環を促すオメガ3系の脂肪酸を含む青魚やマグロなどの魚メニューを増やし、プラスαとしてオメガ3系のα-リノレン酸が豊富なアマニ油も積極的に取り入れているそう。

食事改革はアスリートだけのモノじゃない!

長友さんはこう語ります。食事革命はアスリートのためだけのモノじゃありません。例えば、ビジネスパーソンでも、日々の疲れをその都度リカバリーすることで仕事の効率もアップするし、間違ったダイエットを実践している女性も、食事に気をつけることでカラダに負担をかけずに、効率的に体重を落としたり、食事の改善で肌質も良くなります。ストイックにやる必要はありませんがそれらを意識するだけで、必ず結果はついてきます。食事を見直すことで生活習慣病や成人病に罹るリスクも減らすことができるのです。ぜひ、意識してみましょう。

長友佑都の食事革命

長友佑都 著  定価 ¥1,512(税込)

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サッカー界屈指の名ディフェンダーである長友佑都さん。雑誌『ターザン』誌上で、2016年6月から1年間にわたり連載した『長友佑都の食事革命』をまとめた一冊。連載のほか、二人三脚で「食事革命」に取り組んできたイタリアンのシェフ、加藤超也さんとの対談をはじめ、長友選手の最新1週間メニュー、加藤シェフの特別レシピなど盛りだくさんの内容でお届けする。