人生で一番大切なお買い物 『新居来訪』 憧れのマイホームが出来上がるまで ~連載(2):角山夫妻邸~

ほとんどの人にとって住宅購入は人生で一番大きな買い物。お値段はもちろん、通勤時間からインテリアの好みまでその決定までの道程には小さなドラマがたくさん。絶対失敗出来ないからこそ、リアルな話に耳を傾けたい。そんな期待に応えるべく、実際の購入者に密着して物件検討~購入~受け渡しまでのプロセスをドキュメント。

緑豊かな環境を楽しむ

リノベーション前提で中古マンション物件を探した角山夫妻。半年がかりで出会ったのが、小田急線生田駅から歩いて7分の場所に立つ、築15年のマンションだった。「自然に恵まれた環境と、勤務先への通勤時間。その折り合いがちょうどつく場所が生田だった感じです」と振り返る洋平さん。絵美さんは「ここは、すぐそばに公園もあって、緑が豊か。二人とも気管支系が弱いので、空気のきれいな郊外に家を買いたいと思っていたので、生田はぴったりでした」と微笑む。

Profile 角山洋平さん・絵美さん

共通の友人主催の音楽イベントで知り合い、お互いはじめて会った時から結婚相手に出会ったというような思いで半年を過ごし、その後入籍、挙式。賃貸マンションの更新を控え、住宅購入をうっすら意識。マンションのチラシを見て「ちょっと近所だし覗いてみよう」といった流れから、妻がすっかり住宅探しにはまり、スロースタートで夫も興味が追いつき、今や興味はマンション事情や都市開発、街づくりへと広がっている。人生の見方さえ変えた住宅購入。

設計事務所提案の3案から
プランを選ぶ

リノベーションにあたっては、リノベーションサービス会社であるリビタの飯田さん、設計事務所CAMPSITEのインテリアデザイナー・勝又みずきさんと一緒に、実際に現地の物件を見るところからスタート。「勝又さんにお願いしたのは、しっかりと話を聞いてくれて、こちらの要望に耳を傾けてくれる姿勢が良かったから」と話す夫妻。その後、勝又さんからリノベーションプランが3案提案されたという。「平面図だけでなく、スケッチも描いてくれたので、イメージがつかみやすかったです」。その3案から角山さん夫妻が選んだのは、LDKに書斎を併設するプランだった。

Profile 角山洋平さん・絵美さん

共通の友人主催の音楽イベントで知り合い、お互いはじめて会った時から結婚相手に出会ったというような思いで半年を過ごし、その後入籍、挙式。賃貸マンションの更新を控え、住宅購入をうっすら意識。マンションのチラシを見て「ちょっと近所だし覗いてみよう」といった流れから、妻がすっかり住宅探しにはまり、スロースタートで夫も興味が追いつき、今や興味はマンション事情や都市開発、街づくりへと広がっている。人生の見方さえ変えた住宅購入。

新居来訪

リビング+和室をリビング+書斎に

元の間取りは、LDKに和室と寝室という2LDK。寝室以外はスケルトン状態にしてのリノベーションながら、LDKの間取りはそのまま踏襲することに。「角部屋なのでLDKのどこにいても窓から外が見えるところが気に入ったので、良いところはそのまま踏襲しました」(洋平さん)。一方、リビングと襖でつながる和室は大きく変更。襖の部分に新たに壁をつくり、書斎にした。

BEFORE和室

LDKと襖の開閉で間仕切りする和室。リビングが十分に広いこともあり、壁を設けて個室にすることにした。

オーダーメイドのリビングボード

光あふれるリビングは、新居の主役。リビングに新たに設けた壁には、オーダーメイドの収納を造作し、壁の向こう側は洋平さんの書斎とウォークインクローゼットを設けた。リビングの主役は、二人がゆったり座れるソファ。「ここでくつろぐ時間がお気に入り」と夫妻は微笑む。床には無垢のオーク材のフローリングで統一することで、LDK全体に広がりが感じられるようにしている。

音楽好きな夫妻のために

造作の棚は、音楽が趣味の夫妻のコレクションであるレコードやCDを収めやすいように計算してつくっている。

料理が楽しいキッチンに!

もともとはセミクローズドタイプだったキッチンは、ステンレス製のフルオープンタイプに変更。料理上手な洋平さんが使いやすいキッチンを追求した。背が高い洋平さんに合わせてカウンターを高くしたり、キッチンの窓側のニッチにパントリーを設けるなど、勝又さんと相談しながら、きめ細かい設計を行ったという。

BEFOREキッチン・ダイニング

窓が多く採光十分ながらも、ダークな色調のフローリングのためにやや重たいイメージ。床や壁を変えることで、思い切ってイメージを一新。

こだわりを詰め込んだキッチン

明るい色調の無垢の床材やナチュラルな質感の家具の効果で、空間自体が軽やかなイメージになった。キッチンの壁面には、絵美さんが選んだお気に入りのタイルを貼ってアクセントに。インテリアを担当したのは、主に絵美さん。「毎週のようにショールームをまわって、タイルや設備を選んだり、家具や照明を選んだり・・することが多くて大変でしたが、とても楽しく充実した時間でした」

AFTER LDK

新たに購入した家具は、ソファ(モモナチュラル)、ダイニングチェア(ACTUS)、スツール(ギャラップ)、ランプ(qualia-glassworks)など。

引っ越しでライフスタイルにも変化が

物件の購入からリノベーションが終了するまでは約3カ月。7月に新居に引っ越した夫妻は、「住み始めたとたんにしっくりなじんで、自分の家という感じがしました」と微笑む。そして、新居で暮らし始めてからライフスタイルにも変化があったという。休日は外出することが多かった絵美さんは、居心地の良さから家でのんびり過ごすことが増えたという。一方でインドア派だった洋平さんは、早起きして近所を散歩するなど、アクティブになったと笑う。「まわりには林がたくさんあったり、鳥の声が聞こえたり。この場所を、この家を選んだことに満足しています」と話す夫妻の言葉が、新居での充実した暮らしを物語っていた。

新居来訪