2002年度経済見通し

構造改革の正念場を迎える日本経済

6物価

デフレ傾向は2001年に入ってからの世界的な現象であり、景気の減速とともに夏以降の国際商品相場は2桁ベースで下落している。ただ、国内卸売物価は消費税の引上げのあった97年度を除いて、92年度以降マイナスが続いている。消費者物価は、99年度、2000年度と連続でマイナスとなった。なお、 2001年8月に95年から2000年への基準改定が行われ、新たに調査対象に加わったパソコンや牛どんの値下げの影響もあり大きく下押ししている。こうした動きは、需給ギャップが拡大していることによるデフレ現象が基本にあるもののそれだけではない。つまり、家電・小売り・外食などで起こっている価格低下はダンピングではなく、生産や流通の合理化あるいは中国などからの開発輸入の促進によっての要因が過半を占めている。従って、高コスト体質の経営が消費者の価格選好を通じたマーケットメカニズムによって徐々に是正される過程にあると言える。物流・電力・医療費などは依然割高な状況にある。一方で、所得の伸び悩みが続く見通しにあることとも相まって、物価の下落は当面続くことになろう。

卸売物価指数(前年比)(95年=100、%)

ウェート

97年度

98年度

99年度

‘00年度

‘01年度 (予測)

‘02年度 (予測)

国内卸売物価

792.86

1.0

-2.2

-0.8

-0.1

-1.1

-1.0

輸出物価

119.35

1.5

-0.9

-9.4

-2.6

3.2

2.2

輸入物価

87.79

2.4

-6.6

-5.1

5.6

5.2

2.4

総合卸売物価

1,000.00

1.2

-2.5

-2.4

0.2

0.0

-0.3

消費者物価指数(前年比)(2000年=100、%)

ウェート

97年度

98年度

99年度

‘00年度

‘01年度 (予測)

‘02年度 (予測)

消費者物価

10,000

2.0

0.2

-0.5

-0.6

-1.0

-0.7

5,079

1.7

-0.1

-1.0

-1.1

-1.7

-1.2

サービス

4,921

2.4

0.5

0.0

0.0

-0.2

-0.2