表記について

読み方について

男の子は『碧』ちゃんが調査開始以来初のトップ!
女の子は『陽葵』ちゃんが2年連続3回目のトップ!

2023年生まれの名前のポイント(サマリー)

2023年は、物価高騰や円安などの経済不安に加え、長引くロシアのウクライナ侵攻や中東などの国際情勢、加速する国内外の気候変動など、将来への不安を感じさせる年となりました。
一方で、新型コロナウイルス感染症については、5月の感染症法上の分類変更により、2020年から3年あまりにわたって人々の生活を大きく変えることとなった「コロナ禍」が収束、「アフターコロナ」の世界へと移行した年ともなりました。分類変更に伴い、行動制限が撤廃され、人と会う機会や外出する機会が増えたり、海外からの観光客の姿が見られたりと、再び活気のある様子が戻ってきました。このように、将来への不安がありながらも、一つの大きな困難を乗り越え、社会が前に進んだことが実感できた年となりました。

そうしたなか、「2023年生まれの名前(表記)」は、男の子は『碧』ちゃん・女の子は『陽葵』ちゃんがトップとなりました。『碧』ちゃんは、調査開始以来初めてのトップとなります。

「碧」の字からは、抜けるように澄み渡ってキラキラと輝く空や海、また美しい宝石を連想させます。キラキラと輝く未来を、澄んだ心を持って歩んでほしい、という願いが感じられます。

「陽」「葵」の字からは、「向日葵(ひまわり)」のように、明るく前向きな印象を受けます。太陽に照らされながら、前向きに歩んでほしい、すくすく成長してほしいという願いが感じられます。

『碧』ちゃん・『陽葵』ちゃんとも、将来への不安がありながらも、一つの大きな困難を乗り越え、社会が明るい方向に進んで希望が見えた世相を反映しているのかもしれません。まさに名前は、時代を映す鏡でもあります。

男の子の名前トップ3のポイント

男の子の名前は、『碧』ちゃんが調査開始以来初めてのトップとなりました。

『碧』ちゃんの「碧」の字は、「緑がかった青色」を指します。「碧空」「碧海」に使われるとおり、青くキラキラと澄み渡って壮大な印象を受けます。また、「あお色の美しい玉」という意味を持つことから、海や草など自然に近い、落ち着いた色の美しい宝石を連想させます。わが子の将来が、空や海、そして美しい宝石のように、澄み渡ってキラキラと輝くものであってほしい、という願いや、澄んだ心を持ってさまざまなことに目を輝かせる子になってほしい、という願いが感じられます。

【Topics】ワールドカップでゴールを決めた「田中碧」選手らの名前の人気が急上昇!

FIFAワールドカップ2022カタール大会で、ジャイアントキリングを果たしたスペイン戦でゴールを決めた「田中碧」選手の『碧』ちゃんが1位(昨年4位)に!また、ドイツ戦・スペイン戦でゴールを決めた「堂安律」選手の『律』ちゃんが4位(昨年25位)と、大きく順位を上げてベスト10入り!日本中を沸かせたあの興奮が、子供の名付けにも影響か!?

2位には、『陽翔』ちゃんがランクインしました。日の光を意味する「陽」、飛び立つ様やスケールの大きさを意味する「翔」の字を組み合わせた表記となっており、2つの字から、快活で明るい印象を受けます。どんなことも前向きにチャレンジしてほしい、という願いが感じられます。

同2位に、『暖』ちゃんがランクインしました。「暖」の字は、あたたかく穏やかな印象に加え、「あたためる」という意味を持つことから、優しさや包容力を連想させます。

女の子の名前トップ3のポイント

女の子の名前は、『陽葵』ちゃんが2年連続3回目のトップとなりました。

『陽葵』ちゃんの「陽」の字は、日の光を意味します。そして「葵」の字は、「太陽の方向を向く植物」という意味を持ちます。2つの字を組み合わせた「陽葵」という表記や、「ヒマリ」という主な読み方から、まさに「向日葵」を連想させる名前です。「向日葵」の、太陽に向かってすくすくと成長する姿から、コロナ禍という一つの大きな困難を乗り越えて、明るく前に進んできた社会が想起されます。将来への不安があるなかでも、明るく前に進んでいってほしい、という願いが感じられます。

また、『陽葵』ちゃんは、2019年(令和元年)以降、5年連続でトップまたは2位となるなど、上位に名を連ねています。改元から今日まで、経済不安やコロナ禍をはじめ、先行きに不安を感じる新時代となりましたが、そうしたなかでも、一つ一つ困難を乗り越え、明るく、前向きに、すくすくと育ってほしい、という願いが感じられます。『陽葵』ちゃんは、令和初期を象徴する名前と言えるかもしれません。

2位には、『凛』ちゃんがランクインしました。鈴のようなかわいらしい音の響きでありながらも、凛々しく力強い印象を受けることから、かわいらしく、そして強く生きてほしい、という願いが感じられます。

3位には、昨年30位から大きく順位を上げて『紬』ちゃんがランクインしました。コロナ禍の収束により人との距離が縮まっていることを背景に、人とのつながりを連想させる名前が人気なのかもしれません。

空や海などを連想させる漢字を使用した壮大で清々しい名前が人気!

男の子の名前は、自然にちなんだ漢字、とりわけ空や海を連想させる漢字を使用した名前が多くランクインしており、人気となっています。ベスト10でみると、8つもの名前が該当しています。漢字でみると、特定の字「陽」「颯」「蒼」「湊」「碧」に人気が集中しています。

空や海からは、情景や体験から、壮大で清々しい印象を受けるとともに、雄大さから、包容力も感じられます。空や海のような子に育ってほしい、という想いを込めているのかもしれません。

ベスト50にランクインした空や海を連想させる漢字を使用した名前(男の子)

名前

順位

(昨年順位)

第1位

(第4位)

第2位

(第4位)

(第9位)

第5位

(第1位)

第6位

(第4位)

第8位

(第1位)

(第4位)

(第17位)

蒼空

第11位

(第14位)

(第16位)

第15位

(第28位)

第16位

(第14位)

第19位

(第28位)

第21位

(第28位)

(第28位)

(第12位)

(第52位)

第31位

(第46位)

第36位

(第52位)

(第40位)

(第34位)

(ランク外)

(第18位)

(第34位)

第42位

(ランク外)

(ランク外)

第50位

(第20位)

(第70位)

男の子の使用漢字は「翔」が3年連続でトップ!

男の子の名前に使用されてる漢字のトップは、3年連続で「翔」となりました。次いで、2位「斗」3位「陽」となっています。

「翔」「斗」は主に、止め字として使用され、「ト」と読まれます。2020年に、トップを維持し続けた「太」を「斗」が抜いて以来、「翔」「斗」が人気を博しています。「翔」を止め字に使用している名前は121種(『陽翔』ちゃん、『結翔』ちゃんなど)、「斗」では108種(『湊斗』ちゃん、『碧斗』ちゃんなど)、一方で「太」では68種(『颯太』ちゃん、『陽太』ちゃんなど)と、人気が「…タ」ちゃんから「‥ト」ちゃんへと変遷してきていることが、使用漢字から伺えます。

とは言え、使用漢字の4位に「大」、5位に「太」がランクインしており、「…タ」ちゃんといった名前の止め字として、多く使用されるなど、根強い人気を誇ります。今後のランキングにも注目です。

人とのつながりを連想させる漢字を使用した優しい名前が人気!

女の子の名前は、人とのつながりを連想させる漢字を使用した名前が多くランクインしています。ベスト10でみると、絹糸をつむぐという意味を持つことから、人と関係をつむぐイメージのある『紬』ちゃん(3位)、人との「結」びつきを連想させる『結愛』ちゃん(4位)、愛をストレートに表現している『愛』ちゃん(9位)がランクインしています。特に、「結」を使用した名前は3つランクインしており、これは、東日本大震災直後の2012年・2013年、そして、新型コロナウイルス感染症の影響により初めて緊急事態宣言が発令され、人との距離が生まれた2020年に次ぐ数となっています。

これまで、分断により人との結びつきが意識された年に、こうした名前の人気が上昇してきました。2023年は、新型コロナウイルス感染症の分類変更に伴い、人との距離が縮まり、改めて対面での人とのつながりが意識された年だからこそ、こうした優しい名前が人気となったのかもしれません。

ベスト50にランクインした人とのつながりを連想させる主な漢字を使用した名前(女の子)

「結」

名前

順位

(昨年順位)

結愛

第4位

(第8位)

結菜

第5位

(第4位)

結月

第9位

(第20位)

結衣

第29位

(第36位)

心結

(第26位)

「愛」

名前

順位

(昨年順位)

結愛

第4位

(第8位)

第9位

(第36位)

乃愛

第29位

(第13位)

愛茉

第39位

(第54位)

叶愛

(第68位)

莉愛

第43位

(第45位)

「紬」

名前

順位

(昨年順位)

第3位

(第30位)

紬葵

第17位

(第60位)

紬希

第29位

(第23位)

過去、ベスト10にランクインした「結」を使用した名前(女の子)

名前

順位

2012年

結衣

第1位

結菜

第3位

結愛

第4位

美結

第9位

2013年

結菜

第1位

結衣

第3位

結愛

第5位

美結

第9位

2020年

結菜

第4位

結愛

第5位

結月

第7位

結衣

第10位

女の子の使用漢字は「愛」が2年連続でトップ!「結」が初めてトップ3入り!

女の子の名前に使用される漢字のトップは、「愛」が2年連続でトップとなり、また、上位常連の「愛」「花」「莉」「菜」「奈」が14年連続でベスト10入りと、不動の人気となっています。

そうしたなか、「結」が3位となり、初めてトップ3入りとなりました。今年の名前(表記)では、人とのつながりを連想させる名前が人気となっており、使用漢字からもその傾向が伺えました。

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